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思考ライブ(全2記事)

2016.03.08

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「Wii」元企画開発者・玉樹氏が制限時間60分で企画立案にチャレンジ!

提供:株式会社ビジネス・ブレークスルー

ビジネス・ブレークスルー(BBT)のオンライン講座「思考ライブ」は、“すごい人”たちの思考の流れを観察するためにつくられた新しい講座です。具体的には、BBTが回答者にその場でお題を出し、回答者には制限時間内に必ず企画をまとめてもらうというもの。しかもその様子をすべて収録することで、「思考の覗き見」ができる内容になっています。今回は、回答者として任天堂「Wii」の企画開発担当として知られ、現在は独立し「わかる事務所」の代表を務める玉樹真一郎氏が登場。もちろん本人には事前にお題は伝えていません。BBTが事前に考えたお題の中から、玉樹氏が引き当てたお題は「子供のゲーム問題」。玉樹氏にとってゲーム業界は、過去に考え尽くした経験を持つ自身のフィールドであるだけに、とてもやりづらい様子。制限時間は60分。果たして企画はまとまるのか。

「子供のゲーム問題」に玉樹氏が挑む

司会:玉樹さん、これから出されるお題に対し、60分以内に解決策、または企画案を作ってください。次の8枚から、お題を1枚選んでください。

(8枚のカードが目の前のモニタに表示される。各カードには数字が振られていて、お題は隠されている)

玉樹真一郎氏(以下、玉樹):さて、どうしましょうか? 悩んでも仕方ないんですけどね。そういえば、私事なんですが最近やっと下の子が歩きを覚え始めたんです。今、9ヶ月でヨチヨチと。その娘が4月生まれなので……4番で。よいしょ! 怖いなあ、どんなことになるのかな?

おお、子供をもとに問題を選んだら……とりあえず問題文を読んでみましょうか。

問題文:「子供のゲーム問題」。DS、PSPなどのゲーム機のポータブル化によって、子供がゲームにばかり熱中して宿題や勉強をさせることが難しくなっています。「勉強した時間だけゲーム可能時間がチャージされ、ゲームできるようにすればもっと勉強してくれるのに」などと考えたことがある方も多いかもしれません。

玉樹:これ、けっこういいアイデアですね。

問題文:そんな案も参考にしながら、子供がゲームをしたい欲求を勉強する欲求に変換するようなうまい仕掛けを考えてください。

玉樹:これは、ある意味一番難しいテーマを引いてしまったかもしれませんね。私自身、ゲーム業界の出身で、任天堂という会社で勉強させていただいたんですが、あの会社はまさにこういう問題を一生懸命に考えていました。ということは、昔の僕は当然いつもこういうことを考えていたので。

「ゲームは子供の口封じである」論への怒り

それを今、改めて考えなさいと。困ったなあ。どうしようかなあ? 悩んでいてもしょうがないので、考え始めましょうか。「ゲーム機のポータブル化によって、子供がゲームにばかり熱中して、宿題や勉強をさせることが難しくなっています」とあります。

僕もどういうアイデアが出るかがわからないので、とりあえず思いつくことをボンボンとまとめて書いていきます。確かにポータブル化によって、いつでもどこでもゲームができるようになってしまいましたよね。そこで、んな話を聞いたことがあるんですね。「ゲーム機は子供の口封じ である」って主張です。

どういうことかと言うと、例えば、子供と一緒に新幹線で長距離移動する、なんて場面を考えてみてください。ゲームがない状況だと、子供は走り回ってしまったり、隣の席のお客さんをじーっと見て「どうなの?」とか話しかけてみたりして、周りに迷惑をかけてしまうかもしれない。そんな時に便利なのがゲームです、って話なんです。

ゲーム機を与えておくと、子供は黙っているわけです。従って、ゲーム機は子供の口封じとして便利である、というお話です。実は、これ僕が前の会社にいた頃に聞いて、腸煮えくり返った覚えがある話なんです。

