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IoT、AI、VRの未来を語るディスカッション(全3記事)

2017.09.01

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「テクノロジーの進化からは逃げられない」エンジニア起業家らが示した次なる指針

提供:グーグル合同会社

Googleが“インターネットの次にくるもの”をテーマにしたイベント「INEVITABLE ja night」を開催。その中で行われた「IoT、AI、VRの未来を語るディスカッション」では、IoTやAI、VR を軸に新たなビジネスを切り開いているソラコム玉川憲氏、ABEJA岡田陽介氏、InstaVR芳賀洋行氏が登壇しました。モデレーターは及川卓也氏。今現在、お互いが関わっている領域をどう考えているのか。また、新領域に関わるであろう技術者たちが持つべきビジョンとは? 第2回開催の詳細はこちらからチェックできます。

「クラウドは不安」という人の“不安”の正体は?

及川卓也氏(以下、及川):すばらしい流れを作っていただきました。ということで、一応IoT、VR、AI、ちょっと長くかかっちゃったんですけれども、それぞれの技術をほかのお2人から聞くっていうところで考えてみました。

このIoT、AI、VRの未来で、クラウドの技術の進化とか今後の不可避な流れ、Inevitableというところを話したいんですが、これ、ちょっと2ついっぺんにしちゃおうかなと思っていて。

クラウドは、おそらく3者ともなかったら今、起業できなかった、事業を進められないところもあると思うんですけれども。あ、ちょっとこれ会場に聞いてみよう。今、自分でまだパブリッククラウドを使っていないっていう。でも手を挙げにくいか。

玉川憲氏(以下、玉川):いない。手を挙げにくいですよね。

及川:使ってる方、手を挙げてもらっていいですか?

(会場挙手)

及川:これどうですか? 野鳥の会の玉川さん。

岡田陽介氏(以下、岡田):(笑)。

玉川:そうですね、76.8パーセントぐらいが手を挙げてますね(笑)。

及川:なるほど。ありがとうございます。なにかの理由があってできないとか推測できるところもあるので、そういった不安なところに対してどうアドバイスするか。クラウドを含め、今後の技術予測みたいなところでなにかお話しすることがあれば聞きたいんですけれども。

ちょっとふわっとした質問かもしれないですけど。まあ、クラウドで不安だという人にはどう言われますか? だいたい不安な要素ってあれですよね……なんなの?

玉川:いや、私が某クラウドをやっていた2010年には、本当にそういう意見が多かったんですよね。大企業の中のIT予算とかでも、パックマンモデルって言われたんですけど、「8割が保守のためで、新規に使えるのなんて2割だから、もちろんクラウドは使うんだけど、ほとんど使わないよ」という話だったんです。でも、最近だいぶ変わりましたよね。

保守に使うのをできるだけ下げて新しいことをやっていかないと、どれだけ大企業であっても生き残っていけない。それが、ここ7年ぐらいの世界の変化なのかなと思っています。

そうなったときに、現時点で日本でも……なんていうんでしょう。SORACOMはある意味、クラウドのモバイルなんですけど、「クラウドだから使いません」はほとんど聞かなくなったと思うので。もう本当に、不可避な流れのメインストリームに乗ったのかなと思っています。

ですので今、単純にめんどくさくて手を挙げていない人もいたと思うんですけど、もし使っていない人がいたら、その……とくにGoogle Cloudを使ってみたほうがいいと思います(笑)。

(会場笑)

どのクラウドでもいいと思うんですけど、パブリッククラウドでメガクラウドといわれるものはどれも使いやすいですし、ものすごくいいので、ぜひ使ってみていただければなと思いますね。

「ないもの」を心配しがちな日本人

及川:そうですね。ちょっとじゃあ岡田さんと芳賀さんに聞きたいんですけれども。そうは言っても、マルチクラウドをしてなくて、どこかの1社のパブリッククラウドにいってたら、可用性とか、ダウンの時間はすごい短いかもしれない。でも、ダウンしたときが心配だったりとかってあるじゃないですか。

