2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会:それでは引き続き質疑応答を続けたいと思います。
記者11:ありがとうございます。ハフポストのタカハシと申します。前澤さんにおうかがいしたいと思います。
今後2つの道として、宇宙、そして新事業のお話をなさっていました。新事業に関しては、今どの程度構想が固まっているのか。こういうことがやりたい、というのはこれから考えるのか。また頭の中にすでに大まかなものがあるのか。お金儲けのためのビジネスはしたくないというお話しがありましたけれども、社会に対して、新しい事業を通じて、どのようないい影響を与えたいとお考えでしょうか?
前澤友作氏(以下、前澤):本当にまだ決まっていないんですが、やりたいことはやっぱり困っている人を助けたりですとか、「不便だな」とみなさんが感じていることを解決したりですとか、そういうことをやりたいなと考えています。
そもそもZOZOTOWNの始まりも、「試着するのが苦手だな」とか、遠方に住んでいて、なかなかかっこいいブランドの最新の商品を買いに行くハードルが高いなという、不便に思う人たちの悩みというか思いを解決したことから始まった事業です。
そうした方々の思いに寄り添うことによって、自分もユーザー意識の中からビジネスを発想していくのが得意な分野でもありますので、同じように今後新しく事業をしていくうえで、困っている人を助けたいとか、不便を解決したいという視点で何かやりたいという思いは変わっておりません。
記者12:日本テレビ『NEWS ZERO』のハタシタと申します。前澤さんにおうかがいします。今日は街の人にたくさん声を聞いてきたんですが、「前澤さんの今後が本当に楽しみだ」「どんなワクワクすることをしてくれるんだろう」というような声がたくさんありました。
今回は宇宙に行くことと新規事業の話がありましたが、宇宙に行く経験が新規事業に何か活かされるのかということと、前澤さん自身、最終的に何を目指されているのか、また今後の人生のビジョンがありましたらお答えいただきたいです。
前澤:ご質問ありがとうございます。宇宙に行って何があるかは、もうわかりません。行ってみないとわからないです。けど、わかっているようなことをやってもおもしろくないので。わからないところに挑みたいというのは根っから変わりません。許してください。
何が起きるかわからないし、それが人生にとってどうなるかもわからないし、それがはたまた事業にどんな効果があるかなんて到底わからないですけど、誰もがまだ行ったことがないところに何となく行きたいです。
命のリスクとか、安全のリスクがあるのはもちろんわかっているんだけど、そこに飛び込まなきゃいけない。これは、なんか性分です。「人生一度きり」といつも思ってしまって、常にチャレンジしていたい人生です。何か得て帰ってこられるといいなと思います。
そして人生で成し遂げたい夢は、みんなが笑顔で、みんなが楽しくという世界の実現です。つまり、世界が平和になるといいなと、ずっともう20代の頃から思っていて。今43歳で、20年以上この会社をやっていますけれども、世界からいまだ悲しいニュースがなくならなかったり、世界のどこかでいまだ紛争が起きていたり、まだまだ解決しない問題がいっぱいあるなとニュースで遠巻きに見ながら、悔しい思いをしています。
これから自分に何ができるかわかりませんけれども、人生を折り返してあと30年、40年、体が持つ限り、世界平和というビジョンはブラさずに、自分のできることを粛々と、かついかがわしく、かつロックな魂で、みなさんを驚かし続けながらやりたいなと強く思っています。以上です。
記者13:いつもお世話になっております。TBS『サンデージャポン』のミヤウチと申します。前澤さんが社長人生を振り返って一番の、先ほど涙ぐまれたりもするような思い出があると思うんですが。一番「ゾゾッ」としたことは何でしょうか(笑)。
(会場笑)
前澤:『サンジャポ』さんですか?
