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UXDesign -サービスをデザインする-(全4記事)

2016.04.20

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“泣ける”ほどリアルな本音が集まる オンラインリサーチ「ココロバ」の可能性

提供:株式会社リクルートホールディングス

社会人から学生まで、挑戦者を応援するキャリア観形成イベント「REAL」。第2弾として開催された今回のテーマは「UXDesign -サービスをデザインする-」。パネルディスカッションやテーマ別座談会を通して、自身のキャリアについて考えるきっかけを提供します。本パートでは、UXデザインを実際に事業に装着していく方法として「UXリサーチ」と「UX改善」を紹介。リクルートテクノロジーズの坂井氏と反中氏が、それぞれの手法を解説します。具体的な事例を挙げながら、その成果についても報告を行いました。

UXリサーチのノウハウ

坂田一倫氏(以下、坂田):では、ここから、酒井、反中より、実際にUXを事業に装着させるためのノウハウやアプローチについて発表いただきたいと思います。まず酒井さんから発表いただきます。

酒井洋平氏(以下、酒井):みなさん、こんにちは。「UXリサーチ」について私から説明させていただきます。

自己紹介なんですけれど、酒井洋平と申します。リクルートでは、わりとニックネームで呼ばれるのですが、よっぴーと呼ばれております。若干、ここでほっこりと(笑)。ありがとうございます。

おもしろいヨッピーとつまらないよっぴーがいて。おもしろいヨッピーさんはたぶんみなさんネットでご存知のおもしろい記事を書く人なんですけど、僕はあまりおもしろいことを言わないのでおもしろくないよっぴーと(笑)。

経歴を簡単にご説明しますと、スライドには書いてないんですけど、私は最初、長野の高専で電気工学を学んでました。途中でドロップアウトして、心理学勉強したいと思って、早稲田で認知心理を勉強して。

学生時代に、ミツエーリンクスさんというWeb制作会社があるんですけれど、そこでバイトをして。今で言う、フロントエンドエンジニアをやっていました。

そこで「Webデザインおもしろいぞ」。もっと言うと「デザイナーさんって、すごくきれいな物をさくさく作れてすごいな」「デザインプロセスってどうなってるんだろう?」と思って。これは実際にデザインをやってみないと分からないなと思って、多摩美の情報デザインの大学院に行って、デザイン自体を学んで、というかたちで学生時代は過ごしてきました。

そのあとは、たまたま、富士通のUIデザイナーとして採用していただけたので、5年間ぐらい、大企業向けの業務システムのUI設計やデザイン、あとは自社製品で、今で言う、クラウドコンピューティングとかいろいろあると思うんですけど、サーバーに載っけるミドルウェアの設定画面のUI設計とか、そういったことをやって。

そうすると、ユーザビリティがすごく重要なんですよね。なので、UIデザイナーとして、どうしてもユーザビリティのことを考えながら設計していかないといけないということで、ユーザビリティに軸足が移ってきました。

そのあと、いろいろ紆余曲折あって、それはまた懇親会で話せればいいかと思いますが、ネットサービスに行ってみたいと思いまして。今、LINE株式会社に名前が変わったんですけれど、当時はまだネイバージャパン、検索をやろうとしてた時期のネイバーにジョインして、UXスペシャリストとしてのキャリアを歩み始めました。

そのあとまた紆余曲折あり、ここにいる松村と同じミクシィに行って、UXデザインのプロセス導入をお手伝いしたり、新規事業を立ち上げたりしたあとに、今ここ、リクルートテクノロジーズにいます。

オンラインコミュニティを利用したリサーチ手法「MROC」

今はマーケティングリサーチグループというところに、私は所属しています。マーケティングリサーチグループのミッションとしては、次の事業をどうしていくべきなのかというニーズの把握だったり、現状どう受け止められているのかという価値観を探索したり。そういったところがミッションかなと思っています。

そのなかで、やはり「マーケティングリサーチ」と一言で言っても、専門領域としてはけっこう広いので。定性リサーチが得意な人、定量リサーチを専門にする人。あと、定性・定量合わせつつ、「MROC」と、スライドに書いてありますけれど、Marketing Research Online Communityという。