そこらへん、自分たちがパブリッククラウドを使うときにどう考えられたか、なにか今、対処ってされているのかを聞きたいんですけれども。

芳賀洋行氏(以下、芳賀):対処ですよね? まあ「そんなもんだ」ぐらいですよね。私が始めた時ってSaaSのサービスを使ってバックエンドを組んだんですけど。始めてだいたい3ヶ月後になくなるって発表がありまして。それはそんなもんだと思って「じゃあ乗せ替えるか」みたいな。

結局、止めないで乗せ替えなきゃいけないんですけど。別にめんどくさいだけで「まあそんなもんだ」「結局スケーラビリティも上がったし、コストも安くなったから、まあいいか。いいチャンスだった」みたいな、そんなもんですね。

及川:それはサービスのシャットダウンですよね。サービス自身のダウンタイムみたいなところって心配したりはしました?

芳賀:ああ……。でも、そんなにないですよ。

及川:ないです。ないのを心配する人が、日本人では多いんですよ。

芳賀:自社で持っていたほうが危ない気しますけれどもね。ダウンタイム……ありましたっけ? でも、この間の……どこだっけあれは? どこかでS3が火災になったときはドッキリしましたけど、あれだって分散されていれば問題ないわけなんで。

及川:要するに、分散は普通にしておきましょうって話ですよね。

芳賀:そうですね。「めんどくさいからやらない」となると、それはリスクあるかもしれないですけど。きっちりやっていればいいと思います。

及川:ベストプラクティスはいっぱいあるから、それはきっちりやりましょう、という。

芳賀:そうですね。

及川:岡田さんは、なにか付け足しとかあります?

岡田:そういった意味では、1つのデータセンターに依存するのはまずいので、単純にエリア分散しましょうねというところですね。

あと、我々はよくIoT的にやってるんですけど、エッジ側のデバイスから送らせたりするんですね。なにがいいかというと、最悪ダウンしてても、そこで保留されていたりするので、落ちてもとくに問題にならない。

とくにつながらなくなっても「つながらないよ」って言うんですけど、つながるようになったらまた再度通信を開始してくれる。そういった「どういうハンドリングプロセスを取るか」という、そのエンジニアリングのプロセスでけっこう解決できるところは多いなと思ったりしますね。

コードを書く→世界に価値を提供する、のサイクルを楽しめる

及川:なるほど。わかりました。ありがとうございます。このセッション自身は、前が押したのであと14分あると私の時計では言ってるんですが。とても個人的なことで、私は10時55分の飛行機に乗らなきゃいけないというのがあるので。ちょっと早めに終わらせていただきたいんですけれども(笑)。

もう1つ、技術者の方が興味を持つと思われる質問を。基本的にはやっぱり、みなさんがエンジニアで創業者の方なので、技術というところを入れておきながら、もう少し技術から離れたところを聞きたいなと思っているんですね。

1つは、3人とも起業するのが目的じゃなかったのかなって勝手に推測してるんです。なにかやりたいってことがあり、それで起業という選択肢を取ったのかなと思うんですけれども。違うなら違うと言っていいですよ、芳賀さん(笑)。

まあ、わかんないです。そこらへんちょっと教えてほしいんです。起業の経緯というところです。どうしよう。じゃあ芳賀さんからお願いしていいですか。

芳賀:僕からですか。僕、ちょっと起業の経緯はけっこう違うというか……。

及川:知ってます。だから振りました(笑)。

芳賀:僕はどちらかというと、個人でVRアプリを作ってまして。これがけっこうウケちゃいまして。それで最初にドバイとかのお客さんから「困っちゃってる。VR作れない」って、僕のほうに依頼が来て、一時期ドバイのアプリを全部僕が作ってたんですよね。

