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“シェア”という都市戦略(全2記事)

2017.12.20

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1台の車をシェアすれば、街から車を13台削減できる––世界中で「シェアの街」を作る、1人の男の挑戦

提供:DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA実行委員会

2017年11月13日~15日にかけて、新しい社会のスタンダードと向き合う都市型サミット「DDSS(DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA) 2017」が開催されました。2日目のテーマセッションでは、一般社団法人シェアリングエコノミー協会のアドバイザリーを務めるNeal Gorenflo氏と、アムステルダム市政府、経済局のNanette Schippers氏が登場。モデレーターに株式会社ココナラの南章行氏を迎え、「“シェア”という都市戦略」というテーマで講演を行いました。

日本の政府も掲げているシェアリングサービス

南章行氏(以下、南):みなさんこんにちは。南章行と申します。

株式会社ココナラの代表をしながら、シェアリングエコノミー協会の理事を務めさせていただいており、今日このセッションの司会をやらせてもらいます。

セッションテーマは「シェアという都市戦略」ですね。

最近では「シェアリングエコノミー」という言葉が日本でもよく聞かれるようになりました。シェアリングエコノミーというと、AirbnbやUberといった「企業」の名前でご理解されている方が多いんじゃないかな、と思っております。

一方で、政府が「シェアリングシティ」という言い方をしているのですが、このシェアリングのサービスを使って、地方の課題を解決していこうみたいなことが、日本では正式に政府が目標として掲げております。

「30のシェアリングシティをまず作るんだ」というKPI、ロードマップが掲げられ推進されております。では「そのシェアリングシティとはなんなのか」というところはですね。なかなかAirbnbやUberだけではちょっとわかりにくいこともあろうかなと思います。

そこで、本日は、世界の中でも最も先進的な取り組みに精通されているお二人をお招きして、まずは世界のシェアリングシティの実例を皆さんにご紹介できればと思っております。それではまず、プレゼンテーションから進めていきたいと思います。

ニールさん、プレゼンテーションをお願いいたします。

シェアリングというキービジネスに気付く

ニール・ゴレンフロ氏(以下、ゴレンフロ):こんにちは、渋谷のみなさん。お招きいただきありがとうございます。私はニール・ゴレンフロと申します。

(会場拍手)

カリフォルニア州モントレーから来ました。ShareableというNPOをスタートアップし、今では世界最大級のシェアリングエコノミーのニュースサイトになったと思います。

この14分間でやりたいことは、「Shareableがどのようにしてシェアリングシティのグローバルムーブメントを始めたか」についてお話しすることです。

まずは私の個人的な話から。2004年、私は運送会社を退職し、企業という世界から離れました。なぜなら、昇進もなく、自分がどれだけクリエイティブになれるか意識することもなかったからです。孤独と無力感も感じていました。書類上の成功はありましたが、人間としては成功していないと感じていました。

そんな失望を感じていた私は、当時40歳でした。「本当の人生なんて始まってさえいない」と感じていたのです。生きている意味を十分に経験しきっていないとも感じていました。そして妥協するのは絶対に嫌でした。人生をできうる限り目いっぱい生きようと思ったのです。

シェアリングは、キービジネスだと感じていました。私を他の人々と繋げることができ、そのプロセスでよりよい存在、より規模の大きな人間になれると思いました。

この決心をした時、私はこのブリュッセル空港のホテルに滞在していました。空港のそばのホテルは、とても居心地の悪いものでした。私はサンフランシスコに戻り、シェアリングライフを作り始めました。

サロンを作ってみんなで助け合い、豊かさを生み出す

ゴレンフロ:僕が最初に始めたのは、コミュニティを作ることでした。シェアリングライフは1人ではできないので、月例の「The Abundance Leagues」というサロンを始めました。