このあとで詳しく説明しますけれど、このMROCという手法を活用するためのコミュニティマネジメントを専門にしているメンバーもいたり。わりと幅広い人たちが集まってやっています。

今日はMROCの話を中心にお話していきます。MROCというのはどういうものか、簡単言うと、Facebookグループみたいなものだと思ってもらうといいんですけど。

オンライン上に、あるテーマに基づいたコミュニティを作って、そこにお客様に来ていただいて、そのなかでコミュニケーションをしながらニーズの探索をしたりという。普通だったら対面でインタビューしながら把握するようなところをオンラインベースでできるんじゃないかということで始まった手法なんですね。

これを今リクルートでは、「ココロバ(cocoRoba)」というリサーチプラットフォームを作って実際に運営しています。

IDに紐付けて、実際のユーザーを母集団とできる強み

定性、定量リサーチそれぞれに良いところ・悪いところがあって。

とくに定性リサーチは、「本当にそれ信じていいんですか?」みたいなことを言われるんですよね。なぜかというと、N数、母数が少なかったりすると「10人、20人の意見聞いちゃっていいんでしたっけ?」というような話になりがちなので。

そのあたりは、このココロバですと、実際にリクルートのサービスを使っていただいてる方、リクルートIDというものがあるんですけれど、そこに紐付けて集客をしていますので、きちんと使ってくれている人が100パーセントの母集団として形成できるということがあります。

今見せている画面みたいに、いろんな事業から「こんなテーマでリサーチをかけてほしい」と言われたときにこういうテーマが設定されて。

実際にやった事例で言うと、ゼクシィでこれからコンテンツマーケティングに力を入れていこうという話になって。

どんな動画を作ったらユーザーさんの心に刺さるのか。とくに結婚式検討のフェイズにいるような人たちに向けて、あるいは家族に向けて「どういった動画を作っていったら胸に刺さるシーンを作れるんだろうね?」という課題があったんです。

なので、それは実際に結婚式で感動した瞬間の話から、なにか仮説が作れるんじゃないかということで。「結婚式で、心が動かされる瞬間ってどこですか?」というテーマを設定して、ココロバの参加者のみなさんに質問してみました。

そうすると、実際にゼクシィで今まさに結婚式を検討しているフェイズにいる方から、いろんなコメントがいただけます。

例えば、「数年前の姉の結婚式で、姉とお父さんがヴァージンロードを歩いたとき、お父さんがロボットのようにカチカチになって歩いている姿を見て、そのときは思わず笑ってしまいました。でも、そのあとお母さんが『お父さんは音楽をやっていたから、リズム感はいいはずなのに。やっぱり娘の結婚式だと、歩く余裕もなくなるのね』と言って。いつもシャイなお父さんも口では平気そうなこと言ってたけど、やっぱり思うことがあるのかなと思うとなんかジーンとしました。2ヶ月後は私の結婚式。お父さん大丈夫かな? でもそんな不器用なお父さん大好きです」みたいな、ほっこりエピソードが集まってきます。もう1個あるんですけど、時間の都合でスルーしますけれど。

実際コミュニティを担当している私もこのコメントを読んで、返信したり、深掘りしたりするんですけれど。こういったコメントが大量に集まってきて、読んでるうちに思わずそのシーンを想像して泣いたっていう(笑)。3人が目を通してるんですけれど、3人とも途中で涙ぐんで席を立つということが実際に起きたりして。かなりいいコメントが集まってます。

これをベースに動画が作れたら、すごく胸に刺さりそうなコンテをきれそうだね、と。

顔を合わせて深掘りする「お茶会リサーチ」も

それから、ココロバに参加いただいている方の中から、さらに実際にリクルートまで来ていただいて、お茶を飲みながらお話を聞くみたいなものを試しに毎週実施してみています。ゼクシィで「お茶会リサーチ」を実はやってるんですけれども、これもけっこういろんな方が来て、毎回、事業側でも把握できてなかったような発見があったりして。

あと週1でやってますから、今流行りのデザインスプリントみたいなところに将来的には持っていけると思っていて。定性リサーチとデザインの仮説検証スピードをあげるというところに将来的にはうまく噛みあわせていきたいなと思っています。

