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2014年11月20日 橋下徹 大阪市長 記者会見(全2記事)

【全文】衆院選出馬は? 匂わせ続ける橋下徹氏と、言質をとりたい記者団の激論バトル【記者会見】

12月の衆院選に出馬するかどうか動向が注視される、大阪市長で維新の党・共同代表の橋下徹氏が11月20日、定例会見に臨んだ。大阪都構想の実現へ向けて公明党と駆け引きが続くとされるなか、自身の出馬を匂わせるだけで、記者団の質問をかわす発言に終始。また自公政権が増税時に導入を決めた消費税の軽減税率導入について、「新たな既得権益を生む」と激しく噛み付いた。

出馬してもしなくても、松井知事と行動をともにする

記者:産経新聞です。よろしくお願いします。

松井(大阪)知事、幹事長のほうが、衆院選の出馬の決断については、出るにしても出ないにしても、橋下代表と行動を共にするということを仰っていて。その発表については会見をわざわざ開かずに、街頭で市民の皆さまに説明するということを今日も仰っていたんですけれども。

代表のお考えとしては、松井さんと同じように、2人で行動をともにする、というお考えなんでしょうか?

橋下徹氏(以下、橋下):行動は一緒ですよ。僕はもう、知事がいなかったら政治なんて出来ないですから。人を束ねたりとか、そういったところは知事が全部やってくれてるんで、知事がいないと僕はこの政治・行政の仕事を出来ませんのでね。

何をするにしても、どっちの方向に行くにしても、それは2人で一緒にやりますけれども。

記者:特に代表のほうで、衆院選への出馬、態度について、こういった(記者会見という)形で発表するといったお考えというのは、今の時点でありますか?

橋下徹:記者会見みたいなのはしません。

記者:同じように街頭演説とかで……?

橋下:それも特段考えてないですけどね。

記者:わかりました、ありがとうございます。

軽減税率には反対 特に新聞

記者:読売新聞です。確認なんですが、行動が一緒というのは、仮に衆院選に出る場合は一緒に出る、ということでよろしいですかね?

橋下:ええ。

記者:それと別件なんですが、自公政権が次の公約で軽減税率を掲げるようなんですけども、維新の党としては、軽減税率というのはどういった評価をされているんですか?

橋下:軽減税率っていうのは僕は基本的には反対ですね。お金持ちの人には消費税をキチッと払ってもらえばいいわけですよ。じゃあ低所得者対策はどうしたらいいかっていうことを考えたら、給付付き税額控除っていうかね、負(マイナス)の所得税みたいな形で、キチッと現金を還元すると。

品目ごとに軽減税率をやれば、どの品目をどの税率にするのかってことで、またここに政治のいろんな利権とか、そういうものが出てくるんでね。

特に新聞業界ですよ。なんですか、あれ。自分のところだけ軽減税率を軽減税率をって、あんな情けないことを読売新聞が中心になっていうっていうのは、情けないですけどね。

新聞の機能とかそういうものは僕は認めますし、多様性っていうのも認めるけれども、軽減税率を新聞が真っ先に言うっていうのはね、そりゃ世界がどうであろうと、日本のこんな財政状況の時に新聞だけ許してくれなんてね、こういうことを許さないためにも、僕は軽減税率なんてのは反対ですよ。

新聞許すんだったら「ウチの業界も」「これは国民生活にとって必要だ」「いやこれも必要だ」って、みんな必要だ必要だって言うに決まってるじゃないですか。業界団体とかそういうのの、自分のこれは必要だ、って言うのを改めるのが政治なんですから。

軽減税率みたいなことをやってしまうと、新聞やらなんやら、特に読売新聞は政権と近いですから、なんとかその主張を通すのかもわかりませんけど、こんなの既得権というか、僕の一番嫌いな不公平・不公正を生む要因になりますよ。

