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DMM.com Groupが伝授! ROI最大化のためのデジタルマーケティングの勘所(全2記事)

2017.12.25

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過去の結果を目標にしても意味がない 未来予測で最適化する、DMM流マーケティングの真髄

提供:株式会社DMM.comラボ

2017年12月7日に開催された、マーケティング担当者が一堂に会するイベント「Marketing Special DAY 2017」。デジタルマーケティングに携わる企業が集結し、自社の最新事例や知見を共有しました。株式会社DMM.comラボの髙木一輝氏は「DMM.com Groupが伝授! ROI最大化のためのデジタルマーケティングの勘所」と題して講演を行いました。本パートでは、自身の経歴からDMM入社後に手掛けたWebマーケティング手法や体制について解説しました。

DMMのマーケティングの秘密

髙木一輝氏(以下、髙木):みなさん、こんばんは。ただいま紹介にあずかりました、父・ノリカズ、母・ユキコから生命を授かりました、髙木一輝と申します。よろしくお願いいたします。

「DMM.com Groupが伝授! ROI最大化のためのデジタルマーケティングの勘所」ということで大それたタイトルをいただきまして。

両親に感謝しながら資料を作っていたんですけれども、両親のなれ染めを話していると45分が終わってしまうので、いったんそこは端折ってビジネスに向き合った内容にさせていただきたいと思います。

まず、我々が運営しているサービスについて説明をさせていただきます。みなさんご存じだとは思いますが、DMM.comはデジタルコンテンツ配信を中心とした総合エンターテイメントプラットフォームです。

主に男性が80パーセント、女性が20パーセントに愛され続けて、来年で20周年を迎えます。

ここ数年はWebサービスに留まらず、ものづくりなどの先進事業への投資や企業買収もしています。先日もCASHさんの件で世間を賑わせたんですが、そういったことをやったり、アフリカやベトナムなど、グローバルを視野に入れたリアルの事業展開なども行っていて、多角的に事業をスケールしている状況です。

会員数は2,500万人を超えて、WebサイトのPV数は月間25億PVに上っています。社員数も、半年ほど前は2,800人くらいだったんですが、今は3,200人ほどを石川県と東京で抱えているという状況です。

事業の立ち上げに関しては、対象とするマーケットでナンバー1になるというストーリーに対して、より速いスピードで実行して、「それをそのまま進めるのか撤退するのか」ということをだいたい3ヶ月〜1年ほどで見極め、さらに投資するのか撤退するのかを決めています。

集客やPRにおけるマーケティングに関しても、高速度の運用と、そのマーケットに対する最大投資を根底に行っています。

私が言うのもなんですが、先日のCASHの件もそうですし、nana musicさんなども買収していまして、だいたい月に4回ぐらいは「この会社やばいな」といつも思っています。

広告やPR系のお取引先様だと、だいたい3日に1回ぐらい「この会社やばいな」と思われるということだったので、今後の展望にも期待していただければと思っています。

そんなDMM.com Groupの広告の話をしても札束の暴力に聞こえてしまう場合が多いので、入社5年間で私がなにを考え、組織をどう成長させてきたか。それを踏まえて、DMMとは別で「これからのマーケティングとはなにを考えていくべきなのか? どう変化していくか?」ということをお話しさせていただければと思います。

高卒で内装職人からキャリアをスタート

まず、改めて自己紹介をさせていただきます。

少々プロフィールが長いですが、来場されている方々のリストを見た時に代理店様やベンダー様がいらっしゃったので「DMMのWebマーケティングのトップはどういう人間か?」というところにも興味を持ってほしいと思いまして、少し長めに取ってみました。

私は、DMM.comラボという会社に所属しています。よく「DMM.comとDMM.comラボってなにが違うの?」と言われるんですが、基本的には組織としては一緒です。DMM.comラボ社というのは、DMM.comのシステムやインフラ、あとはマーケティングもそうなんですが、そういったバックヤードの機関を運営している会社です。

DMM.com社については、コンテンツの仕入れをしたり、営業したり、あとは事業形成といったところで分かれています。私は、そのDMM.comラボ社のマーケティング本部のWebのマーケティングの責任者をやっています。

