2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
提供:新経済連盟
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柴田啓氏(以下、柴田):ではここで、若干視点を変えて、民泊の話を。ホテルが「圧倒的に足りない、足りない」ってずっと聞いているんですけど、まず、そもそもホテルって足りないんですか? これ、星野さんと、山本さんに聞きたいのですが。
星野佳路氏(以下、星野):じゃあ、山本さんからどうぞ。
山本考伸氏(以下、山本):ホテルが足りない地域というのは、実は限られていると思います。東京とか、大阪とか、福岡というところでは、ほんとに足りていない部分があって、出張難民という言葉が出たり。インバウンドの需要に支えられてというところで、足りていないところがある。
一方で、地方の旅館とかの平日を見てみると、ぜんぜんまだ空室がある。需要を喚起すべきところというのがありますので、一概に日本全国で考えるんじゃなくて、都市部と地方、また、レジャー向けなのか、ビジネスマンが泊まっているのかで分けて考えたときに、一部のセグメントではぜんぜん足りていないと思います。
柴田:なるほど。
星野:世界の大都市と言うんですかね、都市のホテルの需給関係を見ますと、だいたい需要過多と供給過多を繰り返しているんですよ。
柴田:シクリカルな、っていうことですね。
星野:10年、15年単位ですね。ホテルというのは、作ろうと思ってから完成するのに5年、6年かかります。ですから今、「足りない、足りない」と東京で言われているから、みんな一生懸命作ろうとしていて、そこに融資がついていて、これが5、6年すると供給過多になるという、そういうパターンをだいたい世界のどの都市でも繰り返してるんですよ。
ですから、日本も今、大都市で足りないのは事実。ただ、それを民泊する理由にはしてはいけないと、僕は思います。なぜかというと、必ず供給過多がきます。そして、需要の減少も起こる。さっき言いましたけど、ギリシャ、エジプト、チュニジア、こういうところが平和で旅行に行くのに安全な地域になった途端に、いったん奪われるんですよね。
ですから、こういう波があるので、足りないから民泊だとか、足りないからこうだとかではなく、民泊は民泊としてちゃんと評価したほうが、僕はいいんじゃないかと思っています。
柴田:なるほど。それでいくと、やはり井上さんに聞きたいんですよね。民泊についていろいろ研究されていると思うんですけれど、メディアを見ているとどうも……、要は規制をどうすべきか、すべきじゃないか、そんな話が多くて。
あともう1つ、日本の場合、既存のマンション業者の方だとか、そういう人たちが余った部屋を出そうとか、そういう話が多い。でも、そもそも個人が自分の自宅を提供して、エクスペリエンス、経験を売るみたいな、そういうのがもともとの始まりだったような気がするんです。
海外の民泊と日本の民泊と、なんとなく感覚が違ってるのかなと思うんですけれど、今いろいろ見られているなかで、「ここがおかしいな」とか「ここ、みんな見逃してるな」とかいう民泊のポイントがあったらおうかがいしたいです。
井上高志氏(以下、井上):お二方が言っているとおりで、モノではなくてコト、体験を売りにしているというところでは、民泊というのは、世界共通のユーザーエクスペリエンスとしてすごくいいと思っているんです。
ところが、今はマスメディアを中心に「ああいう問題があった」「こういう問題があった」というのがいっぱい出てきてます。ただ、新経連としては、規制改革会議とか内閣府にも、提言を正式に出しておりますけれど、「これはやるべきである」と。
そのなかで、外部不経済と言いますけれど、周辺の住民の方々にご迷惑をかけるような場合には、それをどういうふうにヘッジしていくのか。それはプラットフォーマ―がヘッジしていく。こんなかたちで健全に発展させていくスキームは作れます、というのが文脈です。
もう1つは、星野さんがおっしゃったとおり、需給が年ごとに変わることもあるでしょうし、あとは1日単位でも、例えば「よさこい」とか「ソーラン」とか、100万人を超えるような地方のイベントがあっても、そこに泊まれないと、結局、みなさん日帰りで帰るしかないということも、往々にして起こります。
その場合、民泊は非常に弾力性があるということで、1日1週間単位でも弾力的に運用もできます。もしくはすごく需要が増えてるときには、非常にスムーズに受け入れするところを増やせるということがあると思います。
