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俺たちの Garoon 2017 ー ユーザー企業にきく 活用の成功談と失敗談 ー(全3記事)

2018.03.08

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グループウェアを社内にどう浸透させる? 12年間で培った企業カルチャーの作り方を伝授

提供:サイボウズ株式会社

ITmedia エンタープライズで人気の情シス交流会「俺たちの情シス」がCybozu Days 2017 Tokyoで出張開催。サイボウズが提供するグループウェア「Garoon(ガルーン)」を利用しているユーザーが登壇し、活用のコツや失敗談などを語りました。

教職員がGaroonを使う東洋大学

池田憲弘氏(以下、池田憲):次は東洋大学の藤原さんです。どんなふうにGaroonをみんなに使ってもらうかというところがメインテーマになっています。もしかすると、今の東ソー情報システムさんの答えが……なにかアドバイスをくれるのかなと思ったりもしていますけど。よろしくお願いします。

(会場拍手)

藤原喜仁氏(以下、藤原):東洋大学情報システム課の藤原と申します。よろしくお願いします。私は本当にGaroonを毎日使っていて。2005年に導入して12年。今日やっとGaroonのポロシャツをもらいました。

池田憲:ははは(笑)。

藤原:サイボウズ商店では、kintoneのポロシャツは売っているんですけど……「Garoonのポロシャツを売ってほしい」と2~3年前から伝えています。でも、なかなか商品にはならなくて。今日は登壇するからご褒美に、ということでもらえました。さっそく着ています。

池田憲:激レアですね。

池田陽介氏(以下、池田陽):ありがとうございます。ちょっと数が少なくてですね。

藤原:外に着て行ってもデザインがいいですよね。このまま電車に乗ってもいいかなって。

池田憲:本当ですか?(笑)。

藤原:kintoneのTシャツは、黒と黄色で派手すぎるんです。

池田憲:ああ。

藤原:そんなことを言いいながらはじめます(笑)。よろしくお願いします。

みなさん、東洋大学をご存知でしょうか。東京都文京区の白山に本部がありまして、現在は大学全体で13学部55学科となり、学生数は3万2,000人となっています。他のキャンパスについて、東京では赤羽台に情報連携学部ができました。坂村健先生が学部長をやっているところです。

埼玉県では朝霞キャンパスと川越キャンパス。そして群馬県では板倉キャンパス。5キャンパスを擁している総合大学です。キャンパスが分散した状況で、先生方と学生と職員が教えたり学んだり仕事をしています。私は、20年ぐらい情報システムの仕事についています。

そのなかで、グループウェアのGaroonを12年前に導入しました。専任の職員数は468名、教員数は762名です。Garoonは専任の教員と職員が使っています。それ以外に授業で使うツールとして、朝日ネットさんのmanabaを10年ほど前に導入しています。これはおよそ3万人の学生にレポート課題を出したり、出席を取るサービスで、なくてはならないものです。

このサービスが止まると電話がかかってきます。Garoonも同様に、5分もサービスが止まると電話がかかってきて「どうしたの?」と言われます。そういう止められないサービスに私は携わっています。

ただ、全てが手作業ではありません。ユーザ連携やデータ連携など、いろいろと自動化をしてきています。こういうイベントに2日間出張しても怒られないように一応やってきたという感じです。

最近進めているのは、ビデオ会議システムです。キャンパスが離れていますので、本部開催の会議などにキャンパスを移動しなくてもいいように、CiscoさんのWebEx(ウェブエックス)を採用しています。また専用端末のTelepresence(テレプレゼンス)も整備し、キャンパスを超えたビデオ会議を支えています。大学としてはグローバル化に対応した国際展開を進めていますので、ビデオ会議システムを全学みんなで使うように浸透させたい、と思っています。

ここでちょっと相談なんですけど。サイボウズさんには、GaroonとWebExを簡単に繋げるようにしてほしいと願っています。今までにも伝えてきているのですが、今日は最初に言っておきます。

Garoonを使ってもらうカルチャーを作る

Garoonの導入状況のご紹介です。パッケージ版をバージョン1.5の時代から使っています。使っている人数でいうと、先ほどの東ソーさんほどではないんですが。1,800名で契約して使っています。Garoonの機能はひと通り使っております。追加ソフトとしてはデヂエ、サイボウズLiveを使っています。

