2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:株式会社ネオキャリア
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西澤亮一氏:みなさん、こんばんは。西澤でございます。
昨今、ネオキャリアグループは比較的順調に成長しているんですけれども、「どういう中身になっているのかがいまいちわかりにくい会社だ」とよく言われますので、そのあたりのからくりだったり、中身だったりを、とくに人事的側面に沿ってお話ができればと思っています。
今日は、もともと(ネオキャリアを)知っていただいている方もいらっしゃいますし、お客様もいらっしゃいますし、初めての方もいらっしゃるかと思いますが、具体的な中身のほうが伝わるかと思いましたので、弊社でやっている具体的な取り組みの部分をざっとお話させていただきながら、みなさんに1つ、2つ持ち帰っていただけると非常にうれしいなと思っています。よろしくお願いいたします。
今日初めての方もいらっしゃると思いますので、冒頭に5分ぐらいかけて、私および当社がどんな会社かというところをざっと説明させていただいて、本題に入らせていただければと思っています。
私がこのネオキャリアという会社を作りまして、17期目になります。22歳の時に作って、今39歳になりますので、もう17年やっている人間です。年齢はまだまだ若いほうだとは思いますが、経営者歴は比較的長い人間です。
最初は雇われの社長から始めて、途中で株を買い増して、自分で全部株を買い取って、今は自分の会社にしました。戦略的にIPO、上場は後にずらしながら会社を今作っているというかたちになります。
会社概要のお話をさせていただきますと、3月時点で2,300人弱というかたちになっています。新卒が300人強入っていますので、ちょうど2,500人ぐらいの規模感の会社になっています。
前期の売上は書いてあるとおりでございまして。子会社・関連会社含めて、約20社ほどのグループになっているという状況になっています。
子会社は、完全にテクノロジーに寄っている会社もあれば、いわゆるアドテクノロジーの会社もあるという状況になっていますので、非常に幅広く事業展開をしています。
国内は今54拠点ございまして、上は北海道から下は沖縄まで拠点展開をしています。実は2009年度の時は東京1拠点しかなかったので、2009年〜2017年、約8年間で一気に増やしたというかたちになります。
海外も、現状10ヶ国・21拠点ということで、東南アジアを中心に拠点を広げています。
経営陣は、(スライドを指して)少し見にくいかもしれませんが、一番下、森川さんという方に経営陣になっていただいています。
ご存知のとおり、LINEの元社長で、今はC Channelという新しい動画のサービスをやっている、非常にWeb側に強い方ですが、4年ほど前から社外取締役になっていただいて、テクノロジー側の側面でさまざまな支援やアドバイスをいただいています。
昨今、いろいろなところで受賞もいただいておりまして、さまざまなかたちで表彰もいただいています。
メディアも、どちらかというと当社の場合はサービスを売り込むというところで、僕はできるだけ表に出ずに、サービス側をどんどん売り込むということで、いろいろなかたちでサービスを取り上げていただいています。だいたい月に2〜4本ぐらい、週に1回ぐらいはなんらかのメディアに取り上げていただけるようになってきています。
続いて事業ですね。人材、ヘルスケア、海外、メディア(HR Tech)と書いていますが、この4つの領域に沿ってビジネスを展開しています。
このあたりは今日は主ではないので外させていただきますが、基本的には、こういった成長マーケットを絞って取り組むというかたちでやっています。
考え方としては、「社会課題が起こっているところは、基本的にはマーケットニーズがあって大きくなるはずだ」というところでサービスを展開していて、イメージはこんな感じですね。
これが一つひとつ事業部になっているんですけど、30個ぐらいの事業部が存在していまして、さまざまな事業をカテゴリーに合わせて展開をしているというイメージになります。
(スライドを指して)特徴としては、このようなかたちになっていまして、とくに新卒の領域は比較的強くサービスを提供させていただいています。新卒紹介、それから新卒のコンサル・アウトソーシング、非常に多くのお客様に使っていただいています。
それから、ヘルスケアの領域ですね。とくに我々は介護と保育、この2領域にかなり注力をして展開をしていますので、介護領域・保育領域の業界様に対する人材の紹介・派遣、それからWebサービスの提供といった部分に実はかなり力を入れています。売上も3桁億を超えるぐらいまできているという状況になります。
これはあまり知られていないんですけど、中身的には、社員の3分の1ぐらいがこの領域でビジネスを展開しているというかたちになります。