あともう1つ、すごく大事なことは、特に大家さん、オーナーさんが一緒に住んでいるところで、例えば、食べ物も一緒に食べるとか。そういう体験を売りにした場合に、なんて言うんでしょう、人と人のつながりができて、今日はおもてなしの話もあるのかなって思っていましたけれど、結局、日本人がとっても親切に「これも食べてごらんなさい」「あんなこともしてごらんなさい」「どこそこ連れて行ってあげるわ」と。こういう体験をしたときに、リピーターになるっていうことがすごく重要だと思うんですね。
つまり、「日本のあのお母さんにもう1回会いに行きたいな」って思って帰っていただくことはすごく重要で。これはいわゆる旅館、ホテルとはまた違う体験を得られるということで、非常に重要じゃないかなと思います。
柴田:ホームステイみたいな話ですね。
星野:いいですか?
柴田:はい。
星野:民泊にはホテル業界のいろんな団体が反対してるんですけども、私は賛成してるんですね。その賛成している理由をちょっと簡単に申し上げると、さっき、誰かの家に泊まる民泊と、投資型の空の家に泊めるっていうパターンの話があったんですけれど、実は空の家に泊めるほうが80パーセントの需要なんですよ。ですから、それを排除しちゃいけないっていうのが、まず1つあるんです。
それからもう1つ、「民泊を入れるとホテルが困るじゃないか」という議論があるんですけど、ホテルはサービスが売りなんですよね。民泊っていうのは誰もいない家を借りられるわけですから、場所が売りなんですよ。
そう考えたときに、民泊を規制緩和して導入することには大いに賛成なんですが、同時に、ホテルのサービスも規制緩和してほしいんですね。我々は、非常に大きな規制を受けてるんですよ。
建てる場所とか建てるところとか、それから提供サービスの内容ですね。ホテルに来た人に近くのアクティビティを紹介してマージンを乗っけると、旅行業法違反になるわけです。それから、周りの森を紹介して歩いていたガイドが、外国人を相手にすると通訳案内士の免許がないから急に違法状態になるんですよ。
ですから、サービスが売りになる、私たちホテルがサービス内容ですごく規制を受けている。ここも同時に規制緩和してくれと。こういう提言を一緒に入れていただくと、私はフェアな競争環境が生まれるんじゃないかなと思っています。
井上:星野さん、そこはバッチリです。
星野:そうですか。
井上:これはニコ動でも生放送されていたんですが、我々、新経連としては、ホテル旅館業の旅館業法そのもののレギュレーションも過去の古いものではなくて見直すべきだと。
民泊にしても、P2PとかC2Cっていうような文脈だけではなくて、旅館やホテルをやっている方々こそがこの事業をやるべきだ、ってお伝えをしてきています。理由は、すでに顧客リストも持っていて、理念、サービス、それから温かい食事をデリバリーしてお部屋に届ける、こういったものをすでに持っているわけですよね。
弾力性があるというふうに言いましたが、非常に需要が増えるタイミングではすぐにパッといい体験ができる場所を用意して、これをやるために、イコールフッティングみたいなことからいくと、今までの古い旅館業のレギュレーションそのものも見直すべきですということはお伝えしています。
それから、通訳案内士の件も「これももういらないんじゃないでしょうか」ということは、お伝えをしておりますので、ぜひ星野さんも新経連から政策提言を出す立場としてお待ちしております(笑)。
星野:(笑)。
柴田:ちなみに、僕、民泊って、さっき出ていた「若い人が旅行しない」という話と、実はけっこう関連性があるかなと思っていまして。なぜならば、僕が、例えば、自分で東京でマンションなりアパートなりを持ってて、人に貸して収入を得て、その可処分所得が増えるわけですよね。
その部分をどう使うか。ほかの土地を見たい、と自分が旅行してる間に、外国人の誰かが泊まる。そういう構図があるのかなと思っていて、実は旅行需要の喚起にもなるんじゃないかなと。
星野:ぜんぜんありますね。すごくいい発想だと思いますよ。
柴田:はい。じゃあ、ここで、またもう少し視点を変えて、おもてなしの話。ようやく本題に入ったみたいな話なんですけど(笑)。僕、「おもてなしってわけわからないな」っていつも思ってるんですね。なにが「おもてなし」なんだろう。
これはピーターさんに聞きたいんですけど、外国人の目から見て、おもてなしってほんとにあるのっていうことと、それはなんなのか、本当に日本のキラーコンテンツになりうるんですか。難しい質問だと思うんですけれど。
ピーター・ランダース氏(以下、ランダース):もうすでにキラーコンテンツになっていると思います。
柴田:なっている?