狙いは、みなさんがベストの自分、もっとも寛容な自分を出せる時間を作ることと、みなさんがシェアしたり協働したりできる、リソースサービスやプログラム、シェアして協力できる最新のイノベーションについて話を聞き、豊かさ(abundance)を作り出すというものでした。経済、文化をシェアし、音楽も演奏しました。

プログラムは、だいたいの場合が2部に分かれ、ゲストのサークルの部と、スピーカーやパフォーマーの部がありました。ゲストサークルの内容は、秘密でした。大抵は小規模で15から30人程度でした。

サークルの設定は、1人1分の持ち時間で、個人ではなかったらやりたいこと、プロジェクトへの情熱、どうやってお金を稼ぎたいかについて、世界でやりたくてしかないこと、自分の使命などをまず語ります。

次に、自分のプロジェクトを進めるにおいて、リソースやコネクションなど必要なものについて語り合いました。

3番目には、サークル内で、誰かが自分のプログラムを進める手伝いを申し出ます。休憩時間にはみんなで交流します。

小さなグループでもとても分かりやすいです。みんなよく助け合います。コネクションや書籍やリソースなどが、とてもシンプルな方法で得られます。しっかりしたプログラムやボランティアのようになっていき、みながんばって参加し貢献しようとします。

サンフランシスコで「競争ではない方法」に新たな可能性を見出す

ゴレンフロ:私たちはサンフランシスコで、友人たちと共に、5年間これをやりました。18ヶ月過ぎたころ、妻に大きな変化が訪れ始めました。私にもはっきりとその変化は見てとれました。まるで全く別の世界、別の現実に住んでいるかのような気分でした。

私がこのネットワークを作ったのは、世界で違うことをやりたくてたまらない人々、とてもやりたいなにかや情熱を持った人々を手助けしたいという意志に基づいていたからです。

ところが、これは自分にも大きな助けになりました。「何十人もの人々が、意義や目的のある共通の善きプロジェクトで協力する」このようなすばらしいコミュニティを作ることができました。

友人たちは、できることをやるチャンスや仕事を持ち込み、きめ細かに相談に乗り、話す機会をもたらします。それはあたかも、みんなが私に、私自身の未来をもたらしてくれるかのようでした。追い求めたわけでもなく、切磋琢磨や競争などではなく、流れの中にいるように感じました。

シェアにより真にポテンシャルを変えられると感じるようになりました。また、現在のようなNPOになる前のshareableを、共にスタートする仲間を得ることができました。

ユーザーのコネクションから、2009年に始業したshareableが成長を遂げる、その最初期のプロジェクト。2011年に最も重要な「シェア・サンフランシスコ」というイベントを実施。これはシェアリングエコノミーと都市を繋げた最初のイベントです。

イベントを推進させる動機となった問いというのは、「シェアリングプラットフォームとしてのサンフランシスコをどのように強調するか」でした。

他の都市にはすでにシェアリングのプラットフォームはできていました。そのためサンフランシスコをどのようにプロファイルできるかを意識的に考えました。つまり、すべてのサンフランシスコ市民の需要をどのように満たすか、ということを問い続けました。

行政、ビジネスのリーダーたちが参加しました。小さい都市が興味を持つイベントもたくさんやりました。市長も参加し私たちが学習したことに基づいた話し合いを行い、shareableに、サンフランシスコでシェアリングエコノミーワーキンググループをロンチする手助けをしてくれないかと申し出てくれました。

100年ほどの歴史のあるスパーチという大きなホールがある場所でイベントを行いました。シェアリング・エコノミー・ワーキンググループのロンチイベントです。スパーチ史上もっとも人の集まるイベントになりました。

部屋はいっぱいで、マスコミがそこらじゅうにおり、国際的な話題となりました。市長も市議会のメンバーも参加した、シェアリング・エコノミー・ワーキンググループが始まりました。

シェアリングシティプロジェクトの推進

ゴレンフロ:私たちがこれのバックアップをした直後の2002年に、いえ、2012年ですね、ソウル市が興味を持ってくれました。サンフランシスコの姉妹都市が都市間のコミュニケーションをとってくれました。

