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現場で活躍する人たちを「見える化」で支援する情報活用基盤構築への取り組み(全1記事)

2018.02.26

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なぜ「見える化」が必要なのか? 現場を支援するBIツール活用事例を紹介

提供:ウイングアーク1st株式会社

最新テクノロジーやデータを活用する企業が一堂に会し、先進的な取り組みを共有するカンファレンス「ウイングアークフォーラム 2017」。11月28日に開催されたウイングアークフォーラム仙台では株式会社ワイズマンの俣江幸治氏が登壇し、「現場で活躍する人たちを『見える化』で支援する情報活用基盤構築への取り組み」というテーマで講演を行いました。

現場で活躍する人たちを「見える化」で支援

俣江幸治氏(以下、俣江):株式会社ワイズマンの俣江と申します。よろしくお願いいたします。

今日は「現場で活躍する人たちを『見える化』で支援する情報活用基盤への取り組み」ということで30分ほどお話しさせていただきたいと思います。

まずはじめに、私どもワイズマンという会社と私のご紹介をさせていただきたいと思います。

会社名は株式会社ワイズマンと申します。岩手県盛岡市の盛岡駅の近くにある会社です。ちょうど盛岡は先週すごい雪で、ほとんど1週間降り続きました。今、真っ白です。異例の早さでスキー場もオープンしました。そんな盛岡市になります。

設立は1983年、今年で34年の会社になります。事業内容としましては、介護・福祉向け、病院様向け、それと地方自体様向けのコンピュータシステム、おもにパッケージシステムの開発・販売・サポートを行っている会社でございます。盛岡に本社を置いておりまして、全国に14支店展開している会社でございます。社員数は430名おります。

『寄り添う人を支えたい』ということで、「医療と介護・福祉、そして地域全体がつながりあう、理想的な地域包括ケアの実現へ」ということで事業を展開しております。

私どもの会社には3つの製品がありまして、1つは医療です。電子カルテをはじめとする、主に病院様にお使いいただくためのパッケージシステムを開発しております。電子カルテにつきましては、全国で240件以上の導入実績がございます。

次は、介護・福祉です。介護・福祉は、居宅介護支援サービス、居宅サービス、施設サービス等の介護事業者様向けのパッケージシステムを開発しております。おかげさまで27年連続業界トップシェアということで、導入実績は4万件以上ございます。

最後、「MeLL+(メルタス)」という製品です。これは医療と介護をシームレスにつなぐためのサービスになります。最近「MeLL+family」というものをリリースしました。これは事業者様と利用者のご家族様をつなぐためのサービスをリリースしております。

MotionBoard歴は約3年

次に私のご紹介です。俣江と申します。50歳になったばかりです。所属は管理本部の情報システム部に所属しておりまして、業務内容は、社内の情報インフラ・情報システムの構築・運用をしております。

趣味は釣り、スノーボード、ゴルフということで、とくに釣りに春からハマってしまいまして、春から最近まで家族みんなで釣り三昧の生活をしておりました。

最近の関心事は、3つございます。1つ目はMotionBoard。今回ウイングアークさんのフォーラムですので、MotionBoardの新機能ということで、11月18日にクラウド版の最新版が出ましたので、そのアップデートをこれから行います。

そして、Salesforceの新機能ということで、最近行われましたDreamforceというイベントの中でいろいろな新機能が発表されましたので、今その情報を収集している段階です。

2つ目は、AIですね。とくにWatsonについていろいろ進めております。社内のいろいろな業務をこのWatsonを使ってなにか支援できないかということを研究しているところであります。

最後にヒラメ&イカということで、これは釣りのターゲットなんですけど、なかなか私に釣られるヒラメ・イカがいませんで、今、来年に向けて、その釣り方を目下勉強しているところでございます。