それから海外ですね。東南アジアにおける日系企業向けの紹介会社であったり、日本人のご紹介であったり、もしくは海外から日本に来る方のご紹介というかたちで、ビジネスをクロスボーダーで展開しています。
この2年ぐらい、非常に売り込んでいますが、「jinjer」という勤怠管理等々のクラウドのシステムを強く展開していまして、かなりいろいろなところから取り上げていただいています。
基本的にナンバー1の取れるマーケットに事業をどんどんフォーカスをして運営していくというところで行っています。
基本概念は、とにかくリアルの拠点や大学の直接のネットワークなど、リアル側をしっかり強化しようというところと、あわせてネット側をがっちり強化しようというすごく単純な戦略で、リアル、ネット両方でしっかりと基盤づくりをしていこうというかたちです。
外から見ると、「いろいろなことをとにかくやっている、なんだかよくわからない会社」という状態があるんですが、我々としては、中身は戦略的に動いているというかたちになっています。
ですので、(スライドを指して)業績に関してもこのようなかたちで。
真ん中の「15」と書いているところがちょうどリーマンショックの底ですかね。2009年のタイミングがまさに底の部分になるんですけれども。そこから非常に順調に業績も向上していまして、ここ数年も毎年だいたい130パーセント近い成長を続けています。
ですので、(スライドに)「転換期」「飛躍期」と書いていますが、ビジネスを少しずつ変化させながら、主役を少しずつ変えながら、ビジネスを横に広げていって掘っているというかたちになります。
もう少し中身がどのようになっているのかについては、次が一番イメージがしやすいと思うんですが、2014年、3年前と、2017年の今を比較した数字になります。
拠点数でいうと、国内外ともに、国内も海外も拠点が一気に広がっています。これはこの3年ぐらいで非常にわかりやすいかと思います。
それから、今日メインのテーマですが、社員も非常に増えています。
Webのサービス、テクノロジーのいろいろなWebプロダクト・Webサービスも非常に増えています。
では、これによってどうなっているかというと、海外・国内の社員数の割合も、全体2,300人弱のうち450人が海外ということで、実は社員の5人に1人が外国人という状況にまでなっていますので、非常にグローバルな状況になっています。
(スライドの)右側の人員の構成も、昔の当社を知っていただいている会社様は、「非常に営業に強い会社」というイメージがあると思いますが、企画・エンジニアの割合が非常に多くて、こちらも400人近い企画職、エンジニア職の方々が今働いています。
もともとは売る力が強かったところから、考えて、自分たちで開発して、販売して、という機能がそれぞれ備わってきて、利益率を改善したり、事業の展開が広がってきた。このあたりがこの3〜4年で大きく変わったポイントではないかなと思います。
ただ、昨今、非常に採用に困っている会社様が多いので、どうやってエンジニアを増やしてきたのか、もしくは新卒採用で優秀な人材をどうやって採ってきたのか、このあたりが今日は主眼になってきます。事業の中身の話というよりは、ここからは成長のポイントというところ、“人”にフォーカスを当ててお話ができればと思っています。
なぜ弊社は成長できているのか? まだまだではあるんですが、一応今日はこういうテーマなので「できた」というふうに話させていただきますが、僕は結論は3つだと思っています。
1つは、「まず社員をちゃんと増やす」ですね。優秀な社員をしっかりと増やす、ほかよりもいい人材を採る、というところをかなり戦略的に行ってきたというのが1つ目。
2つ目は、「採った人材たちに対して、辞めないでいただく」。定着率を上げるということですね。会社を好きになっていただいて、辞めないでいただくということ。
それで、社員を採って、定着をさせて、3つ目に「さらに一人ひとりの生産性を高めていく」。これはプロダクトだったり、仕組みとして利益率を上げるという構造もあれば、一人ひとりの社員の成熟度合いを上げていくことによって利益率を上げるなど、いろいろなやり方があると思います。
主にこの3つさえできれば会社は伸びるというふうにフォーカスを当てて、我々は取り組んできました。ですので、今日はこの3つについて、このあとお話ができればと思っています。
実はこの3つに対して、この2011年のタイミングから、3ヶ年×3ステップということで、会社の人事方針などもガラッと変えまして、その方針に沿ってやってきたことが、この成長につながっているのではないかと思います。
見ていただいてわかるとおり、我々は人材業界なので、一部、非常に属人的な部分もございます。なので、社員数は著しく増えているというところがございます。
2010年度ぐらいまでは100~130人の間を推移をして、リーマンショックで少し減って、(その後)少し増えて、という状況なんですが、11年度以降急激に伸ばしています。
どうやって増やしてきたのかというのと、まずは新卒ですね。新卒を徹底的に強化しました。まだまだ景気がよくなる前、リーマンショックを少し過ぎたぐらいに、各社様が「これどうなんだろうな。踏み込んでいいのかな?」みたいなところで思いっきり踏み込んだ。
