2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:株式会社リクルートホールディングス
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司会者:トークテーマとして「Silicon Valleyのエコシステム」というところで、こちらのお三方にご登壇いただきます。
500 Startupsから澤山さん。ニフティから東京カルチャーカルチャーの河原さん。トーマツベンチャーサポートの木村さんのお三方です。では、拍手でお迎えください。
(会場拍手)
今日は「Silicon Valleyのエコシステムのリアル」というトークテーマでスタートできればと思っています。
河原梓さんにバトンパスしますので、まずは最初に自己紹介をお願いいたします。
河原梓氏(以下、河原):では、まず澤山さんからいきますかね。
澤山陽平氏(以下、澤山):500 Startups Japanの澤山と申します。よくここでイベントさせていただいているので、知っている方もいるかもしれないですね。
去年の9月に「500 Startups Japan起ち上げます」って発表して、1年ほどやってます。500 Startupsは、世界でもっともアクティブなシードベンチャーキャピタルです。
よく僕たちをひと言で説明するときには、「60ヵ国以上1,600社以上に投資をしてきたベンチャーキャピタルです」っていう……。
河原:「500」の3倍超えてますね。
澤山:そうなんですね。だから、最近は「500 VC」とか言い出して、「VCをどんどんつくるぞ」ということで、日本も含めてですけど、今ファンドが12~13個あるのかな。地域別のファンドができたりしています。
本当に世界中に投資をしつつ、その世界中のいろんな地域でエコシステムをつくっていくということをやっているので、今日はそういうところをお話しできたらなと思っています。
そんなもんでいいですかね。自己紹介もうちょっとするべきかな?
河原:はい。とりあえず(笑)。よろしくお願いします。
(会場拍手)
河原:続いて、木村さん。
木村将之氏(以下、木村):木村です。よろしくお願いします。(スライドの自身の画像を指して)この笑顔が気持ち悪いってよく言われるんですけども(笑)。
河原:この写真見ただけで、僕、吹き出しちゃって、思わず選んじゃいました(笑)。
木村:ありがとうございます(笑)。トーマツベンチャーサポートというところでやっています。トーマツベンチャーサポートって知ってる方いらっしゃいますか?
(会場挙手)
おお。すごいうれしいです。自分は、2010年に斎藤(祐馬氏)というメンバーと一緒に始めて、やってきました。
今、だいたい世界で3,000社のスタートアップをサポートしています。そこと大企業とのオープンイノベーションというテーマで、一緒に新規事業をつくれないかとか、スタートアップ自身のビジネスエキスパンション、あとは資金調達の支援とか、そういうことをやっています。
シリコンバレーでやっていることは2つあります。1個は、シリコンバレーのスタートアップと日本の大企業のオープンイノベーションをやっていて。日本の大企業だと、保険会社さんや最近は自動運転などですごくいろんな方が出てきているので、そういう自動運転まわりの技術を探している会社さんとか、そういうところをサポートしています。
もう1個は、日本から出ていくスタートアップの応援もしています。わかりやすいものだと、経済産業省さんと一緒に「架け橋プロジェクト」という、日本のスタートアップを毎年10~20社ぐらいシリコンバレーに送って、現地のいろいろなエコシステムに触れていただくということをやっているんですけれども、そういうプロジェクトをやったりしています。
あとは「SUKIYAKI」というのを河原さんと一緒にやっていて。これはなにかというと、まさにエコシステムをテーマにしていて、シリコンバレーのエコシステムと日本のエコシステムをくっつけるような感じで、現地のVCやインキュベーターと、日本の大企業やスタートアップを交わらせてエコシステムをつくっていこうという活動をしています。よろしくお願いします。
(会場拍手)
河原:よろしくお願いします。そして、モデレーター兼パネリストというかたちで登壇させていただきます、ニフティの河原といいます。
私は、お2人とはいろいろな絡みがあるんですけれど、ちょうど2013年の8月から2016年の8月、ちょうど先々月ぐらいまでサンフランシスコに赴任して、ニフティからの駐在員としていろいろ活動をしてきました。
そのなかでいろいろなイベントコミュニティの立ち上げをやっていて。いろいろなテーマでやっていたんですけど、例えば、木村さんと、先ほど出てきた「SUKIYAKI」というコミュニティを立ち上げました。