MotionBoard歴は約3年ということで、だいたいひととおりの機能は使えるようになったかなという状況でございます。

本日のテーマでございます。今回ウイングアークフォーラムのテーマが「会社、働く人を、データの力でエンパワーする」ということでしたので、私のほうでは「MotionBoardを使って、現場で活躍する人たちを『見える化』で支援」ということでお話を進めてまいりたいと思います。

本日のアジェンダです。まず「Why?『見える化』」ということで、なぜ見える化をやろうと思ったかという話をしたいと思います。次にどういう状態、姿ということか。どういう要件を満たしたものを作りたいと思ったかというお話をします。

次に、せっかくMotionBoardですので、事例の紹介ということで8つほど持ってまいりました。その事例をご紹介したいと思います。最後に、ポイント、効果、今後の取り組みということでまとめてまいりたいと思っております。

なぜ見える化をするのか?

まず、なぜ見える化したいと思ったかというと、当社では10年ほど前からBIツールを導入しておりました。データベースを整備しまして、BIのライセンスも加えまして、かなりの投資をしてそれだけの準備をしたんですが、実態を見るとほとんど利用されていないという状況でした。

ほんの一部の人がデータを抽出するためにたまに使っているような寂しいシステムで、当然、見える化なんてできていないという状況でした。

ちょうどCRMをSalesforceに入れ替えるという時期がありまして、そのときに「今度こそ見える化を成功させよう」ということで、改めてなぜ見える化するのかということをまとめました。

1点目は生産性の向上です。例えば営業の月次レポートを例にとりますと、担当は期日が来たら営業の自分の案件の状況を取りまとめて、それを上司に報告します。上司はその各担当からの状況を取りまとめて、それを本社に送る。

それを本社では、各現場からの状況をすべてまとめて月次レポートとして作り上げるといったことをやっておりました。毎月多くの時間を割いてこういう作業をやっていたわけです。

これを見える化しておけば、一番最初に作るときはパワーがかかりますけど、一度作ってしまえば次からはレポートを開くだけでそのときの状況が見えるということもあって、時間短縮ですとか、あとはやはり人間が作業するとミスが起きますので、そういったミスの抑制にもつながるということで、生産性の向上につながるのではないかと考えました。

次に課題の早期発見ということで、先ほどの月次レポートを例にとりますと、月に一度です。それで状況を把握することができる。年でいえば12回ですね。これを見える化しておけば、いつでも「今」を見ることができます。必要なときにいつでも見ることができるので、業務上の課題を早期に発見することにつながると考えました。

そして、意識付けです。この見える化をなんのためにやるかというと、人に気づきを与えるためです。先ほどの業務の課題を発見するのも気づきなんですけれども、その気づきを与えるということで人は必要な行動を取るようになっていく。そういったことにもつながるのではないかと考えていました。

例えば、各個人の営業の話でいえば、将来の案件が自分の目標に達していないと早めに気づけば、例えばローラー活動をする、テレコールする、といったことを早めに動いて案件確保に努めることにつなげられるのではないかと考えたわけです。

最後がシステムの活用促進ということで、情報をシステムに登録する。ちゃんと登録するまでにはなかなか時間がかかるんですけれども、その情報を登録することで、システムがデータを集約して自分で把握することができる。そういったフィードバックを与えてあげると、その情報を登録するメリットが生まれて、システムの活用促進につながると考えました。

見える化の要件を整理

見える化のメリットを確認したところで、見える化の要件をもう1回整理し直しました。具体的に動き出すためにいったん要件を整理しました。

まず、目指した姿は、こうあってほしいという願いになります。社員一人ひとりが、なにかを感じ、なにかに気づき、必要なアクションを考え、具体的に動くことができる。そんな情報活用基盤を作りたいと思い立ったのがこの見える化の始まりです。

要件については、まずシステム面です。

まずクラウドサービスであることを優先して採用を考えておりました。当社では全面的なクラウド移行を進めておりまして、クラウドを利用することで、安定した情報インフラ・情報システムを手に入れることができますし、常に最新の状態でシステムを利用することができる。