「新卒採用、いい人材をとにかく採りにいこう」ということで、この4月は330人が入ってきています。100人単位を4年ぐらい前からどんどん採っていくということを、質を下げずに行ってきました。
さらに中途ですね。中途採用もあわせて強化をしています。現状では、月間で30人強の中途の方々に入ってきていただいています。ですので、ちょうど明日(6月1日)が我々の入社日なんですけど、僕がまた研修でしゃべって、ということをやります。
新卒採用・中途採用を急激に増やして社員数が増えていくとなにが起こるかというと、一般的には、文化が壊れたり崩れたりすることで生産性が落ちたり、いろいろあると思いますが、人を増やした結果どうなっているかというと、実は離職率が減っています。
新卒に関しては10パーセントまで下げられると思っていまして、そこまではもっと強化をしていこうということで、いろいろな取り組みをしながら、10パーセントをターゲットにして、毎年ポイントを下げていっているかたちになります。
同じく中途採用に関しても、離職率が今回低下しているということで、ここはもっと下がっています。新卒採用・中途採用を増やしているんですが、離職率も下がっているということがまず実績としてあります。
これで人が定着して、かつ、生産性ですね。昨今の働き方改革の文脈もありますが、我々もお恥ずかしながら数年前はけっこう働いていまして、あの……かなり働いてました(笑)。
そのイメージはあると思いますが、それが昨今は、完全に時間管理も徹底していまして、労働時間がすごく制限されるようなかたちになっています。
ただ、結果として1時間あたりの生産性はむしろ逆に上がっていますので、時間管理を行って働く時間は減っているものの、生産性は上がったという構造がちゃんと生まれたというかたちになります。
おそらくここは、育成の文化が僕らのなかで形成されたことによって若手のリーダー職がすごく増えました。昔は人が増えていくと1人のリーダーにつき5〜10人見なければいけないということがよくあったのが、1人につき1人とか1人につき2人というふうに、少人数でちゃんとリーダーがついているような状況になったので、管理職が増えてきたということが言えるのではないかと思います。
まとめますと、社員数を増やしたということで、2011年と比べると採用が400人から約2,000人になったということで、人が増えています。
また、離職率が改善しました。まだまだもう1段下げられると思ってはいますが、10ポイントぐらい下がったかたちになります。
かつ、生産性が上がったということで。実は20代30代のマネージャー責任者の比率、若手のマネージャー責任者の数が非常に増えていまして、これは2倍以上に広がっているという状況になります。
あわせて、30代の役員も増やしていこうということで、僕も30代ですが(笑)、2人に1人が30代となっています。
このあたりが掛け算でうまくいって、事業が順調に伸びているというのが答えになります。
ではこれをどうやって実現してきたのかという具体的な手法を今からお話ししていきますが、まず採用の部分ですね。
繰り返しになりますが、新卒採用が今330人。おそらくこの規模で300人採用している会社というのはなかなかないと思いますので、かなり強化をしています。
かつ、中途採用に関しても360人ということで、年間でこれぐらいの人数を採用し続けていますので、どのようにやってきたのかということで、採用のなにを変えたのかというポイントについてお話ができればと思います。
先に結論からですが、この3つを大きく変えてきました。
1つが、採用担当・プログラムの抜本的見直しということで、採用の担当の見直し、それからプログラムを大きく変更したと。このあたりは、細かいことがたくさんあるんですけど、大枠としてはここになってきます。
2つ目。これは絶対にやっていただいたほうがいいと思いますが、インターンシップですね。これはどうやるかの部分もあとでお話をしますが、かなり効果が高いです。
3つ目は、経営陣の採用コミットということで、どれぐらいコミットしてやっていくのかみたいなところもやってきていますので、この3つが大きく変えたポイントになります。
1つ目の部分なんですけれども、まずは企業を選ぶときに、当たり前なんですけど、「一緒に働く人を重視するかどうか?」という学生に対するアンケートをとると、いろいろなデータがあるんですが、もうほぼ100パーセントに近い人たちが「一緒に働く人は当然重要だ」と言っていただいています。
次に、就職先を選ぶ時に重視する点ということで、だいたい毎年それほど変わらないんですけれども、実はナンバー1は「将来性」なんですね。
なかでも学生に刺さるポイントが3つあって。ベンチャー、中堅・中小企業では「将来性」と「職場の雰囲気」。さきほどの働く人もイコールだと思いますが。あとは「仕事内容」の部分。ここがベンチャー、中小・中堅の企業が刺しにいけるポイントだと判断をしています。
