2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
100人の先輩ママたちの両立テクニック(全1記事)
提供:株式会社リクルートホールディングス
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二葉美智子氏(以下、二葉):みなさん、こんにちは。リクルート、iction!プロジェクトの二葉と申します。
早速ですが、この4月に復帰されるというご予定の方はどれくらいいらっしゃるのか挙手いただけますか?
(会場挙手)
二葉:ほとんど4月復帰の方なのですね。復帰前の数日間、育児を満喫したいところを、弊社までお足をお運びいただきありがとうございます。一緒に過ごさせていただく約2時間、有意義なものになるように努めていきますので、よろしくお願いいたします。
それではまず、リクルートから30分お時間をいただいて、「100人の先輩ママたちの両立テクニック」ということでお伝えをしたいと思います。
改めまして、私はリクルートホールディングスでiction!プロジェクトを担当しております二葉と申します。よろしくお願いいたします。ちなみに、iction!プロジェクトについて知っていたという方がいらっしゃれば、挙手をいただいていいですか?
(会場挙手)
二葉:ありがとうございます。3割ぐらいの方ですかね。iction!プロジェクトはリクルートグループが2015年夏に立ち上げたプロジェクトで、「育児も仕事もしやすい世界へ」というメッセージと共に、育児とアクションという言葉をかけ合わせてイクションと名付けました。働く、子育てというテーマは、いろいろな要因が絡み合って、両立が難しい世の中になっているわけですけれども、私たちのほうでは3つのテーマを掲げて、それに取り組もうと考えています。
1つ目は「妊娠・出産で辞めなくて済む」。ご本人が強く希望して退職される場合はそれもご本人の選択なんですけれども、辞めざるを得ないという状況が多くあって、それをなくしていきたい、という思いです。
2つ目は、みなさん、いよいよ来週から両立生活を始められるわけですけれども、「両立のストレスを減らす」というテーマ。
そして3つ目は今、家庭に入られて専業主婦をしていらっしゃる方も多いわけですが、その方も含めて育児と両立できるような仕事、つまり「無理なくはじめられる仕事をつくる」ということを掲げ推進しています。
では、さっそく本題のほうに入りたいと思います。今日iction!からご紹介するのは「100人の先輩ママたちのテクニック」なんですが、1年前に妊娠・出産から職場復帰まで応援するアプリ『カムバ!』をリリースしました。現在、2万人強の方にご利用いただいています。
私自身も、3歳半の娘がいながら働いている身なんですけれども、実感値として、妊娠や出産に関する情報はインターネットでも雑誌でも多く手に入るんですが、いざ両立となると、「働いている身で活用できる情報があまりないな」と思っていました。
また、妊娠の途中に知りたいことと産んだ後に知りたいことはぜんぜん違いますので、「もっとタイムリーに情報を得られないかな」という思いもあって、アプリを開発しました。簡単に機能を紹介しますと、「妊娠週別アドバイス」や「やることリスト」など、時期に応じて働いているからこそ知っておきたい、やっておきたいことをまとめています。また、私たちがこだわって作った「体験談」というコーナーがあります。
私自身、リクルートグループで両立支援の施策をやっていたのですが、女性のみなさんは口を揃えて「ロールモデルがいない」と言うんです。たしかに100パーセントマネしたい、完璧なロールモデルなんて世の中にはいません。仕事も子育ても、お子様の発達も十人十色。必要なのは、自分が「いいな」「マネしたいな」と思うエッセンスを様々なワーキングマザーから選び取ることではないかと思っています。
今、「体験談」には100名を超える先輩ワーキングマザーの体験談が掲載されています。回答するのに1時間半ぐらいかかるんですが、先輩の方たちが「後輩のためであれば」ということで、忙しいなか書いていただいていますので、ぜひアプリの方でものぞいてみてください。また『カムバ!』には他に「読みもの」のコーナーとして有識者のアドバイスも掲載されています。
今日のイベントに向けて作成した、先ほどの「体験談」の中からぜひ知っておいていただきたい内容をまとめた冊子をお配りしています。まず内容を少し見ながらご紹介したいと思うんですが、2ページ目、3ページ目を開いていただきますと、1日のスケジュールがあります。『カムバ!』を開発する際、ワーキングマザー100人に「どんなものがあったらよかったか?」と聞くと、みんなが口を揃えて「1日のスケジュールをみたい」ということだったんです。
雑誌にいろいろなワーキングマザーのスケジュールって載ってるんですけど、けっこうキラキラしていたりして、「少し違うんじゃないかな」とか思う方も多いみたいなんですよね。でも100人以上のママの100通りのスケジュールを見る事で、マネできることも見つかるのではないかと思っています。フルタイムで働いているママもいらっしゃいますし、短時間で働くママもいらっしゃいます。見ていただくと、ごみの担当や皿洗いをパートナーの方がやっていたり、2人以上お子さんがいらっしゃる場合は上の子と下の子の送迎をパートナーと手分けしていたり。家事や育児の分担もそれぞれの家庭でやっぱり違うんですよね。
今回のイベントの事前のアンケートでも、「2人目の子どもとの過ごし方はどうすればよい?」という質問が何件かあったんですが、ちなみに、2人以上お子さまがいらっしゃる方、いらっしゃいますか?