加えて、素早く簡単に、要は申込みだけすればすぐにシステムが利用できて、現場に提供できるということでクラウドを採用しておりました。

BIも可能であればクラウドがいいなと考えておりました。データはクラウド、具体的にはSalesforceなんですけれども、そのデータも扱える。あとはオンプレミスのシステムも残ることがわかっていましたので、オンプレミスのデータも扱えるといったものを探しておりました。

また「必要な人が作って、必要な人が参照する」という状況を作りたかったので、価格もリーズナブルなものがいいと考えておりました。

次、データです。従来は夜間バッチでデータをデータウェアハウスというところに貯めて、そのデータを参照ということで公開していたわけですけれども、そうするとデータが1日遅れなんですね。データが1日遅れるということは、データのミスがあって直したくてもその場で直せないという状況が起きていまして、それが非常に現場から不満をもらっていました。

また、そのデータをモデル化してある意味わかりやすく提供していたわけですけれども、それがいろいろなデータ活用ニーズに対応できていないという状況がありました。

そこで、データについてはできるだけ今のデータをそのまま扱えるようにしたいということ、もう1つはデータをテーブル構造のまま公開して、多少使う側のハードルは上がるんですけど、それは慣れでカバーすることにして、いろいろなデータ活用ニーズに対応できるようにしたいと思っておりました。

次にデータ活用についてです。最終的にはやはり現場部門でしっかり使えるBIツールということで、現場の担当者でも使いこなせるわかりやすさと操作性、あとは多様なニーズに応えられる機能性ですね。これらのバランスを意識して探しておりました。

あとは、現場の担当者がサクッと作ってサクッと共有できるものを探しておりました。どうしても情報システム部門だけでは現場にフィットしたものをすぐに提供するということは難しい状況がありましたので、できるだけ現場の者が作って進められるものがいいなと思っておりました。

とは言っても、いきなりBIのツールを揃えて、データを揃えて、「じゃあこれで見える化進めてください」と言ってやってもおそらくうまくいかないだろうなと思っておりましたので、まずは情報システム部門で主導して進めようと考えておりました。

現場からアイデアをもらってまずは作ってみる。実際のものを目の前にするといろいろとニーズが出てくるんですね。それを巻き取りながら現場を巻き込んで短時間で完成する。そのように進められるといいなと考えておりました。

MotionBoardの活用事例

そこでいくつかのBIシステムを選定しまして、どういうものが今お話ししたような要件を一番満たせるかということを考えた結果、ウイングアーク様のMotionBoardに決めたというわけです。

いろいろな要件を検討して決めたんですけど、一番のポイントはウイングアークさんの人柄の良さですね。

あとは、渋谷で「試練の11番勝負(ウイングアーク主催のセミナー)」、今もやっているかどうかわかりませんけど、私がちょうど行った頃の11番勝負「晩秋編」というところで、島澤様のご自宅の電力事情を見える化したものがありまして、それを見て「これだ!」と思ったのが一番のポイントです。きっとあのデモがなければ今ここに立っていなかったのかもしれません。

今日はMotionBoardの事例ですので、MotionBoardの事例を8つご紹介します。できるだけお見せするということで進めたいと思います。

できるだけお見せするといっても、数字まですべてお見せするわけには……お見せすると私、会社に帰れなくなりますので、ぎりぎりまで隠して持ってまいりました。たぶん薄目しても見えないと思いますので、これで進めたいと思います。

(会場笑)

まずは売上予実です。この上のほうが、支店ごとの売上の予算と実績が並んでおります。これは商談案件から拾ってきているので、予測も含めて、そういったデータになっています。

下がグラフで表示しているものになります。下のグラフのほうは、実績は商談の確度に合わせて、Aからあるんですけれども、それごとに積み上げグラフになっている、そういったグラフになります。これを店舗ごとに提供して実際に活用しているというものです。