そのあといくつかVRアプリ作ってたら、気がついたらVRの動画再生プレイヤーがGoogleさんが出している動画プレイヤーよりも一時期、ランキングが上になっちゃってですね。気がついたら、先頭集団にいまして。

「これは起業したほうがいいかな」ということで、投資家さんを回ったら「じゃあ投資します」って話が決まりまして。そこから「会社ないんだっけ?」っていう話になりました。なので、会社を作るのはプロダクトより後でしたね。

及川:それっておもしろい話で。プロダクトをそのまま成長させたいとか続けたいときに資金をもらう必要があり、資金をもらうためには法人が必要だったから、法人化するために起業しました。

芳賀:おっしゃるとおりです。

及川:なので、さっき私が話したみたいに、もともと起業がゴールなわけではなくて、プロダクトのグロースがゴールであり、そのためのステップとして起業があった、と。

芳賀:そうですね。本当にシンプルなモチベーションでした。エンジニアとして、机に座って何時間コードを書いて、世界に価値を提供してよろこんでもらえる。このサイクルを楽しめる。しかも、自分たちが好きなようにというか、それがまず楽しいですし。それに僕としてはあまりほかにやることもなかったというか、起業を止めるものはとくになかったので、大丈夫でした。

及川:いや、芳賀さんの話を聞くと、人生ね、肩の力が抜けるというか(笑)。普通にやりたいことへ突き進んで、きちっと評価されていったならばこういう結果になるみたいなところがあって。違いますか?

芳賀:そんな感じだと思います。

及川:勝手に印象づけちゃいました。

芳賀:ありがとうございます。

「売るために起業したけど、やっぱり売れないぞ」

及川:岡田さんいかがですか。どういう経緯で起業されたか。先ほど自己紹介でもちょっと言われてましたけどね。

岡田:そうですね。そういった意味だと、私はシリコンバレーへ行ったときにそういうものに出会って。日本に戻って、共同創業メンバーと何人かでディープラーニングをカタカタやってみたんですね。当時はCPUしかなかったので、「1回学習スタートしたら1週間はPCに触れません」みたいな時もあったんですけど。

そういうかたちでやったらけっこううまくいって、「ああ、すごいこれ、いいかたちでできたね」「じゃあここまでうまくできたんだから、これ売ろう」「売るためには会社あったほうがいいよね」という感じで会社作ったみたいのが経緯ですね。

ただ、これには裏話があって。当時2012年の9月に創業してるんですけど。本当にディープラーニングが売れなくて。

2012年9月にディープラーニングと言って反応する方はゼロなんですよね、基本的に。Google Japanの方でもほぼいなかったのぐらいのレベル感で、けっこう苦しかったんです。2013年、14、15、16ぐらいにだいぶ流れがきて、伸びたんですけど。

なので、我々は最初にディープラーニングがあって、「売るために起業したけど、やっぱり売れないぞ」となって。売るためにバーティカルで、小売業やって、ソリューションを出した。そして今、ようやくプラットフォーム事業も進めている。だから、かなり違和感があるんですけど。

やっぱり、そういう意味では「やりたかったことがあるので起業した」というのは、まったく同じかなと思います。

やりたい技術ありきの起業

及川:技術に惚れ込んだという感じなんですよね。なるほど。わかりました。玉川さん、いかがですか?

玉川:そうですね、私もどちらかというと、起業をしたくて起業したというよりも、もともとクラウドのビジネスをやっていて、「こういうプラットフォームビジネスってすばらしいな」と思っていたんですね。なぜかというと、それがあることでいろんな人をモチベートできて、新しいチャレンジを促すというようなプラットフォームビジネスがいいなと思っていたからです。

某クラウドの立ち上げを日本でやってたときに、2014年だったと思うんですけど、アメリカに出張してた時でした。今一緒にやってるCTOの安川(健太)と一緒に飲んでいて、そういう通信プラットフォームをクラウドの上で作れるんじゃないかと盛り上がって。

