2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:グーグル合同会社
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服部桂氏(以下、服部):ただ、データ量については。これから我々は……あまりわかっていないんですけれど、今でもGoogle検索は月900億回されていますよね。数十年のシンギュラリティの段階だと、それが1兆倍になると言われているんです。10倍や100倍ならわかるけれど……。
小島英揮氏(以下、小島):1兆倍?
服部:1兆倍。つまりケビン・ケリーさんが計算したところだと、今、150億のデバイスがあって、それに40億個のぐらいのトランジスタが入っている。その数だけすべて合わせると、人間のニューロンの数の1兆倍ぐらい。トランジスタの数だけですよ。
こういうものは幾何級数的に増えているので、僕らはちょっと想像できないんでしょうけど。2020年に300億個ぐらいのデバイスがネットにつながる。その中に、さらにいろんなものが入ってくると、きっと桁違いというか、10倍100倍じゃなくて兆の単位だと。
小島:ぜんぜん違う世界観になりそうですね。
服部:クラウドも、僕ら考える規模で考えていると想像を超えてしまうということがあるんじゃないでしょうかね。
そうすると、我々のビジネスモデルといった前提条件を外して考えないといけないようなシンギュラリティの論議がやっぱり出てくるってことですよね。
小島:このAI的なプロセッシングとVR・IoT。これをデータレイヤーと言っていいかもしれないですけど。これはやっぱりつなげていけるのもクラウドというエコシステムがあるからという理解でいいですか。
服部:まさにそのクラウドが優れたアルゴリズムと計算能力とビッグデータをつないでいる。
クラウドという世界最大のコンピューティングプラットフォームであって、2015年でも14分しか止まっていないんだよね。高信頼性で、かつ我々の人生が全部入っちゃってるわけですよ。だからもう一生お付き合いしなきゃいけないというかね。もう「これやめますか、人間やめますか」ぐらい、もう一生のデータが入っちゃっている。
小島:確かに。じゃあこういう感じですよね。
さっき北浦さんが「VRが1つで破壊力あるもの」だと。今まで伝えられなかった体験というものを伝えるというのは非常におもしろいけれども、それは独立してるものじゃなくて、VR・IoTもAIも実は1つの大きなエコシステムの中にあり、その要がクラウドのエコシステムだというイメージと……。
服部:そうですね。だから、屑のデータを入れてもダメなんです。素直にいいデータを意識しないで自然にどんどん入れていって、みんなでシェアしていく。より大きいデータが意味があるんだけど、今、頭で考えたり、恣意的にいろんなことをやっていると、データの質が高まらないわけですね。
そのためにはVRを使ったりIoTを使ったり。そういった技術をうまく使って、自然にどんどん滞りなくデータを還流してシェアできるということだと思いますね。
小島:かつ、人が判断しない。AIが判断するので、たぶんデータ一つひとつはあまり大したことなくても、数が来るとAIがよろしくいろいろ考えてくれるみたいな世界になるんじゃないか、と。
服部:そうですね。だから、そこらへんの1つのインターフェースとして、AI的なものがあったほうがいいと思うんですよね。今は打ち込むんじゃなくて、言葉で言えば全部データになっていくとか、いろんな翻訳をしてくれるとか。要するに、アシスタントとしていろんなことをどんどん助けてくれるってことですよね。
小島:そうすると、情報の流れがつながっていないといけないので。それがぐるっと回って今、北浦さんがカンボジアでやっている。今現在はみんながスマホでつながっているわけじゃないけれども、数少ないIT機器を中心に、現地の農家の方といろんなデータをつなぐ流れを今、人の流れを作っているわけですね。人によって情報の流れを。
北浦健伍氏(以下、北浦):はい。
小島:その情報の流れができていれば、そこにVRやIoT、AIなど、そもそもスマホがやってきたときに爆発的に流れる装置ができる。
北浦:まずいったんつながらないと、本当にどうにもならないので。
小島:だから、いきなりスマホだけ渡してもつながらないってことですよね。
北浦:そうなんです。
小島:情報の流通……。
北浦:本当に僕たち最初にカンボジアへ行った時。iPhone2台持ってる人とかいるんですけど、「あの人たちはなんでiPhone買うか」と考えたのですが、それは自分が金持ちだと見せたいからなんですよ。
小島:札束みたいなやつ
北浦:そうです。だから「写真を送ってよ」って言ったら、写真は送れないっていうわけですよ。「いや、インターネットで送れるじゃない」って言ったら「そんなものにはつながっていない」って。
小島:でも、金はあると。
北浦:はい。
小島:なるほど、なるほど。
北浦:だから、ぜんぜん違うエコシステム。
小島:それを本来の情報とかデータの流れにつないでいくというのが、今の北浦さんのやられている作業ですよね。
北浦:そうですね。はい。