これは営業が案件を登録するだけでこのグラフができあがるということで、これがシステムの活用にもつながっているということです。

今まで、前にお話ししたように、営業の月次レポートをいろいろ作っておりましたけれども、これができてからはかなり時間短縮と正確さが向上しました。あとはいつでも「今」が見えますので、営業課題の早期発見につながっているということになります。

案件を管理して受注後の導入もスムーズに

次に案件管理です。当社では案件管理が何種類かあるんですけど、その中の1つだけ持ってまいりました。

ちょっと隠しすぎてよくわからないですけど、これは上のほうに支店、その下に人です。あとは商談の確度や受注番号。横軸に月と販売種別の件数と売上が出ているといったものになります。

その上のセルをクリックすると、そこに該当する商談の一覧が下にずらっと出てくる。あとは、案件のところをクリックすると、その案件に対する活動が出てくる。そんなつくりになっています。

あと一番左の商談というボタンを押すと、Salesforceの商談案件の画面が開くという仕組みになっています。

このように、セルをクリックすることによって、それに対して動きをつけられるというのはMotionBoardの特徴的なところでして、私が一番気に入っているポイントの1つです。

ほかのBIツールでもドリルダウンとかドリルスルーという言葉でいろいろ見れるんですけれども、やはりそういう言葉が浸透しないんですね。ですので、クリックすることで直感的にその中身を見るというつくりにしておけば、使う側があまり迷うことなく使えるのではないかということで、こういうものを作っております。

これは案件を見やすく整理して見える化したものです。営業はこのボードを見て自分の案件を管理しています。支店長は、支店の案件を管理して、必要に応じて営業のフォローをしています。先々の案件を見越して今の活動を決めてフォローしていくといったものになります。

もう1つ、うちでは営業が販売したあとにエンジニアが導入の作業を行うんですが、その直近の受注状況を支店内で共有することで、受注後のスムーズな導入につながっています。

重点商品に関する活動の見える化

次は活動管理です。これは単純にどういう活動をしたかというものではなくて、当社の重点商品に対してどういう活動をしているかを表したものになります。

左側が、その活動の中でお客様を訪問した際にうちの重点商品を紹介したかどうかというのがわかるようになっているグラフです。紹介すると青くなるんですね。赤が多いということは、まだそうでもないという状況になります。

あとは、その支店ごとの集計が下に出て、その中でクリックしたものが、売上の明細がその下に出るといったようなつくりになっています。

右側はその商談案件でして、お客様の商談に対して重点商品がどれぐらい入っているのかを示したものになります。支店ごとの集計とその明細というのがわかるようになっております。

これは重点商品に関する活動の見える化ということで作ったものです。営業が日報と案件を登録しておくとこのグラフが完成するといった状況になっております。

本社と支店長は、重点商品の提案状況を確認して、必要に応じてフォローなり指示をしているという状況です。

あとは、重点商品の販売の先行指標として、ちゃんとお客様に伝わっているのか、提案しているのかということがわかるような先行指標としての活用が進んでおります。

次が引き合い案件です。当社ではお客様からの引き合い案件が案件化したのか、その案件した結果、勝ったのか負けたのかというものが見えるようになっております。このボードはその状況を示したボードになります。

まず左上のグラフは、引き合いの件数とそのうちの案件化した件数と案件化率。あとそのうちの取れた商談とその粗利を月ごとに表示しているというグラフになります。

今度はその下は、その引き合いに対して営業がどういう活動をしているか。例えば「お客様にアプローチしてます」「商談化しました」ですとか「これはものになりませんでした」ということをグラフ化しているものになります。

これは販売促進の担当が支店にアプローチするときに、支店ごとにどういうアプローチ状況なのかを見た上でそれぞれ支店に指示を出しているというものになります。その下はその案件の内容が出るようになっています。

右側は引き合いの状況をトレンドで追えるように、1年分、引き合いの件数と、案件化と案件化率。あとは獲得数と獲得率。あとはその粗利率がそれぞれ見えるようになっています。

