2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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尾原和啓氏:今日はECの未来を語るんですけれども。私は、去年の2月まで楽天にいさせていただいておりまして、楽天ID決済を担当させていただいたり、あとはViberの買収に携わっておりました。そういった観点から、ECの未来について語っていければと思います。
落合さんの説明はすごい難しいんですけど、どうしましょう?(笑)。
落合陽一氏(以下、落合):芸人です(笑)。
尾原:いやいやいや(笑)。
落合:ふだんはメディアアーティストと名乗っていて、筑波大学の先生をしてたり、あとは一般社団法人の理事なんかもよくやってました。
「未来はどうなるかというのを考える」のは1つの学問として存在していて、メディア研究とか呼ばれたりするんですけど、そういうことをやっています。(スライドの)後ろに出てるのは1902年の映画で『月世界旅行』という。
尾原:『月世界旅行』ですね。見える。
落合:この映画では砲弾に乗って月に行くんだけど、月で宇宙服も無しに出てくる。実際の問題がいろいろ克服されて、アポロが打ち上げられるまでには、60年ぐらい日取りが開くことになるんです。つまり、最初にメディアの上に展開されるコンテンツがどういう未来になるのかというのを予見して、そのあと、だいたいそれに実装で追いつくという社会構造になっています。そういったことを鑑みて、まあざっくりと未来の話をしようかなと思って今日は来ました。
よく最近の未来に関するパラダイムをなにか考えるときに、マスメディアに対比してコンピュータのこと、コンピュータが作るパーソナライズされたメディアを考えようというのが、僕が最近使っているフレームワークです。
昔はテレビであったり、映画だったり、映像の時代だったけど、「これから先、映像の時代ではなくなったら我々はどういう社会的な動きをするのか?」みたいなメディア論とそのシステムの実装を考えることが専門です。
今のこの社会で使われているECとかインターネットの構造が、一番最初に予言され始めたのは1990年代のことで。
尾原:そうですよね。
落合:例えば今上(のスライド)に出てる、マーク・ワイザーさんが1991年に書いた『The Computer for the 21st Century』という論文があるんですけど。
このなかで、「将来人類はやがてパソコンだとか、紙でものを書くだとか、あとはタブレットでメモを取るだとか、そういう情報処理において、コンピュータの存在をあまり意識せずにコンピュータを使っていくんじゃないか」みたいなことが当時から言われるようになっていきました。
尾原:これXEROXの研究所だよね。
落合:XEROXのパロアルト研究所、24年前の未来予想なんですけど。まさしく今、人によってはご飯をたべながら、スマホを使いながら、パソコンを打ちながら、人の話を聞くというのは今、この会場でも普通にやられるような光景になってきたわけです。要は、スマートフォンができてだいたい10年ぐらいだとして……。
尾原:今ようやく10年。
落合:マルチメディアはここ25年で相当成熟した。この相当成熟したマルチメディアが将来どうなっていくのかというのが研究です。
僕がやっているのは、そのなかで、人間がメディア装置を通じて得る光とか音とか、ひいては物質というのを、どうやってモデリングしていくか、実質的な存在として定義するかということなんですよ。
つまり、お客さんは画面の向こうにいるわけで、その画面の向こうのお客さんがどういう反応をするかというのを、数式でモデリングしようとか、物理的に光を出す装置をどうやって作ろう、みたいなことを研究しています。
尾原:今ではみんなテレビスクリーンをメディアって思ってたり、最近になってスマホのスクリーンがちょっとメディアと捉えられてるんだけれども。
