2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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記者2:朝日新聞のムラセです。羽生竜王、どうもおめでとうございました。
羽生善治氏(以下、羽生):どうもありがとうございます。
記者2:これまでたくさんの実績を積み重ねてこられて、今回の受賞にいたったということかと思うんですけれども、2点うかがいたいと思います。ご自身でここまで一貫してやってこられた哲学と言いますか、棋士として心がけてやってきたことがあれば、うかがいたいのと。
あとは、デビューされたころと将棋の環境もだいぶ変わりましたけれども、改めて将棋の魅力が以前と最近とで、どのように変わってきているのか、今後どうなるかというこの2点をうかがえますでしょうか?
羽生:そうですね、将棋の世界はやっぱり非常に変化が速い世界だという認識を持っています。ですから、過去にどんな実績があろうとも、今ある潮流に乗り遅れてしまうと取り残されてしまうということが常にあるので。
自分自身では挑戦していく気持ちと言いますか、まあ負けることがあっても、結果が出ないことがあっても、自分なりに思い切ったことをやっていこうという気持ちを極力失わないように続けてきたつもりではあります。ただ、時には保守的になってしまうこともあるのが実情です。
2つめの質問ですけれども、やはり棋士になって30数年ですけれども、本当に将棋の世界を取り巻く環境が変わったと思っています。本当にさまざまなメディア、かたちで将棋を取り上げていただいたり、あるいは中継があったり、あるいは将棋は指さないけれども見るファンの人が増えたり。
本当にそういう環境が大きく変わってきた。やはりこれはたくさんの人が日々の生活というのはなかなか忙しいと思うんですけれども、その合間合間のちょっとした時間の中の憩いのひとときとして、将棋というものがあり続けられたらいいのではないかなと、個人的には思っていて。
そのための環境と言いますか、そういうことも、これから先は大事になっていくのではないかなというふうにも思っています。
記者3:羽生さん、おめでとうございます。国民栄誉賞と聞いてイメージするもの、あるいは過去に23個人と、1団体受賞していらっしゃいますけど、イメージされる方、それの理由を含めてうかがえますでしょうか。
羽生:そうですね、一番最初にイメージするのは野球の王(貞治)選手です。私が小学生の頃にホームランの記録ができるかどうかというようなことが、非常に騒がれていた時期で、そういう意味では王選手はそうですね。
ただ、なんていうかまさか自分がそういうような賞をいただけるようになるとは、夢にも思っていなかったので本当に今回の出来事はたいへん驚いていますし、同時にありがたいことだなと思っております。
記者4:東京新聞のヒグチと申します。先ほどもありましたけど、「国民に夢と希望を与えた」というのが選考の基準となるんですが、ご自身で王監督の話が出ましたけど、ご自身が人に夢や希望を与える存在として将棋を指しているということは、先生はどんなふうにお感じになられたのでしょうか?
羽生:私自身は一生懸命将棋を指してきて、実際ファンの方々がどんなふうに受け取ってくださるのかっていうのは、なかなか深く知るということはないんですけど、もし、少しでもそういったことを感じていただくことができれば、棋士冥利に尽きることだと考えていますし。
そういうものをこれから先作れるように激励の意味も、今回のお話にもあったんではないかと私自身は受け止めています。
記者4:もう一問だけ。受賞の話が出たあたりから、ファンや広い国民のみなさんからのお祝いや反応で、先生の方になにか印象に残ったものはありましたでしょうか。
羽生:そうですね、昨年竜王戦からたくさんのみなさまに祝福のメッセージ等をいただきまして、本当にこういう人たちの支え、応援があったからこそ達成することができたんだなということを、しみじみと実感したときでもありましたし、やっぱりそれが自分自身もまた、これから先、前に進んでいく原動力にしなくてはいけないなというふうに思いました。
記者4:ありがとうございます。
記者5:東京スポーツ新聞のタカナシと申します。先ほどの囲み取材で、将棋に集中できるように家族がサポートしてくれているというようなことをおっしゃっていましたけれども、具体的にどんなときに、とくに奥様の協力を感じるでしょうか?
羽生:そうですね、まぁ棋士というのは、なんといいますか、ふだんは非常に地味というか地道な活動というのが非常に多いわけなんですけれども、実際はかなり長丁場で体力とかも使いますので、その食事の面で気をつけてもらったりとか。
あるいは、タイトル戦のときには和服を着て対局をするわけですけれども、そういうこともきっちりと準備をしてもらって、いつも万全の態勢で対局に臨めるように本当にきめ細かく神経を使って気を使ってもらっているので、本当にありがたいなというふうに思っています。
司会者:最後の質問になります。次の方。
記者6:共同通信のイケマツです。羽生さん、19歳で初タイトルをとられて、昨年、永世七冠と。今年48歳になりますけれども、ずっとトップを走っていらっしゃいます。この秘訣というのはご自身でどういうふうに思っていらっしゃいますか?
羽生:そうですね、自分自身がいつも思っているのは、例えばマラソンとかを走っていたときに、トップになる必要はないとは思うんですけれども、トップ集団にいるということが非常に大事、常に大事になるのではないかなと考えています。
その集団の中にいるなかで、切磋琢磨して、そのときそのときの流行のものであったり、最先端のものであったり、そういうものを取り入れていきながら前に進んでいくということを心がけてやってきたつもりです。
司会者:ありがとうございました。以上をもちまして本日の記者会見の方は終わらせていただきます。みなさま、本日はお集まりいただきまして、ありがとうございました。
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