恥ずかしながら、最終学歴は高卒でしてマーケティングの勉強は一切してきませんでした。小中高はずっとサッカーをしていまして、高校の時は監督兼コーチ兼キャプテンみたいな、『SLAM DUNK』でいう翔陽の藤真健司みたいなことをやっていました。

当時から遊びすぎていて進学もまったく考えていなかったんです。そこから、アルバイトでやっていたこともありまして、内装職人になりました。内装職人にもいろいろあるんですが、僕やっていたのがいわゆる床上げという作業です。

床上げというのは、OAフロア、オフィスの床の下に配線を通す、そういう構造を作る仕事です。この床を朝から晩まで延々と敷くということをやっていました。

この会社にいた時、19歳の誕生日の1週間前だったんですが、社長一家が突然夜逃げしまして、急に無職になってしまいました。当月の給料も未払いがあり、生まれて初めて本気の泣き寝入りをした経験があります。

そのあとの1年間は、日雇いのアルバイトなどをしていたんですが、そこの日雇い派遣の営業に誘われて日雇い派遣会社に行きました。ご存じない方もいらっしゃると思うので、一応資料を作ってきました。そんなに真剣に見ていただかなくていいんですが(笑)。

基本的に、派遣企業から僕が物流会社に出向して、そこでクライアントから作業の発注をいただく。自分たちの会社の作業員を雇って、僕は運搬会社や施工会社の現場管理をしているという感じになります。大きい大学や市役所の移転などもやっていました。

その頃、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、日雇い派遣業界では不当な利益搾取が横行していまして、国からメスが入るタイミングがありました。大きく業界全体で利益構造が変わるという話があったので「この業界で生きていくのはしんどいな」と思いました。

当時は2008年だったんですが、サイバーエージェントさんがIT業界の中で台頭していまして、話題の中心にいました。それで「IT業界かっこいいな」と思い、たったそれだけの理由で転職に踏み切りました。

当時、ITという言葉がなにを指しているのかまったく知らなくて、「とにかくシステムなのかな」とか「Webなのかな」みたいな、そんな感じで転職活動をしていました。その時に縁あって、今年の初めIPOを果たしたネットマーケティング社に入社しまして、Webマーケティングの人生をスタートさせました。

誕生日軸でたいへん恐縮なんですが、24歳の誕生日に宮本社長、長野取締役、そして当時営業マネージャーだった松本取締役の3人に囲まれて面接したことを覚えています。今考えると異常な空間でした。

そしてIT業界へ

ネットマーケティング社時代、IT業界に入って感動したことが3つありました。

まず、Excelの高さと幅が変えられたり、文字に色をつけられるとか大きさ変えられるとか、これはすごいなと思って。僕、前職でもExcelを使っていたんですけど、ある程度決まったテンプレートに打ち込んでいるだけだったので、このExcelの自由度を知って、すごいなと。

さらにPowerPointもすごいと。自分の好きなように資料が作れてしまう、非の打ち所がない神ツールだと思っています。

あとは職人をやっていた時はいわゆる曜日がまったくありませんでした。月曜日から日曜日まで全部仕事で。そんな状況だったので、金曜日の夜ってはしゃいで大丈夫なんだ、ということに気づかされたのが一番感動しましたね(笑)。

(会場笑)

その時は完全にアフィリエイト広告専業代理店という感じで、広告主が言った成果報酬金額に対して想定件数を算出して、それを実行して、未達で怒られて、ASP運営企業と傷を舐め合う、みたいな日々が延々と繰り返されていました。

この会社に4年ぐらいいまして。私は証券やクレジットカード、ローンや保険というような、大手ファイナンス系のプロモーションの担当をしていました。

実績もそれなりに積んで、プレイングマネジメントもしていたんですが、クライアント側が考える集客はアフィリエイトだけではありませんでしたし、Web広告の幅をもう少し広げていきたいと思い、大手金融グループのハウスエージェンシーに転職をしました。これが6年前のことです。

