2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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記者1:ブルームバーグのナカムラです。仮想通貨交換業者の登録なんですけれども、9月末までにしないと営業ができないという理解なんですけれども、御社は9月以降もずっと営業してきているんですけれども、9月以降営業ができた、登録にならなくても営業ができた背景。例えば金融庁と特別な話し合いがあったのか、そのへんをちょっと教えていただけますでしょうか?
堀天子(以下、堀):法律のことなので私が申し上げますが、資金決済法上、経過措置の適応を受ける施行前に事業を行っていた事業者につきましては、9月末までに本申請をすれば事業を継続できるという規定がございます。
したがいまして、当社としては本申請は9月末までに完了しており、その後、審査が完了した段階で登録が済めば、これは事業を継続できるというのが法律の定めでございます。それに則って、適切な審査を行っていただいておりました。
記者2:今、残っているお客さんのウォレットにはマルチシグ(マルチ・シグネチャ)はかかってないっていうことなんでしょうか? NEMのところは盗られましたけど、まだ残っている他の仮想通貨のウォレットにはマルチシグはかかってない?
和田:はい、一部の通貨にはかかっております。
記者2:なんの通貨ですか?
和田晃一良氏(以下、和田):ちょっと今すぐには確認はできないんですけれども、なるべく通貨としてマルチシグに対応しているものは、基本的に対応するようにしております。
記者2:じゃあ、かかっているものとかかっていないものがあるんですか?
和田:かかっていないものも、通貨の性質上ございます。
記者2:あとすいません、もう1回だけ。この顧客資産がなくなった場合に、コインチェックさんがどのように保証するかという規定は、取引所の規定を見ればわかるわけなんですが、その規定そのものが今ないんですか? それともどこかに規定は書いてあるんでしょうか?
堀:今回の原因等を究明して、その責任の有無、そして範囲、それから方法については会社の方で検討をしているところでございます。
記者2:規定そのものはあるんですか? 一般的に顧客資産がなくなった場合に、コインチェックはどのように対応します、という規定はあるんでしょうか?
堀:利用規約上の条項というのはございますけれども、本件の事態に即してこういう対応をします、という条項はございません。
記者2:じゃあケースバイケースですか?
堀:そうですね……ケースバイケースというか、お客様の資産の保護を第一に検討していくという所存でございますので、規定もそうでございますけれども、会社としての方針を今後協議して、決定して出していくということでございます。
記者2:ありがとうございます。
記者3:(仮想)通貨をいくつか扱っていると思うんですが、その中でなぜNEMが狙われたんですか? 技術的な話なのか、セキュリティの話なのか、そのへんも少しおうかがいできればと思います。
大塚雄介氏(以下、大塚):なぜ狙われたかというのは、正直わからないです。
記者4:日経のシマダです。ちょっと繰り返しっぽいところがあるんですけれども、580億円という金額を保証するということですけれども、「取り返してお返しします」という以外に、全額保証する手段は持ち合わせているんですか?
大塚:それで言いますと、保証なども含めて現在検討中でございまして、そうですね、そこも含めて検討中というかたちでございます。
記者5:読売新聞のサカモトと申します。夜から渋谷の会社の前にたくさんの利用者の方が集まっていて、その方々もまず日本円、「キャッシュだけでも出してもらえないのか」というお話をされている方も複数いましたけれども、日本円も他の仮想通貨と一緒にロックされている理由はなんなんでしょうか? 先に日本円だけでも引き出せるようにする可能性というのはあるんでしょうか?
大塚:そこも含めて、どのような対応が一番お客様にとって最適なのかというのを検討している状況になっております。
記者5:どのようなことを最優先で(対処するのか)? お客さまは不安だと思うので、キャッシュだけでも引き出せるようにすることが、お客さまにとって一番の安心だと思うのですけれども。なぜ、それすら叶わないのでしょうか?
大塚:そこも、どういう対処をしたほうがいいのか検討したうえで、対応させていただきたいと思っておりまして……検討している最中でございます。
記者5:それは、キャッシュを下せない? キャッシュを下す作業にあたって、また何かリスクがあるんですか? 今おっしゃったのは。
大塚:そういうわけではなく……。全体としてどういう対応をさせていただくのが、一番お客さまにとっての資産保護となるかたちなのかということを、検討している段階でございます。
記者5:ちょっとすみません、NEMの取引については、今調査中とのことでしたけれども。他の取引所のみなさんも、登録者数は公表されていると思うのですけれども。その登録者の数字だけでも、教えていただけますでしょうか?