記者13:はい、『サンデージャポン』です。
前澤:いつもありがとうございます(笑)。
記者13:いつもお世話になってます(笑)。
前澤:そうですね、ゾゾッと……ゾゾッとしたことですね(笑)。真面目に答えますと、僕はファッションとか音楽が大好きで、アーティストなんかもやりながら、実はプログラミングとかシステムエンジニアリングとかデータベースとか、そういうのも全部自分でやってた時期がありまして。まぁずいぶん昔になるんですけど。
その時、たまたまデータベースサーバーのアップデート作業をしてる最中に、そのアップデート作業がクラッシュしちゃって。それでデータがすべて失われるという事態に見舞われました。具体的にどんなデータかというと、顧客の情報だったり商品の情報だったり、今までの注文情報だったり。Eコマースサイトを手がける事業者として、一番大事なデータを失いかけたことが実はあって。その時一番ゾゾッとしたんですけど。
結果的には、なんと自動バックアップが前日の深夜に働いていてなんとか助かって。スレスレで今ここに座らせていただいてるという次第で(笑)。思い返すと21年の社長人生の中で、あれが一番ゾゾッとするトラブルでした。真面目に答えました、『サンジャポ』らしくない回答ですいません。失礼しました。
記者13:(笑)。ちなみに『サンジャポ』らしくだとなにがありますか? ゾゾッとしたことって。
(会場笑)
前澤:あの、お一人1問ということですので(笑)。
(会場笑)
すいません。
記者13:(笑)。ちなみに、今後はコメンテーターとしての道もいかかでしょうか。
前澤:コメンテーターの道ですか。僕ですか?
記者13:はい!
前澤:おっ、そんな道もあるんですね。
記者13:ぜひ『サンジャポ』でもお待ちしております。
前澤:『サンジャポ』に出てコメンテーターですか?
記者13:他にもいろんな番組があると思います(笑)。
前澤:わかりました、チャレンジが好きなんで。声かけていただければ検討はできると思います。ありがとうございます。
記者13:ありがとうございます。
(会場挙手)
記者14:朝日新聞のウエダといいます、よろしくお願いします。澤田社長にお聞きしたいんですが、先ほどから「千葉愛」という言葉がたびたび出てきました。これまで千葉で、千葉の自治体とか、あるいは各団体とさまざまな取り組みをされてきたかと思います。
この一つの要因は、前澤さんが千葉のご出身だったということが大きかったと思うんですが。今回前澤さんが退任されて、今後新しいZOZOが千葉とどう関わっていくかということを、ちょっとお聞きしたいと思います。
澤田宏太郎氏(以下、澤田):はい。先ほどちょっと前澤がバラしてしまいましたけど、私は実は横浜出身ということで(笑)。11年間千葉の幕張に通わせていただいて、千葉愛がますます強くなっているところではあると思います。
前任の前澤が千葉市長さんといろいろ懇意にさせていただいて。その中でいろんな話を私も聞いたりはしております。ですので、そういった方々も含めいろんなところとリレーションを強めながら、いろんな方向でやっていこうかとは思っております。
個人的には、スポーツは私の好きな領域ではございますので、野球に限らずほかの領域でも、千葉在住のスポーツチームを支援するとか。オリンピックもやりますので……まぁオリンピックは我々が支援するようなことにはならないとは思うんですけれども。それ以外の何か、例えばボランティア的なお手伝いですとか。そういったところもできるかなと思っております。
記者14:では今後も新ZOZOとして、千葉愛をさらに深めていくという取り組みを?
