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【全文7】孫正義氏「前澤君は、いまだにロッカーなんだよね」 新しい人生を生きるZOZO前社長に、孫氏が送ったエール

2019年9月12日、ZOZO株式会社 社長の前澤友作氏はソフトバンク傘下ヤフーとの資本業務提携を発表し、それに伴い同社の代表取締役を退くことを明かしました。ツイッターで「僕自身は新たな道へ進みます」と宣言した前澤氏は、詳細について話すため、同日17時半より記者会見を実施。本記事では、ゲストに孫正義氏も登壇した、第二部 前澤友作氏による会見の模様を全文で書き起こします。

前澤氏が尊敬する経営者・孫正義氏がゲストで登場

前澤友作氏(以下、前澤):今日はお忙しいなか、本当にありがとうございます。

孫正義氏(以下、孫):いやいや、とんでもない。

前澤:お揃いの(Tシャツを着てもらって)、すみません。

:漫才のコンビのような感じで。

前澤:(笑)。

:いや、もうね。こんなピチピチのチノパンを穿いたのは何十年ぶりかと。

(会場笑)

前澤:社長には、ZOZOのプライベートブランドのセットを組み合わさせていただきました。

:宣伝しなきゃいけない。

前澤:そういうことです。ありがとうございます(笑)。

:いやいや、前澤君に前から親しくて。もう本当に経営者としても、1人の男としても僕の大好きな前澤君が「孫さん、ちょっと話があるんだ」ということで「相談乗ってください」と。

「なに?」って聞いたら「新しい人生をもう一度過ごしたいんだ」と。こういう話でありました。「えっ、どういうこと?」って聞いたら「月に行くんだ!」と。「えっ?」と。「月に行くのは雑誌で読んで知ってるけど、どういうこと?」って聞いたら、「いや、もうZOZO社長は引退して、そして新しい人生を過ごしたいんだ」ということでありました。

新しい人生を生きたいという、生き様への共感

:「え、じゃあ会社どうすんの?」「そこで相談なんです」ということだったんですけれども。いろいろ話を聞いているうちに「そうか、じゃあヤフーとZOZOでなにか提携してやってみるかね」という話を一緒にしたら、「それがいい」と。「ぜひそういうことで、ヤフーとZOZOが一緒になって力を合わせて、これから第2の飛躍をするようにやっていきたい」「そう、わかった」と。

資本的提携をして、今回TOBというかたちでやることになったわけですけれども。「しかし、文化の違う会社が2つ一緒になってやるんだから、株式うんぬんは譲渡するとか。あるいは両社が資本的業務提携をするのはいいんだけど、当分前澤君が社長をやったほうがいいんじゃない?」ということを言ったんですけれども、「いや、もうここはスパッと新しい人生を生きたいんです」ということでありました。

「月に行くのにそんなに忙しいの?」と言ったんですけれども(笑)。まぁ訓練もしなきゃいけないし、彼女とも楽しく生きたいしと。

前澤:(口元に指を当てて)シー。

:言っちゃいけないよね。まぁまぁ、羨ましいかぎりですね(笑)。

(会場笑)

まぁそういうことで、僕も彼も創業者ですけどね、生き様がかっこいいですよね。もう自由奔放で。Twitterを見てても、もう言いたい放題書いてますしね。

前澤:社長も一時そうでしたね。

:僕もそうだったけどね。でも、あれほど自由に書けなかったですね。やっぱり彼の生き様というのはかっこいい。

孫氏「結局、前澤君はいまだにロッカーなんですね」

:会社を始める前、ZOZOを始める前に、彼はロックバンドをやってたと。結局、いまだにロッカーなんですね。「前澤君、君はいまだにロッカーだよね」って言ったら「そうなんです。まさにそのとおりだ!」ということで。「かっこいい楽しい人生を過ごしていきたいんだ」ということでありました。ですから、そういう意味ではわからんではないと。非常によくわかるということです。

月に飛んでいく人と足が地についている人。さっきも澤田社長の話がありましたけれども、そういう役割分担だったと思いますけれども。ヤフーもZOZOも、両方ともの強みだとかシナジー効果というのは、先ほどヤフーの川邊社長のほうからも詳しい話があったので、私はあえてそれに重複するコメントはしませんけれども。両社が精一杯やってくれるんだと思います。

最近は親子上場だとか孫とかで、なんかいろいろ批判も多い。ここでまたソフトバンクグループの子のソフトバンク株式会社の、さらにまた子のヤフージャパンの、さらにそのまた子のZOZOって、「これはいったい何なんだ?」。そんな批判がさらに出そうでありますけれども。

私はヤフージャパンの川邊社長には「俺はあんまり口出しはしないから。いろいろ言うと、また忖度経営とか親子上場とかいろいろ言われそうだから、なるべくお前たちで好きにやってくれよ」ということであります。

私はとにかく、友人としての前澤君からこういう相談があったので、「それではヤフー・ジャパンでZOZOと両方で、なにかシナジーがあってうまくいくような話があれば、当事者同士でよく話し合って決めてください」ということでありました。

あとね、前澤君とはこれからも友人関係で楽しい関係を続けていきたいと思います。本当にご苦労さまでした。

前澤:ありがとうございます。孫さん、本当にありがとうございます。

:本当にありがとうございました。

(会場拍手)

Let’s Start Today! 今日から始めよう

前澤:ちなみに、月にお誘いしたら、即答で「行かない」とおっしゃられました(笑)。

:怖いよ。僕は高所恐怖症だから。

前澤:高所恐怖症!

:ちゃんと帰ってきてよ。

前澤:わかりました。はい。安全第一で行ってまいりたいと思います。

21年間、本当に大事に大事にスタートトゥデイ、今のZOZO社を育ててきました。これからは新社長の澤田になりますけれども、みんな今すごく気合入ってますから、どうかどうか大切に、より発展するように、ヤフーならびにソフトバンクのみなさんの力で育てていただければと。よろしくお願いします。

(会場拍手)

:まぁ、仕事のことは先ほど言ったように彼らがやってくれると思いますが。精一杯ね、またこれからも楽しい人生を生きましょう。よろしくお願いします。

前澤:よろしくお願いします。ありがとうございます。

:どうもありがとうございました。ねえ、身長も同じぐらいで。

前澤:そうなんです。本当ありがとうございます。ちょうどTシャツのサイズも同じ感じで。このTシャツに書かれた「Let’s Start Today」という言葉は、「今日から始めようよ」ということなんですけど。ヤフー社とZOZO社も今日から門出ですし、僕自身も「新しい人生を、今日から始めよう」という気持ちでやってまいりますので。このTシャツは今日お持ち帰りいただけるので、社長もどうかプライベートでも着ていただけるよう……。

:ちょっとピチピチで……。

前澤:けど、ものすごく似合っていらっしゃるので、ぜひお願いします。

:じゃあ、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

前澤:ありがとうございます。

(会場拍手)

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