大塚:そちらを公表するかどうかも含めて、株主も含めて、協議が必要となってきましたので、今の段階では、ちょっと申し上げられない状態になっております。
記者5:……なんでですか?
大塚:株主も含めて……それを伝えさせていただくかどうかも含めて、協議しているかたちになりますので、ちょっと今の段階ではお答えできないかたちになっております。
記者5:登録者数を公表することで、何か変わることがあるんでしょうか?
大塚:私たちの一存では決められないところもありまして、ちょっと株主を含めて、そこを……どういう情報を出していくかということを含めて、今確認をしておりまして、検討しているところでございます。
記者5:こちらも【聞き取り不明】の話が出ておりましたけれども、SIMはいつの段階で停止するのでしょうか? それとも、継続するのでしょうか?
大塚:SIMに関しては、気づいた時点でいったん停止しております。
記者6:時事通信のイシダと申しますけれども。金融庁に登録申請をされて、だいたい登録処理日数というのは2ヶ月程度と言われていますが、御社の場合は倍かかっています。それに対して何の疑問も抱かなかったのか? あれだけCMをガンガン打っている状況というのは、ちょっと良識が欠けているんじゃないかと思うのですけれども。登録申請の段階で、まだまだ体制が整っていないということですか? なぜこんなにガンガンCMを打って、突き進んでしまったのか、ご自身たちはどうお考えですか?
大塚:まず、登録申請ないしセキュリティに関しては、経営上最優先でやっておりました。まずそこを最優先でやっていたうえで、さらにお客さまにも使っていただきたいというところで、同時並行で……優先順位としては2番目ですけれども、お客さま向けのCMもやらせていただいたかたちになっております。
記者6:なんとなく、この状況は続いている……登録申請日数も2倍になるような状況でお客さまをどんどん呼び込むというのは、もしかしたら「登録はだめだ」と言われるリスクもあるかもしれないし、慎重に検討すべきだったんじゃないかなと思うのですが。そのあたりは?
大塚:先ほどの回答と重複になってしまうのですが、私たちとしては申請するという見込みでございました。
記者7:ナカムラと申します。今後、事業そのものを継続できますか? 破綻の手続きなども考えられますか?
大塚:基本的には継続するかたちで、今は検討しているかたちでございます。
記者7:今、手元の資金……自分たちで使える現預金の、手元の流動性はどれぐらいでしょうか?
大塚:そこの数字も……重複しますけれども、具体的な数字を今確認中でございます。
記者7:580億円を仮に日本円で返すとなったときに、手元にその分はありますか?
大塚:その方法も含めて、今検討しております。
記者7:今、手元に600億円ぐらいあるんですか?
大塚:その具体的な数字というのは、私たちだけで決めることでは……株主も含めて、どこを公表するかも含めて、今確認中でございます。
記者8:御社の株主構成を教えてください。
大塚:代表取締役の和田晃一良、私、大塚雄介、ベンチャーキャピタルのインキュベートファンドANRI、投資ファンドのWiL Fund。以上でございます。
記者8:おそらくお二人(和田氏・大塚氏)は、相当の分をお持ちじゃないかと思うんですけれども。いかがでしょうか? 株主と言っていますけれども。しかも、代表とCOOですよね? お二人、相当お持ちになってますよね? お二人、筆頭株主で相当持たれていますよね? 「株主と相談する」と言ってましたけど、本当に相談するんですか?
大塚:それは、ちょっと公表する話ではないと思っておりまして。ただ、我々で決める話と、株主を含めてちゃんと協議しなければならない話でございますので。我々も含めて、ちゃんと株主と確認しながら、伝えられることは伝えていこうと思っております。
記者9:テレビ東京のタカハシと申します。今回のセキュリティに関してなんですけど、セキュリティ面で一体どれぐらいの投資をされてたのかなっていうのがあるんですけど、どのぐらいの規模感でやってらっしゃったんですか?
大塚:規模感とかどれぐらいってどう伝えたら……。
記者9:売上の何割ですとか、実際に金額ベースでも構わないですけど。
大塚:それで言いますと、私たちのセキュリティないし開発っていうのはどこかに外注しているっていうものではないので、中で全部作っているかたちになっておりますと。なので、ちょっとすいません、規模感としてどれぐらいっていうのはですね……。
記者9:何人ぐらいのチームなんですか?
