2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
記者:TBSテレビです。小保方さんは4月の会見で、STAP細胞の作成に200回以上成功した、と言っていたと思うんですが、そのやり方ではなぜ成功出来なかったんでしょうか? 出来なかったすれば小保方さんが嘘を言っていた、ということになるんでしょうか?
相澤:小保方さんが、STAP細胞は200回以上成功してますと言ったのは、その成功しているSTAP現象というものがどういうものであったか、ということが問題だと思います。
少なくともGFPを、緑色蛍光を発するような細胞塊が出てくる、ということであれば、本実験でも回数を数えただけで、45回程度の実験のうちほとんど、40回以上は緑色蛍光を持った細胞塊は出ています。
数えたものだけでそれで、全体の実験はもちろん100回以上、この検証実験だけでも彼女はやってますから、それをもって、緑色蛍光が出た細胞塊が出ましたよ、ということをもって言うのであれば、200回以上STAP現象を再現しています、という言い方は成り立つんだろうと思います。
ただその細胞塊が本当にリプログラミングされたものであるかどうかというのは、話が別だと思います。
記者:当時の同じ会見のなかで、小保方さんは「STAP細胞を作るにはコツがあるんです」というようなことを言ってたと思うんですが、そのコツというのは、小保方さんが公開した今回の検証実験で明らかになったんでしょうか?
相澤:明らかになっていません。
記者:そこに関して小保方さんとのやり取りはなかったんでしょうか?
相澤:彼女自身が前にやっていた時には、数百個のオーダーの細胞塊が出来てるんです。それが今回は一桁低い。それからGFPの陽性をFACSで見たときにも、ほとんどのGFP陽性集団であるようなふうになっているのに、今回ではほとんどの場合でCD45への陽性の細胞が残っている。
そういう意味で、出現頻度が彼女自身の手においても再現できなかった。「コツ」と言葉で表現されるようなものを明らかにすることは出来ていません。
記者:今配られた小保方さんのコメントのなかに、「環境が予想を遥かに超えた制約のなかでの作業」ということが書いてあるんですが、小保方さんご自身は、この検証作業をこの時点で打ち切ることに、納得はされているんでしょうか? 本人はなんとおっしゃっていたんでしょうか?
相澤:その質問に答えることは私からはとても難しくて、彼女自身がこれをどう受け止めているかということを正確にお答えすることは出来ないと思います。
ただ、彼女自身はこの結果に困惑している、というのが現状で、結果がこうであったことは認めていると思いますが、なぜこういう結果に留まったのかということについては困惑をしていて、そのことをキチッと受け止められるような状態にはなっていない、と。これはあくまでの私の推察です。
記者:つまり小保方さんは、STAP細胞はまだあると思っている、ということなんでしょうか?
相澤:それには答えられません、私には。
加賀屋悟氏(以下、司会):よろしいでしょうか。他にも……
記者:最後にします、ごめんなさい。
司会:1人質問は……
記者:今回の検証実験で、理研はSTAP細胞を得ることは出来なかったと思うんですけれども、この実験を通じて他になにか得るものはなったんでしょうか? 組織として。
坪井裕氏(以下、坪井):この検証実験は、4月の段階でSTAP細胞の有無をいちから検証する、ということからスタートさせたものですので、基本的には今回、STAP細胞の現象の確認に至らなかった、というひとつの結論が出たと。この結論が出たということをもって、3月まで予定していたものをもう終了する、という今回の意思決定をしたということだと思います。
記者:日本テレビです。先ほどの件と少し似てるかもしれませんが、2件おうかがいします。1件目は、今回の小保方さんの受け止めはともかくとして、彼女はなにか、相澤さんや丹羽先生にはお話、コメントはされているんでしょうか?
相澤:コメントについては、今日配布されたものが全てです。
記者:例えばもうちょっと(検証実験の)期間を伸ばしてほしいとか、そういった申し入れはあったんでしょうか?
相澤:もうちょっと期間を伸ばしてほしい、というような事は申し入れられませんでした。最初からあくまでも11月までである、とそのように伝えてあります。
記者:2つ目ですが、今回の結果を受けて検証実験の打ち切りということですが、STAP細胞は、存在するんでしょうか?
相澤:STAP細胞が存在するかどうかは、科学者としてお答えすることが出来ません。お答えすることが出来るのは、それを再現することが出来なかった、ということだけ。
記者:再現することが出来なかったということは、イコール、STAP細胞が存在する可能性は低い、という認識でいいんでしょうか?