さっきのXEROXのパロアルト研究所って、実はスティーブ・ジョブズが「つくった」と言ってるマウスだとか、GUIというアイコンを動かしてなにかやるということは、実はこの研究所から全部生まれていて。スティーブ・ジョブズはそれをパクっただけなんですけれども。
そういうかたちで、今の技術をベースにするとスクリーンがメディアなんだけど、それが変わっていくということなんですよね。
落合:そういう感じのことを常日頃から考えてます。僕の專門は強力超音波や強力レーザーなどを使って空気をどうやってメディア化するかというのがひとつ專門です。
古典的にはホログラムとよばれる技術を使って、人間に対して光とか音響波とかをどうやって提供するかというようなことを研究でやってます。
そういった先に、やがてメディア装置を通じてコンピュータに接続させる生態系があるんじゃないか、きっと「デジタルネイチャー」とよばれるような、コンピュータと人間とあらゆる動植物と生物がつながった生態系があるんじゃないかということをずっと研究をしているわけです。
ものによっては空中にプラズマで絵を書いたり、空中に触覚像をつくり出したりとか、いろんなことをやってます。例えば、木目や皮などの非ガラス素材でディスプレイを作ろうとか、あとはなにもない空中に触覚を感じるような装置ってどうやってつくるのとか。
バーチャルリアリティで表示されてるときに、人間はどういう知覚変化をもって対象と接することができるのか、みたいなのが專門で、それをひたすら実験したり研究している研究者です。
尾原:ものすごい難しいことをさらっと言ったんですけど。要はこの人なにをやってるかというと、触れる光を作ったり、光でモノの感触が変わる、木のように見えたり鉄のように見えたりするようなものを作ったりとか。たぶん一番わかりやすいのは空中浮遊のやつ。
落合:音響浮揚ね。
ああいう物体の制御は得意だね。あとは最近、人間制御にすごく興味があって。これはVRゴーグルを被りながら現実世界を歩くんだけど。「人間ってどうやってラジコンになるの?」というのがすごく興味があります。
要は、人間って目で見てるものが変わると、足が勝手に動いちゃうんですよね。だから、この人はAに向かって歩いてるんだけど、視線操作してやると、本人はAに着いたつもりでなぜかBに着くような不思議な人間ロボットを作ってるんだけど。
尾原:(笑)。
落合:そういや光や音、メディア装置を用いて人間をどう制御していくかというのがうちの研究室の1つの目標だったりするわけです。
尾原:人間自体も環境のなかに組み込まれた装置だから、環境のほうを操作してあげると、実は人間って動きが変わってしまう。
落合:そうそう。人間型のロボットをつくる。もしくは人間の形をほかのロボットの形に転送するのが專門だったり。そこにまつわる光と音、そして触覚をどうやって設計していくか、みたいなことをずっと考えてる。
例えば、今使われているIoTというような技術についてはかなり詳しいラボです。3Dプリンターから、ロボティクスから、あとハプティクス、もしくは光・音を扱うことはずっと研究でやっていました。
俺が想定する未来は、きっと物体自体が直接人間に向かって飛んでくるような世界観を持っていて。それを実装していくにはどうしたらいいかということを考えてます。
尾原:ちょっとだけ解説を入れると、今こちらにいらっしゃる楽天の店舗さんもユーザーが自然に物を買いたくなるように、バナーの大きさを工夫したり、ボタンの位置を変えてみたり、動画をこういうふうに入れてみたら、自然と人が物を買いたくなっちゃうみたいなことをやってるじゃないですか。
今はスクリーンというものが、私たちが売りたいものとかストーリーを伝える媒介だから、たまたまそうなってるだけで。
落合さんがやってるようなことが10年後当たり前になってくると、さっき言った、バーチャルリアリティで囲った世界のものの見方だったり、もしかしたら道路が「ちょっと傾きを感じるかも」とか、あとは「触ってみるとザラザラするかも」みたいなことで、ユーザーが自然と誘導されるというようなことがどんどん起こってくる。
そうしたときに、どうユーザーがコントロールされるのか、ナビゲートされるのか含めて、メディアと捉えてるってことだよね?
