2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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記者6:すみません、前澤さん、リポーターのアベと申します。よろしくお願いいたします。今日は、どうなんでしょう、すっきりした気持ちなのか、今の率直な気持ち。辞任されてということなんですけれども。
それと、そして21年間やってこられて今日という日を迎えたわけですけれども、一番思い出に残っていること、そして今回自分の新しい人生、夢に向かってということを許してくれたスタッフ・社員のみなさんに一言お願いいたします。
前澤友作氏(以下、前澤):ご質問ありがとうございます。正直まだ実感が湧いておりません。今日、本当に朝8時45分の開示になりましたので、もう会社には7時には出社して、みんなで集まっていろいろ思い出話に花を咲かせたり、いろいろバタバタしておりました。
このあとも、また場所を変えて社員を集めて、またあらためて僕の口から今回の経緯だったり目的だったり、そう至った自分の考えを伝えるつもりでいます。先ほどもちょっと言葉に詰まってしまいましたが……。
(前澤氏、沈黙)
澤田宏太郎氏(以下、澤田):(前澤氏の肩をたたいて)フォローを……。
前澤:はははは(笑)。
社員の話をすると本当にちょっと感極まってしまいまして……。まぁ、辞めていく分際でなに言ってんだと思われるかもしれませんが……なに古臭いこと言ってんだと同じく思われるかもしれませんが、「社員は家族」と言って21年間やっていました。
そんなこともあろうかと思って、珍しくハンカチを持ってきています。ふだんは持ってないです。
やっぱりその社員の顔を見たりとか、社員が今日の話を聞いてみて、一喜一憂、浮かべる表情なんかを見てると、本当に胸がしめつけられます。勘弁してください。以上です。
記者6:前澤さん、今日そのTシャツを選んだのはどういうことですか?
前澤:これは僕が書いた字なんですけど、「Let’s Start Today」ということで、直訳すると「今日から始めようよ」となりますが、我々の旧社名は、昨年の10月に社名がZOZOに変わりましたけれども、それまでの社名はスタートトゥデイということで、その社名で長年お世話になりました。1998年の創業からずっとその名前でやってまいりました。
毎日毎日が始まりで、毎日毎日を大切に、仲間とともに楽しく働き、社会や人のお役に立とうと、ずっと21年やってきました。ただここに来て、別々の道を歩むことになりましたが、ZOZO社にとってこの「スタートトゥデイ」っていう名前は、非常に重要な名前ですし、僕にとってもとても大切な名前です。
毎日が始まりだという、とっても大事なこの、シンプルな話ですけど、考え方をもとにですね、これからもお互いに一歩一歩楽しい人生、がんばって一生懸命生きていけたらいいなって思いで今日このTシャツを着てきました。はい。
(会場挙手)
記者7:日本経済新聞のハナイと申します。よろしくお願いします。川邊社長に1点お伺いしたいんですけど、先ほどヤフーの顧客層のところで30代から40代が中心ですというお話がありました。これは、かつてと比べると高齢化が進んでいるのかなと思うんですけれども、現状のAmazonですとか楽天、メルカリといったライバルと比べてですね、このあたりの競争力っていうのをどう評価しているのかというところとですね。
あと結局今後そのデータの、顧客データの獲得というのがですね、ネット業界において非常に競争力の分けるところになってくると思うんですけれども、その辺りもですね、現状のそのヤフーの競争力をどう考えていらっしゃって、ZOZOと一緒になることでそれがどう変わっていくのかというところをもう一度教えていただけますでしょうか?
川邊健太郎氏(以下、川邊):はい。ご回答申し上げます。メディアというのは、ここにまさにいらっしゃってるみなさんが、テレビだったり、雑誌だったり、それぞれのそのメディア、かつ具体的な媒体名があって、おそらくそれは世代とともにメディアって育っていっていると思うんですよね。私なんか大学生までは超テレビっ子でしたし、それ以降は典型的なYahoo!ネットユーザーですよね。Yahoo!とか、2ちゃんねるとかそういうのが大好きみたいな。
ですから、その世代とともに育ったヤフーは、確かに若干ユーザーが高齢化してきているという側面もあります。他方でヤフーの場合は、さまざまなサービスをやっておりますので、例えばYahoo!天気ですとか、Yahoo!路線情報というのは、今でもたくさんの学生の人が使ってくれたりしておりますので、いわゆるメディアビジネスから見たときのリーチというのは、引き続き全世代に豊富にある状況です。
川邊:ことeコマースに関して言いますと、若い人が使っているのかと言いますと、それは楽天さんやAmazonさんに比べると、ちょっと違う側面があるかもしれないです。Yahoo!ショッピングという観点においてですね。ヤフオクはまたちょっと違いますけれども。ですので、そこで今回、先ほど説明させていただいたような、ZOZOの若いユーザーとの相互送客みたいなものが非常にシナジーが効いてくるんではないかなというふうに考えております。
またデータに関しましては、これは今世の中でデータの概念も相当に変わってきておりますので、基本的な考え方としてはそういったプライバシーというものはユーザーのプライバシーを尊重し、かつユーザーの同意をいただいた上で何かデータの利活用する。またその利活用したデータをサイバーセキュリティで守ると。
そういう基本原則を大事にした上で、ユーザーが許すならば、しかもわかりやすい形でこちらも同意を取れるならば、利活用はしていきたいと思っております。その中において、やはり購買データというのは、検索のデータと同じぐらい、我々の用語で言うとシグナルが強いデータだというふうに思っておりますので、これはグループでですね、ユーザーの同意を得ながらですね、利活用し、そしてユーザーの便益、メリットに変えていくような、こういったことを力強くやっていきたいなというふうに考えております。
(会場挙手)
記者8:すいません、リポーターのキクチと申します。前澤さんに質問があるんですけれども、先ほど孫さんが「彼女とも楽しく生きたい」ということをポロリとおっしゃってましたけども(笑)、やはり剛力さんとの交際というのは気になりますが、順調でしょうか?
