2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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佐々木俊尚氏(以下、佐々木):今回のこの5,000万人都市構想という新しいプラットフォームは、メディアのイノベーションだよね、という風に感じているんですね。
90年代にインターネットが立ち上がって15年くらいなんですけども、どんどん広告モデルでインターネットインプレションで表示を増やすことによってなんとか売り上げを立てようということで苦労しながらやってきたんですけど、なかなか儲らずインプレッションを増やさなければいけない。
だけども、どんどん企業が増えていくみたいなデフレスパイラルみたいなことを繰り返してきたことに対して、凄く単価が下がってきてしまったような状況に来ているんですよ。
どういう中で新しいモデルあるいは新しいマネタイズの方法を考えるかというのはここ数年ですごいトライアルになっていて、ネットメディアでやっているのもそこなんですね。
この辺の1つの解としてバチっと突き付けてきた感じだなと、このセッションの話をいただいてサマリーの事業計画のビデオをもらったんですけども、見た瞬間、そうきたかと圧倒される感じがありました。
これってうまくいかなかったね、と言うとアメリカの有名なブロガーがいて、彼なんかは、そもそもネットメディアというものは全く新しいものなんだから、それをマスメディアのやり方でやったことが間違っていたんだと。
全く違う方法でマネタイズのモデルを考える、そこから始まるんだろうと。つい先月ぐらい書いていたんですけども、これが全くその通りで、結局、記事の広告の中に広告をつけてそれを売るとか、それをそういうモデルではなくて情報ですね。情報がメディアから消費者に流れる、あるいは企業とかコンテンツプロバイダーから消費者に流れる。
その消費者に流れる状態が単に記事を売るだけではなく、そこにアクセスする360度契約みたいな。例えば、最近のミュージシャンというのはシングルだけでは食えません。では何をやっているかというと、ライブやったりとか、写真集出したりとか、Tシャツ売ったりとか、色んなことをやって多方面に繋がっている。
それを360度契約と言ったりするんですけども、その360度的なことをやることによって消費者と企業の間の情報の流路がもっと今までにはなかったような、ある種の新しいエコシステムというものに変わっていく可能性をもっているのではないかと思っています。
流路で考えるとマスメディア時代の名残があって、今のネット時代ではチャンネルじゃなくてヴァーティカルなんですよ。水平ではなくて垂直に考えるというのをやっていかなくてはならないんじゃないかなと。そういう時代に来ている。今回このグノシープラットフォーム構想にすごくビシッと感じました。
竹谷:ありがとございます。
竹谷:土屋様いかがでしょうか?
土屋益雄氏(以下、土屋):企業の立場から話をさせていただくと、グノシーさんがもたれている元々の情報メディアとしての価値と、今回の5,000万人都市構想という5,000万人の規模感というところが重なることによって、今までなかったような市場の想起というものが非常に期待できるかなと思っています。
特に旅行は感性に繋がるようなサービスでもあるので、なかなか従来の集客手法ですと「この旅行が安いんですよ」というのを伝えるだけではなくて、やはり旅行に行きたくなるような想起というところが重要なのかなと思っています。
そういうものがおそらくプラットフォーム上に展開できるのかなと考えています。旅行だけではなくて、それ以外の業界においても新しい市場というか新しいものを想起できて、未来図を描いていけるのかなと思っています。
竹谷:ありがとございます。
中島真氏(以下、中島):インターネットが登場して、コミュニケーションに関して企業とユーザーの閾値というものが圧倒的に下がり、かつ同一規模でやりとりがはじまるというのは従来から言われてきたものがこのタイミングで実現されて来たのかなと言うふうに思っています。
簡単に言うとユーザーとのコミュニケーションのあり方というものをどのように捉えるのか? 真剣に考え直さなければならないのかなっていうのが1つ。
あと例えばアメリカのメンバーとかと話していても、1つのキーワードとしてクレイグスリスト・リプレイスという言葉をよく使うんですけど、そこの時代にプラットフォーム化されていたサービス郡というものがスマートフォンになって、買いたいというよりも全く別のところからニョコニョコと立ち上がった状況なのかなと。それは日本もアメリカも同じ状況かなと思っています。
さっき福島さんが言ったとおり、今は個別のプロダクトのクオリティで立ち上げているという状況で、今回のプラットフォームとパートナーシップを組むことで一気に立ち上げることっていうのは可能なのかなという風に思っていて、そういう点でぜひ未来像というところではあるんですけれども、近いうちにぜひ実現したいなと個人的には思っています。