小島:それが1度できれば、このエコシステムが来たときにガッといくということですね。
北浦:はい。
小島:なるほど。わかりました。じゃあ結局AI・VR・IoT、クラウドをのりにして、不可分なエコシステムだなっていう話になってきたと思うんですけれど。
では、そのマーケットに行こうと決めたところで。日本でやっていくのは実は大変なんじゃないかと僕個人としては思っています。だって、マーケットはシュリンクしているじゃないですか。
今、実際に日本を飛び出しちゃって、それもアメリカじゃなくカンボジアでやっている北浦さんの目から見ると、エンジニアや起業家に求められているものはなんですかね? 技術的なトレンドは、今なんとなくわかったんですけれども。
北浦:日本人のほとんどは、外国でやるなら英語を話さなきゃいけない。逆に言うと、日本はすごく英語信仰が強くて「英語さえ話せれば世界中の人と意思疎通できる」と思っています。
小島:僕らはそう習いました。
北浦:これ、実はまったくそうではなくて。
小島:(笑)。
北浦:確かに英語で意思疎通は……。英語をしゃべれると伝わったような気にはなるんですけど、実はまったく伝わらない。
日本という国は、言葉の外で「こうだよね」「言わなくてもわかるよね」というところがものすごくたくさんある。その中で会話が成り立っている社会なんですね。僕たちもよく言うんですけれど「コピーとってきて問題」というものがありまして。
小島:コピー? コピーってこの紙の?
北浦:そうそう。例えば、日本の会社にいて「ちょっとコピーをとってくれ」と言われたら、絶対にコピーをとって持ってくるじゃないですか。デスクまで。待っていて来なかったら怒るよね、という話なんです。
カンボジアでは「コピーをとってきて」というと、ほとんど持ってこない。「あれ、コピーは」と言ったら「とりました」と言われる。
小島:(笑)。
北浦:「持ってこいとは言われてない」って話になります。なので、そこは大前提がまったく違う。
小島:じゃあ、どんなにGoogle Translateが進化しても、それじゃダメだってことですね。
北浦:ダメです。
小島:「コピーをとれ」を翻訳するだけでは伝わらなくて。それを咀嚼してはじめからちゃんと「とって、持ってきてください」まで言わなきゃいけない。
北浦:言わなきゃダメなんですね。だから逐一そういう細かいところまで手取り足取りマネジメントしないといけないんですけど。日本ではそこをしなくていいというか「そんなことを言わなきゃならないやつは仕事ができないやつ」という中で生きているじゃないですか。でも世界に目を向けたときは、それを言わなくちゃ伝わらない人が完全にマジョリティ。
小島:そっちのほうが多いんですね。
北浦:多い。圧倒的に多いので、そういう人たちと一緒にやっていくには、彼らが「できないやつ」じゃなくて、自分たちが彼らに合わせていくしかない。
小島:なるほど。例えば日本が縮小して、阿吽の人がどんどん縮小していくなかでビジネスを考えるときには、コミュニケーションとか伝える力がベーシックに求められる。
北浦:そうですね。はい。今後は伝える力とマネジメントする力が一番求められるんじゃないかなって。
小島:服部さんから見ると、ジェネレーションギャップで「近頃の若い者は……」みたいなのあるかもしれないですけど。それ以上のギャップかもしれないですよね。
服部:そう思いますけどね、大手の新聞社も新聞を買ってくれないんですね。みんなデジタルで読めるから、ということで。文字に書いているものはもうみんなお金を払わないんですよ。お金を払っているのは自分が好きなものとか感情とか。
これから検索量が1兆倍になったときにどう考えるべきかというと、文字がいっぱい増えて、いっぱいページが増えるということじゃない。例えばAIなんかが感情をGoogleさんが読んで、それに合わせてくれるとか、文字になっている。先ほどの「コピーをとりにいく」を3D、もしくはロボット使ってやってくれるとか。
それから今、検索できないものありますよね。例えば自分の体の中とか部屋の中とか物とか。まったく我々が考えもしなかったような部分にGoogle的な機能で検索できる。
すごくよく言うのは、Googleさんが世界をつないで、あとの5億人とコラボできるようにする。そういったツールがあって初めて70億人がつながる。今の70億人はコラボできない、ネットがなきゃ絶対できないんですよね。
だから、そこらへんを目指して。そのためにAIを使って、より新しい次の次元を目指していただいてるんじゃないかなという気は僕はしてるんですけどね。
小島:北浦さんの視点からいくと、まず伝える力・伝える能力がすごい大事だし、服部さんの考え方でいくと、今してるところを、サービスとかツールとかテクノロジーでなんとかすると、新しいビジネスになる。
服部:そうですね。だから今言われたような話をさらに新しいITテクノロジーで、コンテキストを伝えるとか、感情を伝えるとか、シェアするというような、我々が今考えているよりもうちょっと一段上のアプリケーションを考えていかない。
それは今から1兆倍のデータや、その処理能力があれば、やらないといけないことだと思うんですよね。きっと。
小島:なんか、いろんな前提が変わっちゃう?