澤田:それは間違いないです、思っていただければ。
記者14:どうもありがとうございます。
前澤:補足しますと、川邊社長も冒頭に千葉の台風の件について触れられてましたけれども。川邊社長も千葉出身ということで、「ZOZOといえば千葉だし、千葉といえばZOZOなんだから、これから千葉をどんどん盛り上げてください」ということで。ヤフー社も我々の千葉愛があって、積極的に応援してくださってますので。
僕は僕で、また個人的にも千葉を応援したいと思ってまして。今日千葉市長の熊谷さんから僕に連絡が来て、「まさかのまさかで、千葉から丸々……なんてことはないですよね」と(笑)。いやいやぜんぜん、このままね。「僕もZOZO社も千葉に拠点を置いて、千葉をこれからも盛り上げていきますんで」っていうお話しを差し上げて、安心いただけましたけれども。ZOZO社も僕も、しっかり千葉を盛り上げていきたいと思います。
(会場挙手)
記者15:東洋経済のナガタキと申します。本日はありがとうございます。前澤さんに一つ聞かせてください。
昨年の4月に時価総額5兆円を目指して、「前澤フルコミット」を打ち出されていたかと思います。そこからするとかなり急展開なようにも思われるんですけれども。今日お話しいただいた未来のことにはたくさん質問が出てたと思うんですが、この1年間で先ほどプレゼンの中で触れられていたような反省点だとか、そういうところがかなり大きくなってきたのか。そのあたりについて具体的に教えてください。
前澤:ご質問ありがとうございます。おっしゃるとおり、昨年の5月の時点ではそのように話していたのもしっかり記憶してますし、本心からその時はそう思ってました。ただ、この市場は非常に動きも早いですし、またそれに合わせて経営のスピードも常に柔軟に変え、時には攻め、時には守りという中で、今回の決断に至るわけですけれども。
何度か先ほどから触れてますけれども、ZOZO社としてはこれからさらなる成長という意味で、一つ課題を抱えています。それはやはり「うーん、ファッション? あんまり興味ないけど。まぁ服は一応買うけどね」っていう、今まで出会うことのなかったお客様にもZOZOTOWNを使っていただくことです。
そうした課題を今回のヤフーさんとの提携によって解決し、さらなる成長を目指すために今回の提携に至りました。ですので、「言ってること変わってるんじゃないの」っておっしゃるのも重々わかるんですが、その時は本当にそう思ってました。けど、今はそうじゃないと。「言ったことに責任取んないのか」って話ですが、責任取ってるからこうやって柔軟に、スピードを持って、前向きな決断をしていると受け止めていただければと思います。回答になっていましたでしょうか。
司会者:それではご質問のある方、挙手をお願いします。時間の都合上で、ご質問はあと2つまでとさせていただきます。
記者16:お世話になります。前澤社長にお話をうかがいたいんですが。フリーの経済ジャーナリストのマツザキと申します。まず辞任をしようと思われたのは、だいたいいつごろなんでしょうか。それから、どういう理由で辞任をしようと考えられたのか。よろしくお願いします。
前澤:はい。ズバリ、もう9月に入ってからぐらいです。ですので、この数日というか、この2週間ぐらいの間の決断と理解いただいて構いません。で、先ほどから辞任に至る経緯というのはお話ししてますけれども、簡単に言うと僕よりもより良い、澤田という新社長がすぐそばにいたことに気づいたことがあります。
冷静に、客観的に、ZOZO社がこれから成長していくために必要な経営体制とはなんぞや、と自問自答した結果、僕が退くということだと判断に至り、辞任することにさせてもらいました。また、ヤフーの川邊社長、並びに孫さんからもありましたけれども、最初は「続投を」とリクエストを受けてましたけれども。
そこは僕の得意分野でもある、感性的な、直感的な、野性的な勘と言うんでしょうか。ここで僕が変に数年、数ヶ月居座っても、いいことないぞと。ここは潔くバトンを澤田に渡し、綺麗に、潔く辞任していくのが、ZOZO社にとっても、そしてZOZOのサービスを利用いただくお客様や取引先様、株主のみなさまにとってもよかろうということで、急遽辞任させていただく運びとなりました。以上です。
記者17:週刊新潮のタナカと申します。少し厳しい質問になってしまうんですが。冒頭の質問と関連するんですけれども、前澤社長がこれまで金融機関に入れられてた担保は2,000億円を超えると言われているんですね。先ほどの前澤さんのご説明だと、現代アートの購入だったり、宇宙旅行、月の旅行に使うというお話なんですが。
月の旅行でもたぶん、一人100億円ぐらい。現代アートもバスキアがだいたい123億円ぐらいということで、ちょっと計算が合わないんじゃないかと。何にそんなにお金が必要だったのかについてうかがえればと思います。
前澤:なんで僕が買ったものを全部言わなきゃいけないんですかって話です。それ以外にも買ってます。本当に発表させていただいてるのは一部で、それ以外にも多くのものを買わせていただいたり、経験に使わせていただいてますので。それでご自由に計算いただければと思います。
司会者:ありがとうございました。お時間の都合上、以上で質疑応答を終了させていただきたいと思います。本日予定しておりましたプログラムは以上をもちまして終了となります。みなさま、本日は急なご案内と遅い時間にもかかわらず、お集まりいただきまして誠にありがとうございました。
前澤:ありがとうございます。
(会場拍手)
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