出張してたので、当時寝れなくて。時差ボケがいつも激しいので。それで仮想のリリースノートを、その夜、寝れなかったので書いたんですね。こういう通信プラットフォームを書きました。そのまま寝て、朝起きてそのプレスリリースを見ると、「これいけるんじゃないか」と思ったのがきっかけですね。なので、飲みが始まりということですね。

及川:今、プレスリリースという話が出たんですけど、Amazonさんって、プロダクトの企画ってプレスリリースから書くんですよね。

玉川:A社はそうですね。

及川:ですよね。気を遣ってますね(笑)。

(会場笑)

私、プロダクトマネージャーをやっていて、それでいろいろな会社からアドバイスしてほしいと言われると「プレスリリースから書くといいらしいぜ」と言ってるんですけども。それはそのA社さんから教えてもらいました。

目指すゴールへのより良い道としてIPOもしくは事業売却を選ぶ

ちょっと時間も限られているので、なんの話を聞こうかなと思ってるんですが。1つだけ、ここに書いてないけど、私が3人にどうしても聞きたいことがあるんですよ。もう手を挙げるだけでいいですよ。

今後の展開を、いわゆるスタートアップのイグジットを聞きたいなと思っています。ただ、みなさんがみなさん起業家を目指してるわけじゃなかったり、なまめかしい話も多いと思うので、手を挙げるだけでいいんです。

イグジットで、IPOで上場を目指してるのは当然あると思います。もう1つは事業売却があると思うんですね。

みなさんがそうかどうかは別にして、例えば1つ、Googleに買われたいというのはもしかしたらスタートアップのゴールとしてあるかもしれないですけれども、日本で買われたいなと思うような会社ってありますか? 会社名は言わなくていいですから。……手を挙げろってこれ難しいですね。みんな力(りき)ませちゃいますよね。どうでしょう?

玉川:手を挙げると語弊があるので、ちょっとひと言。

ソラコムに関して言うと、もともとそういう経緯で通信プラットフォームを提供したいと思って。しかも、「日本発でグローバル」が僕らのミッションでありパッションであるので、そういう意味でいったときに、IPOであれイグジットであれ、そのグローバルプラットフォームの実現するよりよい道を選ぶと考えています。

起業家精神を持ったテクノロジストの重要性

及川:わかりました。その次の質問にちょっと関わるんですけれども、正直、私は日本ではITがすごい強くて、エンジニアが入りたい会社がゼロとは言わないですが、あまりまだ多くなくって、だんだん増えてきているところが喜ばしいなと思ってるんですね。

なので、みなさんになってほしいなと思うので。みなさんは今後日本で、元気なスタートアップだったり、優秀なスタートアップだったら買収したいと思うことはあると思うし、あってほしいなと思います。

もしそうだとしたら、どんなスタートアップにそういった魅力を感じるかを教えてほしいなと思うんですけれども。意見がある方。

岡田:そういった意味ですと、我々の会社はけっこうめずらしくて、テクノプレナーシップというのをすごい言っています。これがなにかというと、テクノロジストとアントレプレナーの造語なんですよね。

起業家精神を持ったテクノロジスト、技術者みたいなことを我々は言ってるんですけど。この両方が重要かなと思っているんです。テクノロジストだけだと、日本で儲からない。でも、すごく技術力あるベンチャー企業ってけっこうあったりすると思いますし、逆パターンもけっこう大きいと思うんですよね。

なので、これが2つともマッチしてる会社がたぶんGoogleだったり某A社だったりすると思ってまして。そういった会社が日本から生まれるといいなと思ってたりします。そうやってテクノプレナーシップを社内で育てて、逆にそういった人たちが卒業していって、次なるスタートアップを作っていってくれることもすごいウェルカムだなと思ってます。

逆にそういったことを、今日はこの場に学生さんたちもいらしてると思うんですけど、少しでも聞いて、「なるほどな」と思って。そういった気持ちになっていただければ、すごいうれしいなとは思ってます。

