2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
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記者6:産経新聞です。2点ありまして、2日の会見で社長は「安心してお乗りいただける」とご発言がありましたけど、今回も34,000台少なくとも安心して乗れるのかどうか、それのご認識と。あとは事実関係の部分で「完成検査員に任命されていない作業員」という表現があるのですが、これはすべからく従前日産さんがおっしゃっている、いわゆる「補助検査員」という理解で良いのか、それともまったく関係ないただの作業員であるのか。その辺を改めて、今回の計4工場で行われたことについて、「補助検査員」なのかただの検査員なのか、その辺の線引きを教えてください。
西川:最初のご質問。これは前回の116万台のリコールをお届けしたときとまったく同じでお使いいただけると。まったく同じと思っていただいて結構です。
2つ目の、実際作業していた人間がどういう人間かということですけども。まず最初にちょっと申し上げておきたいのは、補助検査員という言い方は現場ではしていましたけども、実際には「補助検査員」というものを正式に認定していたわけではないですね。要するに、検査員になるための習熟中の人間ということです。
今回実際に、いろんな工場で実は残念ながら数件見つかったわけですけども、その作業にあたってた人間というのは、基本的には習熟中の人間ではなくて、他のいわゆる作業員であるという認識をしてますけども。松本さんそれで良いですか?
従って、検査員になるために、認定される直前まできているという過程の人間ということではなくて、そうではない検査員が一部の作業をしてたということです。
記者6:これまでの認識としては、要は習熟中の人を「補助検査員」と呼んでいるんだろうと、そこは共通認識があると思うんですけれども、そうではないただの検査員というのはどういう検査員なんですか? それはただの作業者であって、その人が検査をするというのは、まさに言葉の意味が取れないんですが。
山内康裕氏(以下、山内):お答えします。先ほど申し上げましたように、今回起きた事象というのは、完成検査行程、いわゆるテスターラインと呼ばれている、完成検査の行程が集中しているライン以外のところに行程を動かして、例えば商品性検査というようなところで、完成検査行程の一部をやっていたということでございます。
従いまして、商品性検査のラインで検査をしている人たちは、完成検査の資格をもった人間も(いる)、例えば追浜の場合は16人中3人は完成検査の資格をもっていましたけども、それ以外の人間は完成検査員として養成されるべき人と、そうではない商品性検査に特化した検査員の人と、混在をしておりました。
従いましてどのラインも、いわゆる前回申し上げていた、「補助検査員」つまり「完成検査員になるべくして教育を受けている人間」が今回のすべてのそういった検査をしていたか、といったことについて申し上げると、そこは混在をしていて、いわゆる「補助検査員」がやっていた部分とそうではない検査員の人がやっていた部分があります。
記者6:そこに完成検査員は含まれているんですか? 完成検査員と補助検査員と商品性検査だけの検査員、3種類の人がいたということですか?
山内:完成検査員の資格を持ってる人もそこにはいたということです。完成検査員の資格を持っている人間が、すべて日々完成検査に従事をしているわけではないので、たまたま完成検査員の資格を持っている者が、例えば商品性検査のラインであれば16人中3人おりましたということであります。
西川:そこは実際の現場を見られないとなかなか難しいと思うんですけども、商品性の確認というのはそれなりのスペシャリストがいるわけですね。商品性のチェックをするための行程なのです。それはいわゆる国にお届けしている、完成検査の行程とは別の行程なのです。
ただし、車を作ったあとに確認をすることは間違いないので、オフラインしたあとのところにあるわけです。そこの仕事をするための専門家がいて、その人たちの中にも過去に完成検査の資格を取った人はいるわけです。
一方で、完成検査と言われる、国にお届けをしている、国に変わって作業をしている部分ですね、この部分はテスターラインにほぼ集中しているんです。今回、先ほど山内が説明した部分というのは、少し離れたところで商品性確認をしている中で、そういう行程を勝手に移してしまった、という事象があったという意味でございます。
司会者:それから先ほどご質問いただいた、34,000台の内訳ですけれども、在庫車が約3万台です。すでに登録されている車が約4,000台ということで。ただこの数字については正確な数字というよりもまだ精査中の数字でありますので、変更する可能性があるということでご承知置きいただきたいと思います。以上です。
記者8:フリーランスのヤスイと言います。2点お聞かせください。西川さんの発言の中で、「20年間続いた習慣を直すのは大変だ」という発言がありましたが、20年間というのはなぜわかったのですか? その続いた習慣というのは、常に検査ラインを変更したことを届けていなかったということなのか、あるいは補助作業員が入っていたということなのか、20年間続いた習慣とはなんなのですか?
西川:すみません。ちょっと言葉が誤解を生んだかもしれないのですけれども、20年間変えずに来たというのは、先ほど申し上げた当社の完成検査員の養成プログラムです。例えばテスターラインであれば2ヶ月かかりますと。いろいろ工程ごとに違うんですけれども、相当時間がかかるんです。そういうプログラムを持っていたのです。
そのプログラムというのも、時に応じて、現実に応じてわれわれはアップデートしていくべきであって、必要な技能がどこまであるんだということは、工程ラインの自動化にしたがって変わっていくはずなんですけれども、それを実は20年間変えていなかったということを申し上げたのです。
従って、先ほど申し上げた完成検査員でない人間が検査をしているとか、今回起きているその事象が過去何年さかのぼるとかそういうのとは全く別の話でございます。すみません。
記者8:わかりました。1点お聞きしたいんですけれども、課長と係長との間のコミュニケーションギャップが問題だとおっしゃっていましたけれども、課長と部長、部長と役員あるいは社長、ここら辺のコミュニケーションギャップはなんの問題もないと言い切れるのですか?
