
2025.03.19
ドバイ不動産投資の最前線 専門家が語る、3つの投資モデルと市場の展望
提供:株式会社リクルートライフスタイル
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――犬伏さんがプロデューサーをされている「じゃらんnet」は、宿の予約サイトから旅行全般を扱うサイトとして広がってきていますが、その背景は。
犬伏洋介氏(以下、犬伏):僕がプロデューサーになったのは2012年ぐらいですが、当時、宿予約の総合サイトとして日本最大級の規模に成長していましたが、旅行というドメインで広げて見たときに、僕らがまだまだ提供できてない価値はありました。
会員基盤がかなりのボリュームになってきているので、それを活かして、宿泊だけでなく、交通と宿泊のセット販売や旅行先でのアクティビティ体験など、旅行全体にドメインを広げていける余地がありました。
それから、旅先を決める際に、ブログを見たり、観光系の情報サイトを見たりと、色々なサイトや雑誌を駆使して選んだりしますが、そこを1つのサイトで旅行の計画を立てて、そのまま予約できたら便利だよねっていうのもあり、観光の情報などを充実させる動きをしています。
旅行プロセス全般を、じゃらんnetでカバーできる状態をつくり、「じゃらんnetで宿予約すると便利でお得だね」というところから「じゃらんnetで旅行すると便利でお得で楽しいね」という価値を提供できるサイトにしたいと思っています。
――そういった企画のお仕事をしていく上で、もともと携わっていた開発側の経験が生きた部分はありますか。
犬伏:一番大きいのは、わりと仕組みがわかっていたことです。どういう仕組みで、どのようにシステムが動くのかとか、そのシステムに付随する業務としてなにが必要なのかが、いろいろな経験のなかで一通りの理解があったので、企画案をつくるときにどれぐらい大変なのか、どういう実現方法があるのかが、なんとなくわかるところですね。
それがわからないと、とんでもない実現性のないことを考えて、それを実際に施策に落としたら、「できませんでした」みたいな感じで、戻しがあったりする。そこのスピードを速められるのはあります。なにかアイデアがぱっと出たとき、「これはこうすればできそうだな」みたいなことが、すごく短いスパンで検討できるところが一番生きた部分だと思います。
――ネットサービスの企画職やプロデューサーを目指す人は、エンジニアリングをどこかで経験しておいたほうがいいですか。
犬伏:ネットサービスの企画や開発をするんだったら、ある程度のエンジニアの経験を持っていることは望ましいとは思います。やっぱり検討が早まる。ただ、経験がない人もちゃんとサービスを作っているので、「経験がなきゃ駄目です」ってことはないと思います。いろいろ経験して、壁打ちとかしていくなかで、「これは時間がかかりそうだな」「これはできなさそうだな」っていう勘どころはなんとなくわかってくるので、そういうところで学んでいく人もいます。
――いまは全然関係ない仕事をしているけれど、いずれは企画職やプロデューサーを目指したい人にとって、なにか押さえておくべき重要なポイントはありますか。
犬伏:企画する側の人って、やっぱり自分の意思で物事を決めて、そのために意思表示するところが違うなと思います。ある決まった方針に基づいて実行することと、その方針自体を決めることは性質の違うものなので、自分の意思を持ってなにかを生み出していくことに対して、どれだけ興味があるか、覚悟を持てるのかっていうところかもしれないです。
数字の構造分解とか、コミュニケーション力とか、すごく大事なベーススキルはあるんですけど、根っこの部分でこういった考え方がないと、どんなスキルがあっても難しいと思います。あとはプロデューサーという仕事は1人でできるものではないので、いかにまわりを巻き込んでいけるかも重要ですね。
――逆にどこが欠けてたら、プロデューサーは難しいですか。
犬伏:なにか不確定なものにチャレンジしたいと思うか、思わないかが大きいと思います。答えがほぼ決まってるものをしっかりとやりたい、そのほうがカチッとしてて安心感があるというタイプの人は、たぶん向いてないと思うんですけど、不確定でも新しいことに対して取り組んでいきたいっていう、トライ&エラーをすることに興味を持てるかどうかが、大きいと思います。
これは性格とか、志向とか、そういう話だと思います。どちらが良いということではなくて、どちらが好きかという。好きであれば、成功するまで粘り強く取り組むこともできると思います。
サービスを運営するにあたっては、世の中の変化や競合の動きなど、変動要素がとても多いので、うまくいかないことも多々あります。そういったときは、四六時中サービスのことを考えて、夜も眠れないこともありますが(笑)、そういったなかでも、どこまで粘り強く目的を追いかけられるか、というところに、最終的に好きでやっているか否かというのが影響してくると思います。
――チャレンジする人のトライアンドエラーに対しては、エラーの部分もある程度、受け止めてくれる風土があるんですね。
犬伏:そうですね。リスクを許容してくれるところはあります。取り切れないリスクだったら「もうちょっと考えてください」ってなりますけど。その範囲内で、筋もある程度は良さそうだったら、「ちょっとわからないけど、やりたいって言うならやってみれば?」って言ってくれる風土なので、そういうことに共感する人であればチャンスはあると思います。
――プロデューサーの後のキャリアパスは、そこからまた違うサービスにいったりとか、あとは事業全体を見るようになったりするんですか。
犬伏:わりと多いのは、プロデューサーになった後に、複数のプロダクトをみるマネージャーになるケースですね。
僕もじゃらんnetのプロデューサーを3年近くやってきて、今期からマネージャーを兼務しています。プロデューサーとの違いとしては、いわゆる人事評価とか組織マネジメントもグループマネージャーの仕事の1つになります。その人をどう育てるのかとかも入ってくるので、そういった側面はプロデューサーと違います。
――犬伏さんとしては今後、どんなプロデューサー育てたいとか、どういう人と一緒に働きたいとか考えていますか。
犬伏:もちろんネットサービスの企画とかプロデュースをやっていた人は大歓迎なんですけど、そうじゃなくて僕みたいに「やってませんでした」っていう人であっても、明確に「こういうことにチャレンジしたい」という気持ちがあれば、それも歓迎です。もちろん、論理的に考える力や数字力といった基本的なスキルは必要ですが。
なにかをやりたいっていう意志があったら、チャンスが与えられる文化ですので、そういう環境のなかで自分のドメインを広げたり、成長する機会を逃がさないように、チャレンジしていきたいという人がいいですね。
自分の意志でやるからこそ、目的を果たすために、自分の守備範囲を制限せずにあらゆることをやり尽くそうとするし、そういったなかで、リーダーシップが養われる環境がありますね。
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