竹谷:ありがとございます。
福島良典氏(以下、福島):僕が思ってる構想の先にあるものなんですけど。1つは予約の革命や契約の革命が起こるのかなと思ってます。どういうことかといいますと、インターネットからサービスを買うというのは基本的には予約だったり、契約だったりするんですよ。
Uberのようなタクシーの会社をイメージしていただければわかるんですけども、タクシーの世界って今まで呼んでからが勝負だったじゃないですか。
呼んでからタクシーの運ちゃんの話がうまいとか、おつり返すのが速いとか、そういうところの勝負だったのが、そういう勝負じゃなくなってくる。予約するところからサービスを受けるところまでが1つの体験としてあって、あのサービスって1度使うと止められなくなるというか。
しかも、近くのタクシーがどれくらい混んでいるかもわかって、そういう予約の部分、契約の部分で、ユーザーを獲得するより細部の部分を上手くサービス設計している。
そうなるとすごく大きな革命になるのではないかと思ってます。例えば、ふらっとこのラーメン屋に行こうと言ったときにめっちゃ並んでいて、すごい気持ちが落ち込むことがあると思うんですけど、それも事前に席が取れるとか、事前決済して来てくれたら少し割引するよとか、スマートフォンが広がっていくことによってそういうことがどんどん可能になっていく。
予約の部分、契約する部分というところまでがサービス化される。今回もっと大きな流れとしてスマートフォンがでてきたことによって、そういうことがどんどん広がっていくのではないかと思っています。
竹谷:ありがとうございます。
中島:色々言いたいことはあるんですけども、「もう少し広告料を安くしてくれないか」とかは抜きにして(笑)、さっき佐々木さんからの話にあった通りスマートフォンの普及って私自身もまだまだこれからだと思っています
使われる人数も本当の意味で普及してきたなというところもあります、単発のこなれている感じとかもようやくこれからなのかなということを思っています。
これは日本だけでなく、世界の先進国であれ、もしくは後進国であれ、どういう状況あってもそれが一律にそういう状況になったのかなと思っています。その中で是非グノシーさんにはこれまでの延長線上ではない、非連続のスマートフォンだからこそというようなプラットフォームを実現して欲しいなと思っています。そして、いちユーザーとしても楽しみにしています。
竹谷:ありがとございます。土屋様お願いします。
土屋:話をいただいてから約1ヶ月かからないうちにサービスの具体的な姿のところまで進んできたという、そのスピード感はものすごいなというふうに素直に思っていました。
そういった意味では、やはり新しいものの価値の提供の仕方であったりとか、サービスの見方を一緒に考えていけるといいなと非常に強く思っていますので、是非私共と新しいサービス開発をご一緒できればなと思っています。
竹谷:ありがとうございました。
佐々木:多分これから何年もしくは何10年先かな、我々の取り巻くインターネットの姿というのが変わってるだろうと。今はまだニュースとか、ポータルとか、ECとか別々に捉えているんだけども、多分それはみんな一緒になってくるのではないかと。
SNSであり、ポータルでもあり、何かでもありというね、ありとあらゆるものが入ってくるかもしれない。新しいメディア像のようなものが出来上がってきて、それが広まっていくというのが、これからすごい勢いで起きていくんではないかと思います。
ぜひ、グノシーにはメディアとは言わない、もはやポータルビジネスかもしれないですけども、新しいビジネスを切り開いていてもらいたいなと思います。
竹谷:ありがとうございます。最後に福島からお願いします
福島:僕はとにかく注目しているのはスマートフォンっていうのが広がって、社会がどう変わるのかとか、スマートフォンがどんどん生活に密着したインフラになることで、今新しい決済システムですとか、新しい検索の技術とかいろんなところに影響を与えているなと思っていて、その大きな中心にあるのがスマートフォンという。
これを作ったスティーブ・ジョブズはほんとにすごいなと最近思っているんですけど。その中でインターネットが初めてオタクのものではなくて、マスのものというか多くの人が使ってその利便性を享受できるようにしたいなと考えています。
その中で面白いプラットフォームと言うのが良いかはよくわからないですけども、とにかく面白いサービスとかそういう今までインターネットにアクセスしてこなかった方々へ、こんなメディアがあるんだよというのをごく自然な形でサービスとして提供していくということをグノシーではやっていきたいなと思っています。
その裏でテクノロジーのブレイクスルーですとか、テクノロジーによって社会インフラが整っていくのがすごく好きなので、そういったものにどんどんかけていきたいなと思っています 。
竹谷:ありがとうございました。
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