(会場挙手)
二葉:ありがとうございます。10組ぐらい、いらっしゃいますね。本当に1日の過ごし方やパートナーとの分担のあり方も人それぞれでございますので、ぜひご自身で該当するところ、興味あるところを見ていただきたいな、と思っています。
次のページをめくっていただきますと、「家事・育児の工夫」というのが左上に書いております。
事前アンケートのほうに、「どういうふうに工夫しているの?」という質問も多くいただいていました。体験談を読んでいると本当にみなさん自分なりに工夫されながら両立をされているな、というところがあるんですけれども、冊子のP.4「家事・育児の工夫」というところをご紹介します。
100人の体験談を見る中で、多くいただいていたのは「全部やろうとしない」「完璧を目指さない」という事でした。それは逆に「ここだけは絶対自分たちでやる」と決めること。そして自分たちがやると決めた以外のことは機械や外部のサービス、または周囲の方に頼る、という方たちが結構多かったなという印象です。「両立のポリシー」も聞いているのですが、やはりここでも「完璧にしすぎない」とか、「細かいところは気にしない」とか、「適当バンザイ」とか言っています。
あとはその下、「夫を家事・育児に巻き込む」とか、「夫の手を借りる」「先々の心配をしない」「明日以降のことは心配しない」といったコメントがかなり多くございました。
みなさま、復帰に向けて「どうしたらいいんだろう」と思っている方も多いと思います。はじめは「適当に」とは言っていられないと思うんですけれども、たぶん2ヶ月、3ヶ月すると、だんだんご自身のペースがつかめてくるんじゃないかなと思いますので、あくまで自分らしい両立のあり方というのを探っていただければ、と思っております。
次に、「体験談」の中で先輩ワーキングマザーに両立の三種の神器を聞いていますので、今回、100人の方の回答を集計しランキングにしてみました。
1位が「食洗機」、2位が「ネットショッピング」、3位が「乾燥機付き洗濯機」でした。4位以下も見ていただくと、「ロボット掃除機」や「冷凍庫」など電化製品を選んでいらっしゃるワーキングマザーの方が多いんですね。
家事の中でも、ご自身がストレスを抱えやすいものを、きちんと機械に頼るということをされているワーキングマザーが多いようですね。すでにご自宅にある方もいらっしゃると思いますが、ご夫婦で来ている方も多いので、お帰りに家電のお店に寄られてもいいかもしれません。
この三種の神器のなかの7位、「家族のサポート」とあるのですが、実はもともと「夫」と書かれていました。「夫」が道具のように見えるので事務局側で書き換えたのですが、「夫」の協力が神器と言えるほど、頼れるものであるということなんですね。この機会に育児や家事の分担をどうするか考えていただければと思っています。
その次のページを紹介します。こちらは『カムバ!』のタスクリストからの引用です。復帰前までにやることリストをまとめていますので、紹介させていただきたく思います。
こちらは、NPO法人のArrowArrow(アローアロー)さんという、育休コンサルティングをやっていらっしゃる団体さんと一緒に開発させていただきました。冊子を見ていただくと、「復帰1ヶ月前にやっておいたほうがいいこと」と書いています。
“一時保育など子どもと離れる練習をする”とか“職場復帰後を想定した生活リズムで過ごす”“卒乳に向けた準備を行う”そんなことも、実は今のうちにやっておくと心理的にはスムーズな復帰が出来ます。あと1週間、慣らし保育入れれば2〜3週間あると思いますので、ぜひトライしてみてください。