デヂエは、学部や部署を越えるデータ共有に便利に使っています。実際には、Excelファイルを共有して使う人が多い状況が続いていますので、デヂエの活用例がなかなか発展していかず、その先のkintoneまでは、うまく誘導できておりません。

サイボウズLiveは、職員以外の方との情報共有に使っています。大学のなかで、大学職員以外に働いているスタッフがいます。講師控室やヘルプデスクといったところの方は、外部の人材派遣会社などに業務委託しているんですよ。Garoonにログインできると色々と見えてしまうため、業務限定の連絡やデータのやり取りをする場所として、サイボウズLiveを重宝しています。

この用途以外には、新たにシステムを構築する際に活用しています。業者との連絡をメールでやり取りすると、あちこちに散らばってしまいます。また、担当者の引き継ぎや連絡漏れを防ぐためにも、サイボウズLiveは有効です。これもなくてはならない状態になっています。

Garoonの導入時の課題は、2001年の話に戻ります。もともとはサイボウズ Office 4を使っていたんですね。この時代は、本学の職員1人1台にパソコンが配られた頃です。それまでは、黒い画面に緑色の文字が表示されるNECの業務専用端末を使って、専用のプログラムでデータ処理をしていました。

もともとは、大学職員がパソコンで情報をやり取りするということはあまりなかったのですが、2001年頃から、先生だけではなく職員も外とのやりとりが必要になってきました。しかし当時のメールソフトは、共用パソコンでは使いにくかった。

その対応としてはAL-Mailというソフトを使って、フロッピーディスクの中にメールボックスを作ってもらい、フロッピーディスクを持ち歩く運用はできました。ちゃんと自分のパソコンでやりたいと言われたときに、Outlook Expressなどのメールソフトを使うと、初期設定がうまくいかなかったり、人事異動に伴いPC内に蓄積されたメールボックスを移動させる作業が大変であったため、Webベースであるサイボウズ Office 4の「メール」機能を使ってくださいという案内をしていきました。

メールを使いたい人はサイボウズ Officeを使うという状況で400人が使っていました。当初はメール機能を中心に使っていました。サイボウズOfficeには「回覧板」機能がありましたので、一人ひとりの意見集約するといった用途に少しずつ使われだしました。その後、人事課や総務部などのいろいろな部門が、通知文をグループウェアで配るようになりました。

それまでの通知文は、紙に印刷して課内回覧をされたり、壁の掲示板に貼られていました。そういうことがだいぶなくなり、400人でサイボウズOfficeをフル活用するようになりました。2005年頃「職員だけでなく、教員も同じレベルで情報を共有しなさい」と当時の理事長に言われまして、サイボウズ Officeの大規模展開を考えるようになっていきました。

ところで、先生方と職員を比べてみると、使う立場が違うことにより、ふだんの使い方がぜんぜん違うんですね。基本的にGaroonは機能としてはすごく便利。マニュアルや操作説明も何もいらない。本当に簡単に使えます。

でも、使わないといけない状況とか、使ってみてこれは良いという「カルチャー」が育たないと使ってもらえないです。「Garoonを入れたからみんな使え」とゴリ押しして使うものではない、と私は思っています。「みんなに使ってもらう」「ここで生活してもらう」ということを考えなければいけないと思います。長期的な視点では、「浸透させること」を第一に考えなければいけないということです。

先生方からは「メールを立ち上げているのに、なんでGaroonまで立ち上げるんだよ」とか、「あっちもこっちも開くのは、面倒くさいなぁ」ということを今でも言われるんです。「だめだめ、連絡はメールにしてくれ」と。

私が「先生、メールだと外からの連絡も学内の連絡も、ごちゃごちゃになりませんか?」と伝えても、「いいんだ、終わったやつから削除するから」と。

最近でもまだある話は、Garoonのメッセージを「消す」方がいるんですね。メールとは違い、メッセージの削除は宛先全体に影響するんですよね。自分の分だけ削除しないで、全員が見れなくなるように、スレッドごと削除してしまう。そのあと、どうなったかというのは想像がつく通りですけども。

