
2025.02.18
AIが「嘘のデータ」を返してしまう アルペンが生成AI導入で味わった失敗と、その教訓
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竹谷祐哉氏(以下、竹谷):まず初めに、皆様の自己紹介からお話しいただければと思います。はじめに佐々木さんお願いします。
佐々木俊尚氏(以下、佐々木):佐々木俊尚です。よろしくお願いします。メディアの領域を取材していて、最近はグノシーさんをはじめ、今は色々な新興メディアがでてきて、アメリカでも例えばワシントン・ポストをべゾス(ジェフ・ベゾス氏)が買収したりと、すごい激しいイノベーションが起きつつある状況のなかで、私はこの仕事をやっていて今のグノシーさんの動きに非常に注目しております。よろしくお願いします。
竹谷:では、土屋様お願いします。
土屋益雄氏(以下、土屋):株式会社エアーリンクのマーケティング本部長の土屋と申します。DeNAトラベルというサービスを中心に旅行販売というものを提供させて頂いています。
特に特徴としてはリアルタイムで空席のご紹介ができたりとか、直前の予約ができるとか、海外を中心に旅行サービスというものを提供している会社です。また個人だけでなく法人のお客様への提供もしておりまして、そういった方のコンサルテーションとかそういったものを提供させていただいてるサービスしています。よろしくお願いします。
竹谷:では、中島様。
中島真氏(以下、中島):リブセンスの中島と申します。よろしくお願いします。私はリブセンスを既存事業全般と経営企画を担当しております。リブセンスという会社自体「当たり前を発明しよう」というビジョンのもとに今は人材領域と不動産領域を中心に展開してるんですけども、新規事業の開発にしましても非常に積極的にしている会社になっております。どうぞよろしくお願いします
竹谷:それでは早速最初の質問に移らせていただきます。最近スマートフォンが多く流通しはじめておりまして、各企業でユーザーの変化やそこに対しての新たな課題などありますか? 最初は中島さんからお願いします
中島:よく言われていることなのですが、スマートフォン自体のトラフィックのシェアというのは非常に伸びていて、大多数の他の会社様のサービスもそうなのかなと思います。
その大半がスマートフォンからの流入のユーザー様ということは弊社に関しても変わらない状況であります。行動に変化があったのかと言われますと非常に難しい質問だなと個人的に思っていて、あえて言うと今のところはまだないというのが正直なところかなと。
ただ、わずかながらその前兆は感じていて、簡単に言うとスマートフォンの方がコンバージョンレートが悪いんですね。それはサイト上の課題というのが色々あると思うのですが、ざっくり言うと抽象的にサービスに入って来てくださるお客様が多くなったのかなと思います。
これまでの話にあったようにパソコン側をデバイスとして、すごく主体性を要求していたものだったのに対し、スマートフォンはそれに対してすごく柔らかい状態でお客様との接点が増えつつあるなと感じていて、そこに対する視点を模索するというのは弊社にとっても重要な課題として感じています。
竹谷:ありがとございます。
竹谷:実際にリブセンス様で言うと人材領域が非常に強いと思うんですけど。大体トラフィックは、PCとスマホで言うと割合はどれくらいになりますか?
中島:大体6:4とかそういう感じですね。スマートフォンが6ですね。
竹谷:スマホからの人材流域へのコンバージョンはまだまだ悪いと。
中島:まだまだ悪いですね。我々の強みとして挙げられることなのですが、サーチ経由というのが非常に多くて。まぁスマートフォンの方が現状多いといえば多いのですが。
言葉の入れ方もすごくあいまいで、パソコンのサーチのキーワードはバシッと「これ!」という言葉なんですけども、それに対してスマートフォンだと回答しづらいようなワードが入ってきたりという状況があります。
竹谷:ありがとございます。では、土屋様いかがでしょうか。
土屋:はい、旅行もスマートフォンが伸びています。ただ、まだまだPCが中心のサービスで、旅行そのものはまだまだPC主体なのかなという感じです。
やはり旅行を比較するときにどうしても時間がかかるので、空いてる時間だったりとか、隙間時間で比較検討されている方が多いのが関係しているのかと思っております。
その中で今までPCの場合はどうしても検索エンジン主体だったのが、スマートフォンになってくるとアプリであったりとかSNSであったりとか色々な経路からの流入が増えていて、またそれに対してサービスとしてもどうやって対応していくかというのが、これからの課題なのかなと思っています。
それと特に情報量が限定される中で旅行の場合は色々な情報を提供していかないといけない。そうでないと予約という意思決定にも繋がらないのですが、そういうものをいかに伝えていくかというのもこれからの課題なのかなと思っています。
竹谷:各社旅行業界ですと色々なアプリを展開されている企業様であったり、アプリを全く展開されていない企業だったりとありますが、ここってどうなんですかね。アプリを提供するとなかなか集客コストがかかるとグノシーをやっていて思うのですが。
土屋:そうですね。正直我々もアプリに関してしっかりと提供しているという形ではないのですが……、アプリのひとつの特徴としてユーザビリティをどこまで追求できるかということになって、その後にどれだけ集客に寄与するのかなと言うところなんですけども、本当に果たして旅行に関してネイティブな形で提供するべきなのかについては模索中です。
竹谷:結構グノシーのサービスのプロモーションをずっと見てるんですけど、非常にCPAが以前のWebサービスに比べると高くなってきているなというのを感じております。
以前のサービスからいくとちゃんとコンテツを作って出していくとSEOで入ってくるみたいなことだったんですけども、スマホ時代になって色々アプリが出てきて、アプリでプロモーションをやろうとすると1インストール数百円、数千円とか掛かってしまう。その辺、旅行領域は各社さん結構動きが違うなぁと思っていて。
土屋:そうですね。
竹谷:佐々木様いかがでしょうか?