相澤:再現することが出来なかった、このなかに可能性を見出すか見出さないかは、それぞれの研究者の判断に委ねるところで。
科学の世界に委ねる以外、私のほうから可能性がどれくらいであるとか、そのような事をお答えすることは出来ません。
検証実験を打ち切るというのは、全てのことを個々の条件からもう一度研究としてやるわけにはいかないのです。個々の検討としてやるべきこととは、たとえば酸の処理のPHの条件をちょっと変えてみるとか、いろいろしなければならないと思うんですけれども、そういう事は検証実験の範疇を超えている、という判断です。
ですから個々の研究として個々の研究者がやることは、それぞれの判断のもとにあり得ると思いますけれども、あくまで止めるのは、STAP細胞が無いから止めるわけではなくて、検証実験の範囲で再現が出来なかったので、その範囲において止めるということです。
記者:日経BPです。丹羽さんにお伺いします。これまでの記者会見のなかで丹羽さんや笹井さんは、STAP現象が存在しないと説明できない現象を見た、とおっしゃってましたけれども、今ではその、これまでに経験されたことはなんだったんだと解釈されていますか?
丹羽仁史氏(以下、丹羽):ようはあの論文に記載されたデータをそのまま受け止めて、整合性を持って説明しようすると、そういう現象があるんだ、というのは、論理的な帰結ですね。
でもじゃあその論理的帰結の根本になったデータ自身を今回、信じうるかどうかの根幹部分、現象としてあるかどうかということを検証したわけで、そこが揺らいでいることは今回のデータからも明らかだと思います。
それからするともちろん、現象自体が無いと説明できない、ということもいったん廃棄せざるを得ない、と考えます。
記者:論文のデータだけではなくて実際に目にされ、物を見たわけですよね。丹羽さんや笹井さんは。その事実っていうのはどう説明できるんですか?
丹羽:だから先ほど相澤先生もご説明されたように、緑色蛍光は出てきたんです。で、あの論文の時点では、そうやって出た蛍光は、その後の定量PCRデータにおいて、内在性タンパクの発現を反映したものであり、さらにはそれでキメラマウスが作られたと。こういう事実があったから、最初の、蛍光を発したものはリプログラミング現象である、と解釈したわけですね。
でも今回、実際に検証実験として行ってみると、なるほど、緑色蛍光はまあ、自家蛍光であるか否かはさておき、出ると。出るんだけれども、そこから先が道が無くなっちゃったわけですよ。というか我々の手では、そこから先へつなげることは出来なかった。
だとすると、見たものはなんだったんですかと聞かれれば、見たものは見たもので、ただその解釈が変わった、というふうに理解しています。
記者:ただこれまでの説明だと、緑色蛍光についても確かにそのGFPに特異的なものであるとか、当然可能性が考えられるので、ES細胞になることは注意を持って確認したと。
あるいは、胎児と胎盤が緑色に光る、あの物が残っていますよね。で、あれにES細胞、TS細胞の混入が無いとすると、いったいあれはどうやって作ったんだ、という話になると思います。
つまり今まで得られたデータ、残っているものを、STAPが存在しない、という前提で全て説明できるんですか? それとも出来ないんですか?
丹羽:まずその残っているもんがなんだったのか、というのは我々の検証実験ではなく調査委員会の調査対象ですので、その結果を待って判断することだと思います。
記者:今後、残っているもののさらに詳しい解析というのは、理研のほうでやられるんですか?
坪井裕氏(以下、坪井):今、調査委員会のほうで、これは9月から外部の有識者だけで構成されているものですが、そこがそういった残されたデータの分析なども含めて調査を行っていますので、そういったことも含めて、これから調査結果がまとまればそれが報告される、ということになろうかと思います。
記者:東京新聞です。理研が8月に出されたアクションプラン、行動計画のなかで、理研はSTAP現象の有無を自ら明らかにする必要があると判断し、STAP現象の検証実験を開始した、とあります。
これを有無というところを明らかにすることは、今回の検証実験の結果を受けてされないんでしょうか?
坪井:今回、STAP現象の確認に至らなかったということと、今後、3月までの期間のなかでやることに意味があるかどうかの科学的な判断を、相澤チームリーダーと丹羽副チームリーダーが判断をされました。
そしてこれ以上、所としての検証実験、有無を確認していくための実験を来年3月までの期限でやることの、ある意味での意義はもう見出だせない、ということもあり終了したい、というご報告を受けて、それを所としても判断した、ということであります。
ただサイエンティフィックな意味での有無ということについては、先ほど相澤チームリーダーがおっしゃった話は残るわけですけれども、理研の所としての検証実験の目的としては、ここで終了することが適当という判断をした、ということだと思っております。
記者:社会的な意味では、STAP細胞の存在は確かめられなかった、という意味でいいわけですね?
坪井:はい、結構だと思います。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには