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東誠氏×秋山純氏インタビュー(全2記事)

2016.03.07

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職種を越えてタッグを組む リクルート執行役員が語る攻めの組織論

提供:株式会社リクルートライフスタイル

「ホットペッパー グルメ」「ホットペッパービューティー」や「じゃらん」など、身近な生活領域のサービスを扱うリクルートライフスタイル。同社の組織にはどんな特徴があるのか?執行役員を務める、秋山純氏と東誠氏に話を聞きました。データサイエンティストとプロデューサーを同じ組織に入れ、お互いにできることを模索しながらサービス改善に活かしていったという経験や、組織の枠を越え“攻め”の姿勢で働くエンジニアについてなど、特色ある組織文化について話されています。

常に先を考えて自ら行動する リクルートライフスタイルの攻めと守り

――お二人が束ねる組織に、何か特徴ってあったりするんですか?

秋山純氏(以下、秋山):僕はプロダクトマネジメントユニットという組織で、主にプロダクトの責任者であるプロデューサーを束ねているんですけど、実は、意図してデータのスペシャリストたちを同じユニットに置いているんです。分析とかマシンラーニングが、これからすごく大事になってくることは間違いないので、プロダクトの事業判断の決裁者、判断できる人の真横に置いて、ぐるぐると回していくスピードを高める、そういう組織を運営しています。

僕はリクルートしか知らないのでほかの会社のことはわからないですけれど、プロデューサー陣とデータサイエンティストを同じ組織体に置いている会社は、多分あまりないと思うんです。

もともとはCRMという部門があって、データサイエンスチームは、そこにぶら下がっていたんですが、データ分析が扱える範疇って、別にCRMだけじゃなくて、Webマーケティングもだし、エンジニアが作っているプログラムのなかでプロダクトに埋め込むこともできるし、経営戦略として売り上げの需要予測をするとか、KPIの予測みたいなこともできるので、全方位に使えるんです。

とは言え、データサイエンスってどういう風に活用できるのか、僕自身理解しきれていなかったので、まずはこの人たちはなにができる人たちなんだろうというのを、横で伴走しながら理解することから始めました。

それで、最初の3カ月ぐらい経った頃、この人たちはこういうことをできるのかなみたいなことがわかってきたので、プロデューサーと週に1回、情報共有会を設定してみたんです。

だんだん回数や頻度も増やしていった結果、各プロデューサーが、この人たちはこういうことができる人たちなんだということを理解し始めて。

一方で、データサイエンティスト側も、「あの人たちのためにはこういうことができるんじゃないか」というようなアイデアを持ち始めて。

歩み寄りじゃないですけれど、最初はかたちからでも、引き合わすことで互いのナレッジを共有し合ったり、あの人たちはこういうことができる人だとか、あの人たちはこういうことに困っているはずだみたいなのが、少しずつリンクし始めて。そうやって出てきた接着点をどんどん増やしていく活動をしながら、組織マネジメントをしているという感じです。

あとはトップに理解があるんですよね。社長の淺野は、分析とかマシンラーニングのチカラをすごく信じているタイプなので。経営陣が「どんどんやりなよ」ということが追い風になって、データ基盤を整える投資をがんがんやったり、サイエンティストが使いたい環境をしっかり整備したり。「海外ではこういうことをやっているよ」という事例がどんどん入ってきたり。そういう環境に恵まれているということも、今、なんとなくうまく回っている一因になっているかと思います。

東誠氏(以下、東):データサイエンティストと同様に、データエンジニアに関してもよりサービスに近い位置でディレクターなどと直接話しながら、課題解決していっているという点は特徴かもしれません。また、非常に進化の早い分野ではあるので、技術面で常に新たなことにチャレンジし続ける集団に自然となっていってますね。――データサイエンティストとエンジニアの方って、違う組織にいるんですね。どんな風に情報交換だったり、タッグを組んでお仕事されてるんですか?

:定期的に案件の情報共有をしながら、データサイエンティストが必要な分析環境を整備したり、ライフスタイル全体の扱うデータの品質をできるだけ欠落無きように整備していくような活動をしています。

また最近は、リアルタイムログを使ったサービス改善も頻繁に実施していますが、ログデータを用途が完全に決まっていなくとも、将来的に価値がありそうであれば、とにかくストアしておくことを積極的にオーダーしています。合わせて取得したデータを効率的に使えるように整形していくということも非常に重要なことなのできめ細やかに対応しています。

エンジニアの貢献を定量化して考える

――今、組織作りのなかで意識していることはありますか?