ゲームを作っている人は往々にして、ゲームによって豊かな体験をしてほしいと思っているわけです。楽しい体験、泣けるような体験をしてほしいと思っている。それから、子供がゲームにばかり熱中しているということは、それって当然、親の無関心が引き起こしていることでもあるわけです。

お父さん、お母さん、家族みんなでゲームに接してもらえると、ゲームは人の人格をスポイルしてしまうようなものではなく、みんなで楽しく遊べるコミュニケーションツールとして活用できるはずだと思っていたので、こんなことを言う人は大っ嫌いだったんですね。腹が立ってしょうがない。ヤダなって感じがします。

思いついたことを書き出していくステップ

とは言っても、今こんなことを書いて、とうとうとしゃべっていますけれど、これが企画にどう繋がっていくかはまったくわかっておりません。でも、とりあえず、思いついたことをバンバンと書いていきたいと思います。

でも、これよいアイデアですよね。「勉強した時間だけ、ゲーム可能時間がチャージされればいいのに」。

親が子供に向かって「勉強しろ」って言いますよね。でも「勉強しろ」って言いますけど、そうやって言われた子供が「勉強したい。しなきゃなあ」って思いますか?

みなさん、親に「勉強しろ」って言われて「します!」って思ったこと、ないですよね? と、言うことは、裏を返すとこの言葉は意味がないんですよね。

「勉強しろ」って言葉は、言えば言うだけ子供にストレスをかけるし、実際に子供を勉強させることもできないという。なんとも非クリエイティブというか、創造性のない言葉なわけですね。

これをなんとかしたいですよね。その代わりになんて言えば子供は勉強するんだろう? 書いておきましょうかね。話しながら、僕の心に何がひっかかるのかということを自分に対してセンサーを立てているわけですね。でも、これは身につまされる問題ですね、将来。今は子供が小さいから言うことないんですけれど。「子供になんと言えば勉強するんだろう?」ってことは、1つの大きなテーマとしてあるのかなという気がします。

それに対して、「勉強した時間だけ、ゲーム可能時間がチャージされればいい」って。例えば、勉強のためのタブレット端末を配布している企業さんが何個かありますよね。パッと思いつくような大きな会社さんが、やればよいのにって思いますね。もしかすると、やってるのかな? 僕が存じ上げないだけかもしれません。

問題に抱く違和感を紐解いていく

そんな案も参考にしながら、「子供がゲームしたい欲求を勉強する欲求に変換する」。これ、問題文がちょこちょこ引っかかってくれるのが、すごく助かりますね。「子供がゲームをしたい欲求を勉強したい欲求に変換する」って、なにか違和感があるんだよな。

みなさん、「勉強したい」と思ったことあるんですか? 僕は、「勉強しなきゃ」と思ったことはあるんですけど、「勉強したい」と思ったことは……。歳をくってからならあるんですけど。

これ、ぜんぜん違う話ですよね? 勉強、「したい」と「しなきゃ」って、まったく別の話ですよね。こっちは欲求と表現されていますよね。一方、こっちは義務とか、責任とか。そういう感じですよね。

結果的にはどっちでも、勉強してくれればプラスにはなるんですけど。僕、大学で講義を持っていたりする関係上、教育ということについて考えなきゃいけない場面はあるんです。

当然、教育現場では、水戸黄門の印籠みたいな感じで「子供にこう思わせるために、どうしたらよいかを考えるのが教育だよね」って話を誰かがすると、全員が「そうだ、そうだ」となるわけですよ。教育現場でヘッドバンギングが起きるんですね。

なんですけど、僕がひねくれているだけなんですかね? 妙な違和感があるんです。「したい」って、思うかなあ? 思い出せないだけなのかもしれませんね。

勉強“したい”と子供は思うのか?