容量制限があるメールで身につけた「届いたものは消す」という文化の方々がまだいる。Garoonの場合は、過去のものをさかのぼって、そこにコメントを追記し再利用するという方も出てきた。それは、利用者がツールと共に身につけてきた文化ではないかな、ということです。

先生方は今でも、メールがきたらバンバンさばく。職員の方は、メールではなくて、今はGaroonで連絡を取り合っています。この点で先生方と時代感のギャップが生じています。

Garoonやサイボウズ Officeが導入される前は、職員は紙だけを使い、難しいやり取りを、Face to Faceでやっていました。それがGaroonでバンバン対応できるということはいいことですね。

サイボウズさんへ会社見学に行くと、(スライドを指して)だいたいこのマークを見せてもらえます。

サイボウズさんの場合「掲示板で全社員に公開しちゃえ、みんなで見ちゃえ」という話を聞きます。でも、大学の場合、見せたくないものもあるんですね。

「これは見せたくないからメッセージでやる」「これは見せたくないからGaroonにすら載せない」という運用は、実際に発生しています。

12年使い続けてきたなかでの苦労や工夫

ここからは少し足早でいきますけれども。Tipsとして私が12年のなかで苦労した、工夫したことをご紹介します。

(スライドを指して)「掲示板のカテゴリの作り方」ですね。掲示板のカテゴリについて、Garoonのヘルプでサンプルを見ると「部署名」で書いてあるんですね。

みなさんのGaroonはどうですかね? やはり「部署名カテゴリ」を作っていますかね。本学の掲示板の場合には「教員向け」「事務局向け」「キャンパス向け」という宛先をベースにしたカテゴリを作りました。

(スライドを指して)ここの右側がそうです。部署の数だけ30も40もカテゴリを作ったところで、多くの方は見にいかないです。そこで「先生に見せたい」「職員に見せたい」といった対象者別のざっくりしたカテゴリを作っています。

次に、「ファイル管理」に関しても同じです。組織の変更で名前が変わったり、部署が合併したり分離したり、部署の機能が変わったときに、フォルダ名を組織名にしていると「フォルダの名前が変わってしまった。どこにいったんだかわからない」ということになります。ですので、本学では「○○関連」というかたちで、ざっくりしたフォルダを作っています。

ここからは、「利用者をどのように観察(ウォッチ)するか」ということについてです。Garoonを使う方の多くマニュアルも講習会もなしでいきなり使います。事務局のユーザであれば事務室内の同僚に聞けるのですが、先生方は個人研究室のパソコンでログインし「自分のGaroonに入ったけど、さて何をしたらいいんだろう?」と感じるのが実情です。個人研究室であるがゆえに、同じ部屋に聞ける人がいないのです。

Garoonの「最新情報」で通知がきていたとしても、自分がこれに応えなければならないかという判断ができない通知も多いため、先生方は困ってしまいます。そのため、電話がかかってくるなど、対応要請がある場合には、じっくりヒアリングをして先生方に寄り添います。

みなさんの企業ではどうでしょう? Garoonのパスワードを渡したまま、ほったらかしになっているユーザーはいませんか。「あの人使えてないよね」というユーザを探せているかどうか。

3番目のTipsとしては「ポータルの工夫」です。画面のデザインを見やすくしたり、1か所にリンク集めたり、HTMLパーツを使ってGaroonと標準デザインを揃えています。その他には、インターネットでのニュース。RSSフィードをGaroonに取り込めば、ニュースが一覧できます。デザインについては、今度のGaroonからフラットデザインが導入されるそうなので、まただいぶ見た目が違ってくると思います。

次に「データ連携」ですね。「ワークフロー」の「データ」って、再利用しないと意味がないと感じています。ただ「承認した」「作業した」という記録。それだけで終わってしまうと、あとで「何件処理したか」「どんな処理をしたか」ということがわからないです。「CSV出力機能」を使い、別の処理をかけたらどうかと考えています。

ワークフローでのデータ連携を、今は1つだけやっています。Garoonを外部から使いたいという申込に、ワークフローで承認すると、CSVファイルが生まれ、外部からの接続サーバに「この人が申請したよ」と10分ごとに利用者登録をする仕組みを作っています。

