2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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澤田宏太郎氏:このように申しますと、「いや、前澤と真逆じゃねえか」とみなさんはおっしゃると思うんですけれども。(前澤氏とは)真逆ですね、そういう意味では。
改めて説明するまでもないとは思うんですけれども、前澤はとにかく既成概念をぶっ壊してぶっ壊してどんどん進んでいくという、そういうカリスマの経営者でした。そして、その結果として今のZOZOという会社があるのは紛れもない事実です。
会社はすごく大きくなりました。業界や社会に与える影響も非常に大きくなり、この先の成長において、革新というものはもちろんなんですけれども、やはり安定感が重要になってきていると、そういう認識をしております。安定的な成長、それを実現する上でのパートナーとして、今回ヤフーさんがベストだという判断を、我々会社としてはさせていただきました。
旧名のスタートトゥデイという会社が立ち上がってから、今年で21歳になります。企業としても、もうそろそろ大人の入り口に立つことを求められている。そう私なりに理解しております。
これだけ聞きますと、安定はするかもしれないけれども、ZOZOはつまらない会社になってしまうんじゃないかと思われるみなさんも多いかと思います。そんな心配はされなくても大丈夫で、我々はただのつまらない大人になる気は毛頭ございません。これまで同様、ある程度やんちゃな大人であり続けたいと思っております。
私が経営者として前澤から学んだことは山ほどあるんですけれども、一番大きいことは、今の時代、ある程度「非常識」「非合理」と言われるようなことにトライしないとなかなか成功しない、ということです。
私は現場で前澤と一緒にビジネスを進めるにあたって、何度もその状況を目の当たりにしてきました。それは本当に私の貴重な経験であり、経営者としての私の財産です。その財産をやはり会社に絶やさず伝えていくことも、また私の大きな使命だと考えています。
もちろん、やんちゃな大人の張本人である、類まれなセンスやアイデアの持ち主である前澤を失うことは、会社にとってはそれはもう言葉にできないほど大きなインパクトになります。これは素直に今後の課題であると認めるところでもあります。
ただ幸いにも、突拍子もないアイデアを持っている社員だったり、なにか挑戦したくてウズウズしている社員、そういった者がZOZOにはたくさんいます。そのようなアイデアの種や挑戦心を、経営者として大切にしながら、これまで以上に果敢に事業を推進していきたいと思っております。
はっきり言います。このことからもおわかりになりますように、今後のZOZOはトップダウン経営から、社員一人ひとりの力を活かして組織の力を活かす、そういった経営に移行していきます。
前澤が残していく事業やサービスは、いずれも彼の強烈なインスピレーションであったり、リーダーシップであったり、そういったもので作り上げてきたものばかりです。一方で、前澤の変則的なドラムビートに振り回されながら、実務面で社員全員がしっかりと地に足をつけ磨き上げてきました。
だからこそ今のサービスや会社があると思っています。華やかな経営者の裏で足場をしっかり固める仕事は、それはそれですごく大切であることを私たちは知っています。そして、これこそが私たちが誇れるものです。
先にも触れましたとおり、今後の成長に「安定」というものが求められます。ただ、いま申し上げたこと、これが非常に大きな武器だと確信しております。
創業者が去るということは、小さいことではありません。しかし、そういうときだからこそ、臆することなく、養ってきた底力であるとか、挑戦心であるとか、新たなアイデア。そういうものをどんどん活かしていきたいと思っています。
そして、ヤフーさんの力もお借りしながら、社員一人ひとりがZOZOという会社を磨き上げていくと。そういう体制にするのが今回の新しい経営陣の使命だと思っております。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
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