これは従来は手作業で記録と集計をしておりました。ですので非常に手間になっておりました。一人の半分ぐらいはずっとそれにつきっきりでやっていたという状況でした。

これを作ったことで、時間短縮と、あと正確さが向上したということと、もう1つは月ごとに推移を追えるということで、実際のWeb施策と照らし合わせて、そのWebの施策がどのぐらい効果があったのかというのを、効果の検証に使っているといったようなボードになります。

営業戦略にもボードを活用

次に、営業戦略に活用しているボードになります。これはMotionBoardの超高速GEOコーディング機能というものを活用した事例になります。確か世界で最速だったんじゃないかと思いますけど、そういったGEOコーディングの機能を使っております。実際に取引先の住所のデータからプロットしているものです。

この図は、とある状況を市町村ごとに色分けして出しております。その上に自社のユーザー、だいたい4万件ぐらいのデータを全国でプロットしているというものになります。

これを見ながら営業の担当が、全国的に詳細を見ながらまずどのエリアを攻めるのか、どういう攻め方をするかを考える。「ここは市町村の状況がこうだから、かつ自社ユーザーが多いのでこういう攻め方をしよう」といったことが考えられています。

これは従来はExcelのPower Mapというものを利用しておりました。Power Map自身すごく強力な機能なんですが、実際にやると、リストを整理して、それをExcelに読み込ませて、それをプロットするということで、非常に手間もかかって時間もかかる。

それからリストがすぐ陳腐化しますのですぐ鮮度が落ちる。そういった問題を抱えておりました。それをMotionBoardにすることでこれらの問題を解決しました。

次に受注の管理です。これはBIかと言われるとBIではないんですけど、当社は受注のあとに、計上する、仕入れの処理をする、入金をする、決裁をする、検収をするという5つのフェーズがあるんですけれども、それをわかりやすくタブに分けてそれぞれ表示するようになっています。

各支店の総務がこういった受注の処理をやっていくんですけれども、各支店の総務がこれを見ながら1件1件受注を処理していくということをやっております。

これは受注の状況を見える化したもので、従来は各支店の総務が自分のところの、自分の部門でExcel等で管理していたところもありますし、紙で管理していたところもあります。そのために処理の漏れやミスが起きていたという状況がありました。

このボードを使うことで、いつどういう処理をしなければならないかというのが標準化できました。そのおかげで処理の漏れやミスが減少しました。

メンバー自らMotionBoardを学びアップデートを繰り返している

次に問い合わせ管理です。ほとんど隠している意味はないんですけど、問い合わせで使っているものになります。

当社には100名ぐらいのコールセンターを持っております。このボードはお客様の問い合わせ状況を管理するためのボードになります。その100名のコールセンターのメンバーが全員このボードを開いて問い合わせにあたっている、というボードになります。

この事例は、問い合わせを受け付け中、対応中、エスカレーション中、あとはクローズ待ち、引き継ぐ案件、依頼中というステージに分けてボードで管理することによって、漏れや遅れがないように表示しているボードになります。

この事例は、うちでは珍しい現場主導型の取り組み事例になります。コールセンターのメンバーが自らMotionBoardを学んで、自分たちで作ってアップデートを繰り返しているというボードになります。運用が始まって1年ぐらい経ちますが、1年前と比べるとずいぶんアップデートされて洗練された事例になっております。

また、実際にMotionBoardを学んで作っていったということで、MotionBoardがすごく使いやすいツールだということがわかる事例だなと思います。

今までは主にCRMのデータを吟味したわけですけれども、今開発中の経費予実というものになります。これは部門勘定科目ごとの予算と実績のデータが出る。実際の財務のデータを引っぱってきて表示しているんですけど、そういったボードになります。

これも、上のほうの明細をクリックするとその中の明細が下にずらっと出てきます。この事例はMotionBoard Cloudを使っているんですけど、データはオンプレのデータになります。