これは、私自身も大企業から派遣された、いわゆるビジネスデベロップメントとして活動していくなかで、課題と思っていた部分を一緒に解消していこう、という目的で立ち上げました。
ローカルのアメリカのスタートアップと日本の大企業が、どういうふうに手をつないで新しいものを作れるか、というのにトライしてきた感じです。
それから、伊藤園さんと一緒に「茶ッカソン」というイベントを立ち上げました。そこにも、主に日本の大企業の方、ヤマハさんとかソニーさんとか、そういうところと組んでアイデアソンを開催していました。
そこにもたくさんのローカルのスタートアップの方に来ていただいて、実際に日本の新規事業の担当者の人たちとディスカッションしてもらって、テーマに応じた新しいアイデアを出してもらうという取り組みをやったりしました。
あとは「J-POP SUMMIT」というイベントを年に1回、夏にサンフランシスコで開催しています。主催をしているわけではないんですが、そこのテクノロジーコンテンツ、「Interactive Pavilion」って呼んでるんですけど、そのプロデューサーというかたちで、2015年、2016年と関わらせていただきました。
日本のスタートアップも含めて、2015年は19社、2016年は34社出展いただきまして、そこでいろいろなコンテンツをつくったりという感じです。
広く、大企業の方、投資家の方、それからスタートアップの方、そういった方々と組んで新しい価値を生み出せると。そういった活動をやっております。
日本に帰ってきたあとは、SUKIYAKIの日本版の立ち上げであるとか、日本スタートアップコミュニティも含めて、どういうふうに新しいことを生み出しやすい場所をつくっていくか、ということに取り組んでおります。
(会場を指して)「東京カルチャーカルチャー」というバナーがあるんですけれども、お台場でニフティがやっているイベントハウスです。そこのイベントのオーガナイズしながら、こういった会場を使って、さまざまなテーマでイベントをやっております。どうぞよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
というわけで、サクッと紹介が終わったところで、今回の「Silicon Valleyのエコシステムのリアル」ということなんですけど、なかなか難しいお題だなと思います。これは僕が考えたんじゃなくて、そういったお題が降ってきて、それでやることになりました。
(会場笑)
導入だけパワーポイントを作ってきたんですけど、このマップって見たことある方どれぐらいいます?
(会場挙手)
けっこういますね。これ、俗に「シリコンバレーマップ」と呼ばれているものです。「Silicon Valley」とGoogleで検索するとよく出てくるマップだったります。
けっこうシリコンバレーのいろいろな企業のオフィスに貼ってあったりするんですけど、実際シリコンバレーに行ったことがある身からするとどうですか? 澤山さん。
澤山:なんか古いですかね。南に寄り過ぎてません?
河原:だいぶ南に寄ってますよね。まあ、シリコンバレーマップというぐらいですからね。
澤山:まあ、シリコンバレーマップというと、そうなんですけどね。
河原:サンノゼエリアにだいぶ寄ってますね。
澤山:通常、僕らはやっぱり「ベイエリア」って呼ぶじゃないですか? シリコンバレーっていうと、AppleとかGoogleがある南のほうで。でも、ふだんはどちらかというと、サンフランシスコでいろいろと話をしているというような印象があるんですけど。
河原:そうですよね。
澤山:まあ、サンフランシスコとシリコンバレー合わせてベイエリア。これ全体で1つのコミュニティみたいな感じかなと。
ちょっと行き来がだるいんですけどね。電車なんてカルトレインというのが1時間に1本ですからね。
河原:え、電車で移動してたんですか。澤山さん?
澤山:僕けっこう電車ですよ(笑)。
河原:マジっすか(笑)。
木村さんは車を持っていますけど。
木村:そうですね。自分はちょうど間ぐらいに住んでいました。自分がいるところは、両方行くのに、空いてると30~40分ぐらいで行けるんですけど、最近はめちゃくちゃ混んでて、1時間以上かかりますね。サンフランシスコに出るとなると1時間10分も使っちゃたりとか。渋滞がひどいですね。
河原:バブルを測る指標で「車の交通量を見るといい」ってよく言いますけど、まさにその典型だなというのがわかりますよね。
澤山:でも、サンフランシスコは歴史的な理由もいろいろあるんですよね。高速が作れなかったとか。
河原:そうそう。建築の基準とか厳しいので。
澤山:いまだに家もマンションもぜんぜん建てられないから、家がバカみたいに高いとか。
河原:確かに。だって月の家賃って今、サンフランシスコで3,000ドルとか?
