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自民党・安倍晋三総裁 記者会見(全1記事)

【全文】「"この道"をまっすぐ進めていく」 総選挙大勝の自民党・安倍総裁が一夜明け会見

12月14日に投開票された衆議院総選挙において、自公あわせて3分の2以上の議席を確保する大勝をおさめた自民党・安倍総裁。一夜明けた15日に会見を開き、第3次安倍内閣へ向けた抱負を語った。

安倍晋三氏(以下、安倍):今回の総選挙は、アベノミクスを成功させるため、来年のさらなる消費税2%引き上げを1年半延期する、この税制上の大きな変更について、国民の信を問う解散でありました。いわばアベノミクス解散であったと思います。

当初はさまざまなご批判をいただき、大変厳しいなかでの選挙戦になる、この覚悟のもとに自民党・公明党、全力で戦いぬいたところでございます。

今回、自民党・公明党の連立与党で過半数を目指して戦った結果、この予想をはるかに上回る、国民の皆さまからの力強いご支持を得ることが出来ました。

投票日は大変な悪天候となりましたが、あの悪天候のなか投票所まで足を運んでいただき、与党に投票をしていただいた多くの方々のご支援をもちまして、自民党・公明党の連立政権は、今後も引き続き、政権を担っていくこととなりました。

比例では自由民主党に対して、政権交代を実現した前回選挙よりも100万票多い票を確保することが出来ました。改めてご支持をいただいた皆さまに、心から感謝を申し上げたいと思います。本当に身の引き締まる想いであります。291議席という数、この責任の重さを、私たちは噛み締めなければならないと思います。

先ほど、公明党の山口代表と連立合意に署名を致しました。引き続き、自民党・公明党、強力な連立与党のもと、政策を前にしっかりと進めていく考えであります。15年苦しんだデフレからの脱却を確かなものとするため、消費税の引き上げを延期する、同時に、景気判断条項を削除し、平成29年4月から消費税を10%へと引き上げる、その判断が解散のキッカケでありました。

同時にその大前提として、日本経済を、国民生活を、どのように豊かにしていくのか。経済政策の舵取りが、今回の選挙において最大の論点、焦点になったと言えると思います。そして昨日、アベノミクスをさらに前進せよ、その声を国民の皆さまからいただくことが出来ました。3本の矢の経済政策をさらに強く、大胆に実施してまいります。

明日さっそく、政労使会議を開催し、経済界に対して、来年の賃上げに向けた要請を行いたいと考えています。今回の選挙戦では、全国の津々浦々を巡り、「物価が上がって大変だ」という生活者の声や、「原材料が上がって困っている」という中小、小規模事業者の方々からの声がございました。

こうした声に対してきめ細かく対応することによって、個人消費をテコ入れし、地方経済を底上げしていかなければなりません。直ちに行動してまいります。年内に経済対策を取りまとめます。

さらに来年度予算を編成し、年が明ければ通常国会もあります。農業・医療・エネルギーといった分野で大胆な規制改革を断行し、成長戦略を力強く前に進めてまいります。引き続き、経済最優先で取り組み、経済回復の暖かい風を全国津々浦々にお届けしていく決意であります。

経済だけではありません。東日本大震災からの復興も、また教育再生についても、あるいは外交安全保障の立て直しも、まだ道半ばであります。しかし、この道しかない、とこう、選挙戦を通じて訴えてまいりました。

この度、国民の皆さまからいただいた、この力強いご支援を胸に刻み、私は国民の皆さまとともに、この道をブレることなく、しっかりとまっすぐに進んでまいる考えであります。

2年前の政権交代時の初心を忘れない

前回の選挙に引き続き、自民党・公明党あわせて3分の2を超える議席をいただきました。引き続き安定した政治を進めよ、と国民の皆さまが大きな期待を寄せてくださっていることに、心から感謝を致します。

他方で、より一層厳しい目線が、私たちに注がれる。そのことを全ての自民党議員が意識をしなくてはなりません。私たちが数に奢り、そして謙虚さを忘れてしまったら、国民の支持は一瞬にして失われる。政権運営にあたっては、このような緊張感を持って取り組んでまいりたいと考えています。