では最後、「ログの活用」の話です。いつ誰が、どんなふうに使っているかという「ログの活用」ですね。「ログの一覧」機能から手作業で出力しています。これは、日常業務の中で、なかなかやれないんですね。ExcelやAccessでいろいろ分析しています。Garoonの「ログ一覧」は3ヶ月しかさかのぼれないです。それでもログが73万件になります。アーカイブされたログですと、保存期間は3か月よりも長く伸ばせます。

こんなデータをExcelやAccessでフィルターをかけてガリガリ集計をし、グラフを作っていろいろやってるうちに「もういいや後回しに」となってしまうのがオチなのです。サイボウズの池田さんに今まで何度も伝えてきたのですが、「ログの解析機能」の搭載を今日もまたお願いしたいです。

「ピッ」ってやると、円グラフや棒グラフが「ピッ」となる。こういう機能があると「どのぐらい使ってるの?」と聞かれたときに、それをプリントアウトして渡せば済みます。情シス部門としては大変助かります。ログの解析結果を掘り下げていくと、情シス部門では想定しなかった使われ方が見えてくる場合があります。

まとめとして振り返りますと、「カテゴリの作り方」や「名前の付け方」の工夫、「みんなに使いやすくするにはどうしたら良いか」という観察や対応がありました。また、「Garoonからデータを取り出して活用しよう」というデータ加工の処理や、「ログは掘り出そう」という効果測定や今後の対応策の検討など。そういったことを私は今までやってきました。

最後に、サイボウズさんに言いたいことを言ってみます。kintoneってすごく売れていて、うらやましくてしょうがないんですけど……「Garoonのことも忘れないで!」と。Garoonは今まで以上に、もっとみんなで使っていけるシステムだと感じています。よろしくお願いします。

あとは(スライドに)デヂエの後継とかいろいろ書いています。ふだんから言わせてもらっていますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございます。

(会場拍手)

ほかのWebシステムとの連携

池田憲:ありがとうございました。やはり長く使っている方ほど、要望も増えてきますよね。大事なことですよね。

去年アイティメディアエンタープライズの記事にも出ていただきましたよね。デフォルメされたかわいいイラストもあるので、ぜひみなさん帰ったら見てみてください。たぶん、「アイティメディア Garoon 東洋大学」で(検索すると)出てきますね。

池田憲:いろいろお話したいことあるんですけど、実は東洋大学さんの同志を発見しました。どうなんだろう? Cisco WebExとの連携が欲しいと、事前アンケートに書いていた方がいらっしゃいまして。書いてくださった方いらっしゃいますか?

参加者1:私です。うちもWebExを使っているので、Garoonからスケジュール打ったらWebExのスケジュールに登録できるとすごくいいなと思って書きました。

池田憲:サイボウズの池田さん、どうですか?池田陽:WebExに関して言うと、当社のパートナーである富士通エフサスさんが連携……ちょっと開発されたりというのはございます。製品の機能のなかでは、ブイキューブさんとの連携機能は入っていたりするんですけれども。

我々もいろいろな製品と組み合わせて使っていただくことを理想としておりますので。WebExに限らず、さまざまなWebシステムと今後繋げていきたいなと考えております。

池田憲:ブイキューブかエフサスか。あとは、Outlookとの連携も要望ありましたけどこれはどうですか?

参加者1:GaroonのスケジュールはOutlookに一方通行でもいいので反映できれば便利だなと思ったんですけど。

藤原:スケジュール連携はいつも言われるんですよ。GaroonのスケジュールをGoogleのカレンダーに載せてほしい、とかね。Outlookはパソコン上に入っていればできるかもしれない。「あれがあれば使う」と言っている先生もいっぱいいらっしゃいます。

池田憲:へえ。

藤原:今は、私はサイボウズLiveを介してしてスマホで見ているんですけど、「サイボウズLiveがなくなってしまう」という発表もあったので、やはりGaroonとGoogleカレンダーやOutlookとの連携は欲しいです。

池田憲:なるほど。ありがとうございます。

参加者1:ありがとうございます。

メッセージやファイル管理の運用

池田憲:少し横道に逸れるんですけど、アンケートに「コメント数が3桁のメッセージはザラで、1,000を越えたものもある」と書いてくださっているんですけどこれはなぜですか? 藤原:Garoonのメッセージって、1本立てるとそこに続けてコメントを書きますよね。