木村:もう下手したら4,000ドルぐらいいくんじゃないですか。
澤山:40万円(笑)。
河原:1LDKとかで月40万円とかですよ。そんなん暮らせないですよね。みんなどうやって暮らしてるんですかね?
木村:どうやってるんでしょうね? でもやっぱりテック系の企業は相当(給料を)払ってるので。なので、Googleの社員なんかは、もうサンフランシスコに住んで、バスで送迎してもらってるって感じですよね。
澤山:はい。
河原:ちなみに今、Googleで思い出したんですけど、このマップ、よく見るとGoogleないんですよ。
木村:ないですね(笑)。
澤山:あれ?(笑)。
河原:これ実はお金払うとロゴ載っけてくれるんですよ。このシリコンバレーマップって。
澤山:あ、そういうやつなんだ?
河原:実はこれ載ってる企業が偉いってわけじゃないんですよね。少なくともお金は持ってるかもしれないですけど。だから、日本の企業だとHITACHIとか。
澤山:SANYOっていうのがありますね。
河原:古いですね。
澤山:古いですよね。
河原:そう。どこかにオージスとかもありますけど。Sun Microもあるな。これは今Facebookのオフィスになってるところです。
木村:やっぱり住んでる身からすると、これはだいぶ違和感ありますよね。サンフランスシコのほうに、TwitterとかUberがあって、という感じですもんね。
河原:はい。ただ、最新版見ても違和感そんな変わらないと思うんですよね。まあ、そんな感じです。
けっこうこの数年でトレンドが変わっているというのは確かにあって。たぶん、このマップの数年前はやっぱりサンノゼエリア。
一番南のエリアにサンノゼという街があって。そこがもともとシリコンバレー発祥の地なんですけど、そこの企業ってとくに半導体系の会社がたくさん生まれて、それで「Silicon Valley」って名前がつきました。
そのあと、スタートアップが徐々に北上していくという現象がこの数年で加速しています。最初は真ん中のパロアルトというスタンフォード大学のあるエリア、そのへんにスタートアップが増えてくる。
今度は、この4~5年ぐらいですかね、もうサンフランシスコにたどり着いちゃったんですよ。サンフランシスコは、この地図でいったら、一番北のゴールデンゲートブリッジが見えますけど、あそこのたもとの「THE 街」という感じのところなんですけど。
もうだいたいのソフトウェア系のスタートアップは、サンフランシスコで起業してるイメージかなと。だから、だいぶ変わってきているなという気はします。こういうマップで見ると、見える企業名と実態の企業名ってだいぶ違う。
あと、僕が最初にこのマップ見た時、シリコンバレーってぜんぜん徒歩でぐるっと回れるエリアだと思ってたんですよ(笑)。
澤山:けっこうでかいですよね(笑)。
河原:ところがさっき言ったとおりで、南のサンノゼからサンフランシスコまで行くのに車で40分ぐらいかかるんですよね。ぜんぜん天気も違うし、渋滞はするし。
澤山:そうですね。サンフランシスコは寒いんですよ。初めて行く人がいつもだいたい間違えますけど。サンフランシスコはけっこう涼しくて、サンノゼに行くともう暑い。
河原:そうなんですよ。夏に行くとぜんぜん違うんですよね。
澤山:サンノゼなんかもう超ド田舎ですから。Appleの近くに行くと、本当にもうなんにもないという感じでね。
河原:今はバカでかい宇宙船みたいな建物が建ってますけどね。そんな感じです。
で、シリコンバレーはまあいいとして、エコシステムですよ。エコシステム。
これ、エコシステムをGoogleで検索で引いてみたんですけど、なんか「なんだろうな?」という(笑)。
澤山:これはなかなか(笑)。
河原:だいたいぐるっとしてますよね。なんか矢印があるなとか、いろいろ(共通点は)あるんですけど。
澤山:これはもとは生態系ですからね。回ってる感じもありますね。
河原:(スライドの)右上なんか、すごく日本的な資料で。すげーなという。なかなか味わい深いものがあるなと。
木村:これ「スタートアップエコシステム」でもなんでもないですよね。ただの「エコシステム」で引いてます?
河原:とりあえず「エコシステム」だけで引いてます。でも、「スタートアップエコシステム」というのも一応引っかかってますね。
そんなキーワードでとりあえず話していくんですけど、こうやって概念的に見ると、ようわからんなということで。
でも、「リアル」という話なので、実際にシリコンバレーでどういうことが起きているかという話や、さっきの岩本さんのお話にもあった日本との違いとか、日本で参考にできる部分はどういうところなのかということを、お2人はまさに実践されている方々だと思うので、そのあたりを切り出して話していければと思います。
というわけで。シリコンバレーの話からまた日本に戻って恐縮なんですけど、この3人の出会いって、トーマツさんが始められた「Morning Pitch」ですね?