アウトプットは分厚いリサーチ資料で小難しいことが書いてあるんじゃなくて、なるべく事業側の人がぱっと見て、2、3分くらいで簡単に把握できるような、ペラ1のものを毎週出していくというような工夫をしています。

実際にココロバでいろいろ協力していただいた方には、実施になった改善をこういうかたちで「みなさんの意見を載せましたよ」というものをきちんと伝えて、より深いコミュニケーションができるようになったり、感謝をきちんと伝えられるようにするというところも含めて、コミュニティマネジメントをしています。

コラボレーションのループを回していくこと

リクルートのサービスの作り方だと、コラボレーションのループを回していくということが本当に大事なんです。

私たちリサーチ部門としては、「カスタマーの本音を聴く」というところを本当に専門に強くやっていますし。それをもとに、サービスを実現していく。どうしていったらいいのかというところに着地させる。

さらにその結果、使っていただいたものを、またユーザーさんからいろいろと意見を取り入れて、「実際にはこう思われてますよ」と現実をきちんと把握していくかたちで共に創っていく。共創というところをすごく大事にやっています。

カスタマーの本音というのはなかなか把握が難しいところなんですけれど、そこを探りにいく専門スキルを発揮して、「今、本当はこういうものが求められてますよ」とか、「こんなふうに思われちゃってるから、ここを変えていかないとまずいですよ」みたいなことを、きちんと集めて、向き合いながら、サービスを作っていきたいし、作っています。ということで、以上となります。ありがとうございます。

(会場拍手)

坂田:ここで1つキーワードが出たんですが、冒頭の岩佐さんの話でもあったように、人生の転機に関わるサービスを我々は提供しています。転機に関わるということは、それだけ重い決断に我々が携わるということになるので。

酒井の話にあった、「いかにユーザーと密着できるか、その決断の裏にある背景とか文脈を理解できるか?」というところに立ち返って、我々もカスタマーの重要な決断を支援する。助けになるところに着地させるというところを日々やってるという事例の紹介でした。

UXを使った改善事例

坂田:最後は「UX改善」の事例を発表させていただきます。反中さん、よろしくお願いします。

反中望氏(以下、反中):では、僕からはUX改善と、先ほどのUXリサーチでカスタマーの声を聞いたり、カスタマーのニーズを把握して密着するというところを踏まえて、じゃあ、実際どうやってサービス改善を進めているのか、というところに関してお話できればと思っております。

さっきはだいぶほっこりするお話しだったんですけれど、あまりこっちはほっこりしないお話なので(笑)。そういうつもりで聞いていただければと思います。

簡単に自己紹介いたします。反中と申します。ちょっと珍しい名前なんですけれど、ルーツは岐阜の高山というところにあるみたいで、たぶん東京だと本当に僕のいとこぐらいしかいないんじゃないかなというぐらいの名前です。

所属としては、兼務がいっぱいついているように、リクルートのサービス改善のなかでも、いろいろなことをけっこう幅広くやらせていただいています。その辺りも含めて、今日はお話できればと思います。

経歴なんですけれど、僕は今まで話してきた人のなかで初めて、ビジュアルデザインをまったく学んでいない人間だなと。今、話を聞いていて、自分でもちょっとびっくりしたんですけれど。

もともと大学は文学部に行って、そこから少しメディア系の勉強をしたんですけれど。デザインだったり、制作・開発みたいなところはとくになにも学んでいない状態で、新卒では、ワークスアプリケーションズという、企業系のパッケージを作ってる会社に入りました。

サービスに深くコミットするために

やっていくなかで、2つ思いがあって。1つは、もっと世の中一般に使われるものを作りたい。とくにWebで世の中が変わっていくので、そういったものに携わりたいという思いが1つ。

あと、ユーザビリティが完全に置き去りにされることが多いので。それはなぜかというと、買う人と使う人がまったく別なので、ユーザビリティ、使いやすさみたいなものが置き去りにされていて。「こんなものを作ってていいのか?」みたいなことを感じ始めて。もう少しWebで、世の中にきちんと受け入れられるものを作っていきたいなと思うようになりました。

そこで事業会社に入るんじゃなくて、ビービットというWebのコンサルティングをやっている会社に2008年に入りました。当時は30名ぐらいの会社だったんですが、今は100人ぐらいなので、その間にだいぶ成長したんですけれど。