池田憲:そうですよね。

藤原:50とか100とかならまだかわいいんですけど。300とか500とか続いているのをよく見かけるんですよ。経理関係のやり取りだと、4桁を越えて5桁に入っているものもあって。よくそこまで続けるなというのを、よく見かけます。

池田憲:2ちゃんねるでも1,000でおしまいなのに。なかなかすごいですよね。

藤原:だから私が関与している場合は、スレッドをかえましょうと言っているんですけど。放っておくと、すごい数の……。

石野:それ用のスペースを作るとかがいいかと思ったんですけど、それを作ってもユーザーさんがそっちにいってくれないことが多いんですかね。

藤原:やはり新しい使い方は難しいみたいです。

池田憲:石野さんはなんか聞いてみたいことはありました?

石野:すごくうちのネタで申し訳ないんですけど、掲示板について。うちは、みんな全社(の掲示板)にしか書かないんですよ。やはり、藤原さんがおっしゃったようにうちは組織別にグループになっているので、ほかのところに書かれてもほかの人が見ないから全社になっているんです。そうすると自分にいらないことも混じってくるのでみんな見なくなる。

池田憲:ははは(笑)。

石野:そこにストックはされているんだけど見ない。なのでサイボウズに書いて、MLに書いてとか、同じことを複数の場所で書くということをやったりしていて。「WebメディアなのにIT使いこなしてねえな」と思っているんです(笑)。

池田憲:やめてください(笑)。

石野:そういう面で、書く人がこの人たちに伝えたいということを意識して宛先を選ぶという使い方は、かなりいい考え方だなと思って、今後参考にさせていただきたいなと。今日聞いてよかったなと思いました。

池田憲:感想だった……。

石野:ごめんなさい。ファイル管理なんですけど、こちらも同じようにある程度ざっくりした単位でつけたほうが(いい)という話だったんですけど。各フォルダごとに管理している人はいらっしゃいますか?

藤原:そこの部署単位でアクセス権や運用権利をつけているので、ちゃんとフォルダ作りたいとかアクセス権を変更したい場合は、「どうぞやってください」と伝えています。

石野:そうなんですね。うちもそういうふうにしていくんですけど、そういう人が異動で代わってしまったり、偉い人が面倒くさいから新人の子にやらせたりしていくと、運用がけっこう煩雑になりがちで。

かつ異動が発生して誰も使っていない状況がでてしまうので。そういうところをうまく使っていってもらうために、「こういうものを置いて共有したほうがいいんだよ」と言っていく必要性があると思っていて。ファイル管理で例えばどういうものを見ているんですかね? 先ほど別にファイルサーバもあるとお話をされていたかと思いますが。

藤原:作業用のファイルはWindowsの共有フォルダでやっているんですけど。Garoonのファイル管理は、申請書だったり、健康診断のお知らせなどの通知文とか。住所変更はWebでできますけれども、特殊なフォーマットを入れたりとか。

石野:なるほど。じゃあ、今で言うと年末調整などに使っている。

藤原:そうですね。入学式、卒業式になると配置表がまわってきて、あなたはどこの窓口でどこの入口の担当です、とか。そういうものが入っています。

石野:基本的には、そこの部署からほかの部署にお知らせするものも、ファイルに一緒に入っている感じ。

藤原:そうですね。部署を越えて渡したいものですよね。返事が必要だったら、メッセージかスペースにファイルを置く。

石野:なるほど。

池田憲:ファイル管理って使っている方は多いんですかね。

池田陽:意外と使われているという認識ではあります。

池田憲:じゃあ聞いてみますか? ファイル管理を使っている方。マルをあげてもらえませんか?

(会場挙手)

意外といましたね(笑)。ファイルって使いこなすのが大変というか、難しいですよね。

藤原:手の入ってないファイルやフォルダを見つけたら、こちらから連絡をして「何も入ってないよ」と伝えます。「あまり使わないんだったらなくしたよ」といってフォルダごとなくしちゃうこともありますよね。

石野:そういう意味でもログ解析をしたいということですね。

藤原:そうですね。

池田陽:そういった運用状況は、使っていないのが1発でわかって、それをお知らせできる、という感じですかね。

池田憲:ログも使うという話が「そこまでやるんだ」というところもありますもんね。先進的な事例ですよね。

池田憲:もっといろいろ聞きたいんですけど、やや時間が押してきたらしいんです。一旦、ここで切って、次のお話に進もうと思います。ありがとうございます。

池田陽:どうもありがとうございました。

Garoonのこれから

池田憲:じゃあ次はいよいよ、池田さんの出番ですね。用意は大丈夫ですか?