大塚:全体が80で、開発者が半分以上の40ぐらいいまして、それが全部セキュリティも含めて開発のほうにあたっているかたちになります。
記者9:保証の点で、実際これから顧客の方たちと実際に話し合いの場を持たれる予定とかってありますか?
大塚:それも含めてまず保証するのかどうか、保証する方法も含めてどう対応していくかっていうのを今、検討のほうをしているかたちになります。
記者10:日経新聞です。去年、韓国で取引所のコインが流出して、去年末には取引所の倒産とかもありましたが、そういった状況にあっての、とくにその、「うちはセキュリティが高いんだ」ということで、それで議論が起きて、「うちやばいな」という感じにはならなかったのか。そのへんどうなんでしょうか。
大塚:もちろん危機感はありました。仮想通貨の取引をやっている以上、他の取引所の状況は理解しておりますので、そのような状況が起こる可能性というのはあると思って危機感はもちろん持っておりました。
記者10:それを受けて、セキュリティをどうかしなくちゃいけないということには至らず、「うちはセキュリティが高いんだ」という安心感はあったんですかね。
大塚:そこで「私たちはセキュリティが高いんだ」と自分たちを驕っていたことはぜんぜんなく、セキュリティは高めていかなければいけないという認識はございました。
記者10:それをなぜやらなかったんですか。
大塚:やらなかった……まあ、やれる範囲……先ほどの和田の説明と重複になってしまうのですが、やれるところで、最善のなかでのやることを行ってございました。
記者11:日経新聞のハラダです。御社は昨年もシステム障害を何度も起こして1回はロールバックをしていると思います。今こういう事件が起きて、振り返ると、もう少し早くセキュリティを強化すべきだったなと思うことはなかったんですか。
大塚:えっと……セキュリティは、たぶんみなさまご説明の全体に置いてたと思いますけれども、セキュリティは最優先であり、それは経営上も最優先事項だという認識はもちろんございました。
記者11:NEM財団をはじめとして、マルチシグを導入するように推奨されてましたよね? その通知を無視して、経営を続けてたことに対する経営責任っていうのは、お感じにならないのでしょうか。
大塚:マルチシグを行うという認識もございましたし、それをやらなければいけないという認識も持っておりまして、それも対応する予定のなかに持っておりまして、それも優先順位を高く持っておりました。
記者11:経営者として過失がなかったと断言できますか?
大塚:過失ということは……そうですね……。
堀:現在、原因関係も含めて調査中でありまして、そういった評価につきましてはこの場では差し控えさせていただければと思います。
記者12:毎日新聞です。【聞き取り不明(NEMに関して?)】どれぐらいの資産を、何人が持ってらっしゃったんでしょうか。
大塚:だんだん質問が重複してきてしまっているところもございますが、そこに関してはまず、どれぐらいかっていうところを今確認しておりまして、先ほどのどれぐらいの人数がいるかっていうところは、どう公表するかも含めて株主と一緒に今検討のなかでございます。
記者12:要は、ホームページでは(ビットコイン取引)日本最大だとうたっていたと思うんですけれども、それはどういう根拠なんでしょうか。たぶん把握されてるからではないでしょうか。あともう1つ、代表取締役とCOOの方がいて、なぜ株主に相談する必要があるのかよくわからないです。基本情報だと思うんですけど。
大塚:まずですね、日本最大級と申してますのは、ビットコインの現物の取引高が、我々が客観的に見た数字から見て、「最大級」というかたちで使わせていただいています。あと先ほどの株主との確認でございますが、私、代表取締役の和田がおりますが、株主とも確認をしてそれを出すかどうかというところを検討した上で……出すということを検討して確認中です。
記者12:企業としてそういう開示性で臨みますと。すごい基本的なところだと思うんですけれども、それをCEOとCOOがいて、株主と相談しないと出せませんという姿勢ということですね。
和田:現在、開示するかしないかも含めて検討をしております。
記者12:「株主に相談する」というのが回答だということでいいんですね? とうかがってるんですけど。
和田:はい。そこは私たちとしては検討する必要があると考えております。
※続きは現在書き起こし中です
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