2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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小室哲哉氏(以下、小室):(妻・KEIKOの介護で小室氏が体調を崩す)そんな中、今回の報道のA子さんのクリニックは早朝であったり、普通の病院でいう昼休みであったりとか、ときには深夜イベント終了後であったりとか、ホテルの滞在の場所であったりとか、複数で来ていただいたことも、もちろんあります。
どうしても不可能なときとかに看護・医療として、A子さんが往診に来てくれる日がたびたび増えてきました。
当たり前ですが、非常に体調が悪くて、急な往診の依頼とかもしてしまい始めたのはそのくらいです。当然という言い方はちょっと違いますけど、自宅でKEIKOがいるときにも往診は複数回来ていただいています。残念ながら(KEIKOの)記憶にちゃんとないという話は聞いていますが、実際は現実としてはそういうことがあります。
そういったことも含めて、ここからは僕の甘さがでてきますが。なんとなく「容認してもらっているのかなぁ」というところもありまして、とくに突然依頼するときとか、スタジオとかそういった場所で、今お話ししたように、ついつい普通の雑談であったりとか会話とかそういったものを女性とする機会というのがほぼない状態が何年も続いていたので。
いろいろ話をしてしまったりとか、メンタルケアというのはきれいな言い方ですが、言ってみれば雑談に付き合ってもらったりとか、そういったことで普通の病院の看護師さんの方にはそんなことに付き合ってもらえるわけもなく。
確実に僕の甘えなんですが、それに付き合ってくださった。A子さんが雑談を聞いてくれて、点滴もあります。すべて薬事法に基づいた医師の指示に従ったものです。
ただ、その施術の前後であったケア……という言い方はきれいですが、いわゆる雑談みたいなことで心のゆとりであったりとか、笑い顔みたいなこと。僕が普段できないこと、話せないこと、なんとなく楽しめないこと。
みたいなことをついつい、そういうところで時間を費やして、お世話になってそういう話を聞いてもらったりとか。次の音楽を作るまでの間の時間を空けていただいたりとか、そういう日々が17年の8月の後半くらいからですかね、始まり、続きだしまして。
当然……当然なのかはわかりませんが、看護師さんという立場から雑談を、相手の方も少しずつ自分のこともお話をしていただくようになったりして、非常に仲のよい、一番信頼できる看護師さんということに、だんだんなってきてしまいました。
そういった経緯なんですが、当たり前ですが、通常でもあることなんですが、先生ではなくで看護師さんで、女性であって。そういうところにお医者様と2人になることは、もちろん多々あるんですが。そこで女性の看護師さんが同席するということで、当たり前ですが誤解を与えてしまう行動というのは当然であって。
そこにスタッフの人間であったり、いろんな人間がいてくれることも多々あったんですが、施術のときであったりとか、いわゆる一般のみなさんのおっしゃる密室というところですか。というところでの施術っていうのはスタッフも外にいるしかないみたいな。
(小室氏の周りに)管理の人間だったりとか、そういう人間は必ずいることがほとんどだったのですが、確実に誤解が生じ、誤解を招いてしまいましたし、報道によりますように時間が長すぎるのではないかということであったりとか。(会う)場所もそうです。
当たり前ですが誤解というよりは、「怪しい」「おかしいんじゃないか」ということになってるのは当然だと思います。
さきほどC型肝炎という話をさせていただきましたけど、それから当たり前ですが、体調不良で来ていただいて、女性として来ていただいたことは一度もないので。精神的なこと、医療のサポート、それから僕が体調不良で非常にお恥ずかしい話なんですけど、男性としての女性を呼び込みたいというような欲求というものとは、ちょっとかけ離れておりまして。
これは心から本当にそうなんですが、そういうことではないので、男女の関係というのはまったく考えてないです。ありません。間違いなく誤解を生じさせてしまいましたし、往々にしてそういう男女であり得ることを想像させるような環境だったと思います。
これを最近、みなさんで使ってらっしゃる言葉で、非常に使わせていただきますが、不徳のいたすところ、という言葉以外にはありません。本当にそこは重々承知しております。申し訳ありません。
世間のみなさんに不快な思いをさせた。とくにみなさまそういった環境にある方とかには不快な思いをさせているなと思いますので、お詫び申し上げます。
体調不良は、本日も変わらず、残念ながら耳鳴りがどうしても治らなくて。ここ最近は音楽制作の締め切りも滞ることが今までなかったんですが。最近は3日、1週間、締め切りや納期が滞りはじめまして。「小室哲哉だったらこんな曲を作るだろう」「こんなことをやってくれるだろう」。期待に応えられるのかどうか、17年の秋くらいから自問自答する日々でした。
とくに歌手の方に提供する楽曲が、評価がいいものになってくれるか、その歌手の方のためにいいものになるかみたいなことで1週間くらい悩み、やり直しみたいな日々もたくさんありました。本当にそれは10年前、20年前、90年代のころには考えられなかったことなんですが。なんでだろうなとは思っているんですが。