池田陽:大丈夫です。

最後に私のほうから、Garoonをお使いいただいていない方も今日いらっしゃると思うんですけれども。(Garoonの)これからというところでお話をさせていただきたいと思います。

基調講演でもお話させていただいたんですけれども、Garoonの製品名の由来とコンセプト。これは「おてがる・ひろがる・つながる」というコンセプトがあって。サイボウズって、ダジャレが好きな会社でして、Garoonという製品名もこの(言葉の)お尻の「がる」を取ってGaroonという製品名になっています。

今日ご登壇いただいたお客様のなかでも、サイボウズ Officeの話が出ていたんですけれども。もともと中小企業向けに展開をしていた、だいたい300名ぐらいで使えるグループウェアがありまして。

それにプラスしたもの。人数で1,000名を超えても、5,000名を超えても安定して使えるものだったり、多言語対応とか、情報をたくさんのなかからファイルの中身も含めて検索できるような全部検索機能とか。あとはお話にあったアクセス権やシステム連携とか。そういったものができるのがGaroonという製品になっております。

今日はオンプレでお使いのお客様がたくさんいらっしゃるとは思うんですけれども、クラウド版もございます。それ以外にも、パートナーさんが自社の基盤に載せてSaaSとして提供しているかたちのものとか。最近だとAWS上で運用しているGaroonもあったりします。

今日お伝えしたいのは2点あります。セキュリティの話というのはクラウドについてまわるんですけれども。VPNのサービスが、NTTコミュニケーションズさんから今日リリースされました。これはVPN、いわゆる閉域網を使ってアクセスするので、インターネットに一切出ずにGaroonにアクセスすることができるサービスになっております。

もう1つが、チャットとの連携ですね。これはL is Bさんという、ビジネスチャットのdirectというサービスとGaroonを連携させて、ボットに「スケジュールを教えて」というと、相手の予定を教えてくれたり。チャットの形式で書き込みをすると、予定を登録してくれたりすることができます。

これが今日リリースされています。今、「これを実際使ってみませんか」というモニターキャンペーンもやっていますので、気になる方はL is Bさんのブースにぜひお声がけしていただければと思います。

昨年に基調講演で、Garoonはいわゆる広がる、繋がるというシステムで、たくさんいろいろなものと繋がりますという話があったんですけれども、こんなかたちで、たくさんのパートナーさんがいろいろなソリューションと繋がってきております。先ほどお話にあったWebExも、今後うまく繋げたりしたいなと思っております。

もう1つ、JavaScriptのカスタマイズですね。この機能が、オンプレだと(バージョン)4.6。クラウド版にも載っているんですけれども、こういった便利な機能がつきました。

ここに来ているみなさまには、どんなことができるかが重要だと思うんですけれども。例えばこんなことができます。これはとくに、JavaScriptを仕込んでいるわけではないんですけれども。

先ほど東洋大学の藤原様がおっしゃったように、受け手がきちんと「見たいな」と思えるコンテンツにできるようなポートレットを、HTMLとかCSSを使って提供することができるようになります。例えば社内報。これは画像が入っていたり、コンテンツが3ブロックに分かれていたりするんですけども。これをGaroonのポータルで表現することができます。なにが特徴かと言いますと、ここのコンテンツ、記事の管理はクラウドシステムのkintoneでやってくれたりします。

これは、別にkintoneじゃなくてもいいです。自社で持っているWebシステムでも大丈夫です。こういったかたちで、ほかのシステムに管理されているコンテンツを、組み合わせてGaroonのポータルに出すことができます。隣のコンテンツは、Garoonの掲示板から持ってきて組み合わさった状態になって、社内報としてコンテンツができあがっているものなんですね。