代理店を経てDMMに転職

これは当時の代理店の状況です。

代理店って、広告効果測定ツールをソリューションに「このツールを使うならうちで全部広告やるよ」とか、あとはツールはないんだけど「体力で勝負するぞ」「手数料削るぞ」みたいな、大きくこの2つしかありませんでした。代理店数もすごく多かったので、クライアント側もどんどん代理店を移行して、かなり代理店が疲弊した時代でした。

そんな代理店から事業会社へポジションを変えた理由は2つあります。1つは、重要視する目的、ミッションやビジネスを形成するベクトルみたいなものが、広告主と代理店でかなり乖離があったところに憤りを感じていました。

もう1つは、広告主とベンダーの仲介にいることで、自身のアクションや時間にかなり制約が生まれていました。「もう少しは自分できるぞ!」と思っていたんですが、パフォーマンスを最大限発揮できなかったという思いが大きかったです。

当時のWebマーケティングの情報やスキルなどは代理店にすごく詰まっていたんですが、まったくと言っていいほどプロモーションに対する主導権がありませんでした。

なので、もう少し上流からWebマーケティングに携わりたいと思いました。当時、DMMのプロモーションもやっていたんですが、その当時からスピード感があり、圧倒的な資金力を持っていたので、DMM社に行くことに決めて今にいたっています。

今、入社して約5年経つんですが、環境やメンバーにすごく恵まれたこともあり、当時は恵比寿に本社がありまして、恵比寿と石川を合わせてマーケティングの人間は30名ぐらいでしたが、ここ5年で100名弱くらいまでスケールさせることができています。

というわけでプロフィールが長くなってしまいましたが、DMM社のWebマーケティング組織がこれまでやってきたこと、そしてデジタルマーケティングに移行するための考え方と実績について。

そして、DMMにとらわれず、「現代のマーケターがこれからなにを見て、どんなアクションしていくことが求められているか」ということをテーマに進めていきたいと思います。

Webマーケティングで重視している3つの要素

まず、デジタルマーケティングを視野に入れる前に、Webマーケティングはマーケティングの基礎や土台になっているセクションなので、ここの整備が一番優先度が高いと考えています。そこで、実際に実行してきたことをお話しさせていただきます。

私が現代のWebマーケティングにおいて構成として重要視しているのが、「KPI定義」「クリエイティブ」「データマイニング」という3つの要素です。

Webマーケティング=広告集客手法、マーケティング=広告、という方程式は以前は当たり前でした。弊社の考え方は、いわゆる年度の実績から「このCPAでこの事業をやれ」という感じに落とし込んで「CV数はこのくらい取ってこい」「前回より成長させろ」みたいな、それが達成できるかできていないか、という評価指標を持っていました。

その条件下でどれだけ獲得できるか、という広告運用をしていました。いわゆるCPAが高いか安いか、CVが獲れるか獲れないか。そのKPIでしか運用ができていませんでした。WebマーケティングのKPIとして当時は当たり前だったんですが、KPIを根底から作り変える。これをやってみたいと思っていました。

CPA試算のロジックがはっきり定義づけられていなくて、現在どの程度の単価感で獲得をしていくか、というところに妥当性がありませんでした。そこが曖昧だったので、そこをちゃんと作って、現在のマーケットに適正な価格で最大限投資できる。そういう環境を作ろうとしました。

俗に言うROIを指標にしようね、という話なんですが、やはり今でもCPAが合っている・合ってない、CVが上がっている・落ちているという部分で広告評価をしている方々もまだまだいらっしゃると思うので、そういう意識はまだまだなくならないとは思っています。

CPA、CVというのは結局は過去の結果論です。過去の結果論を目標にすると、そもそもマーケットを拡大したり伸ばしていったりということができなくなってしまいます。

そうした矛盾にも少し憤りを感じていたので、直していきたいという思いがありました。

新興市場のマーケティング戦略

5年前、僕はオンラインゲームのプロモーションを担当していました。当時、デジタルコンテンツの会員獲得の市場相場は500円ほど。アフィリエイト広告のみで集客をしていました。これはアフィリエイト広告を指定したわけではないんですが、「市場相場以上の単価を払う必要ないよね」という、そういう論理でした。