: まず事業会社でプロダクトの担当エンジニアとして業務を行う上で、必ず案件の目的や達成したいことを必ず腹に落としてもらった上で、その目的に対してどう貢献できるのかを常に意識してもらうように、マネジャー・メンバーには話をしています。

そのなかで、今後は「最低限ここをクリアしてください」と達成ラインは設定しつつ、多少ストレッチした目標をできるだけ定量化するかたちで評価指標を作っていきたいと思っています。徐々に人数が増えてくるなかでも、その運営を徹底していきたいということは気をつけています。

目的を持って提案すれば、それがサービス改善に反映されるし、営業がきちんと世の中に届けてくれる。そこがしっかりしてるのもリクルートライフスタイルのひとつの強みだと捉えています。

――「貢献を定量化する」とは、どういうことですか?

:納期どおりに品質よく作りました、だけではなくて。もちろんそれは重要ですし、メインミッションになることもあるんですけれど。

例えば、先ほどのデータ基盤に関してだと、いかに高速に大量のビッグデータを収集して、加工して使えるようにするか。その時間が、今まで何十秒だったのが、何秒になりました。だから、すごくスピードに貢献できた、というように設定をしたり。

データ量が増えてくると、スピードが価値をもたらしてくれる場面が非常に増えてきて、それがひいては施策の実行スピードにも効いてくるので。エンジニアがもたらすサービスへの貢献価値については、しっかりと突き詰めて考えた上で設定をしたいと考えています。

――秋山さんは、組織作りについて意識していることはありますか?

秋山:僕の組織でいうと、プロデューサーの育成とかは結構時間がかかるなと思っていまして、半年とか1年スパンで計画的に育てていくみたいなことを考えています。

いきなりプロデューサーにポンとなるというよりは、エンジニアリングか集客のWebマーケティングのスキル、どちらかがあることが条件といったん見立てていて。

プロデューサーになると、結局はエンジニアリングのスキルもWebマーケティングのスキルも必要で。あとは営業部も含めて関係する多くの人率いていく力だったり、いろいろなスキルが必要になってくるんですけれども、全部をいきなり持っている人っていないので、なにかしらその1個をちゃんと現場でやっていた経験をもとに、ジュニアプロデューサーみたいなかたちで、プロデューサーの下で修行してもらって。

ディレクター上がりの人は、マーケティングのことをやりながら、数字関連について覚えていって。その上で、プロデューサーになってもらうみたいなことを時間をかけてやっています。

僕のユニットにいるうちのプロデューサー陣って、大抵がエンジニアまたはディレクター出身なので、東さんのユニットとの関わりで言うと、開発に対して理解がある人は割といるんじゃないかなって思うんですよね。

開発サイドとしてこういうことが困っているとか、なんかこういう風にしたいっていうのが出てきたら、まずはフラットに聞いて、それを事業計画に取り込むみたいなのはむしろ積極的にやりたいと思っている人は多いと思いますね。

――育成観点でいうと、東さんはどうですか?

:今、ちょうどエンジニアの人数が増えてきている最中なので、実はそこも苦労しているんです。やはり若手層が多いので。

今も、若手には1対1でメンターを付けて、技術面だけではなく、悩みだったり、今後どういうキャリアを志向していくのかということも含めて相談できるようにして、育成に取り組んでいますね。

自分で決めることを楽しむのが大切

:お互いの仕事を理解することで仕事をスムーズに進めようとするのって、結局、目的はなにで、どこでパフォーマンス出すのかみたいなことを考えて、自ら「こうしたほうがいい」という意見を持って、ずっと向上心高く学んでいけるからなんですよね。結果的にそういう人が活躍しているし。

周りの方とコミュニケーションして、チームで仕事を完成させることの達成感を味わいたい方には、非常にいい環境だと思いますし、そういう方と一緒に仕事したいですね。

秋山:あと、1個つけ加えるとすると、うちの会社って、決まっていないことがすごく多いんです。

なので、その、柔らかい、答えが見えない状況を楽しめる方というか、ちゃんとカチっといろんなことが決まっていて、それをやるのが楽しいという方もいると思うんですけれど。

領域的にも、変化がすごく激しい業界なので。優先順位が変わったり、方針が変わったりとかってことは、日々あるので、そういうのを楽しんで、自分でその答えを見つけにいくことを楽しめる方にはきっと向いているんじゃないかな。

:やはり社風として、自分で疑問に感じたことを「こう変えていきましょう」と、ボトムアップで提案できて、かつ周囲が「それ、いいんじゃない」と言えば、どんどん変えていける文化があるので。自分の手でいろんなことを作っていきたい人にはすごく合っていると思いますね。

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