つまり、そこだけが問題だということがにわかに信じられないのです。係長がやっていることがなぜ課長がわからないのか? 課長の判断がなぜ部長がわからないか? 役員は何を知らないか?
こんな会社は多分すぐに潰れるんじゃないかと思うんですけど、そういうマネージメントこそが問題であって、現場をコントロールできなかったのが問題だというのは、なにかマネージメントの責任を置いておいて、すべて責任を係長と課長のところに包括しているんじゃないかという気がするんですけれども。マネージメント、もしくは経営の問題じゃないかと思うんですけれども、ご意見お聞かせください。
西川:すみません。わたしが申し上げたのが、実際にどこを改善する必要があるのかということで、一番今回危機感を共有して、習慣的であったものを変えるというところで大事だったのは、われわれ経営陣の意識は、会社の信用を揺るがす話であるということで、それをきちんと伝える相手、最終的には係長まで伝えないと本来は十分ではなかったと。
その部分は課長係長の間の責任ということではなくて、そこまでフォローしきれなかったことが問題である、ということを申し上げているのであって、当然その部分はその当事者に責任があるのではなくて、われわれに責任があると思っています。そこを変えていかなくちゃいけないということを申し上げているということです。
記者8:トップが考えていることが係長まで伝わってないとすれば、それが常態化しているとすれば、日産の経営の問題ではないですか? 大変な問題だと思うんですけれども、その辺の認識は係長と課長との間ではなくて、経営トップの話が課長のところで止まっていたとすれば、これだけが止まっているのかどうかわからないですよね。ほかの問題も止まっているのではないかと思わざるを得なくなるんですけど、その辺どういうふうにお考えになっていますか?
西川:特に従来から実際に行われている通常業務という点で見ると、これは非常に現場管理がしっかりしているというのが強みだと思っています。ただし、先ほど申し上げた通りわれわれがなんらかの優先順位をつけて物事をするといったときに、一番大事なのはその部分がタイムリーに係長さん以下の現場に伝わるということなんですけれども。
その部分で今回の対応を見ていると、これは私が判断したことではなくて、しかも責任云々ではなく第三者の方から指摘された部分で見ると、やはり課長までの伝わり方と、そこから係長さんへ伝える部分と、少し差がありますね、と指摘を頂いているということで、ここは真摯に受け止めて進めるべきところだというふうに思っております。
ただしそれは当事者の責任であるとは私は思っておりませんで、そこは生産部門のトップから工場長、部課長に至るまで、そこも含めて、そこはちゃんとやっているんだけれども下はやっていないという意味では全くありません。
記者9:毎日新聞の記者のカタヒラと申します。そこの係長のところでさらに追っておうかがいしたいんですけど、それは課長に対して例えば人員で「収めろ」みたいなプレッシャーがあって、係長が「現場は人が足りないんだ」っていうのをはねかえしたりとかいうことではないんですか?
前回人は足りているということだったんですけれども、今回の話をお伺いしていると、やはり効率性を求めて人が足りないところをどう現場で工夫するかという、いけない工夫が生まれてしまったのではという気がするのですけれども、その点どうお考えになっていますか?
西川:今おっしゃるような可能性もあると思っています。そこは、われわれが「どうなんだ」ということではなくて、外部の方に入っていただいて「実際どうなの」ということをやっていただいていますので、その結果をもう少し整理をしたところで申し上げたいと思いますけれども。
私が申し上げた背景というのはまだ途中でございますから、あまり断定的なことは申し上げられないのですけれども、今言われたようなことだけではなくいろんなことがあると思うんですけれども、そういうような認識を係長さんが持つというような土壌はあったのではないかなというふうに思います。
記者10:すみません。雑誌記者のナカジマです。よろしくお願い致します。課長、係長というのは対象になる人員というのはどのぐらいいるのでしょうかという事実関係が1つ。それと西川社長の会見を今聞いておりましたら、良い物、良い車をつくるということと、それから法令遵守ということは、別物のような形で言われておりましたけども、良い車というものはどのような条件が必要なのか改めてお伺いしたいと思います。
西川:今の1つ目の質問についてちょっと調べておいてくれる? 今の2つ目のご質問について言いますとですね、私が申し上げた法令遵守というのは、要するに全てのベースの部分でありまして、これは「私は良い車をつくってます」とかですね、「こういう仕事をちゃんとやってます」ということだけではなくて、それを実行する時に、もちろんこれは日本だけではなくて、いろんな国があります。
いろいろな国でわれわれは事業をやっているわけですね。それぞれのお国の取り決めがあります。これはわれわれがやり方を決めてお届けをしているものもあれば、国としてやり方が決っているものに従わなければいけないということであります。従ってこの法令遵守。これは英語でいうとコンプライアンスと言いますけども、これは全てに渡る義務であるということで、今回のわれわれが起こしてしまった事案というのは。
やはり日本のお国にですね、国交省から委託を受けてお届けをして、こういう進め方をしますと、こういう人がやりますということを申し上げたことに対して、そのルール通りにやってなかったということだということで、法令遵守ということとわれわれが良い車をつくるということのモチベーションというのは、モチベーションがいくらあってやっていても、できていても、これはこれで、だから許されるものではないということですね。
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