服部:そうなんです。
北浦:Google検索でもそうなんですけど、基本的に文字が読める・理解できる前提じゃないですか。世界のいろんなデータを見ると「識字率が高い」みたいなことが書いてあるんです。でも、あの識字率は「文字が発音できる」なんですよね。だから、地名は読めるし、相手の名前も読めるんですけど、センテンスになると理解しないんです。
小島:単語はわかる?
北浦:単語はわかるんです。だから、「カンボジア」って書いてあるとか「インド」って書いてあるとか「北浦さん」とかはわかるんですけど。「北浦さんがどこどこにいって誰々と会った時にどうしてこうしたから、〇〇」っていう文章になるとわからない。
小島:ものすごい複雑なんでしょうね。それ。
北浦:複雑です。日本人でもそうですけど、「Don’t Go」「Stop」はわかるけど、5行ぐらいの文章にされると英語読むの苦手な人が多いじゃないですか。あれが自国語のレベルなんですよね。
だから文字ではないものでいかに伝えるかが、NEXT 5 BILLIONにはものすごく重要なポイントだと僕は思っています。
小島:すごくリアリティがありますよね。日々、それをカンボジアでリアルに感じていらっしゃる。
北浦:本当に伝わらないんですよ(笑)。
小島:英語が万能では絶対にないということですよね。
北浦はい。ないですね。
小島そこを単純にテクノロジーで、翻訳だけではぜんぜんダメで。行間を読む機能とか、そういうのが必要になる。
北浦:そうですね。結局、言葉は頭の中にイメージしてることを、僕たちは便宜上の言葉にして伝えているだけなんです。でも、この頭の中にあるイメージをいかにそのまま相手に伝えられるかが、やっぱり最も大事になってくるんだろうなと思います。そのあたりが次のテクノロジーの大きなブレークになるんじゃないかな。
小島:わかりました。では、その新しいテクノロジーやコンテキストでビジネスを考えていくとして、すごいレガシーな質問なんですけど。それを始めるために、日本拠点でみなさん始めたほうがいいのか、それともどうせ海外へ行くんだから、初めから出ていってしまったほうがいいのか?
一般的によく聞かれる話だったりするんですけど。これはもう日本を出ていってしまった北浦さんからすると、どう捉えますか?
北浦:顧客がどこにいるのかというところが、最も大事かなと。
小島:どこにいるか。つまり、自分がやりたいサービスとかビジネスのお客さんがいるロケーションはどこですかと
北浦:はい。例えば、「日本で成功しました」「そこから世界に出ていきます」って言ったとき、そこに大きなハードルがある。それは先ほど言ったように、そもそものバックボーンとか常識が違うからなんですね。
それを最初から僕のように海外でやってしまったときは、ハードルがあるわけで。どこかのタイミングで日本から世界に出るときは、ハードルがあるとは思います。
とはいえ今、日本と世界という考え方をするというのも、今後はどんどん変わっていくのかなと思います。
例えば僕、大阪出身なんですけど。やっぱり大阪の人はなかなか東京に出てこないんですね。彼らが言うには「大阪がいいか、日本がいいか」みたいな話をしちゃうんです。
小島:これの、もうちょっとスケールダウン版。
北浦:もっとスケール小さい版。
小島:日本と世界じゃなくて、大阪か日本か。
北浦:そうなんです。でも、本当はそうじゃなくて「別に大阪でもいいし、最初から日本中でやるんだったら、別に大阪だけにこだわったものを作らなくてもいいじゃない」という感じには思います。
小島:それって、どうせ出ていくんだったら、お客さんと近いところはどこかを見ないといけないし、どうせ最後にそこへ出ていくことを考えたら、初めにそのハードルを超えるのか、(または)1回体制整えてから超える。でも、どこかで超えなきゃいけない。
北浦:そうなんですね。体制を整えてから超える。これ、実はすごく難しい。
小島:むしろ体制ができちゃったから、超えるのは難しい。
北浦:そこを壊してまた出て行く必要が果たしてあるのかっていう。日本という特殊なマーケットの中でうまくいっているものをわざわざ壊して、違うところでうまくいかすものを持っていかなければならないところがあるので。
もし、日本でうまくいかせることを考えてビジネスをするのであれば、あまりグローバルは逆に考えずに、日本の……。
小島:お客様が日本にいるビジネスということですよね。
北浦:そうですね。逆にいうと、最初から世界に出て考えるのであれば、日本の顧客を無視するぐらいの感覚でやっちゃわないといけない。
小島:どこが自分のマジョリティなのか。そこに合わせるべきだってことですよね。
北浦:はい。
小島:一方で、服部さんはいろいろ世界とかトレンドを俯瞰して見ていらっしゃいますけど、国で切るという考え方ってもしかして古いんですかね?
