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【仮想通貨流出問題 今後の対応について】コインチェック 記者会見 2018年3月8日(全5記事)

【全文2/5】コインチェック和田社長らの辞任も視野に入れるのか 「経営体制の抜本的な見直し」について記者から質問

約580億円分の仮想通貨NEMが流出した仮想通貨取引所「コインチェック」。金融庁から2度目の業務改善命令を受け、2018年3月8日に記者会見を開き、今後の対応などを説明しました。

経営陣の責任の取り方は

司会者:それでは、これより質疑応答の時間に移らせていただきます。ご質問のある方はお手をお挙げください。こちらからマイクをお持ちしますので、そのマイクを使ってご質問ください。また恐れ入りますが、質問の前に御社名とお名前をお願いいたします。

なお、できるだけ多くの方からご質問をお受けするために、ご質問はお1人様2問とさせてください。終了時間は17時半頃を予定しております。何卒ご協力のほどよろしくお願いします。それではご質問のある方、お手をお挙げください。

記者1:朝日新聞のサカキバラと申します。よろしくお願いいたします。それでは2点ほどおうかがいいたします。まず1点目は経営責任についておうかがいします。

今回、仮想通貨業界全体に対する信頼失墜のきっかけともなった今回の大量流出ですが、和田代表取締役、あるいは大塚取締役、お二方含め経営陣の責任の取り方をどのように考えていらっしゃるのか。これについて教えてください。

もう1点は、NEMの補償についてですが、「来週中を目処に」とありますが、具体的には、例えば週明け月曜日から順次お客さんに対して返金するのか? それは、この前言われていたように、日本円でいわゆる400何十億円と言われていたと思うのですが、その方針に則ったものになるのでしょうか? 具体的に教えてください。

大塚雄介氏(以下、大塚):私のほうからご回答させていただきます。経営の責任に関しましては、我々のほうで吟味させていただきまして、今回、2回目の業務改善命令のところにも、経営の抜本的な改革という改善命令を受けておりますので、そちらを受けまして、まさにこれから内容を吟味してご報告させていただく所存でございます。

2点目のNEMの補償に関しましては、基本的には前回私たちからご公表させていただいた方針のとおりで進めているかたちになりまして、日本円のかたちでユーザーのみなさまのコインチェックのアカウントのほうに反映をさせていただく所存でございます。

具体的な内容に関しましては、来週の中で細かい説明のリリースをホームページで記載させていただきますので、そちらのほうをご確認いただければと思います。よろしくお願いいたします。

マルウェアに感染した原因は

記者2:日本経済新聞のヨシノと申します。何点かあるんですけれども。マルウェアに感染したのはいつでどのように、メールかなにかを使って感染したのか。そこらへんちょっと1つ教えてください。

大塚:私のほうからご説明させていただきます。マルウェアに関しましては、当社の従業員に対して、メールのようなかたちで送られてくるかたちになりまして、そちらのほうからちょっと感染のほうを受けたかたちになっております。

ちょっと詳しい内容に関しては、捜査状況も含まれてしまいますので、なかなか詳しいところまでお伝えできないんですけれども。

記者2:いつか? いつ受信したもので、その……。

大塚:すいません。そちらはですね……またわかり次第ご報告させていただきたいと思います。

記者2:メールの中身はなんの? 本文は何の内容だったのかというのは?

大塚:本文の中にございましたら、その中身がどこからであったりとかどういう内容だったかというところは、捜査に関係してしまいますのでお答えができないようなかたちになっております。

記者2:あとマルウェアのコードの中に、例えば過去に韓国で使われたものと共通のものがあったとか、ハングルが書かれていたとか、そういった送信者につながるような情報というのは得られているのでしょうか?