そのなかで、いろんな金融だったり教育だったり、そういった大企業を中心に、主にサイトのリニューアル・改善。どうやって成果を上げていくかとか、デジタルマーケティングのコンサルティングをずっとやってきました。

やっていくなかでだんだん感じていたのが、Webの改善が単発のリニューアル、さっきの「点から線へ」の話とちょっと近いかもしれないですけれど、単発のリニューアルでどうにかなる話じゃなくなってきたということをすごく感じて。

もう少しサービスそれ自体に深くコミットして改善していかないと、おもしろい仕事ができないし、いいものが作れないなと。やっぱり、自社でサービスを持っている会社に行きたいなというところで、たまたまお声がけいただいたのがリクルートで、転職してきました。今は主にゼクシィ、カーセンサー2つのサービスを担当して、UX改善を進めています。

「Cheeta」と呼ばれる改善スキーム

リクルートのPDCA、UX改善の手法というのは、これは「Cheeta(チータ)」と読むんですけれど、名前がついていて。サービス改善のなかで作り上げたスキームがあって、それをベースとして全社に装着しているかたちになります。

このスキーム自体がどんなものかと言うと、簡単にご説明できればと思うんですけれど、基本的には高速PDCAということで。最初に課題特定、施策立案をして、開発実装し、ABテストを主に使って検証して、さらに改善検討して、というグルグルとしたステップを2週間ぐらいで、ここは事業によって違いますけど、回していくということをやっています。

課題把握みたいなところをどうしていくのかというところもかなり型化されているところがあって。

定量データから、まず優先度を。どこに課題があるか、そのサイトの全体のなかでどこに課題があるのかという、そこの優先度を見極めて。そこから、じゃあ、その課題ってどういったところがあるかと深掘りをしていく。ここまでは定量的なデータを基にやって。

そこから先、「この数字になってるのはなぜだろう?」というところ、ユーザーの心理だったりを含めて仮説を出して打ち手を作っていく。

「定量×定性」というかたちで課題把握をやっている感じです。その先、実際に画面を作って、開発して、リリースをして、振り返って、みたいなことをぐるぐる回していくというかたちになっています。

カーセンサー、ゼクシィの改善事例

改善事例、どういうことをやっているかというと、例えばこういったヒートマップを見て、「こういうところを見られてる」「こういうところはぜんぜん写真が見られてないよね」とか。

本当に大事な価格とかが、そういったものと分離してしまって、うまくユーザーさんの目に触れてないんじゃないかみたいなところを課題として立てて。ユーザーにとって重要な情報が「ぜんぶパッと見れるようにしたほうがいいよね」ということを考えて、実際に実装したり。このデータから実際の改善のサポートを考えることをやったり。

あと、ゼクシィのアプリ。このなかで使ってる方はいないかなと思うんですけれど。ゼクシィのアプリって、記事を読んでもらって、そこでどんどん継続的に使ってもらうなかで「式場を探そう」といったときに、ゼクシィをちゃんと使ってもらいたいというところが1つ大きな目的なんですけれど。

例えば、どうすれば式場検索をちゃんと使ってもらえるのか、気づいてもらえるのかというところで。これは動かしてみないとわからないんですけれど、スクロールするとあの虫眼鏡がシュッと右上に移るので、スクロールしていってもちゃんと主要な導線が目に入るように。でも、画面は邪魔しないようにみたいなかたちで、ビジネス側としてやってもらいたいニーズ、あとユーザーのニーズというところを踏まえて、改善策を考えて、実際に実装したりしています。

こうした本当に小さな改善事例、これは比較的大きめの事例ではあるんですが、わりと小さな改善事例を積み上げて成長してきているというのが、今リクルートのUX改善で日々やっていることです。

個別最適化への取り組み

ここから先、どこまでが一般的か、みなさんを置いてけぼりにする可能性が若干あるんですけれども、聞いていただければと思います。

高速PDCAを、けっこうリクルートなかでも回してますし、ほかの会社でもPDCAをどんどん回して、みたいなところもあるんですけれど。実は回していくと、いつかサチュレート(伸び止まり)を迎えることになりますという状態があります。先ほど、岩佐の話にあったサービスのグロースのなかで言うと、そのグロースの途中から成熟期というところにきたときに、どうことをやるのか。