服部:それなんか、20世紀の質問じゃないですか?
小島:あ、ごめんなさい(笑)。
服部:21世紀ですよ、今。それは半分冗談ですけれども。みなさんがネットを使い始めて20年ぐらいじゃないですか。メールとか使ってなかったですよね、最初。それから携帯も使ってなくて。
ここ20年で生活とかビジネスが変わったと思うんですよ。これから20年経ったら、まったく想像もつかないよね。というふうに、覚悟しておいたほうがいいと思うんですよね。
そういう意味では、20世紀はグローバリズムでは「国を超えて……」と言っていましたけど、今まさにネットの中でやっているのは、もう1つの国を超えちゃって、Google国みたいのがあって。これは要するに30億人が……。まあ、Facebookだって10億人以上いますから。
小島:そうですね。
服部:そういったGoogleやFacebookといった中でアイデアを共有したり、ものを作ったりしています。だからもう、国というもの自体が事実上……。昔は「なくなるよね」と言っててまだなくなっていないけれど。どちらかというと、GoogleやFacebookのようなものがもとになって産業ができて、サービスができていくことを真剣に考えないといけないと思うんですね。
これから何十年くらい経って、みなさんが仕事をするときに国とかっていうのを考えていたらもう古いというか。どっちかというと……。
小島:国境というのは、例えば県境と同じぐらい感じであるけれども……。
服部:あるとは思いますけどね。
小島:けれども、ビジネスを規定する線じゃなくなってくるんじゃないかってことですか?
服部:まさにネットのなかでGoogleのクラウドのなかでの著作権とか知的所有権とか、もう国を超えて論議しないと始まらないわけですよね。
小島:そうですよね。
服部:そういう意味では、これから近代が作ってきた国とかいろんな価値がバンバン壊れちゃってですね。家族も壊れちゃうかもしれないし、男女間の垣根もなくなっちゃうかもしれない。
要するに、我々はこれから10倍ぐらいになるイメージじゃなくて、1兆倍になってですね、まったく違う世界になることを覚悟しておかないといけない。そうじゃないと、あとで「えー、そんなの想定外」みたいな話がいっぱい出てくる。過去20年でもいっぱい出てきましたからね。これからもっと出てくるんじゃないかなっていう気がしますね。
小島:これまでの視点で、クライテリアとかエリアを切るんじゃなくて、本質を見たほうがいいってことですね。自分のお客さんがなにか。自分はどこにいくのか。そこで一番近しいところはどこかを選ぶセンサーと、そこと会話するコミュニケーション力が必要。
北浦:そうですね。
とくに今のところ、国というものがあるなかでは、日本のパスポートってものすごくどこでも行きやすいんですね。
小島:日本人であるということは、このビジネスをやる上で……。
北浦:大きいですね。選べるので。例えば、僕たちが今いるカンボジアの人たちが逆に「日本に来てビジネスします」「ヨーロッパに来てビジネスします」というときにでも、まずパスポートの時点で行けないというハードルがある。もちろんビザは取れるんですけど、パスポートをとるのはめちゃくちゃハードルが高いんですよ。
僕たちは、そのハードルをボーンと飛び越えてしまっている。これは、グローバルで進めていくときに、かなりのシード権のポジションにあるんですね。
これが今後どうなるかわからないわけですね。でも、今のところ、日本のパスポートは世界でも有数、指折りのパスポートなので。これを持ってる時に早く勝負をするべきじゃないかなと思いますね。
小島:今の視点、すごくよくて。中にいるとなかなか気がつかないですけど、外から見ると「こんなにいい通行手形はないよ、ビジネスの」ということですよね。
北浦:そうですね。うちのインド人パートナーも、アメリカへ行くのに、大使館に行って先に10万円を払うんですって。
小島:先払い。
北浦:先払いです。これ、ビザもらえなかったら10万円なくなるんですよ。