それで、「具体的にこれをどうやったらいいのかを知りたい」という方、すごく多いと思います。この冊子のなかでなかなか紹介できない部分もありましたので、アプリを見ていただくと一人ひとりの生声が入っておりますので、ぜひこちらも見ていただければと思います。『カムバ!』の「体験談」の質問に「母として、社会人として、どうありたいですか?」というものがあります。
職場や周囲にワーキングマザーがいらっしゃる方だと、分かるかもしれませんが、ワーキングマザーって、朝バタバタと来て、5時ぐらいにお迎えの時間になると、バタバタと帰っていく。髪を振り乱して。うちの若手女性社員が「落ち武者みたい」って言ってたんですけど(笑)。それくらい確かに会社にいるときはバタバタとしている方が多いと思うんですが、家に帰れば母として、会社にくれば社会人としての人生を過ごしていらっしゃるわけです。それは本当に大変なんだけど、それぞれにみなさんが思いをもって両立生活を歩まれていらっしゃるんで、いただいたコメントを少しご紹介します。
みなさん多かったのが、「母という自分と社会人としての自分というのを、常に生き生きしていたい」ということです。あと、「子どもに胸を張りたい」とか、その下にあります「子どもたちにとって誇りになるような存在になりたい」といった子どもにとっての母親像をきちんと見せたい、というもの。そして、「『毎日が楽しい』と言っていられるように」といったこともご意見として多かったんですね。
この体験談にお答えいただいている方って、2~3歳のお子さんがいらっしゃる方が多いとのですが、その頃は育児がだいぶ慣れたころですね。復帰直後はけっこう、ここにいるみなさんも大変な思いをされるかもしれないんですが、数ヶ月後、1~2年後には自分なりのこういった両立に関して、働くことに対して強い思いが出てくるものだと信じて、両立生活を迎えられてみてはと思います。
それで、これは……ちょっと暗い影の部分になるのですが、約1年前ぐらいにリクルートグループの調査機関であるリクルートワークス研究所が、「働くマザーのストレス調査」というレポートを出しました。「働くマザー」と言いながら、今日もいっぱい来ていらっしゃいますけれども、働くファザーにも調査を行った比較のレポートになっています。
働いているワーキングマザーとワーキングファザーに、「あなたが日々いら立つことは何ですか?」と答えていただいて、ポイントが高かった15個を挙げています。左側がマザー、右側がファザーです。パッと見て、「違うな」と思うところ、ありますかね? 色が付いているセルの数が違う、ということですね。色が付いてるほうが仕事で、付いてないほうがプライベートです。これだけで、働くファザーとマザーのストレスの特徴の違いというのがわかりまして、なんとファザーの日々のストレストップ10はすべて仕事に関することなんです。一方で、左側のマザーは、半分ぐらいがプライベートなことでストレスを抱えていらっしゃる、ということです。
なので、もちろんみなさん仕事も大変だと思うんですけれども、働くマザーはいろいろなストレスをこれから抱えることになります。よく見ると、今、私が赤で括ったところ。見えますか?
プライベートのストレス要因の1位は「配偶者の性格や態度」。……ちょっと男性が苦笑いしてます(笑)。次が、「配偶者の家事への非協力」とありまして、まあPTAとかもいろいろあるんですが……。この会場に一緒に来ていただいているパートナーの方は、こういったことは無縁の方たちだと思うんですけれども、とはいえ、ちょっとしたすれ違いのなかで、お互いにストレスを感じることというのが、具体的なエピソードでお話しになるワーキングマザーがすごく多いんですね。
私はいろいろなワーキングマザーの話を聞いているんですが、多くの方が「夫に言われてイヤだった」という一言、フレーズで同じものがあります。両立が始まった後に、けっこうこれを聞くと傷つく妻が多い。なんでしょう? わかりますか?