すみません、(ここまでに挙げたような)この辺の伏線回収をまったくしないまま細い道に入り込んでいきますけれど、「勉強したいって思ったことがあっただろうか?」っていうこと。勉強したい、勉強したい、勉強したい……勉強したいなあって思ったこと……ないなあ。

「勉強したらお菓子あげるわよ」って言われたら、その時の僕はどう考えているんですかね? (「したい」か「しなきゃ」か)どっちですかね? 「ああ、勉強したらお菓子が食べられるんだ。チョコレートがもらえるんだ。だから……」。それでも、勉強“したい”と思わない感じがするなあ。

なんでやるんだ、勉強って? 唐突にものすごい穴にはまってしまった気がします。このテーマは危ないかもしれませんが、とりあえずこのテーマで考えを進めていきましょう。

勉強したいと人は思うのだろうか? さっきも言いましたが、歳をとってからは、僕、勉強したいなってよく思うんです。でも、それって単純に知識欲が高ぶって勉強したくてしたくてしょうがないという気持ちも一部にはあるんでしょうけど。

でも、会社の先輩とかですごくできる人がいて、それに比べて「自分バカだな」と思って「しなきゃ」って。やっぱりこっち(「しなきゃ」)にくるなあ。しなきゃ、なあ。しなきゃ、しなきゃ……。

困りましたね。これは深過ぎるテーマな気がするので、一回よけておきましょうか。危ない気がしてきました。

ただ、少なくともここで引っかかっているのは、欲求を欲求に変換するっていうことが、このゲーム問題を解くことにつながるのかどうかが怪しい。そもそも、そんな欲求があるのかが怪しいってところを、まず議論の1つの材料としてとっておきたいと思います。

無から欲求は生まれないという仮説

勉強したい欲求も怪しければ、僕、正直に言うとゲームしたい欲求も怪しいと思ってるんですよね。当然、子供は「ゲームしたい」って思ってゲームをするんですけど。その時、まず子供の心にはフラットな状態があって、なにもない普通って状態でボーっとしてるわけですね。目の焦点をあっちに合わせたり、こっちに合わせたり、ボーっとしていると。

その瞬間、なにか無からビックバンが起きるようにムクッと「ゲームしたい」って欲求が出てきて、それでゲームをやるんだろうかっていうと、そんなことはないような気がするんです。こっち側になにかあるはずなんですよね。

例えば、「暇」みたいな話とか。「親と離れたい」とか。今回は、子供のゲーム問題と言っているので、親と同居している小中高生くらいをイメージしています。小学校くらいがメインですかね。「親に怒られた。まだ説教続いてる。面倒臭いな」とかって時に、「ゲームやりたいな」みたいな、逃避としてのゲームってあると思うんです。

ゲームって、1人になれるのがいいんですよね。ゲームはおもしろいからやるって、当然そうだと思うんですけど、そのほかにもいくつかあって。なにが快楽の根本なのかという時に、当然おもしろいとか楽しいとかがあるんですけれど、そのほかにもあるなかの1つが、この「1人になりたい」って欲求なんですね。

ゲームの世界観に没入していて、ゲームのことだけ考えればよい。裏を返すと、友達のこととか親のこととか、そんなことは考えなくていいというパターンです。内向的といえば、内向的なんですけれど。内向的な部分がない人間っていないと思います。だからこそ、ゲームって流行っているんだと思いますね。

1人になりたい。これは、ちょっとヒントですね。まだ、ぜんぜん手応えは掴めていません。ですけども、これ(勉強)とこれ(1人になりたい)はもしかしたら繋がるかもしれませんね。1人になりたいって欲求は、勉強していても一応満たされる。

あれ? 僕、「ゲームは子供の口封じ」の話のところで、なにか言っていましたね。「コミュニケーションツールとしてのゲームを大事にしましょう」と。「したい」と思っていた、昔は。という話をしました。

ここでちょっとラブコールをしますが、僕、伊集院光さんが大好きで、よくラジオを聴いています。伊集院さんが、ラジオで言っていたんですけれど、「任天堂頼むよ」と。「任天堂の人はなにか勘違いしてる」とラジオでおっしゃっていたんです。