ランダース:日本に来た友達、親戚などが必ず言いますね。この間も、私の11歳の息子の親友、ワシントンに住んでいたときのベストフレンドがお父さんと一緒に東京に来て、それこそ民泊で1週間滞在しました。
そのお父さんが言ったのは、「日本が一番フレンドリーな、一番親切な国だ。これをもっと宣伝すればいいじゃないか」と。
例えば、私たちがちょっと野球をしていたときにiPhoneを落としてしまいました。30分後に「iPhoneはどうなったんだ?」となったのですが、近くで遊んでた子供が近くにいた大人に渡して、その大人が私たちのところに来て、「もしかしたら、これはあなたのiPhoneではないか」と。「ああ、よかった、よかった。見つかった」という経験をした。必ず日本に来るとそういう意外な親切な経験が起きるんだと。
それでまた日本に行きたくなるわけですから、もうキラーコンテンツだと思います。ただ、どの国も「おれらフレンドリーだ」と言ってるので(笑)、宣伝するのは大変難しいと思いますけれども、どんどん来てもらって、これがリピーターになるというのが、たしかに日本の一番大事な強みだと思います。
柴田:井上さん、なにかありますか?
井上:この前、4月1日前後で、うちの年度替わりなので、キックオフでスペインのバルセロナの子会社から100人の社員が日本に来たんですよ。スペインって観光立国じゃないですか。
彼らが煙草を買おうとしたら買い方が難しくてよくわからないと。100人来たうち、95人ぐらいが日本初めてという状態だったんですけれど、そしたら日本人の子が一緒に買いに行ってくれて、通りすがりだったのにそこまでサポートしてくれたとか。
あとはキックオフの会場で2次会をやっていたら、「パスポート入りのショルダーバッグを置いてきちゃった」って、すごく真っ青な顔してうちの日本人社員に聞いてきて、問い合わせたらちゃんと出てきたんですね。自分たちが泊まってたフロントに届いてた、みたいな話もあって。
彼らからすると、「アメイジング!」なんですよね。だから、そういうことが普通にどこででも起こってるというので、彼らにとって、日本の印象がすごくプラスになって帰っていった。そういう経験がありました。
柴田:問題はやはり、それをどうやって人に知らしめられるかという、たぶんそういうことなんでしょうね。
では、少し視点を変えて、もともとこの新経済サミットは、テクノロジーとかアントレプレナーシップだとか、こういった視点でこのイベントを運営していると理解しているので、テクノロジーという意味でいうと、テクノロジーが旅行とか観光業界を活性化させたというのは、間違いないと思うんですよね。
少しビジネス的な話をすると、世界のオンライン旅行会社っていうのはとてつもなく大きくなっていまして、一番大きなのは、プライスライングループっていって、ブッキングドットコムとかアゴダっていうのを運営してるんですけども、この時価総額って6兆円あるんですよね。
6兆円っていうのはどういう数字かっていうと、日本で一番大きなインターネットの会社ってヤフージャパンさんだと思うんですけど、ヤフージャパンの時価総額の3倍あるんです。旅行をやってるだけで、それだけある。
また、みなさんがご存知のAirbnbとかの時価総額って2兆円、Uberは3.5兆円とかって言われてるわけです。でも、日本、ひるがえってみると、まだ旅行の、このテクノロジー領域では今一つ影が薄いなって思うんです。
まずは山本さんに聞きたいんですけれど、山本さんのところも、結局、日本の宿泊の業界ではガリバーのようになっていると思うんですけれど、一方でブッキングドットコムとか、こういう会社がどんどん日本にも来て、かつ、インバウンドが盛り上がっているけれども、お客さんは今、ほとんど日本人ですよね?