大塚:先ほどのハングルかどうかというのは捜査の関係でちょっとお伝えはできないのですが、過去のものと同様であったりというのは、いまのところ事実としては確認できておりません。

記者2:コードとかも別に共通性がまだ見つかっていないということですね。

大塚:はい。

記者2:わかりました。ありがとうございます。

来週中にアカウントに補償を反映する

記者3:時事通信のイシダと申しますけれども。NEMの補償についてなんですけれども、この来週中を目処に実施されるということと、あと先ほど大塚さんのほうからホームページに来週を目処に掲載とありましたが、アカウントに反映されるタイミングは、ある程度来週を目処というところに入っている理解でよろしいのか、まずお聞かせください。

和田晃一良氏(以下、和田):私のほうからお答えさせていただきます。基本的には来週中にアカウントに反映をすることを予定しております。

記者3:わかりました。あと、これまで金融庁の業務改善命令などの中で、業容拡大に体制が追いついていなかったということが指摘されていると思うんですけれども。

これに関して、要はご自身たちで、どうしてその業容拡大に体制が追いつけていなかったのかというところを、もしくは自分たちの成長スピードをある程度コントロールできたんじゃないかというところに関して、今どのように考えていらっしゃるか教えていただけますか?

大塚:私のほうからご説明させていただきます。業容の拡大に関しましては、昨年の10月11月12月頃から、仮想通貨全体の価格が一気に急騰のほうをいたしまして、それによってユーザーのお客様が非常に増えたところになっております。それによって業容の拡大が市場の大きさとともにどんどん大きくなってしまった、というところが実情でございます。

記者3:すいません。それでも他社さんを見ると、ここまでの問題というのはなかなか起きていなかったんだと思うんですね。御社特有の問題として、なにが問題だったのか。その意思決定の過程でなにがズレてしまったのか。そこらへんについてはどのようにお考えですか?

和田:基本的に他社のことについては私たちにはわかりかねますが、私たちとしては、これまで人員の拡大であったり、内部管理体制については強く認識をしており、そこについての投資は基本的に行っておりました。

ただ、その中で、人員の採用がうまく進まなかったり、いろんなところで問題が起きてしまい、このような事案を引き起こしてしまったものと考えております。

経営陣の辞任も視野に検討

記者4:テレビ朝日のマツモトといいます。2点おうかがいします。まず1点目なんですけれども、NEMの返金もそうですし、その他の仮想通貨についても、利用者には無事に手元に返ってくるということでよろしいのでしょうか?

大塚:はい。さようでございます。

記者4:それが来週以降にということですね。

大塚:左様でございます。

記者4:あと、今日金融庁から出された業務改善命令の中の①で「経営体制の抜本的な見直し」とあります。普通に読めばもう経営陣を変えろと言っているようにも見えるんですけれども、現時点でお2人は辞任される意思というのはあるのでしょうか?

和田:こちらについては、内容の詳細が確定次第、ご報告させていただければと思います。

記者4:辞任することも視野に? ……検討はされるということですかね?

和田:そこも含めて検討はしております。

どういう財務状況なのかを公表しないのか

記者5:日本テレビのヒロシバと申します。来週中にもNEMの補償についての目処が立つということなんですけれども。そもそもこれまで補償金額は、補償するにあたってその金額を用意するにあたって、財務状況などを一切開示してないと思うんですけれども、大まかに今の時点でどういう財務状況なのかを公表するお考えというのはありますでしょうか?

それともう1点なのですが、これまでは顧客の資産を預かってきたと思うんですけれども、そもそも顧客の資産と御社の中にある仮想通貨の資産は、これは厳格に分別されていたのでしょうか? それとも途中でそういうような金融庁の指示があったのでしょうか? 以上2点お願いします。

大塚:私のほうからご説明させていただきます。まずお客様からお預かりさせていただいた資金に関しては、別の口座として管理のほうをさせていただいておりました。

ですので先日、日本円の出金の際にも我々のほうで、お客様から日本円出金のほうをいただいたものに関しましては、随時出金対応をさせていただいておりまして、現時点で600億円くらい。お客様のほうにお返しさせていただいております。

こちらに関しましても、お客様の分は別で分けている口座がございますので、順次日本円の出金のほうをいただければ、我々のほうで日本円の出金を対応させていただくかたちになります。