ソウルは、2012年に続いてシェアリングシティプロジェクトをロンチしました。シェアリングシティ・ソウルです。これは、グローバルムーブメントに分類されますね。

(スライドを指して)この写真は、シェア・サンフランシスコの基調演説です。シェアリング・エコノミー・ワーキンググループで、2012年にロンチしました。シェアリングシティ・ソウルをロンチしたパク市長(朴元淳ソウル元市長)が写っていますね。

これは「グローバル・ムーブメント」でした。韓国の他の7つのシェアリングシティが、ソウルに続き同盟に加わり、続くようにしてヨーロッパのポルトガルのリスボン、ロンドン、ミラノ、ワルシャワなども加わりました。

日本のシェアリングエコノミー協会の働きかけはすばらしく、日本でも15のシェアリングシティ都市が加わりました。千葉、多久、浜松などですね。今後1年の間に、30都市になってさらに大きくなる予定と聞きました。

ソウルの例で理解するシェアリングシティ

ゴレンフロ:みなさんは「シェアリングシティとはなにか」と疑問に思っていらっしゃると思います。もっともよい説明は、具体例を挙げることでしょう。シェアリングシティ・ソウルについて、詳しくお話しします。

シャアリングシティ・ソウルは、パク市長が2012年にロンチした「政策やプログラムのパッケージ」です。その目標は「主要な都市生活すべてのシェアリング」でした。ちなみにソウルは人口1,000万人で、東京のような大都市です。

それでパク市長は「都市の重大な問題に対応したい」という非常にシンプルかつ実用的な理由でこのプロジェクトを立ち上げました。つまり、汚染、ゴミ、経済的格差、社会的な孤立を減らすことです。社会的な孤立は深刻な問題で、韓国の自殺率は世界でも非常に高いです。

こういった問題すべてに対応するため、シェアリングの戦略に参画しました。これらが要となり、都市の市民コミュニティのマルチプルな需要に対応することになりました。

パク市長は、4柱から成るシェアリング戦略を構築しました。

まず、シェアしやすくなるよう規制を変更しました。次に地元のシェアリング・スタートアップの支援です。Airbnbが参入した時もそうですし、食品、運輸やアパレル他、64のさまざまなセクターのスタートアップの支援です。

3つ目には、行政のリソースを公開し、1,000のデータセット、1,000の公共施設を公共利用できるよう開放しました。4つ目にライフスタイルとしてプロモーションを行いました。これは物語の変革です。「ソウルで暮らすことの意義」を変革し、容易にできる実用的なシェアリングの機会を提供したのです。

オンラインで、ソウル市内のシェアサービスを探せる「シェアハブ」、116の「工具図書館」を町中に新設し、その多くはアパートメントの建物に作りました。

ソウルの25区のブランドを作り、25区がそれぞれ必要とするものを、カスタマイズされたシェアリングサービスのパッケージを発表する手助けをできるようにしました。

これは非常に画期的なプロジェクトでした。日本やアメリカのような国がソウルやヨーロッパのアムステルダムを視察し、その試みを学ぼうとしました。シェアリングシティが交流することで、アムステルダムなどのシェアリングのグループの情報に変化があります。それがshareableの目的でもあります。

ソウルでの研究や進展には目を見張るものがあります。しかし、巨大都市であるがゆえに遅々とした部分もあります。そこで、私が新規の挑戦をする際にやりたいことは、このようなワークを「近所レベル」に落とし込んで、パイロットプロジェクトにして、本質的なシェアリング「ビレッジ」を作ってみることです。

そこで、基本の集団がシェアリングにおいてどのように行動が変化するのかを学び、非常にローカルなレベルでのシェアをします。そこから近所と近所をつなげて、都市全体に広げていくのです。そうすれば、都市全体が「シェアリングビレッジ」の集合体になります。