「ゲーマーは友達がたくさんいて、家族と仲良くて、だからみんなでゲームを楽しんでやってくださいって。やれるって思ってるけど、俺そんなんじゃねえから」って言うんですね。「そういうふうに決めつけるのは止めてください。俺、友達いねーし」って。

実際のところWiiやWii Uもそうなんだと思います。みんなで遊びましょうみたいな話ですよね。なんか多少、ひっかかりが出てきましたね。1人になるためには、勉強するしかないようにしちゃえばよい、みたいな。そういう乱暴な話なんですけど。

子供が普段の生活において1人になる瞬間っていつですかね? 1人になっているんだろうか? 1人になってるって感覚を持ってるのはいつなんだろう?

子供が1人になれる瞬間を考える

これが、最終的にどこに着地するのかはまったくわかっていないままですが、とりあえず考えてみましょう。具体的に考えたほうが、こういうのはわかりやすいです。

1日24時間のなかで、学校に行く日は、7時に起きます。この間、寝てますねえ。朝ごはん食べたりして、8時に家を出るとしましょうか。ちょっと、ゆっくりですけど。

通学時間があって、ここはちょっと1人になるチャンスですね。小学校の中学年くらいを設定してみましょうか。授業が5、6時限目まである。夕方の16時くらいまであるとしましょう。学校にいるわけです。この間はゲームができない、勉強しているという状態です。

そこからまた帰って、友達の家に遊びに行くのだろうか、最近の小学生は? 最近、聞くんですよ。僕の小さい頃は、友達の家に遊びに行くって体験をよくしました。

(玉樹氏の出身の)青森県だと、「たなかく~ん、あそぼ」って節のついたあれを家の前で大きく言うと、家のなかから「はあい」と言って、それで入れる。家のなかに入っていくとすでに友達が何人かいて、がやがやとゲームをやっていたりするわけです。

男の子だと、下世話な話ですが、そこにエッチな本を持って来るやつとか、不思議な「何だ、これは?」みたいな物を持ってくるやつとかがいて、「何? 何?」なんて言いながら、いろんなことを吸収していくなんて時間帯がありました。

最近、聞くのは、親が「友達を連れて来るな」と子供に言うという話なんです。昔の家って、特に僕は田舎だったので、おおらか、悪く言うと汚いんです。なんですが、今の家というのはとても綺麗だし、人を入れる時には事前に準備をしなきゃいけないみたいに考えていて、日常でも家に人を呼ぶというのは「ちょっと、それはないよ」って。

子供が家に来た後、家の様子を見て帰った後にその子が親になにか言うかもしれないので、子供を家に入れない。これも、どこかに書いておかないといけないですね。「子供を家に入れたくない」というような親御さんが増えている。

じゃあ、「どこでなにしてんの、子供は?」って話になりますね。なにしてるんでしょう? 例えばここ(帰宅を)夕方18時に設定したとして、帰校からの2時間子供はなにしてんでしょうね? ここも謎のままですが、いったん進めましょう。

子供の1日を時間軸で追う

はい、帰りました。ごはんを食べるので、たぶんみんな一緒ですね。ごはん食べた後、お風呂でも入りますか? 小学生はもうだいたい1人でお風呂に入るんでしょうね。ということは、お風呂は1人のチャンスですね。

もう20時になっちゃいました。子供はもうすぐ寝る時間です。小学生って何時に寝てるんですかね? 21時半とか……でも最近の子供って夜更かしだって言いますね。もうちょっと遅めに設定してみますか。

ぜんぜん、違うことを言っているかもしれません。すみません、小学生くらいの子供がいないので。とりあえず22時にしましょう。夜22時に寝る。(20時からの)この2時間はチャンスですね、遊ぶチャンスです。