「そんなに大変だったら辞めてもいいよ」という一言です。たぶんこれは、夫は優しさで言ってます。気遣ってあげようと思って「辞めてもいいよ」と言っているんですけど、ワーキングマザー側から話を聞くと、受け取り方は全然違う。この裏に感じるのは「あなたが働くと決めたんだから、そんなに大変だったら辞めれば」というニュアンスなんです。
ワーキングマザーは、一緒に家事もやってほしいし、育児もやってほしい。それで、家族として共に両立生活を築いていきたいと思っているのに、その話し合いもなく「そんなに大変だったら辞めていい」と。でも、夫も、悪気があって言っているわけではないというのがポイントなのですね。こうしてコミュニケーションが少しずつすれ違っていくというところがあります。この後のコーナーもありますけれども、ぜひ夫婦で、コミュニケーションをたくさんとりながら、「母として、社会人として、どうありたいのか?」ということも含めて会話をしていただけると、ご夫婦で楽しく両立生活を迎えられるのではなかろうかと思います。
ちなみに、これはスライドには載せてないんですが、一方でワーキングファザーが傷つく一言も紹介します。10人以上の男性に聞いたセリフです。ワーキングファザーは一生懸命、奥さんが大変そうだから家事を手伝ってあげようとするんですけれども、「その靴下のたたみ方違う」とか、「しまうのはここじゃない」とか。その一言、想像以上に男性は傷ついています。
妻は、育休中家庭のなかに入られている状態だと思いますので、家事もほとんど自分でやられていますよね。だから、奥様自身のいろいろな法則ができている。それで、夫がちょっとやってくれたことに対して、そこが自分のやり方と違ったりすると、ついつい口を出してしまう。怒っていなくても、男性は思った以上に傷つきます。男性は普段家事をしない分だけ、「やってあげた」という気持ちが盛り上がっています。そこに対して、「ちょっと違うのよね」という一言を言っちゃうと、その頑張りが認められた感じがしない。「僕はそれで家事を手伝うのをやめようって思いました」と、冗談抜きにして、10人以上の方から聞いたことがあります。
つまり、家事を両立するにしても、どうしても妻が譲れないところはご自身でやりながら、夫が自分なりのやり方でやってみることも許容してあげるというようなことも、すごく大事なのかなと思っています。
また、先ほどの夫のセリフに戻りますが、「そんなに大変だったら辞めてもいいんだよ」という一言について、とあるファイナンシャルプランナーの方が言っておりました。「夫がこういうふうに優しく言うことが、その世帯から約1億の収入を減らすことだ、ということを彼らはわかってない」と。女性が仕事を続けることが、その方がその人らしくあることとあわせて、経済的に世帯にとって重要であるという事をやはりご夫婦で認識いただくことが大事なのかと思います。
少し宣伝っぽくなるんですけども(笑)、「みらい家計シミュレーション」というものもiction!で作ってみました。
みなさん、今お子さんが小さいので、「保育園費用大変だな」「ベビーシッター代大変だな」と思っていらっしゃる方が多いと思うんですけれども、お子さんが大きくなっていけばいくほど、教育費や食費が増えていって、とても支出が増えるということを実は知らない方が多いんです。なんとなく「大学は私立かな」「医者にさせたいな」と考えてはいるんだけど、実際学費がどれぐらいになるかということを、知らない方が多いんですね。
「大変だったら辞めてもいいよ」「子供も小さいからまだ働かなくても」と言ったり思ったりするわけですけれど、いざその時になって気付いてみると、子供にかけたいと思っていた教育が、経済的に難しいと断念される方が、多いのも事実。早いうちから、将来をきちんと夫婦で考えてみる。そんなツールとしてお使いいただければと思います。
このシミュレーションでは、ご自身の今の年齢とか、夫の職業とか、リクルートの調査をベースに賃金カーブがかかるようになっていますし、教育費も統計データをベースにリアルに見ることができます。「大学に行ったら仕送りするか?」ぐらいまで入力します。「そんなの知らないよ」という感じだと思うんですけど(笑)。条件を入力すると65歳時点でその世帯にいくらの貯蓄があるかということを可視化できます。先ほどご紹介したファイナンシャルプランナーの方に監修いただいているんですが、その方曰く「東京で生活をする前提で言うと、今のペースで生活をするのであれば、ご夫婦でいらっしゃる方は65歳時点で3,000万円ぐらいの世帯貯蓄があったほうがよろしいのではないか」とおっしゃっていました。ぜひ話し合いのツールとしてご活用くださいね。
それでは、最後になるんですけれども、『カムバ!』の「体験談」に「後輩ワーキングマザーへのアドバイス」という項目もありますので、「仕事が大変だな」とか、「両立大変だな」と思って心が折れそうな時に、思い出していただければと思います。代表的なものを紹介しますね。
「トライ&エラーを恐れずがんばって」。まあ、「がんばって」と言われるとプレッシャーになると思いますが、恐れるなということですね。2つ目と3つ目は、けっこう書いていらっしゃる方が多いんですけれども、「楽しんで」ということです。「家族に協力してもらって楽しんで」「罪悪感を持たず楽しんでください」。気持ちだけでも楽になるでしょうか。その下の2つも、けっこう似てますよね。「割り切って」「肩の力を抜きながらがんばってください」というふうにおっしゃっている方がすごく多いです。先ほどの両立のポイントにも完璧を目指さないとありましたが、こういうことですよね。
それで、最後の2つですね。「あまり1人で抱え込まないで、頼れるものはどんどん頼って」「周囲に相談しよう」。まわりを頼って、ということです。
こういったメッセージの1つ1つも、共感できる部分と、「そうじゃないよな」と思う部分もあると思います。ご自身の価値観に合うものをひとつひとつ紡いでいただきながら、みなさまらしい両立生活を歩んでいただけるように応援しております。
今後もがんばってください。ありがとうございました。
(会場拍手)
株式会社リクルートホールディングス
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