思い返せば、2年前の今日は政権交代のまさに前夜でありました。民主党政権のもとで日本は国家的な危機に直面していました。

なんとしても日本を取り戻す。この強い危機感から、我々は全力で政権交代を目指し、国民の皆さまが私たちのこの主張に対応していただき、そして我々の背中を押していただき、政権交代が実現を致しました。

あれから2年経って、日本を覆っていた暗く重い空気は一変しました。しかし私の中にあるあの時の危機感、そして使命感は、今も全く変わることはありません。目の前には、困難な課題がまだ山積をしています。2年前の初心を忘れることなく、全身全霊をもって、国家国民のため、私の職責を果たしていく決意であります。私からは以上であります。

選挙権を行使した皆さまへ敬意を表したい

記者:東京新聞です。改めてになりますが、昨日の選挙の結果を受けまして、安倍総理としてこの結果をどう評価されているか、ということが1点と。

(また)昨日の選挙の投票率が、戦後最低を記録しました。半数近い有権者の方が投票に行かれなかったということになりましたけれども、この点も踏まえて、今後の政権運営についてどういう姿勢で臨まれるか、ということを1点、お聞かせください。

あともう1点ですけれども、冒頭でもご発言が一部ありましたが、11月から12月にかけての選挙ということで、例年であれば予算編成の時期ですけれども、そこに空白が生じている、遅れが生じているといううことですけれども、今後は経済対策、補正予算、本予算の編成と、国会での成立、これについてどのようなスケジュール感を描いて臨んでいかれるお考えなのか、お聞かせください。

安倍:たくさんの質問を一度にいただきましたが(笑)、まず、今回の選挙の結果、我々は2年前、いわゆる異次元の経済政策、3本の矢の政策を進めていく、こう国民のみなさまにお約束をしました。

その結果、2年前、3年前に日本を覆っていた暗く重い空気、連鎖倒産、あるいは行き過ぎた円高、日本企業の海外への脱出、この空気を大きく変えることが出来ました。倒産件数は2割減り、この2年間で100万人以上の雇用を作ることが出来ました。宿題であった正規雇用にも、7月8月9月、10万人以上増やすことが出来ました。

こうした私たちの実績に対してご評価をいただくとともに、しっかりとこの景気回復の暖かい風を各地域に、あるいは中小企業、零細事業で、そして小規模事業で働いている皆さんのもとへも届けよ、この政策をしっかり進めていけ、との声をいただいたと、このように思っております。

投票率においては、これは常に政治の課題であろうと思います。前回の総選挙も残念ながら、戦後最低と言われました。我々は当時、野党でありました。私は野党の党首ではありましたが、大変残念だったなと思いました。

今後投票率を上げていくために、政治への信頼と同時に、国民の皆さまの1票が日本を作っていく、ということをしっかりと、国民の皆さまに訴え続けなければならないと、このように考えました。

同時に、あの寒い雪、あるいはみぞれの降るなか、投票所に足を運んでいただき、自民党、公明党、あるいは民主党、維新、そしてまた共産党、次世代、さまざまな党にしっかりと自分の意思を表示をして、自分の権利を国づくりに活かしたい、この権利を行使した皆さまに対しまして、改めて敬意を表したい、このように思います。

同時に、一昨日の街頭演説におきましても、みぞれの降るなか傘もささずに、じっと熱心に、私たちが訴える政策に耳を傾けていた方がこういう皆さまが、よし、今度も自民党・公明党の連立与党に1票入れよう、と意思を示していいただいた。この意志によって、私たちは連立政権を維持することが出来た。そして自公政権、安倍政権が続いていくことになった。

その結果私はここに立って、皆さまにこうしてお話をさせていただいている。さまざまな困難のなか、投票所に行って、我々に1票を投じていただいた皆さまに、心から感謝申し上げたいと思います。

そして同時に、まさにアベノミクスをスピード感を持って進めていけ、これこそが、この選挙において示された声であろうと思います。それに答えなければなりません。そこで経済対策、直ちに年内中に取りまとめていきたいと思います。

そして税制大綱についても、異例ではありますが、残された日数の中で年内中に取りまとめを指示したいと思います。そして来年の通常国会において、出来る限り速やかに法案の、予算の成立に向けて努力をしていきたいと思います。

野党の皆さま方におかれましても、とにかくこの景気をなんとかしてくれ、これが国民の声だということも受け止めていただきながら、国会運営、そして予算の成立にご協力いただきたいと、このように思っているところであります。

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