落合:そうそう。だから、今まで10年ぐらいのWebの文化って、要はどうやって画面のなかに最適配置すると、もしくはどういうストーリーをつけると、「人間って買うんだろう?」とか「人間って設計できるんだろう? 行動が設計できるんだろう?」ってことだったんだけど。
それがこの実世界全部に広がるときに、「どういう法則性で人は外界から影響を受けるんだろう」というのを数値解析的に研究しているラボです。
尾原:今リアルのメディアで実装されている落合さん的な技術をちょっと思い返してみると。
ここにいる方で、コンビニの前にいると「キーン」っていう嫌な音が聞こえるという人はいないですか? ここで手をあげないと、その方は年寄りだってことを意味するんですよね。
落合:高周波が耳で聞こえるかどうかってね。
尾原:要は高周波で、年寄りの方にはその音が聞こえなくて。でも若い人にはその音が聞こえるから、若い人にとっては不快なんですよ。
だから、若い人がコンビニの前でたむろったりしないように、そういう高周波の音を出してたりするんですね。
たぶん今後、そういうことが平気でインタラクティブなメディアのなかでも起こってくるという話だよね。
落合:そういう話ですね。要は、数値解析と物理的にコンピュータを使っていくことがごく当たり前になっていくだろうと。じゃあ、ECの話をしようということなんでしょう。
尾原:そうですね。
落合:ECは今後そういう実世界指向のものが、絶対に増えていくだろうと言われていて、なんで実世界指向にするメリットがあるのかというと。
例えばAmazonのIoTのボタンって、みなさんご存知かどうかわからないんですけれども、このボタンを押すと、AWS Amazonのクラウドサービスに投げられて、このボタンがどう押されたかを簡単に取得できる行動のパッケージがあって。
これに各企業さんが、例えばラベルを貼って「洗剤の横にこれを置いておいてください」とかいうと、洗剤が切れたときにこのボタンを押すと、家に自動で洗剤が届くみたいなサービスを提供したことでやたら話題になったんですが。
尾原:そうですね。
落合:これ系の実世界指向のものって、Webブラウザを経由せずに物を買うのがたぶん今後当たり前になっていくはずなんですよ。
そこはもうちょっと今のWebショッピングよりも広いフロンティア。例えばそれって広告の出し方というよりは……。
尾原:だからAmazon Dash Buttonに関していうと、結局パソコンからスマートフォンになってなにが変わったかというと。
やっぱりパソコンってどうしてもなにか買い物をするときに、起動してブラウザを立ち上げていって……どうやったって買い物するのに5分間はかかるわけですよね。
さらに言うと、僕らみたいにパソコンをずっと持ち歩いてない人のほうが多いから、もう買うぞという気持ちになってやらないといけないものが、スマホになったらポケットに入ってるからすぐに立ち上げて……。
テレビドラマを観て、「おいしいものを食べてるから、すぐ買いたいな」と言って、楽天で検索してあったから買うみたいなものから、今度はこういう実世界のボタンになっちゃうと、あらかじめ洗濯機につけておけば、洗剤が切れそうなときにボタンを押せば、もう自動的に洗剤が届いちゃう。犬のわんこのところに置いておけば、ドックフードがすぐ届くかもしれない。
あらゆる実世界に「これなくなったから持ってきてボタン」をくっつけるみたいな、そういうドラえもんみたいな世界がもう実際に始まっているんですよね。
落合:例えば近頃では、有名ビールメーカーさんが顧客に冷蔵庫のプレゼントを送って、その冷蔵庫からビールがなくなるとまたビールが届く。
尾原:自動的にビールを発注する。
落合:ビールが発注されるとか。でも、それのどこが一番脅威的かというと、ほかのメーカーさんのビールを飲まなくなっちゃうんですよね。
尾原:そうですよね。
落合:まったく飲まないし、そのサービスも使わない、みたいな状態になっちゃうので、そういうのが出てくるだろうと。
落合:概論を整理すると、今の世の中で言われているデジタル革命って3種類あると思うんですよ。1つは、インターネット革命。もう1つは、人工知能革命。最後の3つは、実世界指向革命。僕は、この下2つの組み合わせを使ってコンピュータをやってる人です。
尾原:たぶん世の中の人って、この3つを混乱してる人が多いし。最近の話でいうと、人工知能革命と実世界指向革命を混乱してる人が多いよね。
落合:多いですね。だいたいおじさん向けの書籍を読むと、4つが混乱してるんですよ。1つがグルーバル革命。もう1つがパソコン革命。その次がインターネット革命。そして2010年代に人工知能革命と実世界指向革命があって。この5つのパラダイム・シフトがちゃんと接続されてない方がすごい多い。
なぜならグローバル革命のときに、日本ってイケイケドンドン、バブルで超強かったんですよね。
尾原:だからどんどん輸出すればよかった。車が強かった。SONYが強かった。
落合:そう、世界のSONYだったり、車が強いという社会だったんだけど、90年代になってみると、ソフトウェアのほうがハードウェアより重要だってことに西海岸は気づき始めて。
日本はハードをやってる国だから、ハードで囲い込めばソフトウェアは別にそんなに重要じゃないと思ってたんですよ。それが第1の失敗で。
尾原:そうだよね。それで結局NECも富士通もマイクロソフトをバンドルしちゃって。実はマイクロソフトをパソコンにバンドルするってやったのは日本が最初なんですよ。それでマイクロソフトって勝っちゃったんですよね。
尾原:だからApple、マイクロソフトのパソコン革命というところで、日本はせっせとハードを作ってたんだけど、向こうはせっせとソフトを安く配っていて。
でも、それって実は当然で。グローバル革命で増えすぎた商社とメーカーの人口を支えるには、ソフトウェアの利益じゃ存分には足りなかったわけですよね。
尾原:労働人口が支えられないからね。
落合:そのあとにやってきたインターネット革命には、パソコン革命が出てくるような巨人がいないとこの分野は成立しえないので、Google、Amazon、Facebookに抜かれていってしまったというのが1つの弱点なんですが。
尾原:結局ソフトウェアというのが、今まではパソコンにインストールしなきゃいけないという行為が、インターネットによってどこでも簡単に入れられるし。さらにいうと、クラウドで遠くからデータ自体も持てちゃうというところが革命になったということだよね。
落合:ただ、2010年代の人工知能と呼ばれているような、AIを絡ませて使う、例えばIoT、VR、自動運転、実世界指向のものというのは、ここはまだ比較的体力があった日本の企業が強くて。
尾原:本来的にはね。
落合:なので、ここに関わるようなECの戦略とかインターネットの戦略は、まだまだ開拓されていないので、ここを攻めていくのがたぶん基本原則になっていくはずなんですよ。
尾原:たぶん聞いてる方は、人工知能革命はなんとなくわかると思うんだけど、実世界指向革命がわからないと思うので、ちょっと解説したほうがいいと思う。
落合:一番大きく変わったのは、おそらくスマホによる影響です。スマホをみんなが持ってるということは大した問題ではないんですけど。我々は今、スマートフォンならびに小型電子機器をほとんど中国・台湾に発注して作るようになったんですね。
そうなってくると、我々が今使っているような、例えばVRに使ってる基盤、IoTに使ってる基盤、もしくは自動運転に使ってるような車載型のディスプレイみたいなものは、たいていが中国で安価に作れるようになった。インターネット上の簡単な発注と簡単な業者発注で、対象物が上がってくるようになった。
Appleは今、パソコンは設計するけれども、パソコンの製造はしてないわけだよね。あらゆる製造機能が極めて低コストで行われるようになってきていて。
その一環で、あらゆるところに、インターネット付きの基盤や、インターネット付きの車や、インターネット付きのウェアラブル装置がまかれるようになってきた。
尾原:だから、製造と設計がインターネットによって分離することで、製造というものがものすごく集中して作られるから、安く作れるようになっちゃった。
それによって、すべてのリアルなものの中にコンピュータが仕組まれるし、すべてのものの中にインターネットが接続できるようになった。ARMをソフトバンクが買収したのはその文脈だよね。
落合:でも、ARMってライセンス企業ですからね。
尾原:そうそう。だから設計だけやってる企業なわけじゃないですか。
落合:昨日なんか変なWeb記事があって、「ARMは去年何億個チップを出荷して……」って書いてあったけど、チップなんて出荷してないんですけどね。