そういったところに関しても、今まさにR&D的にいろいろと取り組みをやっているので、簡単にご紹介できればと思っています。

大きく3つぐらい課題にぶつかるというのがあって。もう重要なところをやり尽くしたので、これ以上の改善はしようがないよねとか。ABテストで改善ぐるぐる繰り返していくと、実はけっこう刈り取り型というか、アクションに近い人たちを取るだけになっちゃって。もう少し長期的にユーザーを育てていくみたいなことに目がいかなくなったよねとか。

あとはいろんな指向性を持った人がサービスに来たときに、1つの改善だけをやってしまうと、その改善でその人にとってはすごく嬉しいんだけど、別のニーズを持った人たちにとってはぜんぜんダメになっちゃったみたいなことがあるため、個別最適を今取り組みとして進めています。

イメージ的には、細かく分けてちゃんと個別に対応すればさらに成長できるよねということで、ビッグデータのリクルートの専門の部署があるんですけれど。そういうところと連携しながら、ビッグデータでのデータ分析というところと、実際にUXデザインで、カスタマーのニーズを考えて実装するみたいなところを、一緒に連携しながら進めています。

例えば、ゼクシィのアプリ。先ほど言った事例で言うと、記事をいろいろ読んでもらってというところがあるんですけれど、花嫁のほしい情報ってぜんぜん時期によって違うんですね。

例えば、これは真ん中が結納の記事ですけど、結納前だと結納のことしか気にならないんですが、結納が終わった瞬間に、「じゃあ、式どうしよう?」ということが気になってくる。

そういうところで、ぜんぜん違うニーズに対して、一律の情報を提供してしまうと、結局それって誰にとっても嬉しくないことになるので。1人ひとりのユーザーが今どういう状況にあって、今どういうものを欲しているのかというところを、ビッグデータ分析で捉えてから、そこに対して1人ひとりにカスタマイズされた情報を提供するということをやっています。

実際、このゼクシィのアプリって記事がざーっと並んでいるんですけれど、このラインナップって人によって、1人ひとりまったく違うので、隣の人と比べたときに、まったく違っているというかたちになっています。

簡単に言うと、ユーザーがサービスをどんどん使っていくなかで、利用シナリオ、つまりどのように利用したか、どのような文脈を辿ってきたかによって、提供する機能とかサービスコンテンツを出し分けるみたいなことで、そのときその人が一番欲しいものを提供するということをやろうとしています。

あとは車の探し方。カーセンサーの事例で言うと、車の探し方は、人によってぜんぜん違う探し方だったりするので。自分で探したいという人もいれば、自分で探したくないから人に頼りたいという人もいる。その辺をきちんと最初に判別して、まったく違う体験を提供するということもやろうとしております。

データと思いをつなぎ合わせて

というところで、高速PDCAによるUX改善みたいなところから、だんだんとそういったものを繰り返すなかで限界を迎えているということで。今、こういったR&Dの取り組みもやって。さらにリクルートのサービスが、1人ひとりのユーザーさんにとって、非常にいい使いやすいサービスになって。こちらとしてもビジネス上の利益につながるようなフィードバックループを作っていければと、今いろいろと取り組みをしています。

最後、簡単にまとめます。大事にしていること。とくに後半の取り組みとか、改善の「Cheeta」みたいなスキームもかなり定量データをベースにしている。それ自体は会社の説明責任は果たしやすいですし、すごくどんな人でもわかりやすいみたいなところはあるんですけれど、データだけではやっぱり決められないところがすごくあるなと最近は感じています。

「そもそもカスタマーに何を提供したいんだっけ?」とか、「どう動いてもらうのが、こちらとして理想だと思ってるんだっけ?」というところにきちんと思いを持っていないと、データだけ見て、ここのデータがダメだから改善しましょう、みたいなことだけを繰り返しても、サービスは本当は良くなっていかないなと思って。

データとその自分たちの思いみたいなところをきちんとつなげながら、サービス改善をしていくということなのかなと、今考えています。そのあたりを大事しながらやっています。すごく早口になっちゃいましたが、こちらで終了させていただきます。

(会場拍手)

坂田:反中さん、どうもありがとうございました。

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