公務員とかのみなさんが基本的に定年というのが60歳、65歳という方もいらっしゃるかもしれませんが。去年58歳の時点で、59歳になる、2018年には還暦になるというか、60歳というのを迎えるというところで。やはりある種、60歳というのは1つ大きな節目なのかな。才能、能力、こういったとくに「創作とかではどうなのかな」という疑問が出てきました。「期待に応える音楽制作のレベルなのかな」ということ。
どなたがダメだとか、そこまでもはっきりわからず。正直やり直し、やり直しということも増えてきました。やっとの思いでできあがった次の日が(別の)仕事ということが多くなりました。
簡単にいうと不安、懸念、自信のなさ、ということが日増しに増えてきまして。KEIKOにもずっと簡単な言葉ですが、悩みは言いましたが。もともと先ほどお話ししましたように、もともと音楽に興味がない人になっているので、「そうなんだ」ということぐらいのことだったのかなと思いまして。いくらでも不安な日々は続きました。
そんな中、医療・精神的な知識を持ったA子さんというのが、片方では、そういうことをなんとなくサポートしてくれるような日々が続いてしまいまして。年末年始、17年から18年には、ついつい相談事とか頼ることに、とくになってしまいました。
さきほど申しましたけど、そういった誤解を招く、不徳のいたすところという環境のなか、年末に風の噂なのかな、わからないですけど。自分も正直なにからかわからないですけども、なにか「こういった事態が起こるだろう」という胸騒ぎはしていました。「こんなことをしてまかりとおるわけがないな」という気持ちをずっと持っていました。
思っていたんですが、自分の体調と、わかってもらいたいんだけど、わかってもらえない。聞いてもらいたいんだけど、聞いてもらえないわけでないんですけど。聞いてはくれるんですけど、「理解をしてもらっているのかな?」と思う妻。
ピアノのフレーズをちょっと弾いても、30秒も聞くのがもたないくらいの妻、奥さん。というところの環境で、そんなところで非常に依存が、彼女(A子さん)のほうに強くなってしまいました。
そういったピーク、自分でも胸騒ぎというか「もうここまでだな」と思っていた、ちょうど本当、矢先というかタイミングというか。そういうことなのかわかりませんが、週刊文春さんが……。僕から言ったら「戒めみたいなことなのかな」と、今思っていますが。
もう1回、2010年に遡らせていただきます。2010年に、僕は今こんなすごい席に立たせていただいていますが、2010年には裁判所にいました。
それを、もう亡くなられましたが、裁判官から主文を聞いて、執行猶予付きだというものの有罪判決ということになって、「がんばりなさいね」「がんばるんだよ」というふうな叱咤激励を裁判官にされました。その時の判決を聞いた時のような気分に、文春さんの取材を受けた時に、同じような気持ちを抱きました。
僕は珍しい、稀な、こんな状態の人間で。こういった職業をさせていただいているのは本当に恵まれた存在なんですが。自分の思い込みなんですが、そういった「罪もあれば、必ず償い、罰も受けなければいけないんだな」という感覚は、2010年の時にひしひしと感じたことなので、その時と同じ感覚を持ってしまった現在であります。去年から頭をもたげていました。
音楽生活が自分にとって本当に優れたものなのか、優れていないものなのか? こういう定年に近い人間が、今の現代のこのすごいめまぐるしい状況のエンターテインメント業界の中での役目がなにがあるのか? そういった「引退」みたいな言葉というのがどんどん頭をもたげてきまして。
常に頭に浮かんでいたのは、みなさまに「お疲れ様」と言っていただいているような、祝福を受けまして、グラウンドの中に立ってスポットライトを浴びて、「長年ありがとうございました」というような、アスリートの方とか野球選手の方とかの引退セレモニーみたいなことを夢を見た日々も、ここ1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月は正直ありました。
しかし、自分の甘さからそういう環境ではなく、こういったすばらしい場所ではあるものの、決してみなさま、そういった勇退される方とはかけ離れたこういった状況で。
今回の報道による罪を償うとともに、自分の身体的な限界であったりとか、それからこの音楽業界、エンターテインメント業界に僕の才能が本当に必要なのかという、「もはやここまでかな」「ほかに音楽の新しさみたいのが作れるものがあるのかな?」という自問自答をずっと続けてきましたが。
報道されたというか、「報道していただいた」という言い方かもしれませんが、僕は音楽の道を退くことが、私の(償う)罪であると思いました。
年末、つい最近まで自分が作り上げた楽曲、子どものようなものですけれども、やっぱりその中でも愛着がある楽曲もあります。自分でも「出来栄えがよかったな」「いいんじゃないかな」という曲もあります。
エイベックスにとっても非常に大事な曲もあるのかなと思うときもあります。ほかのレコード会社、アーティストの方にとっても大切な曲だなと思ってもらえる楽曲もあったかなと思います。