サービスは継続できる

記者6:NHKのナカノと申します。先ほど大塚さんから、「仮想通貨が来週中に手元に戻ってくる」という話がありましたが、「一部サービスの再開」というのは、仮想通貨の引き出しに関しては順次対応していって、来週中に完了するということでしょうか。

大塚:一部となっておりますので、その中のどこのところからというのは、最後の業務の確認のほうをさせていただいておりまして、順次それが確認でき次第、やらせていただくかたちになっております。

記者6:そうすると、今引き出せない状況になっている仮想通貨が、来週から引き出せるようになってくるということだと思うんですが。そうすると顧客の中では、今引き出したくても引き出せない、という方がいらっしゃいますので、そういう方々が一斉に引き出すという可能性もあると思うんですが。

そういう場合に御社として、サービスを続けていく上で、そういう状況が起きてもなおサービスを続けていけるとお考えなのかどうか、またもしそう考えられるのであれば、それはどういう根拠があってそう考えられるのか、教えてください。

大塚:はい。サービスは続けて継続できると考えております。なぜならば、先ほどのお話と一緒なんですが、お客様からお預かりしています仮想通貨に関しましても、別で管理させていただいておりますので。仮想通貨の送金をされる場合にもそちらの中から出させていただくかたちになりますので、サービスの継続はできると考えております。

フィッシングメールから感染した?

記者7:朝日新聞のスドウと申します。マルウェアの感染プロセスの関係で、何点かお尋ねさせていただきたいんですが。先ほど大塚様のお答えの中で「従業員にメールのかたちで送られてきた」とありましたが、これはいわゆるフィッシングメールということでよろしいんでしょうか。

大塚:何メールでしょう?

記者7:フィッシングメール、ということでよろしいんでしょうか。一般的に言われている。つまりウイルスとかの感染を誘発させるために、あえて悪意を持って従業員に送られたようなメールの中身であった、ということでよろしいんですか?

大塚:はい、我々としてはそういう認識をしております。

記者7:なるほど。このメールは、ここ大事なんですけども、コインチェックのある特定の従業員に対して送られたものですか? それともコインチェックの従業員の、いろんな方に送られているものなんでしょうか。

大塚:現時点では、複数の者に送られていることが確認できております。

記者7:それはいずれも同一のメールが、同報されるかたちで送られているわけですか?

大塚:すいません、ちょっとそこ……同じものが複数の者に行っているかというのは、ちょっと確認させていただきたいと思います。

記者7:なるほど。それとですね、そのメールというのはコインチェックに宛てられた特定の中身に類するメールなのか、それとも仮想通貨事業者に広く送られるような、汎用的な内容だったか、どちらでしょうか。

大塚:汎用的な内容ではなかったと認識しております。

記者7:そうすると、あくまでもコインチェックに宛てたような内容で送って来ていると。

大塚:そのような文章だったと思います。

記者7:なるほど。それと「当社従業員の端末にマルウェアを感染させ」とありますが、この「端末」というのは「社員のパソコン」ということでよろしいんでしょうか。

大塚:左様でございます。

秘密鍵はNEMのサーバ内にあった

記者7:感染規模は1台ですか、複数台ですか?

大塚:複数台。

記者7:それは、最初にメールを開いてしまった方がウイルスに感染して、社内のネットワークを介して次々と端末に感染したような、そんな動きが見られるんでしょうか。

大塚:そういう動きではなさそうでございました。

記者7:ということは、送られてきたメールを複数の方が開いてしまって、時間的なタイミングはともかくとしても、同じようなマルウェアが同時に感染してしまったようなイメージでしょうか。

大塚:イメージとしては、そのようなかたちになります。

記者7:わかりました、それとですね。

司会者:大変恐縮ですが、ご質問はお一人様2問までと……。

記者7:もう1個だけ! 「秘密鍵を窃取された」とありますが、この秘密鍵というのは御社の従業員の端末にあったのか、NEMのサーバーの中にあったのか、どちらなんでしょうか。

大塚:従業員ではなくて、NEMのサーバーのほうにございました。

記者7:どうもありがとうございます。

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