これはあくまで1つの例であり、アイデアにすぎません。シェアリングシティという名を使っていなくてもシェアリングシティそのものに参加し、活発にプロモートしていなくても根底ではシェアリングを経験しています。

シェアリングのプロジェクトは至るところにあります。Shareableはますます広がりを見せています。私たちは絶えずシェアリングプロジェクトの記事を書いています。sharebleにおける企画の物語は5,000から6,000近くあり、それぞれが別のプロジェクトです。

各都市の実施例から見えてくるもの

ゴレンフロ:これからお話しするのは、世界中のアイデアで、渋谷でもはじめられるものです。

ドイツでは、自分の土地をコミュニティの土地信託に託す、もしくは、住民が開発するコーポレーティブハウスというのもありました。

高齢者が協働し、必要なサービスやボランティアを維持・管理する高齢者集落などはどうでしょう。自宅で暮らしながら、生活の質を高く保つことができます。

これは「エージング・イン・プレイス」と呼ばれています。アメリカでは、200都市がこの高齢者集落を実行しており、はじめようとしているグループはさらに多く、NPOが手助けしています。

市民のソサエティが共に税金を使うというアイデアもあります。世界中の1,500の都市が実践しています。1980年代にブラジルで始まった動きが世界に広まりアメリカなどでも始まりました。この図によれば、日本でも始めている都市が1ヶ所あるようですね。

イギリスの小さな町やその他の町のように、公共・私有を問わずすべての土地に可能なかぎり種をまき、無料で野菜を作るのはいかがでしょう。スライドの写真のような光景が道で見られるのは、とてもすてきなことですよね。

南カリフォルニアをはじめとするアメリカの公共図書館のように、図書館を活用して、あらゆるグッズをシェアするのはいかがでしょう。「ライブラリ・シングス」と呼ばれており、アメリカでは導入する図書館も増えています。本だけでなく、道具やギター、調理道具、おもちゃなども貸し出しています。

また、バルセロナのように、メーカーやワークショップが市内各地域にスペースを設けるのはいかがでしょうか。修理などのサービスを気軽に受けられるような場所です。

オハイオ州クリーブランドのように、貧困層ために大学や病院のような大きな公共施設がその購買力で、地元のコーポレーティブからモノを購入し富を分かち合うのはいかがでしょうか。

イギリスやアイルランドのフードクラウドのように、加盟している食料品店や食品チェーン店から2,000万食の余剰食品を、飢えている人へ届けるのはいかがでしょうか。

イギリスの400億ポンドの余剰オフィスサプライを、アプリを使って役所や企業で交換し合い、捨てられる物を活用して、ごみを減らしてはいかがでしょうか。お金もたくさん節約できます。

アルゼンチンのブエノスアイレスの若者たちのように、800のカルチャースペースによるネットワークを作り、あらゆるパフォーマンスを行うのはいかがでしょうか。コラボ商品の販売やさまざまなフェスティバルを開催したりします。

またロビーを行って、アートに協力的な政策を行政に取らせ、若者が自分たちのカルチャースペースを創造できるようにしました。多くのカルチャーセンターやコーポレーティブがアーティストのコミュニティを作ると同時に、正当に給料の支払われる雇用を創出します。これはとても参考になります。

カーシェアリングの持っているポテンシャル

ゴレンフロ:カーシェアリングは、いろいろなことができます。カーシェアリングがもたらす影響とそのポテンシャルは、気候変動や雇用創出、社会的孤立などの鍵となる問題に対応できます。

カーシェアリングの歴史は長く、何十年にもわたる研究の統計がそのポテンシャルを示しています。1台の車をシェアすることによって街中を走る車を13台も減らすことができます。

以前は車を使うことができなかった人々のうち50パーセントの人が、車を利用する楽しみを得られます。郊外の研究によるとカーシェアなどの移動手段へ移行すれば地元の経済へ8千アメリカドルも貢献します。

