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神戸製鋼所 データ改ざんを受けて会見 10月13日(全4記事)

【全文1/4】神戸製鋼、新たな改ざん発覚 川崎社長、福島第二原発に不正製品を納入したことを説明

神戸製鋼所が鉄鋼製品でもデータ不正が行われていたことが明らかになりました。これを受けて10月13日に記者会見を行い、謝罪および経緯を報告しました。

川崎社長から新たな改ざんの報告

司会者:ただいまから当社および当社グループ会社における不適切行為に関するご報告について記者会見を始めさせていただきます。

はじめに会見者のご紹介をいたします。みなさまから向かいまして中央、代表取締役会長兼社長、川崎博也でございます。向かいまして左側、常務執行役員、勝川四志彦でございます。右側、ものづくり推進部部長、内山修造でございます。

それでは川崎のほうから説明させていただきます。

川崎博也氏(以下、川崎):このたびは、当社ならびに当社グループの不適切な行為によりまして、ユーザー様ならびに消費者のみなさまに対しまして多大なご迷惑をおかけしておりますこと、あらためてお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。

それでは座って説明をさせていただきます。

司会者:すいません。申し訳ございません。資料配布をよろしくお願いします。

川崎:それでは説明を始めさせていただきます。資料の配布はよろしいでしょうか? あ、すいません。お待ちしてます。資料の配布はまだでございますけど、前の方。

司会者:すぐお持ちしますので、申し訳ございません。

川崎:すいません。

司会者:すみません、ちょっと資料が切れておりまして、今コピーに行っておりますけれども、近くのお2人で一部見ていただくなどして、すみませんが、お近くの方よろしくお願いいたします。申し訳ございません。では、始めさせていただきます。資料はのちほどお届けさせていだきます。

川崎:それでは、私のほうから説明をさせていただきます。

当社が2017年10月8日付けで公表いたしました、当社が製造しましたアルミ・銅製品の一部に関する不適切な行為について、および、同月11日付けで公表いたしました、「今回の不適切行為に関するご報告について」、これは鉄粉ならびに検査会社事例でございますが、に記載のとおり、当社はアルミ・銅事業部門、および他の事業部門における不適切行為に関する事実関係等の調査を行っております。

銅管の製品などに「不適切行為」

これまでに公表させていただきました事案に加えまして、実施中の調査に関連して、当社グループ会社において同種の不適切行為、以下「本件不適切行為」と言わさせていただきますが。(本件不適切行為が)確認されておりますのでご報告させていただきます。

本件不適合製品の1つ目でございますが、製品は銅管およびモールドになります。製造会社は、神鋼メタルプロダクツで発生した事案でございます。

不適合の対象数量は、銅合金管で約700トン、顧客数42社。モールドは約5,300個を137社の顧客へ出荷いたしました。期間は記載のとおり直近1年間でございます。

不適切行為の内容ですが、お客様と取り交わしました寸法などの検査で一部未実施の検査がございました。また、検査データの書き換えも認められております。

2つ目の事案でございますが、製品は細径の銅管です。製造会社は、マレーシアにございますKobelco & Materials Copper Tube(Malaysia)でございます。対象数量は、28社に750トンを出荷しております。

不適切行為の内容でございますが、お客様と取り交わしました寸法などの検査や機械特性試験などの一部を実施していない事象が確認されております。

3つ目の事案でございますが、製品は銅管になります。製造会社は、タイにございますKobelco & Materials Copper Tube(Thailand)でございます。対象は1,140トンを5社へ出荷しております。

不適切行為の内容でございますが、お客様と取り交わしました仕様では引張試験と硬さ試験を実施すべきところ、硬さ試験のみを実施し硬度から引張強度を推定して入力しておりました。

アルミニウム合金線と合金棒にも改ざん

川崎:4つ目の事案でございますが……。

記者1:すいません! あのー、(資料は)読めるので、わかるので、読み上げるんじゃなくて、それ以降の……。

川崎:すいません、説明をさせていただきたいと思います。

記者1:読んでるだけじゃないですか。

川崎:読ませていただきます。

4つ目の事案でございますが、製品はアルミニウム合金線と合金棒でございます。製造会社は神鋼アルミ線材でございます。お客様2社へ不適合品を12.5トン出荷しておりました。

不適切行為の内容でございますが、お客様と取り交わしました検査項目の1つである微量合金成分を分析せずに分析結果を入力していた事象や、お役様との仕様にない参考値である引張特性の一部を書き換えている事象が確認されました。

5点目は、製品は銅板状になります。製造会社は中国にございます蘇州神鋼電子材料有限公司で、不適合な銅板状31トンを2社のお客さまへ出荷しておりました。不適切行為の内容は、お客様との間で取り交わしました寸法測定結果の書き換え行為が認められました。

ここまでご報告申し上げました不適合製品1から4および5につきまして、現在、不適合製品を使用しましたお客様の製品に対する安全性を含む製品影響について、お客様と一緒に技術的検証を進めているところでございます。