前澤:今日は資本業務提携の話でありまして、そのようなプライベートな、極めてプライベートな質問はまた別の機会にいただければ、その時は積極的にお答えできるかなと思ったりしますが。
記者8:今回のこと相談したりとかは?
前澤:先ほど「経営者は孤独だ」と申した通り、この話は家族にも、両親にすら、実の弟がいますけれども、弟にすら、子どもたちがいますけれども、子どもたちにすら、一切できずに、悶々と悶々と悩み悩み、考えてきました。当然簡単に相談できるような話ではないので。そこはご理解ください。
記者8:第2の人生と言うことで、結婚もあるのかなと思ってしまうんですけど。
前澤:全然関係ないですよね、この資本業務提携の話とは。
記者8:(笑)。
川邊:知りたいですよね(笑)。
前澤:おぉ、こらこらこら! 社長、こらこら(笑)。そこ乗らないでください、すみません(笑)。
澤田:じゃあ、私のプライベートを……いや、冗談です(笑)。
前澤:これ本当にね、すべったよ今。謝っておいたほうがいい(笑)。
司会:川邊が19時15分で退室する都合上、ここから川邊への質問をお受けしたいと思います。ご質問のある方、挙手をお願いいたします。
(会場挙手)
記者9:日刊工業新聞のフジシマと申します。川邊さんにご質問させてください。川邊さん、先ほどの説明で2020年代前半にeコマース事業で国内トップになると、手が届くとおっしゃっていたと思うんですけれども。
ZOZOさんに続いて、トップになるために今後のeコマース強化に向けたM&Aについてはどう考えていらっしゃるのか。2020年前半に国内トップに手が届くために、ほかにやろうとしていることはどんなことなのか教えてください。
川邊:はい、ご回答いたします。本当に、我々は広告事業と並んでですね、eコマースも日本一になろうということを真剣に考えて、真剣に行動しているつもりです。
その中で、今後本当の日本一になるために何をするのかと言うことですが、当然自社開発のサービスをやることと、いいお話があれば買収。この両方をやっていくことになります。自社開発のほうはですね、目下秋に今日ご紹介したPayPayモール、あとはPayPayフリマというものもローンチさせる予定です。
PayPayは1年経たずにですね、23年間やってきたヤフーと認知率がほぼ互角。かつ、先ほどのユーザーの属性でも、またヤフーと異なるユーザーを持ったPayPayという、新しいモバイルペイメントのサービスが1年で急速に出現しておりますので、そのユーザーに対して新たなeコマースの体験を提供して、これによって日本一になっていきたいというのがほぼメインの戦略になっていきます。
そのなかでZOZOさんにもPayPayモールにご出店いただきたいなと思っています。それ以外でいうと、買収というのは、今後も良いお話があれば、ぜひお話をさせていただきたいなと。
やはり、ZOZOですとかアスクルですとか、輝きのある、オリジナリティのあるeコマースのサービスがあれば、ぜひ我々もポータルとして何か手伝えることをご説明させていただいた上で、魅力に感じていただけるなら、お話し合いを今後もしていきたいと思っています。大募集中でございますので、よろしくお願いいたします。
記者10:通販新聞のシカノと申します。川邊さんとできれば澤田さんにもお伺いしたいんですが。先ほど孫さんからもお話がありましたが、親子上場の問題なんですが、ヤフー子会社後もZOZOさんは上場を維持されるということで。
上場会社の責任として、親会社からの独立性の維持・担保をしなければならないと思いますし、親子上場の問題点として、親会社との利益相反の懸念もあると思うんですが、特にヤフーさん、アスクルさんと一連の騒動もあったので、そのあたりを懸念されているZOZOさんの少数株主もいるかと思うんですけれども。
そのあたりについて、親子上場の問題点について、上場子会社との関係について、川邊さんにお考えをお伺いしたいのと、澤田さんにはそのあたりの懸念についてどういうふうに考えているのか、そのあたりを教えてください。
川邊:ではまず私から。親子上場の最大の問題点は、少数株主、あるいは大株主との利益相反的なところがあるのではないかというような論点だと思いますけれども。
私の考えといたしましては、やはり他の株主、それは少数株主も含む全株主の視点で、いかにZOZOの事業を大きくしていけるか、ZOZOの価値を最大化していけるかという観点で、ZOZOのことを考え、ZOZOに貢献していくと。
これにとにかく集中していくことが、そういった親子上場の諸問題を解決というか、そもそもない前提で、そういうことをやっていきたいなと思っています。
繰り返しますけれども、すべての株主と同じ目線で、ZOZOの価値をいかに最大化できるか。こういう視点で澤田社長ともやっていきたいなと。こういうふうに考えております。
澤田:私からのお話も基本、川邊社長さんと変わらないんですけれども。まず今回の業務提携、資本提携の話をする一番最初の段階で、もちろんその話を差し上げて。
それで、我々として少数株主も含めた企業価値向上と言うのは絶対に外せない話です、ということで、もちろん契約書の文言にもそれを入れたり、そういうかたちで議論を重ねておりますので。
そのなかでサービスのこういう連携ができるんじゃないかという話をしているときも、こういうお客さんはうちで、こういうお客さんはヤフーさんで、といったような、かなりシナジーの効く、切り分けができるイメージが湧きましたので、そこは現段階では心配をしておりません。
司会:それではこちらで川邊はいったん退室させていただきます。川邊さん、ありがとうございました。
川邊:本日はどうもありがとうございました。
(会場拍手)
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