佐々木:スマホの出現と普及というのは2つのポイントがあって、まず1つはUXですね。ユーザー体験が劇的に変わってきている。
最近アメリカのQuartz(クオーツ)という新興メディアがあって、そこの方が書かれていたんですけども。スマホでよく読まれるのは500文字以下の短文と―まぁこれはわかりますよね、短い方がよく読まれるだろうと―もうひとつは、1,500文字とか2,000文字以上の長いものも読まれる。
1000文字くらいの中途半端なものが1番読まれないということをおっしゃっていて、これなんかはすごく不思議なんだけども。
例えば、これは昔聞いた話なんですけど、携帯電話でWebを作るのときの1番のコツっていうのは、メニューをきちんと作らないで迷宮化させることであると。中に入ってしまうと自分がどこにいるかわからない。そしてあちこち彷徨っているうちにどんどん読み進めてしまう。そういったサイトの設計が良いと聞いたことがあって、今のスマートフォンの中にも多分生きてるんじゃないかなと思うんです。
スマホの中にどんどのめりこむような読み方。例えば、ニュース記事だったらタップしてタップして、次のページ次のページと読むようなPCのUIじゃなくて、スクロールだけでどんどんどんと読み進められてしまう……そうすると気が付けば何1000文字も読んでしまう。
こういった新しいスマホ独自のユーザー体験が出てきている。文字が小さいとかスクロール中心であるとか、様々なUXの変更っていうものがあって、これが旧来のPCの常識を完全に一新しつつあると。逆にPC時代のWebしか作れないようなメディアとか媒体は多分、生き残れなくてですね。スマホをどこまで最適化していくかっていう状況になっているというのが1つですね。
そして、もうひとつがユーザーの数なんですね。PCのWebの時代というのは長く続いたんですけども、当時言われていたのは「2,000万人の壁現象」というのがあって。
例えばFacebookとかTwitterとかも、大体2,000万人ぐらいいってしまうとそこからなかなか伸びない。この2,000万人という数字が何なのかというと、おそらく都市部を中心にPCでWebを見ている人の数の上限がそのくらいなんじゃないの、と言われていたんですね。
で、実際にフィーチャーフォンでゲームをやってたDeNAさんとか、GREEさんのユーザーは4,000万、5,000までにのぼっているわけですので完全にそこを超えてる。今回スマホがすごい普及してPCを持ってる人もスマホは持っていますし、それ以上に大きいのは例えば地方のF3層(50歳以上の女性)みたいな今までガラケーしか使っていなかった人たちまで完全にスマホに流入しつつある。
ということは、ほぼ日本国民全員がかつてのPCのWebがもっていたような市場のニーズにはまり込みつつあるという現象を招きつつあるんではないかと。今ここでスマホでガツンと取ってしまうと一気に5000万とか6000万とかそういう層に辿りつく可能性がある。
これはついには従来のテレビや新聞のようなマスメディアの代替物になってくる可能性も出てきているんではないかと。だから、ひとつ目に言ったUX、ユーザー体験の激変ということと、このマスリーチしつつあるスマホという2つの重ね合わさったところにすごい大きなユーザーの変化というのが起きているんじゃないかと思っています。
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