あ、でもここで宿題やんなきゃいけないですね。ここが今のメインターゲットです。勉強 or ゲーム、どっちだという話になるんですが。でも、僕としてはここで家族の団欒みたいなことを起こすタイミングでもある。

まだ、(課題に対して)抜けた感じはまったくありません。困ったなと思いながら、一生懸命話しながら考えているところです。

22時で寝ます、と。寝るのでこのあとはどうしよもないと。そうなってくると子供が1人になれるタイミングは、通学とお風呂と夜の自由時間。この3つしかないんですね。

通学の最中に勉強……通学の最中にゲームはそもそもできないか。いるのかな? ゲームしながら学校に行くってあるんですかね? あまり見ないですよね。電車通学の子とかはやるんですか? でも、学校に持って行っちゃダメですよね? ここはゲームできないですね。

かと言って、通学のタイミングで勉強させるとのいうのも若干怪しい感じがしますね。電車通学で本が読めるのならって話ですけど、そうだったら勉強するよりも普通の本読んで欲しいですし。そもそも歩いて通学する子が二宮金次郎的なことをしてたら、今は危ないですもんねえ。

ここ(20時から22時)は当然、超重要な時間帯。でも、ここの時間をコミュニケーションして過ごすって親の体力の問題ありません? 子供って頑張ったらノってくれるじゃないですか? 子供って明らかに体力もあるしテンションも高いので、親が「一緒になにかやる?」って言ったら、小学生くらいなら普通やりますよね。

親が一緒に勉強するって言ったら、一緒に勉強するんじゃないかな? しないですかね? いや、しそうな気がするんだけどな。どうかな? 小学生の子供を持ったことがないので。

親が一緒にゲームするって言ったら、するでしょうね。むしろ任天堂的には、そういうことをやって欲しいというイメージがあったんじゃないかと思います。僕はもう辞めているので、任天堂さんって呼ばなきゃいけないですね。さっきから、失礼しました(笑)。

お風呂で勉強は可能?

でも、20時から22時の時間は難しいですね。さっきから勘どころはあると思うんですけれど、ここのお風呂が怪しいですね。子供は1人になっている。1人になりたいって欲求はもう満たされているし……。テーマとは関係ないネタになってきていますね。本当に今、テーマと関係のないことを話しています。

もともとのテーマとしては、「子供がゲームしたい欲求をどうしたら勉強したい欲求に変えられるか」ということを考えなきゃいけないのにも関わらず、今は「子供に勉強させる隙間がないかな」みたいな話をしていて。お風呂の時間になにかないかなって話をしている。

ぜんぜん、関係のない話をしています。あと30分くらいで元に戻さなきゃいけない。できるかなあと思いながら考えているんですけど、おもしろそうなので先に考えてしまいましょうね。

お風呂で勉強。できなくはなさそうですよね。いったん、この図は消しちゃって、お風呂について考えてみましょうか。子供の頃、お風呂に入ってる時、どんな気持ちだったかなあ? 

恥ずかしいんですけど、ストレートに言います。僕、お風呂嫌いなんです。歳とった今でも。すみません、お恥ずかしい限りで。一生懸命、努力してお風呂に入ります。

これは前もどこかで言ったかもしれないんですが、僕、糸井重里さんの言葉が大好きで「お風呂に入る前は面倒臭いと思う」と。もしかしたら、糸井さんもお風呂嫌いなのかもしれません。なんですが、「お風呂に入った後、後悔したことがない」っておっしゃってるんですね、糸井さんが。

「確かに!」って思って、その言葉を念仏のように唱えながら僕はお風呂に入ります。子供の頃は、なおさらお風呂が嫌いでした。お風呂に入って服を脱ぐこと自体は別に面倒ではなかったなあ。やっぱり濡れるのが面倒なんでしょうね。頑張って入ります。冬場だと寒いので、脱ぐのも嫌ですけども。

