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菅義偉 官房長官 記者会見 2015年1月25日(全1記事)

「殺害を否定する根拠は見出だせない」 湯川さん"殺害"写真公開で、菅義偉官房長官が会見【全文】

中東のテロ組織「イスラム国」に邦人2人が拘束されている事件で、24日の深夜に湯川遥菜さんが殺害されたと見られる写真がインターネット上で公開された。菅義偉官房長官は翌25日の午前11時に行われた会見で「殺害を否定する根拠は見出だせない」と、政府が現状を厳しく認識していることを明らかにするとともに、後藤健二さんの解放に引き続き全力を傾けると語った。

殺害を否定する根拠は見出だせない

菅義偉官房長官:はい、どうぞ。

記者:NHKのタカハシです。画像の信ぴょう性についてなんですが、イスラム国側から発信された可能性が高いと思われますが、政府としてはどうお考えでしょうか?

:湯川氏が殺害されたと見られる写真がインターネット上に配信されたわけでありますけれども、殺害を断定するには、ご遺体を確認したわけではないので、引き続きこの画像の分析を続けるとともに、関連の情報収集に努めていきたいと考えています。

ただ現時点において、殺害を否定する根拠は見出だせない状況であります。

記者:(公開された動画内の)英語で話す男性の声は、後藤さんの可能性が高いとお考えですか?

:そうしたものを全て含めて、分析を進めております。

記者:後藤さんの安否なんですが、現時点で生存を確認できる確かな情報というのは、日本政府に入ってきているんでしょうか?

:我が国としては当然、生存している、そういうなかで一刻も早く解放することができるように、今全力で取り組んでいるところであります。

記者:読売新聞です。犯行グループ側は映像の中で日本政府に新たな要求を突きつけてきていて、ヨルダン側に拘束されている女性のテロ犯との交換を求めているわけですが、これについてはどのようにお考えでしょうか?

:政府としては、まさに人命第一の観点から後藤さんの早期解放に向けて、関係各国の協力を得ながらさまざまなチャンネルやルートを活かして、全力で今尽くしているところであります。そしてまた同時に、テロに屈することなく、国際社会におけるテロへの取り組みに積極的に貢献していくという、我が国の立場は変わらないということです。

囚人の解放はテロに屈したことになるのか?

記者:身代金の支払いはテロを助長するという見方もあるんですけれども、今回の人質の交換についても、テロに屈するという観点から考えると、どのようになるのでしょうか?

:我が国の立場は今申し上げましたように、人命第一の観点からヨルダンをはじめ関係各国との協力を得る努力を今、懸命にしています。また同時に、テロに屈することなく国際社会におけるテロへの取り組みに貢献していくというのが、我が国の立場であります。それに尽きるんだろうと思います。

記者:公開された映像というのは、イスラム国によるものでしょうか?

:それはさまざまな日本の分析機関のなかで、今分析、確認中であります。

記者:まだ確認には至っていないと?

:確認中であります。ただ先ほど申し上げたように、それを否定する根拠は見出だせないということです。

記者:女性死刑囚の釈放については、イスラム国の正式な要求なんでしょうか?

:我が国としては、まだ現在事態が動いておりますので、まさに人命第一の観点から、またテロに対する我が国の立場というものも変わらないなかで、全力を挙げてヨルダンをはじめ関係各国の了解、協力をいただきながら、そこはしっかり対応しているというのが今の状況です。

記者:朝日新聞のオオシタです。昨夜のメッセージ動画についてなんですが、動画の冒頭に英語の字幕で「このメッセージはケンジ・ゴトウ・ジョウゴの家族と日本政府に届いている」とあるんですが、この事実関係について政府はどのようにお考えでしょうか?

:そこは承知しておりません。

ヨルダン政府とはどうような交渉をしているのか?

記者:ニコニコ動画のナナオです。画像確認中ということではありましたけれども、今回のことで政府から湯川さんのご家族に連絡はされたんでしょうか? その際、政府はご家族にどのようにお伝えしたんでしょうか?

:政府側からご連絡はさせていただきました。内容については、今インターネット上でそういうことが出ている、ということを説明差し上げました。

記者:NHKのタカハシです。イスラム国側は後藤さんを釈放する条件として、ヨルダンに拘束されている囚人の解放を求めているわけですが、ヨルダン政府とはどのような交渉を行っているのでしょうか?