尾原:そうですね。だからイギリスの会社なのに、なんでパソコンのCPUとかGPUとかあのへんのチップセットで強いメーカーかというと、設計にすごい強みを持ってるからそこは知的集約的にやって、作るところは中国にやらせるという構造だもんね。
落合:そうそう。最近ずっと言ってるんですけど、そういうあらゆるハードウェアが極めてデジタル経由で出てくるんですよ。
つまり、インターネット経由でデジタル設計ができて。そのあとあらゆるもののデジタルサブコピーが存在するような状態になってるから、そろそろ力学が変わる。
今だったらたぶん、映像メディアで配信されたものが検索トップになって、それによってはものが売れるという構造だったんだけど。今、デジタルメディア自体が世間にまかれることで、そこに紐づいてくるものに、あと10年ぐらいでどんどん転換していくんじゃないか。
それはほぼ確定的だと思うんだけど、その準備はどうやってしていったらいいのかというのを考えたほうがよくて。最近そのデジタルとアナログの準備というのは、1つの心構えでできることがわかったんですよ。
尾原:ほう。
落合:よくリアルとバーチャルという呼び方をするんですけど、この呼び方が日本人には向いてないんですよ。リアルとバーチャルというと、現実にあるものと仮想なものだとみんな思うんですよ。
なんでこの呼び方をするようになったかというと、リアルってリアルイメージ、光学、オプティクスで使う「実像」ってあるじゃないですか。理科の教科書に載ってる、ローソク立てて凸レンズつけるとここに像が写る。
尾原:なにかこっち側に見えるってやつだよね。
落合:虫眼鏡でてんとう虫を見ると大きく見えるというやつは虚像と言われて、これはバーチャルと言われている。虚にバーチャルを対応させてるから、我々はたぶんピンとこないんですけど。
正しい日本語訳は、物質と実質の問題なんですよね。バーチャルって「実質」って言葉なんですけど。バーチャルって要は「名目上の」の反対なので、nominalの反対の対応だから、これは実質的に……。
尾原:実質的にいうことだよね。
落合:そうそう。「名目上は親父の車だけど、実質上は俺が乗っているぜ」というときの実質って意味なんですよ。バーチャルユーザーは本人で、その場合のnominalユーザーは親父なわけですよね。
日本語はここは極めて正しい言葉の作り方がされていて。ここを「実質」とすると、じゃあ実質に対抗するものってなにかといったら、たぶん「物質」なんですよ。
尾原:そうだよね。
落合:このなかで本質はどこにあるのかといったら、本質はデータそのものなんですよね。ここを物質と実質で分けると、例えば物質の嫁が欲しいかと言われたら、物質の嫁が欲しい場合もある。2次元の嫁がほしかったら……。
尾原:実質的な嫁の。
落合:実質的な嫁が欲しい場合がある。
尾原:すばらしいね、これ。
落合:これはあらゆるところに線引きがきっとされていて。このスキームを4つに拡張すると、物質、実質、人、機械の間に、だいたいIoTってよばれるテクノロジーはすべて落としこまれていくはずなんですよ。
つまり、物質的に旅がしたい人と、実質的に旅がしたい人は、下はバーチャル・リアリティのユーザーでいいんだけど、上は直接JTBに行く人じゃないですか?
そこを人ドリブンで物質的にやってきたのが今のトリップだけど、人ベースで実質的にやってるのがVRとか。
尾原:VRとか。機械で物質でやってるような人たちもいて。要はそれは、月にロケットロボットを飛ばして、それを撮影して帰ってこようみたいなことをやってる人も、あと実質的にそこを機械でやろうとしてる人は……。
尾原:それはホロレンズとか。
落合:そう。ホロレンズとか使って、遠い景色を機械的に解析したりとかしていて。そういう考え方でioTサービスを切っていくと、ここってめちゃくちゃサービスの価値が高まるんですね。
尾原:そうだよね。だからたぶん今って、旅行ってちょっと未来のことからこの例を説明したから少し想像しにくくかったけど、たぶん音楽ってもともとこうじゃん。
落合:もともとこうですね。
尾原:物質的なライブをものすごく楽しんでいるのか、データを介した実質的なものだけを楽しめればいいという、データを使ったストリーミングなのか。
落合:それをオーケストラで聞くのか、もしくはテクノのライブでいいのかというようなシチュエーションがあると思うんです。
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