その代わり僕らが言っているのは、所得の低い人にはしっかりサポートをやっていこうっていうことで、給付付き税額控除。いわゆる税金が0の人に対して、これ以上税金を免除することが出来ませんよっていう人に対しては、むしろ現金をしっかり渡して、1年間分のだいたいの生活必需品にかかる消費税分ぐらいはね、キチッと現金で手元に渡るようにする政策が、僕は妥当だと思いますよ。

所得のある人は消費税をしっかり払えばいいだけの話なんですから。軽減税率なんかやってしまったら、所得のある人ない人関わらず、みんな税の軽減の恩恵を受けてしまって、いったい財政再建ってなんだったんですか、っていうことになってしまうんでね。

特に読売新聞が主張する新聞の軽減税率なんて、あんなくだらない主張を排するためにも、僕は軽減税率には反対ですけどもね。

文書通信交通滞在費の公開について

記者:もう1件、別件でなんですが、文書通信交通滞在費は、衆議院が解散になっても、予定通り公表されるんですか?

橋下:これは松野国会議員団会長から連絡があって、事務手続きが今大混乱してるんで、次当選してきた者からやらせてもらいたいと。それはそうだと思いますよ。こんな状況で1ヶ月かそこらのやつを公開することに、今の党の事務局のエネルギーを割くわけにはいきませんので。

これはもう、ちょっと急きょこういう事態になったんでね、次に当選してきた者から公開のルールを当てはめましょうということで、松野会長と話をしました。

記者:もともと想定されていた、10月分からの公表というのは今の現職の方々を対象とせずに、次に当選されてきた方々の使用分から、ということになるんですか?

橋下:まあ、現職が当選してきたら10月分からやってもいいのかもわからないですけどね、それは。ただ落選しちゃった人のために事務手続きをやるかっていったら、ちょっとそれは党としても厳しいんじゃないでしょうかね。ちょっとそこは考えますけど、とにかく今回こういう事態なので、正直、事務手続きがもう追いついていないので、ちょっとストップということにしてます。

ただ今度当選してきたメンバーは、必ず今決めている公開のルールでやりますけども。まあ現職が当選してきた場合には、10月分からしっかり公開するって言ったんだから、その分から公開っていっても、それはそっちのほうが筋が通るんでしょうね。

軽減税率の導入は、新たな癒着を生むだけ

橋下:新聞の軽減税率なんて、そんなこと許したらみんな同じこと言いますよ、そんなの。

新聞だけ軽減税率が許されて、他のものだって「これは重要だ」「これは重要だ」って言って、ヨーロッパとかあっちの方見ても、これはもう意味わかんないですよ。

なんでしたっけ? 温めたものを食べるんだったらそのまま軽減税率適用で、テイクアウトしたらダメ、とかでしょ? 凄まじい、業界と政治がガッチリそこで癒着して、どうせそこから政治資金パーティのパー券を業界団体に買ってもらったりとか、もう目に浮かびますよ、そんなの。

政権与党の軽減税率を決める舞台に、ワッサリともう業界団体が群がってね。なんでそんな事を主張するのか。

本当に日本の国を良くしようとか、税を公平にしていこうって考えるんだったら、軽減税率なんかいくらヨーロッパがやったって、あんなの別にいい制度でもなんでもないんだから止めてしまって、ちゃんと低中所得者のほうに一定の現金が渡るか、税を減額して、消費税分は負担にならないような仕組みを作ろうと思ったら作れるんでね。

所得に余裕のある人は、10%の消費税を払ってもらって然るべきじゃないですか。ちょっとよくわからないですね、新聞業界も。本当に国のことを考えてるんだか、自分のことしか考えていないんだか、情けないとしか言いようがないですけどね。

出馬表明はいつになる?

記者:毎日新聞です。繰り返しになって恐縮ですけれども、まず衆院選へのご出馬、先週のタウンミーティングでは、週内にも、ということをおっしゃられました。そのお考えにお変わりはございませんでしょうか?

橋下:準備が間に合うまで、ということなので、別にいつって期限きる必要もないですから。

記者:それは週明けもあり得る、という?