東京全般にも言えることですが、例えばこれを渋谷のケースにあてはめてみると、車を町から25万台無くすことができ、200億ドルを地元経済に貢献できます。すぐに活用できて、経済効果の高いパッケージがあるのです。車1台を道から無くせば、もっと多くの車を走りやすくすることができます。

すべてのセクターや産業でこういったことが行われることを想像してみてください。シェアリングエコノミーでは、こういったことが起こるのです。

産業革命時代の機能をする社会、つまり機械のようなトップダウンのヒエラルキー社会から、ネットワーク時代の、隅々まで分配される都市、オープンネットワークによりリアルタイムのプロセスで進行する社会への移行は、大きな影響が出るでしょう。このような影響は、世界が必要としていると思います。こういった都市は、危機を乗り超えるため必要とされる変革のエンジンとなりえます。

渋谷に応用可能なことを考える

ゴレンフロ:さて、世界と渋谷への問いは「この機会を活用できるか」「私たちは目を覚まし、世界への影響力となることに間に合うか」ということです。

私たちは、275ページもの「プロポーズ」のラブレターをもらいました。もちろん「イエス」と答えました。準備はできています。目を覚まし、ポジティブな変革とその可能性に気づく時です。

画面に表示されているのは無料でダウンロードできる書籍です。シェアしたり翻訳したり、どうぞご自由にご活用ください。

これは、渋谷に焦点をあてたソリューションの提案です。多くの異質な人々を集めるには、多くの異質なグループ間の共通したニーズを見つけることです。そしてそれらを合わせる手段を見つけるのです。とても実用性があり、前向きです。

すべての人を、1つのフォーミュラに溶かし合わせて、なにかを実践するのです。全ての人にがんばれるチャンスがあります。渋谷や他の都市におけるダイバーシティをより多くのイノベーションへと昇華できる機会があります。

問題解決のためにさまざまな背景などを持つ異質な人々を結集させることはとてもわくわくします。これは自由と言葉を紡ぐ道であると私は考えています。私がこのシェアリングライフスタイルを始めて、大勢の異質な人々が来てくれるコミュニティを作った時に経験したことです。クリエイターやアスリート、私たちがスタートさせた小さなコミュニティに惹かれて、人々は来てくれました。

こういった人々の違いが、私の前に世界を広げてくれ、コミュニティを担う他の人々の中へ繋げてくれました。そういったことが、渋谷でもどんどん起こります。とても心温まることがたくさん起こります。さらに広いヴィジョンを得ることができます。

シェアリングコミュニティへ参加したらエネルギーを注ぐことができるのか、多様性をさらに広げていくことができるのか、みなさんは疑問に思うかもしれません。これをしなくてはならないと感じ、スタートしました。人が助け合うことなど実現できないと思っていましたが、できました。

神話学者ジョセフ・キャンベルは、人間は、自分たちの純粋にフィジカルな面での経験として、最も内面にある存在と現実にあるものを強く望むとしています。だからこそ、人は生きている喜びを感じるのです。ありがとうございました。

(会場拍手)

シェアリングシティとしてのアムステルダム

:とてもためになるスピーチをありがとうございました。ではナネットさんお願いします。

ナネット・スキッパーズ氏(以下、スキッパーズ):みなさん、こんにちは。このすばらしい国、すばらしい町、そしてDDSSにお招きいただきありがとうございます。

私はナネット・スキッパーズです。

アムステルダム市政府経済局、スタートアップ・アムステルダム事業とイノベーションチームの双方にて働いております。本日はシェアリングシティ事業における経験をシェアしたいと思います。

2015年はじめ、オランダの企業主体の組織シェアリングプラットフォーム『shareNL』が、アムステルダムを「アムステルダム・シェアリングシティ」であると宣言しました。それにはいくつか理由がありました。