当時、ゲームはガラケーとPCで展開していて、スマートフォンは少し遅れていました。新興マーケットになるはずなのに最大限の投資がマーケットにできていなかったので「なんでアフィリエイトだけなの? もっと広告ってあるよね」ということで、実際に広告で獲得してきた人の課金動向を半年ぐらい調べてみました。すると実際利益で見てみると2,500円でした。

これは近しい数字ということでぼかしているんですが、2,500円ぐらい利益が出ていました。これは稼ぐことよりもマーケットを広げていかなければいけないはずなのに、行き場のない2,000円が生まれてしまっているんですね。

2,500円あれば、当時はコントロールしにくかったもの、IMPを大量に保持するアドネットワークなどに投資ができたので、いったんこれを指標にしてやってみようということで実行しました。

結果論として出たCPA試算。これは結果論なので、それが本当に当てはまるのかどうかは正直わからなかったんですが、実行してみるとこれが成功しまして。

ROIベースの先行投資型の考え方なので、初月は広告費が売上を大きく超えてしまうという事態が起きました。2ヶ月目以降にはちゃんと想定通り売上と利益が上がってきたんですが、その結果が出るまでは正直眠れない日々が続きました。ですが、2ヶ月目にはなんとか盛り返したので「これは正しい」ということに気づきました。

これを続けていくと、もっとディテールの部分で考えられることが見えてきました。アドネットワークのサービサーや、広告面ごとのROIにそれぞれ特徴が出始めまして。CPAを目指すというところは大事なんですけれども、基本的には流入チャネル、広告だったりオーガニックだったり、そういうものを評価する指標として、CPAを見るようになったんですね。

CPAとして評価が高いチャネルにはさらに投資しました。もちろんリソースもかけられますしお金もかけられます。評価が低いチャネルはそのラインまで下げていくということを運用方針にしました。これによって、投資に対するロジックが形成できました。

なので、CPAが合わないから出稿しないとか、CVが獲れないから出稿しないという判断軸を、将来的な利益ファースト、つまり「この事業でどのぐらいお金が稼げるのか?」という、出稿すべき広告に出稿すべき金額で投資するという軸に変えることができました。

さらに「CPAが安いから良いよね・悪いよね」「CV数が多いよね・少ないよね」という、CPAが安かったりCV数が多いことが一概に正義という、そういう感覚もマーケット上にあったので、そういった定説を覆せるようになりました。

データマイニングでPDCAを高速化する

次にデータマイニングによるPDCAの高速化です。各チャネルのROIを可視化できても、その結果をもってエントランスの単価に落とし込んでるとPDCAが速く回っていきません。「半年も待つの? 1年も見るの? 2年も見るの?」という話になってしまいます。

反面、ROIの対象時間軸、もちろん1ヶ月で見るよりも半年で利益を見たほうがエントランスに使える金額は増えるので、エントランスを握っている人間はどうしても長く取りたいという、ニーズの相反が生まれていました。

これはどちらも正しいんですが、この相反をなんとか埋められないかと思って取り組んだのが、ユーザーの課金動向をできるかぎりセオリー化すること。つまり、過去の実績から未来予測ができるような、そういう環境が作れないかと思っていました。

初月の購買利益金額、1ヶ月目に生んだ利益金額が2ヶ月目3ヶ月目以降に初月比でどの程度減少していくのか、実績をすべて洗い出しました。これによって初月利益金額比を固定係数化していって現在の広告や結果に当て込んでいくことにしました。

これはDMMがプラットフォーマーであることの強みが表れた結果だったんですが、デジタルコンテンツを中心をした購買というのは、初月購買が発生して2ヶ月目には、1人当たりではなくて全体合計として課金利益額が70パーセントぐらいに目減りします。そのあとどんどん下降して、だいたい10ヶ月目ぐらいからMoMで98〜105パーセントという安定した比率でずっと続いていく。

こういったものが結果としてわかったので、これらを全部足しあげて当月の獲得数で割ることによって、ROIが最適になるCPAを算出できるようになりました。

過去の実績を統計分析し未来を予測

私たちもシステムがそれほど整っていなかったので、手作業でこねくり回したんですけれども、手作業でデータをこねくり回して、これをサービスごと、集客チャネル、いわゆる広告ごとで作っていたんですが、2ヶ月ほど集計に時間を要していました。また、実際のROIとの誤差は出ていて、それが10〜20パーセントぐらいの誤差でした。