橋下:まあだから、準備が間に合うまでです。

記者:なるほど、わかりました。

それと、タウンミーティングでもおっしゃられてたと思うんですけれども、都構想を実現するということがひとつの判断材料、判断基準になるのかなと思っておりますが、一方で、市長が出馬に踏み切れば逆に遠のくというような意見も、それこそ維新の内部からも聞こえてきます。そういう指摘に関してはどのように受け止められていらっしゃいますか?

橋下:こんな問題言い出したら賛否両論あるわけですから、最後は自分の基準で自分で判断するしかないじゃないですか。そんなこと、ひとつひとつの意見にあーでもないこーでもないなんて考えてたら、こんなの判断できないわけですから。

あとは自分で基準を決めて、それに照らし合わせて判断すると、それだけです。

記者:で、その基準については心の中に閉まっておくと?

橋下:ええ、もうあります。

記者:わかりました。

納税に納得感をもってもらえるような政治を

記者:日経新聞です。今税金のお話が出たので、ちょっと考え方を抽象的かもしれませんが教えていただきたいんですけれども。

消費税、間接税の議論の場合に、80年代90年代は、直接税を下げて間接税でやっていこう、という考え方がかなり根強かったと思うんですけれども、今は税金、消費税の見直しの場合に、直接税を下げる、つまり所得税等を下げるっていう考え方っていうのは、なかなか議論が湧き上がってこない。

これに対して、たとえば会社員とか学者のなかからも、そこの部分の議論もして欲しいという声があるんですけれども、そのへん、直間比率の考え方とか、税の公平性とかっていうのは、代表はどのようなお考えをお持ちですか?

橋下:それは抽象論で言ってもしょうがないですから、なん%にするかどうかっていうことで具体的な議論になるんでしょうけれども。でも、個人に対しては基本的には間接税でやるべきですよ。直接税でいきなり国民の懐に手を突っ込むようなやり方は、これは極力、抑制的になるべきだと思いますが。

ただ日本の税負担率を考えると、10%未満の税しか負担していない国民の割合が、特にイギリスやヨーロッパなんかに比べても、非常に日本の国の場合には、この10%未満の税負担率の割合が高すぎるんですね。だからやっぱり、所得に応じた税負担っていうものをもういちど見直さないといけないと思いますよ。

やっぱり、税負担能力がある人にはしっかり負担してもらうと。ただそれがやる気を失わせるような、90%だ95%課税だってなったら、それはやる気を失わせるんでしょうけれども、でもやっぱり、所得に応じた負担っていうのはしっかりやらないといけないと思いますけどね。

でも税を納税して、後は納得感。教育が、小中高大まで全額無料でいけるとか、それこそ幼稚園も無料でいけるとか、そういう国になればみんな納得して払ってくると思いますよ。年金だって、老後においてまあまあそこそこの生活が出来ると。ただその場合には、成功した人にはある意味、年金を我慢してくださいねっていう仕組みにしなきゃいけないですけど。

今はなんとなく、払っても納得感が無いんじゃないんですかね。それは大阪府・大阪市のこれまでの、あのバカみたいな箱物作った行政に象徴されるようにね、あんなことを繰り返してもそれはね、国民の皆さんだって税を払うの納得しないと思いますよ。

なんと言ったって政治家のほうが、いつの間にやら報酬カットを戻したり、定数削減もやらなかったりとか。天下りの問題だって国の議論がどうなったのかサッパリわかりませんけれども。

こんな状態で国民の皆さんに負担を、負担をと言っても、これはもう納得しないですよ。文書通信交通滞在費くらい、あれくらいオープンにしましょうって、それすら今の国会議員はやらないんですから。それはみんな納得しないでしょう。

もうやるところまでやって、国会議員、政治家がここまでやるんだったもうしょうがないよね、ってある意味、半ば国民の皆さんに諦めてもらうような、そんな政治家の姿勢が必要だと思いますけれどもね。

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