これまでの検証・調査におきまして、これらの本件不適合製品の安全性に疑いを生じさせる具体的な問題は確認されておりませんが、万一、本件不適合製品の安全性に疑いが生じた場合には迅速かつ適切に対応いたします。

追加の費用発生は見込んでいない

次に、今回の一斉点検よりも以前に把握した案件についてもご報告いたします。

これらはすでにお客様への説明を行ったうえで、お客様とともに不適合製品を使用した製品に対する品質影響、これは安全性も含みますが、についての技術的検証を完了し、製品の安全性について問題ないことを確認し、お客様との間で問題が解決したことを確認済みでございます。

これらにつきましては、現時点で追加の費用発生は見込んでおりません。

最初の不適合品6は、中国にございます二次加工メーカー、江陰法爾勝杉田弾簧製線有限公司で加工しております鋼線、はがね線でございます。

2011年6月から2017年7月で3,525トンを1つのお客様へ納入しておりました。お客様と取り交わしておりました外観検査の一部を実施せず出荷している事例がございました。

2つ目の事例、不適合製品7でございますが、これは中国にございます二次加工メーカー神鋼新确弾簧鋼線(佛山)有限公司で加工しております鋼線、はがね線でございます。

2015年12月から2016年12月で306トンを1つのお客様へ納入しておりました。お客様と取り交わしておりました外観検査の一部を実施せず出荷している事例がございました。

3つの事案、不適合品8でございますが、当社の子会社である日本高周波鋼業で製造している特殊鋼線、はがね線でございます。

2008年6月から2015年5月で19社へ出荷しておりました3,990トンにつきまして、硬さ試験値が顧客との取り決めを外れた場合に、数値を書き換えて出荷しておりました。

4つ目の事案。不適合品9でございますが、弊社の持分法適用会社であります神鋼鋼線の子会社である、神鋼鋼線ステンレスで製造しているステンレス鋼線です。

1社に対して2007年4月から2016年5月で553トンの不適合品を出荷しておりました。お客様との間で取り交わしました引張強度の試験結果が外れた場合に数値を書き換えて出荷しておりました。

福島第二原発に未使用の不正製品を納入

当社は自主点検および緊急監査として、本年9月より神戸製鋼所本体および国内外のグループ会社に対しまして、顧客要求仕様と検査成績書、および検査成績書と検査実績の現物の突き合わせによる確認を進めております。新たに不適切行為が確認された場合には迅速かつ適切にご報告させていただきます。

また、すでに当社が確認してご報告した不適切行為も含めまして、不適切行為にかかわる事実関係の全容につきましては、調査の公平性・中立性を担保するため、当社会長兼社長である、私、川崎博也を委員長とする品質問題調査委員会が委任しました外部法律事務所による調査が未了であるため、当該調査の完了を待って、改めてその結果をご報告する予定でございます。

さらに、当社は事態の重大性に鑑み、品質問題調査委員会を設置して事態の対応にあたっており、外部法律事務所による調査の結果も踏まえつつ、徹底的な原因分析および全社的な再発防止策を講じる所存でございます。

現時点では、この全社的な再発防止策の一環としまして、本社主導での品質保証組織の改編等による、品質に関するグループガバナンスの強化、検査体制や品質設備投資の見直し、および教育体制の再構築によるグループ従業員も含めました品質コンプライアンスの意識改革等を進めてまいる予定でございます。

なお、本件による業績への影響は現時点では不明でございます。今後、影響の程度が判明した時点で公表を行う予定でございます。

以上がリリース文による私の説明でございますが、リリース文にはございませんが、冒頭に私から2点補足説明をさせていただきたいと思います。

1点目は、鉄鋼事業の4案件についてでございます。昨日、鉄鋼事業に関しましては、鉄粉以外には不適切な事象はないと申し上げました。それは今回の一連の緊急点検、いわゆる自主点検でございますが、の連続性のなかで「ない」と申し上げたものでございます。

ただ、先ほども申し上げましたが、今後、徹底的な原因分析、加えて対策を考えるうえで、過去の事例も踏まえた原因ならびに対策を講じる必要があると考えました。したがいまして、すでに完了しておりました鉄鋼グループ各社の4案件についても本日はご報告させていただいた次第でございます。

2点目でございますが、本日、東京電力ホールディングス様より、福島第二原子力発電所の配管における寸法成績表の記載内容に関します、神鋼メタルプロダクツからの報告についてのプレスリリースがございました。

本件につきましては、当該配管は交換前で未使用のものであり、発電所の安全に問題がないことを確認しており、東電様からもその旨の発表がなされております。

製品の安全性につきまして、お客様に提供しております検査仕様書(ミルシート)に記載している内容につきまして、お客様との仕様に適合していることを確認しております。

ただし、東電様に提供しております寸法成績表に一部不備があったことをご報告いたしております。

改めまして、ユーザーのみなさま、ならびに多くの消費者のみなさまに、多大のご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。私からの説明は以上でございます。

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