アムステルダムは、オランダのシェアリングシティとしてのプラットフォームを実施し、さまざまな研究とリサーチを行ったところ、アムステルダム市民の85パーセントもの人々がシェアリングシティ実施に前向きとのことでした。

アムステルダム市は、市とairbnbのコラボレーションをリリースしたばかりで、シェアリングホテルは、シェアリングエコノミーのトレンドの最先端だからです。人々がシェアリングシティを気にかけてくれたことは、多様性を尊重している私たちにとってとても喜ばしいことでした。

しかし実施のために私たちはいくつかやることがありました。そこでシェアリングエコノミーのアクションプランを立てました。今日はこれについてもコラボレートしたいと思います。

まとめると、当時のアムステルダムのシェアリングシティの状況は、市と市民の助けになる限りは、すべてのシェアリングシティのイニシアティブを奨励しましたし、もちろん必要があれば干渉する意志がありました。

アクションプラン作成時にはシェアリングエコノミーをトレンドしてとらえていたため、新しい定義は作りませんでした。市のためもしくは自分のために定義づけを行えば、定義は古くなってしまうからです。

そこで私たちは、実際にオランダやアムステルダムで起こっていることにフォーカスしました。それは東京や渋谷でも同様のことだと思います。

人々は、モノを所有することにあまり気にかけません。より気にかけているのはモノを使うことであり、特に効果的にモノを使うことを求めます。新古品の需要が増えています。

技術的にも、多様で数多くのプラットフォームが喚起されています。たくさんのオンラインコミュニティが直面している大きな問題は、「透明性」「信用を得ること」「評価」「アイデンティフィケーション」であるということがわかってきました。もちろん、次の成長も見えています。

私は「アムステルダム市がこの新しいトレンドを喜んで受け入れている」と決断しました。市のためになるチャンスとして、市の目標がシェアリングエコノミーのトレンドと容易にマッチングできると思いました。サステナブルでポジティブ、つまりシェアリングエコノミーのトレンドによって保持していくことができると考えました。

協力で小さな場所からイノベーションが起こっていく

スキッパーズ:このエコノミートレンドにおいては、多くの起業家が非常にローカルなレベルでイノベーションを起こすのを目撃しました。

(スライドを指して)この写真の女性は、自宅で料理をしており、お隣さんなどご近所にシェアするために多めに食事を作っています。

ソーシャルキャピタルも増えました。シェアリングエコノミーのムーブメントで新興のプラットフォームが生まれるのはすばらしいことです。

私は「最初はオンライン、最終的にはオフラインへと行動を移す際に、多くの人が、新しい隣人、会ったことのない人々を知る必要がある」と研究者に答えました。近所で安全を感じなければならなくなったのです。これは、市が対処すべき大事な情報です。

こういったシェアリングエコノミーのトレンドを支援するには、どう対応したらよいでしょうか。お見せしたいコメントをシートにたくさん載せておきましたが、プラットフォームとは、対立ではなく協力をしているのですね。これは都市のアプローチとしてはユニークだと思います。

たとえばAirbnbのような大企業が、あなたの都市に来た時、ふつうは最初のレスポンスとして、まず「なにが起きているのか」と聞き、彼らにノーと言ったり、ルールや規則で完全に禁止するでしょう。

私たちはもっとオープンでした。大企業のみならず中小企業に対してもそうです。ランチをしながら話を進め、契約を結びます。一般企業にも拒まれることなく話が通るようになっています。

そこで私はたいていこう言います。「もしシェアリングエコノミーについて勉強したいのなら、ぜひ出席をしてください」「必ず多様なプラットフォームを用意し、クラウドについてプラットフォームで話をして、シェアリングシティなどで、どうして食事を用意したいのかなどと話しなさい」と言いました。

また、企業や産業ベースのプラットフォームに対しては「ただ座ってあなたのプラットフォームに、あなたの都市のルールがマッチするのを待っていてはいけない」と言いました。

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