入浴シミュレーションをしながら

そして、体にまずお湯をバーッと浴びせかけて、大きな汚れをザッと洗い流して、湯船に浸かります。そう、湯船に浸かるのが面倒でしたね。

だって子供って、体が温まる気持ちよさってわからないじゃないですか。大人になると温泉に入ってゆっくりしているうちに体がポカポカしてくると、「ああ、いいわあ」ってなりますけど。子供の頃は、それよくわからないですからね。わからないから風邪をひくわけで。体が冷えても、関係なく遊んだりしているから風邪ひいちゃう。「湯船が面倒です」と。

上がって、体を洗います。僕の場合は左腕から洗います。って、こんなこと聞きたくないでしょうけど。洗います。こう洗って、こう洗って、こういって、こういって……。面倒だけど、手順が決まってると楽しいですね。体洗うのもそうですし、服を脱いだり着たりするのもそうです。

自分で手順決めていると、楽しいんですね。その通りにやるわけです。頭洗うのも手順決めてましたね。こう洗って、最初に頭の前のほうを洗って、後ろを洗って、横にいって、てっぺんいってから脇にいくっていう順番。

僕、たぶん小学校の第2次成長が始まった頃、女の子を意識し始めた頃に、ゲーム雑誌かなにかのコラムを見て、かわいい女の子が男の前で「ヤダ~」とか言ってかわいい子ぶってるんですけど、その場から立ち去った時にすごい怖い顔になって「あの野郎、ほんとつまんねえな」とか言って。その後にボソッと、「耳の後ろ、洗えよ」って言ってるシーンがあったんですよ。

僕、それまで耳の後ろなんて洗ったことなかったんです。「ああ!」って思って一生懸命……。ここが汚れるらしいんですね。今となっては、確かに耳の後ろが汚れるってことはわかるんですけど、当時の僕はこの辺りを一生懸命洗って。

そう考えると、自分で手順を決めると楽だし、なんとかなるんですね。その後、いきおいで顔も洗って、昔はヒゲを剃る必要はなかったですけれど、今はヒゲを剃って、ザーッと流して、湯船に浸かってあったまって30数える。

30数えなきゃいけないんですね。昔、親父とかと入ってる時に親父が数えてくれるわけです。その間、「熱いなあ。なんでこんなことやんなきゃいけないんだろ」って思いながらお風呂に入っている。

そして、お風呂を出ます。体拭いて、服を着る。居間に帰るとまさに、やることやったって後悔がないので、のんびりテレビでも見てボーッとしてるというわけですね。

じっとして勉強することは苦痛

子供が1人で活動するという意味でのお風呂。じっとするのは、つまんないんですね。行動してると楽しいし、特に手順が決まってると楽しいですね。そうか。ホワイトボードこの辺、消しちゃいますね。最初にしていた話から、かなり脱線してきているので、ちょっと聞きにくいかもしれないんですけど。

じっとしてなきゃいけない。勉強ってじっとしてなきゃいけないですね。これ、子供は当然嫌ですよね。机に座って、しかも本読むなんて相当じっとしてなきゃいけませんね。これは苦しい。

手順が決まってれば・・・・・・。決まっているような気がしますが、「勉強しなさい」っていう指示には、手順が提示されていないのがよくないですね。これがよくなさそうな気がします。「あれやって、これやって、あれやって、これしなさい」「こうこうこういうふうにやりなさい」。

しかもそれは、できる限り本人が決められる、指示のなかでもあなたがやりたい順番にやりなさい的な指示があるとよさそうな感じがしますね。そうすると、……なにか変なことを言ってますね。困ったな。僕も本当に問題が解けるかどうか相当自信がなくなってきました。もう30分くらい経っていると思うんですけど。

勉強をじっとしなくてもいい方法はなんだろう? そして、手順を指示できる方法はなんだろう? 「この順番でやればいいんだよ」という指示があればよいわけですね。……困ったな。困りましたね。これ、本当に本筋に戻っていけるかな?

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