ここをなんとか早くできないか、この有効な手法を伸ばしたい、ということで、課金データベースの集約や移行、あとはHadoopの導入によるデータ基盤の処理速度の向上や質を上げていくことに取り組みました。

あとは、回帰分析を用いてLTV(注:顧客生涯価値)の誤差引き下げを実行しまして、今では所要1ヶ月、当月の結果で未来のROIを算出できるようになりました。また、この誤差を5パーセント未満まで引き下げることができたので、今、いくらぐらいのCPAで運用したらいいのか、将来の収益を見据えてリアルタイムに運用できる環境ができました。

あとは過去の実績を並べてにらめっこするよりも、その実績傾向を統計分析に当て込んだほうが未来の実績との誤差が少ない、ということもこれによって証明されました。

現在はこのLTVデータと広告のKPIデータをつなぎ合わせてダッシュボード化して、ROI試算によるPDCAのさらなる高速化を目指しています。

論理的に思考するクリエイティブチーム

KPIの再構築が軌道に乗り始めた際、並行してスケールさせたのがクリエイティブ組織です。先ほどのROIの運用で高単価でインプレッションを買い付けることができるようになっても、クリエイティブを用意できなければその広告枠はPDCAによって淘汰されてしまうので、それに見合うバナーやランディングについて論理的に考えて実行するチームを形成しました。

クリエイティブチームは、インプレッションを確保する「量」という思考と、広告価値を下げない「質」という思考、あとはクリエイティブに伴う「機能拡張」の思考の3軸のベクトルを持たせています。

量思考は、いわゆるデザインリソースの確保という軸になります。現在、バナーとランディングページは、デジタルコンテンツを中心に400〜500ぐらい、多いときで500以上制作しているんですが、その制作のスピードの担保やリソースの確保と、これは効果をよくするというよりは「〇〇をしない」というデザインの消去法とによって、一定の質を担保して運用しています。

その数値実績から、ブレインを介入させて、質を向上させていく思考。(スライドの)右上の部分ですね。これが実際に広告効果を引き上げていくPDCAのマインドになります。そこでできたセオリーをまた量思考のベクトルに落とし込んでいって、全体的に効果を押し上げていくかたちになります。

量については、今はほぼ外注をしたり、広告代理店さんが作ったり、クラウドソーシングを使ったりしています。

質思考については、もう少し突き詰めたいと思っています。今、運用型広告のKPI向上に特化したアドデザイナーというポジションのチームを作りました。これによって、広告に特化したデザイナー、いわゆる普通のデザイナースキルと差別化を図り、かつ、マーケットの中でポジションを確立したいと思っています。

3つ目の機能拡張という部分に関して、これはクリエイティブに伴うもので自分たちの業務をスケールさせていきましょう、という話です。例えば、自社のランキングAPIやレコメンドをランディングページに導入したり、ランディングページ上からカートにコンテンツを入れられるような、そういった仕組みを作ったり、ということを指しています。

社内外で作られた制作物の概念は常にアップデートしていきたいと思っているので、この軸で自分たちの手で作ったものを自分たちで壊す、外で作られたセオリーを自分たちの手で壊す、自由にアップデートしていくという、こういった動きがもう少し浸透すればいいなと思っています。

直近で一番おもしろかったのが、複数の競合サイトが掲載しているランキング情報を自動でクローリングして、他よりも早く売れるコンテンツを選定して、クリエイティブ制作のバックログに落とし込むツールを勝手に作ってくれたりしました。別に狙っていたわけではありませんが、すごくおもしろいなと思いましたし、こうした動きをもっと広げたいと考えています。

現在はブロード、リタゲといったターゲティング領域だったり、アフィリエイト、アドネットワークといった広告手法にカテゴリ分けをして、それぞれに対して最適化をかけています。もちろんすべてができているわけではないんですが、基本的な流れとしてはこれを目指して鋭意がんばっています。

このWebマーケティングに欠かせなくなった3つの部門を拡充させることで、既存のデジタルコンテンツプラットフォームは投資とROIのバランスが保たれるようになりました。

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