そして、今後も「この曲いいよな。歌いたいな。聴いてみたいな」とか、そういうふうに思ってもらう曲もあるのかなと思っています。そういう楽曲は退かないで生きていってほしいなと思ってまして。僕のものではなくて、その楽曲はその歌う方のものなので、その方が活かしていただけるものであるのであれば、そうなっていってほしい。
……と思えば思うほど、僕の今のようなふらついた考え、自信のない考え、芳しくない体調。そういうことでのネガティブ、否定的というか、あまり明るくない、こういった状況みたいのが、そういった自分が作った曲に影響がいってしまうのは、一番僕が望んでいない、今の中で僕が一番望んでいないことです。そういった恐怖観念もありました。
少しというか、1年以上、もしかしたらもう少し早まってしまったんですが、作曲家というか音楽家というか。というのをはじめ、音を作るのは僕の仕事ですし、ライブ演奏であったり、すごい技術があるわけではないですが、ピアノであったりとか、そういったライブ演奏であったりとか、そういった音楽に関する仕事をすべて退きまして。
今回ご迷惑をかけたことを、僕はついついどうしても罪と罰ということで、罰ということに置き換えてしまっていまして、そういうふうな認識としまして。
現在、引き受けさせていただいている仕事はたくさんあります。もちろんみなさん、そういう方とは直接にはまだお話をしてないですし、まだまだ解散しているグループではないプロジェクトもあります。
そういう方たちとの話し合い、それからどういった思いを抱いていただいているかを聞かなければいけないんですが、それは望まれるのであれば、期待に応えるべく最低限のことを全うしてはいきたいと思っていますが、自発的な音楽活動は……本日をもって退こうと思っています。
元は芸能人になりたくて始めたわけではなくて、音楽をやりたくて始めた身で。自分もヒット曲を作る人間なんだということを思ってやっていたわけではなく、好きな音楽をある程度やれたらいいなと思って始めたものなんですが。
90年代の自分でも今でもまったく想像がつかない枚数であったり、売上であったりとか、そういうことによっての過信であったり、そういうものから来る慢心というんですかね。そういうことだったりとか。
枯渇していっている能力、自分でも飽きてきている、みなさんも飽きてきているという、そういった認識の甘さだったりとか。そういうことから約20年経っているので、お騒がせした今回の意味も含めて、そこそこの時期が過ぎたのかなぁと思っています。
メンバーや近い人間と話をするのが、最初であるべきかもしれなかったんですが、メディアのみなさまを通して応援してくれる方、支援してくれる方、一般の方、興味を持たれている方、興味を持たれていない方も含めてみなさんに報告を知っていただくことになるので。
まずはみなさまのカメラ、映像などを通してお伝えするのが先決かなと思いまして、本日急きょ、こうやって集まっていただいた次第だと思っています。
この言葉だけではまだまだ足りないのですが、今音楽を依頼していただいているみなさんとこれからお話をしなければいけない。メンバーもそうです。とくに妻のKEIKO。当然昨日まで経緯を話していますが、これから熟慮してどうやっていこうかということを少しだけ時間をいただきたいなというのが、甘いですが、考えです。
僕は基本的にテレビを中心とする芸能の方の仕事とは多少違うので、「本日退きます」と言っても、この夕方から姿を消すということがなかなか見えにくい職業でもあるので。たびたび重ねてお話させていただいていますが、今回みなさまも含めて、みなさまの向こう側にいらっしゃる、応援してくれたり、「いいな」(という声)であったり、興味を持たない方も含めてご迷惑をかけた償いとして音楽生活の引退発表とさせていただきます。
僕にとって、今までのみなさんの報道の対応の仕方とは、少し様子が違うかもしれません。取材を受けてまだ5日しか経っていないので、今後の生き方であったりとか身の振り方などは少しお時間をいただいて考えたいと思っています。
そこにはKEIKOのことも含めてですが、一緒に考えていきたいと思っています。勝手な苦渋の決断ではあります。本当に。でも、今回のお騒がせした中での僕のかたちの償いではこれが精一杯です。
これからどれほど生活水準が下がったりとか、どうなるのかとかは計り知れません。まだまったくわからないですが、ただこういった場所で、こうやってみなさんに注目していただけるようなことは、もしかしたら今日が最後なのかなと思っております。実直に受け入れようと思っています。
TMネットワークから始まって今年で35年になりますが、本当に関係者のスタッフの方からメディアのみなさまがいなかったら、世の中に僕の音楽が広がるわけもなく。本当にお世話になったと思っています。35年近く、本当にありがとうございました。心から感謝しています。
まだ1週間足らずなので、戸惑いも正直ありますが。まずはみなさんの報道というものを通して、その向こうにいる方たちに知っていただくのが先決かなと思って、今ここに座ってしゃべっております。少し長くなりましたが、本当に心より感謝します。ありがとうございました。
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