そのMotionBoardのブリッジという機能を使って非常に簡単にデータを、VPNを張ることなく、簡単な設定で実際クラウド上のMotionBoardに入力できるようになっています。パフォーマンスもかなりよくて、先ほどのレポートでしたらほんの一瞬で出すことができるようになっています。

従来はこれを静的なレポートで作成して配信しておりました。当社では100ぐらいの部門がありまして、それを1人の担当がそのレポートを部門ごとに作って配信していたわけです。

これをMotionBoardにしたことで、作成は1回パワーかけて作らないといけないんですけれども、その後はもう作成もせず、配信もせず、データを貯めていくだけで運用ができるということで非常に生産性の向上に寄与しているレポートです。

もう1つは、使う側としては、予算と実績の乖離を見るのに、明細がずらっと出てきますのでそれを見たり、あとはExcelに落として中で解析したりすることができるようになりましたので、そういう分析効率の向上にもつながっています。

以上が事例になります。

見える化を進めるためのポイント

ここからは見える化のポイントということで、私どものほうで「見える化したときにこういうところがポイントになるんじゃないか」というところをお話ししたいと思います。

まずは、当社では情報システム部門が推進するということで取り組みを始めました。ヒアリングしてアップデートということを繰り返してきたわけですけれども、実際ヒアリングして作ってアップデートするのはかなり労力を使います。ですので、見える化する専任者を置くということで進められたほうがいいのかなと思います。

もう1つ見える化するにあたって、なにを見える化するのかというのが非常にとっつきにくいのですが、役職と業務のマトリクスを作って、誰になにを見せるかということを考えていくと、1つの答えが見つかるんじゃないかと考えています。

あとはダッシュボードを作って現場に提供する。そのフィードバックを見ながら対応していくということで、ササッと作り上げるということが必要なんじゃないかなと思います。

あとはやっぱり最終的には現場部門で見える化をするということが重要だと思っておりまして、これはこれからの私どもの課題でもあるんですが、そういったことも必要かなと思います。

まずは、見える化は、とにかくなんでもいいので1個作ってみるというのが1つ重要なのかなと思います。いろいろ思いを巡らせてあれもこれもと考えるよりは、例えば「案件を管理したい」と決めれば、案件を管理するためのボードをとりあえず作ってみる。それを現場に提供してみて、いろんな意見をもらってブラッシュアップしていくと、最終的にいいものができるんじゃないかなと考えております。

ここで見える化の効果ということで、最初の「Why? 見える化」のところでうたった効果がどれぐらい出ているかというのをお話ししたいと思います。

1つは生産性の向上です。この緑のマークはその効果の度合いを表しています。生産性の向上については、作ったダッシュボードの数だけ、時間の短縮やミスの抑制につながっておりますので、まあまあ寄与できているんじゃないかなと思います。

課題の早期発見、意識付けについては、まずMotionBoardを見るということに関してはだいたい定着してきたんじゃないかなと思っております。あとはMotionBoardという言葉が定着してきましたので、これからもっと加速していくと期待しております。

あとはシステムの活用促進については、必要なデータについてはほぼ100パーセントアップロードされるという状況になっておりますので、活用は進んでいると考えております。

今後の取り組みということで、先ほど話した、役職×業務別に必要な見える化を整理するということで、私ども、もう少し整理して一人ひとりに合ったメニューを提供してまいりたいと思っております。あとは現場部門のMotionBoardの使い手を育成ということ。あとなんといっても、会社の成長につながる見える化を推進してまいりたいと思っております。

最後に、私たちがこのMotionBoardの使い手になるまでに、サポートセンターの方々には毎日のようにメールしていろいろ教えていただきました。あとは運用まもなくちょっとしたトラブルがあったんですけど、仙台支社の方に非常にいい対応をしていただきました。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

これで私のセッションを終わりにしたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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