澤山:ですね。
河原:そこが始まりだったと思うんですけど、Morning Pitchに行ったことある人どれぐらいいます?
(会場挙手)
意外と少ない。じゃあ木村さん、Morning Pitchってどういうイベントなのか、簡単に説明してもらっていいですか?
木村:毎週木曜日の朝7時~9時にトーマツが新宿でやっているイベントです。4社~5社のスタートアップに登壇いただいて、だいたい今だと150名ぐらいの大企業の方に向けてピッチしていただくというイベントを、毎週やらせていただいています。
河原:150人!?
澤山:最初は20~30人。
河原:そうですね。
木村:僕が行ってたときは、そんなもんでしたね。
河原:登壇者もはじめは2人ぐらいだったよね。
木村:うん。
澤山:そうそう。それで、ちょうど僕ら2人とも第1回から巻き込まれて。もともと、トーマツの斎藤(祐馬)さんと、野村證券の当時新宿ビル支店にいた塩見(哲志)君と、あとSkylandの木下(慶彦)君が立ち上げたんですよね。
おもしろいのが、3分~4分ピッチをして、あとの16分~17分はずっとQ&Aなんですよ。
河原:そう、Q&Aが長かった。
澤山:Q&Aのほうがメインなんだよね。だから、質問者をする人が必要で、トーマツから木村さんが呼ばれて、僕は僕で野村證券にいたので、塩見君から「澤山さん、来てください」って言われて。朝弱いんですけど、毎週1年半ぐらい朝7時半に新宿に行くという。
河原:毎回、木村さんが最初の質問をして、次の質問は澤山さんがするというパターンだったんですよ。
澤山:だいたいそんな感じですね。
木村:眠かったですね。
河原:眠かった(笑)。でも、まだやってるんでしょう?
木村:やってます。
河原:でもそこで脈々と育って150人。そこで、トーマツベンチャーサポートという会社を斎藤さんと木村さん立ち上げて、要は日本のベンチャーエコシステムをもっと盛り上げていこう、ということでやられてたと思うんですよね。
日本全国まわったりして、そのMorning Pitchというのが起ち上がって、そこである程度成果が見えた。それこそ最初に10人ぐらいでやっていたのが、たぶん僕がサンフランシスコ出る前だと、70人ぐらいは来てたかな。
澤山:あと大阪でも月1でやったりしてましたよね。
木村:そうですね。あと福岡でも。
河原:そのあと、木村さんがシリコンバレーに渡ってきたわけですけど、そこに至る経緯ってどんな感じだったんですか?
木村:自分がシリコンバレーと関わり持ったのが2012年ぐらいですかね。やり始めて2年ぐらい経った頃で。やっぱり自分がサポートしているスタートアップの方で、シリコンバレーでチャレンジしたいという方がすごい増えた。
「それをやるためには」というので、はじめは一緒に出張ベースで見に行って、いろいろ基礎的なネットワークのご紹介をしてたんですけれども、それだけだとやっぱりぜんぜんうまくいかなくて。できることも少なかったので、2014年に改めて出ていったというのがきっかけですね。
河原:じゃあ、最初は日本のスタートアップの支援というのが最初にやってた?