ですので、この部分の3つですね。働く人、学生とタッチポイントになる人を変えるということと、あとは将来性をどう伝えるかということがすごく肝になりますので、ここをどうやって作っていくかということを行っていこうということで、主にこの2つ。魅力的な人材を徹底的に配置するという部分と、あとは将来性をちゃんと伝えるプログラムという、2つを大きく変えています。
魅力的な人材の配置ということでいうと、もともとは僕自身かなり採用にコミットしてやっていたんですが、「それだけじゃやっぱり足りないよね」ということで、2012年から、まず営業の現場で高い成果を残した人材を集めました。
採用のプライオリティが一番高いんだということで、なによりも採用の仕事を優先しなさいというのがトップから全体に落とし込まれていますので、どんなに営業の数字が足りなかろうが、面接、採用、口説きを優先しようという文化をここで作ったというのが、まず大きく変えた1つのポイントになるかなと思います。
これはとくに経営側の仕事だと思いますが、正直、ここがすべてかなと僕は思っています。ここにコミットできれば、圧倒的優秀な人間が入ってくる会社には変えられると思います。
2つ目のインターンシップ、内容を大きく変えているというところで、おそらくインターンをやっていただいている企業様は多いと思いますが、僕らも形式的に、当然人材会社でもありますので、インターンシップ形式でずっとやっていましたが、なかなか採用に結びつかなくて。
「どういうかたちでやるのがいいのかな?」ということを考えていたタイミングで、さっきお話をした、採用のメンバーを変えたときに、採用のメンバーから具体的な提案があがってきて、ものすごくパワーをかけてインターンのプログラムを一気に作り変えました。
なので、「少人数に絞り込んで優秀層にリーチしましょう」「ちゃんとプログラムを連動させましょう」ということで、夏、冬、春にですね。
これを行うことによって、学生に人気のインターンのプログラムを作ろうと。人気さえ出れば、あとは口コミで広がってくるということで。それは言われるがまま……正直、私もよくわかっていなかったんですが、「じゃあプログラムは好きに作っていいよ」ということで任せて作っていきました。
こんなかたちで、夏に心を震わせ、冬に頭を使い、春に体を動かすことで、プロとしてのスイッチを入れるプログラムということで、「BEAT」「GUSH」「DIVE」というプログラムを、夏、冬、春、3回に分けてやりました。
だいたい全部合わせて50人~70人くらいの学生さんが参加できるんですけど、なんと今ここに応募だけで4,000人あります。何年か少しずつプログラムを変えていったことによってですね。
学生に人気のプログラムができて、インターンが順番待ちになったことによって、学生からの認知度、知名度、ブランドが上がったということが生まれております。
プログラム自体でインターンからの採用をしている方々もけっこう多くいるんですけれども、この人気のコンテンツをちゃんと時間かけて作ると、それ以外のブランドの高揚などが一気に生まれるという結果が出てきたかなと思います。
最後、経営者の採用コミットというところで、僕の自身が経営者としてどれくらいコミットしているかというところなんですが、さっきのインターンのプログラムからもう参加をしていまして、説明会も3月、4月、5月のトップシーズンはいまだに全部出ています。
スタートアップ系のベンチャーなどに行きそうなトップ層が今もいるんですけど、やはり「社長と会いたい」という方がすごく多いので、ここは外せないということで、インターンの説明会も出ていますし、最終選考も東京、大阪、福岡と飛び回っていまだにやっているという状況になります。
なので、当たり前なんですが、時間を使うというところが、経営陣でちゃんとコミットできれば、いい人材が採れるということじゃないかなと思います。
僕自身は、ざっくり50パーセントぐらいは、この3、4、5、6月はほぼ新卒採用に時間を使っています。説明会と面接、それから内定者の懇親会、内定者座談会などなど、ひたすら語り続けているという状況になりますが、それが非常に効果があるということで立証されています。
なので、将来性および成長性をちゃんとトップ自ら語り続けるということをしっかりコミットしてやっていくといい人材が採れると思いますので、ここをサボらずやることがすごく大事かなと思います。
私は夜の会食も行かない付き合いが悪い男として、経営者仲間でも有名なんですけど、ほとんど夜はこういったことをやって時間を使っているというかたちになります。
ということでまとめますと、1つ目は採用担当、プログラムの抜本的な見直し。2つ目にインターンシップ。3つ目に経営者の採用コミットということで、ここがいい人材が採用できるようになっていった背景ではないかなと思います。
とくにやはり1と2ですかね。3はあんまり変わっていなくて、1と2が大きく変えた部分になりますので、このあたりがポイントではないかなと思います。
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