山本:そうですね。日本人が大半にはなります。
柴田:危機感はないんですか?
山本:危機感は持っています。ただ、大きなチャンスだなとも思っています。というのは、日本にいっぱい来てくれないことには売れないと。日本の旅館さんやホテルさんのことを一番知っているのは私たちじゃないかなと思っていまして。
先ほど、おもてなしという話がありましたけれど、あれってリスクも含んでると思っています。「日本に来たらすごくいいサービスを受けられる」「日本っていいサービスだよ」ってところを期待しすぎて来ると、これは旅行代理店とかのせいっていう部分が大きいんですけれども、ミスマッチになるときがある。
実際にサービスを提供する側の内容と期待する内容というのが、本来泊まるべきでない人が泊まったり、本来合ってない人が泊まったときには、おもてなしに対して期待値が高いだけにすごく悪い評価になってしまう。
私たちは、日本のことをすごく知っていて、テクノロジーがそこのキーになってくると思っていまして、そこの部分をしっかりと、いかにパーソナライズしていけるか。
Facebookさんとかをいつも見ていて、チームのメンバーと「なんで俺この広告見てるんだっけ」とか、「なんで同じ友達のポストなのに、僕には出ていて友達には出ていないんだろう」みたいなことがあります。
一番パーソナライズできている会社って、たぶん1つはFacebookさんだと思いますので、そういうようなかたちで、この人に対してはこの旅館が出せるってところにまで、まだまだぜんぜん辿り着けていないですけども、そこの部分のマッチング、ミスマッチを減らしていくところのテクノロジーを高めていけば、十分、特に日本のサプライヤーを知ってる私たちがインバウンドで負けるはずはないんじゃないかなとは見ています。
柴田:ということは、危機感はあるけれども、まだ勝負はこれからだと?
山本:まさに勝負はこれからだとは思っています。
柴田:なるほど。ちなみに、「Hello,Future!」とここにありますけれど、今後、どういうテクノロジーが旅行とか観光業界で一番インパクトを持ってくるのかなというのに、僕はすごく興味があるんです。
今日、先ほどのルービンの話でAIとかって出てましたよね。じゃあ、いったいこれからどういうテクノロジーに注目すべきなのか。これちょっと、1つでも2つでもいいので、聞かせてもらいたいなと思うんですけども。まず、山本さんから。
山本:私はもう半分言っちゃったようなものなんですけれど、パーソナライズだと思っています。先ほどの民泊というのも、なにもサービスのない部屋がいいという若者もいると思いますし、実際フルサービスを受けたいという人もいる。
実際にその人が探してるもの、検索フォームに入れるものは「何月何日に2人で泊まりたい」だけなんだけれども、そのなかに込められた思い、旅行っていうものに秘められた思いはまったく違ってきます。そのフォームに入っていないニーズをどれだけ取ってこれるのかという勝負に、今後はどんどんなっていくんじゃないでしょうか。
柴田:それはどういうテクノロジーを使って、それをやっていくんですか?