僕たちは別にアメリカでビザと取らなくても「明日から行こう」ってできるでしょ。でも、カンボジア人がアメリカへ行きたいときは、インターネットでまず申込みをして、そこから1ヶ月先にようやく大使館に面談に行ける予約ができるんですよ。
そこで初めて面談をして。今のところカンボジア人がビザもらえるのは3パーセントです。97パーセントの人は、(ビザがもらえない)カンボジア人、1万5,000円も払って……。
小島:じゃあ、圧倒的に僕らは有利ってことですね。
北浦:有利です。
小島:それを使わない手はない。
北浦:そうなんです。これを使わない手はないと思います。
小島:なるほどね。
「これ使わない手はない」って話をいただきましたけど、最後に30秒ずつぐらいでなにかひと言ずつ。ゲームチェンジがやってくるわけですけど、この会場のみなさんに「これからは真摯にやっていくといいよ」みたいな、もしひと言あればいただければと。
まず、北浦さんから。
北浦:Googleもそうなんですけど、今までいろんなフロンティアっていうところは完全に欧米企業に押さえられていました。だから、日本企業が世界のフロンティアを取ってきたっていうのは、僕、まったくないと思うんですね。
でも、先ほどのNEXT 5 BILLIONに関しましては、まだフロンティアです。今のところは完全にがら空きです。やはりここをどんどんと取りにいくような人たちが日本からもっと出てきほしいなと僕は考えています。
小島:もう「すぐ行け」ということですね。
北浦:はい。
小島:じゃあ、服部さん。
服部:とてもおもしろいセッションだったと思うんですけれども。Inevitableというのは、実は「未来」という意味なんですね。ケビン・ケリーさんはやっぱり「未来」とかいう陳腐な言葉を使いたくなくて。
我々が避けられない未来をどう考えるか。
未来というのは必ず来るんですけれども、想定外が必ずあるわけですよね。でも、それは我々の想像力が不足しているからです。「こんなはずじゃなかった」とか。それで、コンピュータは全部AIを使って。AlphaGoは名人が考えなかったような手を全部考えてくれる。だから、コンピュータと一緒に協力することによって、我々の未来への想像力のオプションを増やしてあげる。
極端なことを言うとあれですよ、みなさん。日本人とかそういうのじゃなくて、もう21世紀は地球人、もしくはGoogleに全部入ってきたらGoogle人みたいな。宇宙に行く時代ですからね。
だからもうちょっと、どうなるかはわからないですけど、今のスケールとかものの考え方は前提にしなくちゃいけないんだけど、なるべく「そのスケールを超えたらどういうふうに自分の未来がなっていくか」ですね……。
小島:なるほどね。「Think Bigにいけ」という感じで。
服部:そういう発想をしてるほうが、想定外とか、「そんなはずじゃなかった」ということがない。そのためにクラウドなんかをどんどん活用するのは、一番人類の平和のためにはいいんじゃないかなと私は思っていますね。
小島:わかりました。ありがとうございます。Think Bigということですよね。
僕からは、これからは大きさじゃなくて速さが武器になる時代だと思います。
もちろん今日ここにいらっしゃっている方は、それを理解してたぶんいらしゃってると思うんですけれども。それが今まで以上に強みになってくる時代になるんじゃないかなと思っています。
速くやれば速く武器を使えて、速くフィードバックを得られる時代になると思うのです。なので、ぜひ今日はみなさんの次のアクションためのヒントをつかんでいただいて、誰よりも速く動くというのをこのイベントを機にやった方が生まれてくると、我々としてもうれしいかなと思います。ありがとうございます。
それでは、まだまだ話していたいんですけれども、お時間になりましたので、こちらのほうで対談のほうは終了とさせていただきます。
今一度、今日のスピーカーのお2人に拍手のほうをお願いしたいと思います。ありがとうございました。
北浦:ありがとうございました。
(会場拍手)
グーグル合同会社
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