やりたい技術に起業家精神が加わっただけ

及川:はい。芳賀さん、どうぞ。

芳賀:一応僕もMBAを取っているので、実際に事業を始めるとなると、本当に勝たなきゃいけないんですよね。グローバルでやっちゃうと世界中の人がいわゆる競合になるわけで。しかも、1社か2社ぐらいしか残らないという厳しい状況になります。

勝つための資源として、どうしても手に入れなきゃいけないコンポーネントがあります。それが買収でしか手に入らないといったら、それはもう選択肢がないんですよね。それがどこの会社かどこの国かはあまり大きな問題ではないとは思います。いいものを、僕たちが前に進んでちゃんとやっていくのに必要なものを、それを手に入れるというかたちにはなると思います。

及川:じゃあ、希少価値を生むぐらい、技術なり製品の魅力を高めていく。

芳賀:そうですね。もちろんそれは逆も言えることで。我々がそういうピースになったときには、そういった選択肢も出てくるんじゃないかなとは思っています。

及川:なるほど。わかりました。

玉川:私も芳賀さんと近くて。実はもうソラコム、買収はまだしてないんですけど、出資というのは行っていて。例えば、通信の中でも最近LPWAということで、Low Power Wide Area Network、省電力の広域通信のエリアが非常に注目されているんですけど。

その中の1つのテクノロジーでLoRaWANと呼ばれるテクノロジーがあります。そこに関してはM2Bという会社に出資をして、非常に高いテクノロジーを持っているので、そこと一緒になってLoRaWANの事業に展開する。

今年2月からLoRaWANの事業を始めているので、実は日本発のLoRaWANの商用化をやったんですけど。こういったようなかたちで、テクノロジーを持っている会社と一緒にやるのは非常にいいやり方だなと思っています。

及川:なるほど。やはりテクノロジーありき。あと岡田さんの話でいうと、起業家精神というところがそこに加わると、企業としても個人としても魅力があるでしょっていう話ですね。わかりました。

パッションを追いかけ続けた結果、今がある

あと4分ぐらいになってきましたので、最後、ちょっと締めのかたちで。最後に書いてあるエンジニア創業者として起業してよかったこと・苦労したことっていう質問があります。

先ほどのGoogleのAndroid、Boot CampだとかMachine Learningでみんな覚えさせてるみたいなところで。先ほど玉川さんの会社の紹介にもあったと思いますけど、やっぱりエンジニアリング的なみたいなものがあると思いますね。

なので、エンジニアの人たち、もしくはエンジニアではなかったとしても、会場の人たちに、今後のメッセージみたいなところを少し言ってほしいなと思うんですね。要は、エンジニア創業者から今日の参加者への言葉というところでまとめてもらえればと思います。どなたからいいでしょうか。じゃあ玉川さんからでいいですか?

玉川:そうですねえ、けっこう難しいテーマだと思うんですけど(笑)。

私自身、エンジニアとしてやってきて、リサーチャー、エンジニア、それからコンサルティング、エバンジェリストみたいな感じです。振り返ってみると、結局はパッションがあるところに一生懸命に力を注いでいって、VRやって、ウェアラブルやって、それでアジャイルやって、クラウドやって、1周してIoTに戻ってきたみたいな感じになり、結果的に会社を作っていることになっているので。狙ってたわけじゃないんですけど、結局はエンジニアあがりの創業者というかたちになりました。

非常に自分の人生としてはよかったかなと思っていて。connecting the dotsじゃないですけど、振り返ってみて初めてわかるんです。

僕の場合はパッションを追っかけてたらそうなったので、みなさんにぜひ自分のパッションを追っかけてほしいなと思います。

このイベントってInevitable、……そこの本の最初でも書いてあるんですけれども、テクノロジーってもう止まらないです。これはもう絶対にInevitableなので、そのテクノロジーの進化から逃げようと思ったって、エンジニアは絶対逃げられないと思うんですよね。なので、逃げるよりかは目を見開いてじっくり見て、自分のパッションがあるところを選んで使っていけばいいんじゃないかと思います。