ワークフローでもJavaScriptカスタマイズが可能です。例えば出張申請のそのデータを引き継いで費用清算の新しいワークフローに出すといった連携も作りこむことができます。

これはスケジュールの例になります。ほかのシステムで、例えばプロジェクトだったり納期やスケジュールデータが入った値をとってきて、Garoonのスケジュール上にその締切や納期のアイコンを出してあげたりすることができるというものになっております。

こういったサンプルが、developer networkというサイボウズのエンジニア向けサイトにたくさん公開されております。先ほどご紹介したものも含めて、ポータルやJavaScriptなどいろいろなものが公開されていて、これからもどんどん増やしていきますので、ぜひご期待をください。

アップデートで新たに追加される機能

今後については、もうすぐクラウド版のアップデートが控えております。新しいAPIも追加される予定です。これでなにができるようになるかというと、ワークフローを承認したときに、先ほどのJavaScriptの実行ができたりします。あとは、スケジュールの編集画面でも、JavaScriptのカスタマイズを入れることができます。

例えば施設を予約するときに、この施設と備品、例えばプロジェクターを一緒に予約したいときがありますよね。2個ポチポチ入れて、1個忘れると予約してなかったということが起きちゃうんですけど。紐づけて登録できるようにしたり。

あとは会議室の定員を覚えさせておいて、2名以上入ったら「この会議室は2名用なので定員オーバーしてますよ」とか。そんなことができるようなカスタマイズを追加することができます。

ワークフローは、承認が終わるとなにかを実行することができます。そのなにかというのは、例えば会計システムやほかのシステムにデータを投げたり、Garoonのスケジュールが承認されたらファイルが登録されたり、承認されたことを上室の方にメールで通知したりといったことですね。そういうことができるようになっています。オンプレは少し時間が経ってから搭載されるんですけれども、このあたりも期待をしていただければと思っております。

あと、標準機能ではプッシュ通知。モバイルのKUNAIというアプリで、このプッシュの通知を受け取ることができます。まだ受け取れるものは少なくて、今後いっぱい増やしていく予定なんですけれども、(スライドを指して)これだけのアプリが今後受け取れるようになります。

それから、まだこれは開発中なんですけれども、メンション機能を予定しています。スペースやメッセージで書き込みをする際に、@をつけて宛先を指定することができます。メールでいうとtoみたいな感じですね。これを指定することで、重要度の高い通知を見分けることができます。通知の見逃しなどがなくなるのではないかと思っております。

また、先ほどデザイナーの河内山も途中参加しましたが、Garoonのデザインを少し変えようと思ってます。単純に流行りに乗っかるだけではなくて、アクセシビリティにも配慮したデザインを検討しています。

アクセシビリティというのは、若い方でも、お年を召した方でも、障がいを持った方でも、こういったWebサービスにきちんとアクセスして使えるようにしよう、ということです。

デザインだけ見ると単純にフラットデザインを採用したのかなと思われるんですけれども。そういった思いを込めたデザインにしていこう、誰にでも使いやすくなるようなデザインにしよう、と思っております。

今後に関してなんですけれども。Garoonはクラウドが年4回リリースがあって、パッケージは1年に1回リリースを行っています。ぜひ期待をしていただければと思います。

標準機能、デザイン、グループウェアと連携するためのAPIとかJavaScriptの機能を強化、という軸で今後も開発していきますのでぜひみなさま、引き続きGaroonをよろしくお願いいたします。

私からは以上になります。ありがとうございます。

(会場拍手)

利用者からのリクエストや質問

池田憲:ありがとうございます。早いですね、もう4時ですよ(笑)。

池田陽:そうですね、早いですね。

池田憲:せっかく事前にお客様にアンケートに答えていただいたので、最後それに1問1答で答えていただいていいですかね?

池田陽:はい。けっこうありますね。

池田憲:そうなんですよね。短いやつから長いやつまで。まず僕が一番好きだったのは、○○さんっていますか? あ、いた。Garoon検討中らしいんですけど。

池田陽:ありがとうございます。

池田憲:Garoonがこうだったらうれしいのにというところに「Siriみたいな音声入力」とあると思うんですけど。

参加者2:社内でGaroonを検討中で。ちょっと書いてみただけなんです。すみません(笑)。アンケートにで、「実行できないようなものでもいいですから書いてくださいね」とあったので(笑)。

池田憲:音声入力ができたら導入してくれるかもしれないです。

池田陽:そうですね。連携は十分あり得るかな、と思います。

池田憲:なるほど。……続いて株式会社○○の方、いらっしゃいますか? Garoonがこうだったらうれしいというところに、「スケジュールを会議室前に全画面表示したい」。これはどういうことですか?