山本:基本的には、ディープラーニング的に実際に誰になにを当てたのかっていうのを覚えておいて、その人がリピーターになったかどうかとか、口コミとか書いてくれたらすごく楽なんですけれども、実際のフィードバックが入りますので。
柴田:AIみたいなのもそうだけど、要はマシンラーニング、ビッグデータ、こういうものがキーワードになってくるっていうことですか?
山本:そうですね。私たちはそれをもっとミクロで見て、実際に旅館を一番上に出したら、それがクリックされたかどうかみたいな、それを集めたものをビッグデータっていう呼び方をしたほうがわかりやすいと思うんですけれども。
柴田:井上さんはなにかありますか? ご自身のサービスはずっとテクノロジーとともに歩んできたと思うんですけども。
井上:ちょっと今考えてたんですけども、特にインバウンドでも国内の方でもいいんですけど、もうちょっとVRを活用できないかなっていうのがあって。さっきの情報発信するところで、YouTubeとかブログって話もしたんですけど、そこにいる臨場感をすごく手軽に発信できて、「ここだったら絶対行きたい」っていうような気持ちを盛り上げる、そういうものがもっとできないかなと思って。
昔、Google Earthが世にデビューしたときって、みんな夜な夜な世界中を旅してたじゃないですか。めちゃめちゃ楽しかったじゃないですか。
あれのもっと進化したものがあると、それは観光業以外にもたぶんインパクト与えると思うんですけど、どれだけ製造コストを安くして世界中どこでも、ほんとにまさにそこにいるような、バーチャルリアリティ体験ができるようになると、だいぶ行きたい感情が盛り上がってくるかなと思います。
実際に行ったら行ったで、あとはもうIoTとか、AIとか、GPSとか使って、いろいろこう……、先ほど、ピーターさんもおっしゃってた「お寺の由来とかも日本語ばっかりでわかんない」っていうのも、コンタクトなのか眼鏡なのか、それともAR的にかざすと翻訳してくれるのかわかりませんけど、そういう利便性も高められるでしょうし。
「このへんでお蕎麦食べたい」って言ったら、どこが一番いいっていうのも(教えてくれる)。スマホでもいいんですけど、もっと手軽に自分にぴったりのものが次々に見つかってくるような、そういう体験をサポートできる、そういうテクノロジーっていうのがワクワクします。やってみたいですね。
柴田:すいません。時間が押しちゃったので、最後の質問になります。ちょっとくだけた質問を、みなさんに聞きたいんですけれど、みなさんの海外にいる友達が日本にもし訪ねてきたときに、おすすめする旅行先、訪問先とおすすめするレストラン。これを2つずつ教えてください。
じゃあ、誰からいきましょうか。星野さんが下向いてるから、星野さんかな。
星野:沖縄県の竹富島しかないじゃないですか。
(会場笑)
柴田:竹富島。
星野:竹富島。……2つというので、真面目に答えられないんですけれど、僕が今一番力を入れてるのが福島県なんですよ。福島県知事にこの間、直接「県名を変えてくれ」って言ったら、すごい怒られたんですね。
(会場笑)
星野:ただ現実的に考えると、県名を変えるぐらいのことをやらないと、福島には誰も来てくれないっていう時代なんですよね、やっぱり。インバウンドなんか、ほんとにそうですよね。海外に営業に行って、さんざんセールスしたあと、「どこにあるんだ?」って言って、「福島」って言った途端に話が止まりますからね。
福島県内はすごくいいところがたくさんあるし、会津も含めて、今一生懸命やっているので、そっちの魅力に。喜多方とか会津とか、ああいうところの観光地は、ぜひ行くべき価値があると思います。
柴田:レストラン2つは?