私自身はそうしてきて、今非常にハッピーで、優れたチームメンバーに恵まれて、毎日楽しくやっております。ぜひ少しでも多くの日本のエンジニアにそういう道を選んでほしいなと思っています。

興味あるものの中から「のめり込めるもの」が見つかる

及川:ありがとうございます。岡田さん、お願いします。

岡田:私はどちらかというと、エンジニアもやりつつ、もともとデザイナーでご飯を食べてた時もあったり、いろんなことをやってきたんですね。なので、玉川さんと一緒かなと思うんですけど。その時その時にやってきたことが今、すべて糧になっているなと思ってまして。

会社をやっていると、どの部署が重要だとかあまりないと思ってるんですよね。全部重要なんですよね。なので、その重要性をちゃんと理解した上で、そこのバランスをとって経営ができているところに関しては、私はすごいよかったなと思っています。

逆に私自身が苦労してるところでいうと、首を突っ込んじゃう人なので、なるべく首を突っ込まないように、現場に任せていきたいなと思ってはいるんですけれども。

そういった面も含めて、逆に知ってるからこそメンバーを尊重できるじゃないですけど。「ここ大変だよね」と一緒に走っていけるところはすごいあるかなと思っていますね。

結論なんですけど、エンジニアの方だからこそ、エンジニアリングにもちろん興味持つのはぜんぜんいいと思うんですけど、いろんなことに興味を持っていろんなことに全力投球していく。なにか1つ「これだ!」みたいなものが見つかって。それにどんどんのめり込んでいけばすごい成功していけるのかなと、私は信じて進んでいます。

及川:ありがとうございます。じゃあ最後、芳賀さん。

芳賀:ありがとうございます。エンジニア経営者でよかったこととしては、そもそもInstaVRを作ったのは、ドバイにアプリを作るのがめんどくさくて、楽したくて会社を作ったんですよね。

実際に経営してると死ぬほどめんどくさいことがいっぱいある。めちゃくちゃ探すんですよ、エンジニアなので。人を雇うよりも「これSaaSになにかないの?」って。探すところは圧倒的な効率化につながってます。

あと、特許とか論文とかけっこうちゃんと読んじゃってるので。そうすると「そもそもここ特許取れてるから、やったって大丈夫だよね」と、事業選定とかで無駄な道をいかないとかは、エンジニアならではあるかなと思っています。

エンジニアじゃないところ、例えば経営論だったり、財務資料を読めたり、あとリーダーシップだったり。僕はY Combinatorのスタートアップスクールに1回行ったことがあるんですけど、Instagramの経営者もぜんぜんできてなくて。「いや、でもそれは訓練だよ」と、あそこのパートの人は言い切ってる。訓練しないからできないだけ。

なので、そこは恐れずに、訓練が足りてないだけだから。訓練……いわゆるコードを書いてない人と一緒で、訓練してないだけなので。そこはそんなものだと思って気にせず、起業していただければなと思っています。

及川:どうもありがとうございます。要は、やはりそれに対してパッションを持てるかというところだったり、いろんなものを経験したり。connecting dotsは、我々の会話の中でもよく出てくると思うんですけれども。どこかで長いキャリアのなかで、活かされてくることもある。

あとは、本当にひたすら必要だったら勉強していけばいい。どの年齢になっても同じだなというところなので。

テクノロジーに対しての可能性を信じている方が今日、会場に集まってると思いますので、こういった熱意ですとか、継続した勉強を続けていく。人口減少云々はありますけれども、技術でそこらへんを解決していくというような未来を考えていけたらいいかなということでまとめさせていただきます。

どうもありがとうございました。

(会場拍手)

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