:日本とヨルダンの関係というのは、首脳が相互訪問するなど極めて良好な関係にあるのは事実であります。そうしたなかにあって、ヨルダンをはじめ関係各国に、後藤さんの早期解放に向けて協力をお願いしていると。ただ内容については、今まさに事態が動いている状況でありますから、そこは控えたいと思います。

記者:前回の映像には72時間という期限が設けられていましたが、今回(の要求に)は期限がありませんでした。釈放要件の期限については、政府はどう受け止めていらっしゃいますでしょうか?

:そこについては、確たることを申し上げられる状況にはありませんけれども、いずれにせよ、政府としては後藤さんを一日も早く解放することに向けて、全力で取り組んでいるという状況であります。

記者:ロイターのクボですけれども、人質交換の件で改めてお聞きさせてください。この人質交換というのは、交渉のカードとして排除していないということで宜しいでしょうか?

:我が国としては人命第一の観点から、早期解放に向けてヨルダンをはじめ関係各国の協力を得ながら、最大限、解放に向けて全力を尽くすと。ただ同時に、我が国のテロに屈することなく国際社会におけるテロへの取り組みに貢献する立場は変わらないと。

政府として映像を確認したのはいつか?

記者:TBSのカワニシです。映像のメッセージが政府に届けられたのは承知していない、ということでしたが、政府としてこの映像を確認されたのはいつなんでしょうか?

:そこは全く承知していませんでした。

記者:つまり、映像自体はいつ頃確認されたんでしょうか?

:インターネット上で公開された、ということです。

記者:全く承知していないということは、このメッセージはイスラム国側からの一方的なメッセージということでしょうか?

:そういう意味で、この配信された動画を見る中で、私どもは考えたということです。今まであったのは、極めて厳しい状況のなかでいろいろなことはありましたけれども、確たる情報を申し上げる状況にはなかったということです。

記者:確認なんですが、冒頭の英語の字幕にある「後藤さんと日本政府に届いている」、このメッセージについては、イスラム国が一方的に言っているということでしょうか?

:ここはまだ事態が動いている状況ですので、確たることを申し上げることは私はしませんけれども、ただ今までさまざまな情報はありましたけれども、確たることを申し上げる状況にはなかったということです。

記者:ロイターのクボです。この画像がアップされたのを、どういう経緯で気付いたんでしょうか?

:そこは全ていろんなことに対して、緊急的な問題について政府として対応しておりますので、それで発見したと、そういうことです。

記者:ネットに配信されたのを確認したのは、昨日の何時……?

:正式には(24日の)23時10分か20分、たしかその前後だったと思いますよ。

記者:イスラム国のグループとは、動画による向こうからの発信以外に、なにかコミュニケーションというのは取れているんでしょうか?

:ありません。

政府は事前に映像を確認していたのか?

記者:毎日新聞のキノシタです。今朝の一部報道番組で、出演者が、恐らく今日の未明だと思うんですが「政府高官から聞いたんだが、土曜日の午前5時くらいに政府はこの動画を見ていたが、内容があまり厳しかったので公開しなかったようだ」というふうに発言しましたが、これについて事実関係はいかがでしょうか?

:そのような事実はありません。

記者:時事通信のコンドウです。犯行グループ側からの要求が、これまで金銭的なものだったのが、新たに別の人質の釈放に変わったことについて、どのように受け止められていますか?

:政府として承知していませんから、私どもの立場で述べることは控えたいと思います。

記者:朝日新聞です。先ほどもちょっとお話ありましたけれども、改めて日本とヨルダンの関係、また米国とヨルダンの関係について、日本政府の考えをお聞かせください。

:先ほど申し上げましたけれども、日本とヨルダン(の関係)というのは昨年、国王が訪問されました。そして今回、(安部首相も)訪問しました。そういうことで、極めて密接な関係にあるということは申し上げたいと思います。米国とヨルダンの関係については、第三国のことでありますから、政府として発言することは控えるべきだと思います。

記者:ジャパンクラブです。動画ではグループのほうが「安部総理が要求に応じなかったから殺したんだ」とこういう言い方をしていますが、日本政府としては交渉に応じなかった殺されたんだと、そういう状況だとお考えでしょうか?

:そこは全く承知しておりません。

(会見終了)

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