参加者3:会議が延びそうになったときに、このあと空いてるかなと気にして会議したりするんですよ。それで、会議室にiPadみたいなものを置いて、そこに空き状況を常に表示してあれば、「このあと空いてるからちょっと延ばそう」とかできるかなと。

池田陽:iPadを、会議室とかに置いておくようなイメージ。

参加者3:はい。

池田憲:実は、うちはそうしているんです。石野さん、説明いいですか?

石野:今日も展示ブースを出されているんですけど、内田洋行さんのサービスで、そういう会議室の利用効率を高めるためのサービスがありまして。そういうものを使って会議室全体のスケジュール表示や個別の表示をiPadで表示しています。

Garoonだと内田洋行さんのサービス以外にも何社かありますので、ご検討いただけるといいのかなと思います。

池田憲:終わったらブースへゴー。

池田陽:サイネージへの表示要望があったりはしますので。そのあたりは考えていきたいなと思っています。

池田憲:なるほど。ありがとうございます。次、○○さんですね。「弊社の一部署はBacklogを使っているけど、Garoonで同様の機能があるのか」という質問です。

参加者4:タスク管理は、BacklogでやっているんですけれどもGaroonのなかスペースで案件管理をしているんですが。タスクのほうも一緒にできるといいなと思います。

池田陽:ありがとうございます。ToDoやタスク管理、プロジェクト管理というのは、「惜しいね」と言われることがあるので。もう少し機能を強化して、ちゃんとできるようなかたちで提供したいとは思っています。

池田憲:どんどんいきます、あと2枚。○○の方いますか? 「ワークフロー設計時の変更と、状態確認の向上。確認ごとはやっぱりどうしても気になる」というのはどういう意味ですか?

参加者5:私がワークフローのフォーム設計を行っているんですが、そのワークフローの画面構築の際に、全体像が一覧で見えないのでわかりづらいなと。

池田憲:どうですか?

池田陽:そうですね、デザインの話と関連しているんですけど、先ほどお見せしたのは、いわゆる一般のユーザーさんが仕事するときの画面だったりするんですね。要は、裏側の管理画面もちゃんとしないといけないよねということは我々も認識しておりますので(笑)。ぜひ改善、今後していきたいなと思っております。

池田憲:ラスト、○○さんいますか? はい。「昨年と同じ質問」って、昨年も来てくださってありがとうございます。単刀直入です。「クラウド版の価格が下がれば……」。

参加者6:前回も同じような質問をさせていただいて、「検討させていただきます」ということでちょうど1年経ったので、どうなったのかな、と。

池田憲:詰められますね、ここは。1年経ってしまったから。

池田陽:悩み抜いておるところなんですが、なんらかのかたちで……キャンペーンだったり、そういったものは常に考えておりますので。ぜひ価格的なところもメリットが出るように。

池田憲:ちなみに、いくらからいくらになればいいですかね?

参加者6:それは、安いに越したことは……。

池田憲:(笑)。

参加者6:次回更新を迎えるときに、「これではクラウドでもいいかな?」というぐらいに下げていただけるとありがたいですね。

池田陽:そうですね。わかりました。

池田憲:オンプレからクラウドになるかもしれないんですね。

池田陽:ありがとうございます。

池田憲:ありがとうございます。これでいい質問はだいたい出尽くしたような気がするので、ありがとうございました。

今回いろいろとGaroonのお話を聞いて、おもしろかったですよね。大阪でもやりますけども。本家「俺たちの情シス」はだいたいこのあと飲み会みたいな感じで交流会があるんですけど、またそんな交流会も企画できればおもしろいなと思っております。

「俺たちの情シス」忘年会もありますのでそちらもぜひチェックして来てくださればと思います。本日はどうもありがとうございました。

池田陽:どうもありがとうございました。

石野:ありがとうございました。

(会場拍手)

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