星野:レストラン2つ、そうですね。やっぱり地方のレストランを僕は見てほしいと思っているので。それこそ山形、「アル・ケッチァーノ」さん。彼ら、東京にも今ありますけど、山形の本店にぜひ行ってほしいなと。
それから、地方にレストランでがんばっている人たちって、ニセコもおそらくいっぱいあると思うんですけど、ああいうところをみなさんに見てほしいなと思います。
柴田:では、井上さん。
井上:はい。さっき言った、行きたいところは岡山県西粟倉村ですけれど、そこにジビエを食べさせてくれてるところがありますので、おすすめのレストランとしたらそれですね。
もう1個は、個人的には礼文島。北海道の上のほうにある礼文島という島が、非常に景色もすばらしくて、そこはみなさんにも見ていただきたいなと。
もう1個は、高知県に最近、子会社を作ったんですけども、高知にある「ひろめ市場」っていうところは、なんと朝8時から、地元の人たちが日本酒飲んでるっていうものすごい酒場なんですけれど。
柴田:(笑)。
井上:そこで、とれたてのカツオのたたき、塩たたきですね。これを食らいながら朝から日本酒飲んでるというものすごく異文化な感じが最高です。ぜひ一度、みなさんも行ってみてください。
柴田:はい。ピーターさん、じゃあ、お願いします。
ランダース:1つは先ほど、朝倉彫塑館を紹介しましたけれども、私は以前、千駄木に住んでまして。「谷根千」という谷中、根津、千駄木という古い建物や大名時計博物館とか、ちょっと変わった博物館とか、昔の家々が残っているところですね。
ウォール・ストリート・ジャーナルの紙面で紹介したこともあって。外国のお客さんが来るときは、いつもできるだけ谷中銀座などの周辺を散歩しています。
レストランといえば、根津の今もまだ営業してるか、ちょっと確認していないですけれども、明治時代にできた3階建ての木造の建物があって、1階に串揚げ専門の「はん亭」という店があります。
私が2年前にまた日本に来たときに、前のウォール・ストリート・ジャーナルの支局長が、そのはん亭という店に私を紹介して、「これは昔の懐かしい日本だなあ」と思って、一緒に食事をしながらこれからの仕事の話をしていました。
もう1つは、代々木上原に住んでいて、近くにフレッシュネスバーガーの1号店があるんですよ(笑)。
(会場笑)
ランダース:やはり、外国人が日本に来るときに、マクドナルドはどこ行っても同じだから、行ってもいいけれども、日本のちょっと独特なバーガーとかステーキとか、同じ西洋料理といっても、日本の独自の作り方があって大変おもしろがるので、そういうバーガーとか、西洋の料理を日本風にちょっと変えてる店を紹介したいです。
柴田:はい、ありがとうございます。では、最後、山本さん。
山本:私が紹介するのであれば、先ほど紹介した伊豆のヒリゾ浜とか、いろんなビーチと、関西、京都のほうに琴引浜っていう海があって。私、海が大好きで、日本の海ってすごくきれいなので、琴引浜に行ってもらいたいですね。
食事というところでは、一番好きなものを食べてもらいたいんで、まずは焼肉、杉並にある「平和苑」っていう、きっちゃならしい店なんですけれど、すごいうまくて、おじさんが特徴的なところがある。
2つ目というと、実はマクドナルドのことを思っていまして。私は日本のマクドナルドに、実際に友達を連れて行くんですけれど、日本のマクドナルドって世界一おいしいんじゃないかって思っていまして。生産プロセスとか、同じものを作っても、これだけおいしく作れる。これだけあったかく出せる。
アメリカのマクドナルド、日本のマクドナルド、両方行かれた方って、店の雰囲気の違いに気付かれると思うんですけれども、世界一清潔でサービスがよくてうまいハンバーガーが食えるのは、東京のマクドナルドじゃないかなって思っていますので、そこはいちいち行って、熱く説明しています。
柴田:おもてなしマックですね(笑)。
山本:そうですね。私自身もマクドナルド、けっこう好きでよく行ってます。
柴田:なるほど。それは知らなかった。ということで、時間がもうオーバーしちゃいましたので、Q&Aはしちゃダメなんですよね? ごめんなさい。ちょっと申し訳ないです。ということで、みなさま、パネリストの方に拍手をお願いします。ありがとうございました。
(会場拍手)
新経済連盟
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