木村:そうですね。なので、すごく多かったです。当時だと、デジタルガレージさんに入っていたAnyPerkさんとか。あとはAppSociallyってわかりますかね。高橋雄介さんとか。ああいう方たちが「行こう、行こう」というので、1回盛り上がった時があったんですよね。
澤山:定期的にああいう盛り上がりって来ますよね。
木村:そうですね。何年かに1回来ますね。
澤山:2012年ぐらいにもデラウェアに登記するのが流行った記憶が……。
木村:流行りましたね。渡辺千賀さんとかがこっちに来たりしてセミナーをやったりしてましたね。「いきなりデラウェアでつくって、向こうで資金調達したほうがうまくいきやすい」みたいな論調が強まった時期があるんですよね。
河原:最近はどうなんですか? 日本で調達したほうが楽だとか、部分的には聞きますけど。
澤山:資金調達の容易さでいったら、圧倒的に日本でしょうね。バリュエーションとかが異常に高いということを言われたりもしますし。
木村:自分も同感ですね。やっぱり日本で調達したほうが、はじめの資金調達という意味だとやりやすいのかなとは思いますね。
河原:そのAnyPerkさんはY Combinatorが入ったり、AppSociallyは500ですよね。
木村:そうですね。
河原:実際、その頃に入った企業って、いまだに根付いてがんばっていたりしますよね。
木村:そうですね。でも、やっぱりけっこう出入りも激しくて。日本のスタートアップでチャレンジされた方でも戻ってくる方も多いし。そもそもやっぱりシリコンバレーが多産多死型のエコシステムなので。そういう感じではありますよね。
河原:なるほど。たくさんスタートアップが生まれるけど、その分たくさん死んでいくという。
木村:そうですね。
澤山:ある意味そこは当然の話ではありますよね。この前ちょうど統計みたいなもの取って、さっき500が1,600社投資したって言ったんですけど、ファンド1とファンド2が600社ぐらい投資してるんですよ。
そのうち何社がシリーズAにいったか、Bにいったか、Cにいったか、ということを調査したら、25パーセントがシリーズAまでいきました。その時点で75パーセント死んでます。で、11パーセントぐらいはシリーズBまでいくのかな。
シリーズCというと、だいたいもう時価総額は数十億から100億ぐらいまできてると思うんですけれども、そこまでいくとようやくそこそこの成功。そのサイズにいくのがたぶん5パーセントぐらい。
いわゆる「ユニコーン」と言われるレベル、シリーズDにきてるのは、2パーセントかそんなもんですね。
河原:500のなかでその数字?
澤山:そうです。
河原:でも、500 Startupsってセレクションがものすごく厳しい。
澤山:ある程度してるとはいえ、とはいえ、デイヴ(500 Startupsの創業者デイヴ・マクルーア)は、こんだけ投資してると達観してるのか、「もうわからねえよ」みたいな。
木村:本人が言っちゃっていいのかな(笑)。
澤山:「わからないからとにかく投資するんだ」みたいな。そのなかでうまくいった馬に追加投資をするとか、もっと成長させられるところに、というやり方をしてます。
河原:よくいうとポートフォリオの分散というか。
澤山:まあ、そうですね。
河原:なるほど。でも、たぶん世間一般の平均値としては、もっと成功率は低くなるんでしょうね。
木村:そうだと思いますよ。やっぱり向こうはシリーズAになかなか進めないですね。僕の印象として。
澤山:シリーズAのハードルがどんどん上がってるって話は、確かDemo Dayの時にけっこうお話ししましたね。
河原:そうですね。
澤山:それこそ高橋さんだったり、FlyDataの藤川さんに来ていただいて。話をしてると、昨年よりも今年はやっぱりどんどんシリーズAに上がるための売上高のハードルが上がってきているとか。
河原:数年前だと、ユーザーがある程度ついていたら、シリーズAのラウンドはひょこっと調達できるみたいな、そんな時期もあったような気がするんですけど、だんだんと景気が悪くなってきたんですかね。
木村:でも、資金調達の額自体も天井打ったというのもありますしね。
河原:そうなんですね。
澤山:でも、どうなんですかね。どんどんプレイヤーが増え続けているというのもあるんですかね。要は、例えばよくシリコンバレーと日本を比較するときに、シリコンバレーだと、1個なにかオンラインサービスやったら、たぶん競合がぐわっと出てくると思うんですよ。
中国とかインドも同じらしいんですけど、インドも丸パクリがすぐさま出てくるらしいのね。ものすごく競争が激しい。
でも日本だと、本当に丸々同じ領域でガチンコで競合しあって、というのはそんなに多くないじゃないですか。まあいくつか思い当たるのはあるけれど、そんなにたくさんあるわけじゃない。
この競争環境の激しさは、シリコンバレーはやっぱり世界中から集まるというのがあるので、それがまたシリーズAの難しさにつながっているのかもしれないですね。
河原:なるほど。僕の前の上司が例えてたのは、「シリコンバレーってメジャーリーグみたいなものだね」って。世界中から有能なタレントが集まってきて、その人たちが一番憧れるのが、大企業に入ることじゃなくて、起業。
スタンフォードとかUCバークレーを出た優秀な人たちがガンガン起業しては、資金調達してサービス作ってというのをやってるわけですよね。そこの層の厚さがぜんぜん違う。
だけど、その分たくさんの人が死んでいくというのは、本当に道理なのかもしれないですね。
株式会社リクルートホールディングス
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