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神戸製鋼所 データ改ざんを受けて会見 10月11日(全4記事)

【全文4/4】神戸製鋼の不正発覚後の対応は適切だったのか? 記者からの追及に「返す言葉もない」

10月11日夜、データ改ざんをしていたと報道のあった神戸製鋼所が、「今回の不適切行為に関するご報告について」と会見を行いました。会見には勝川常務執行役員と経営企画課の宮岡氏が出席し、説明にあたりました。

不正部品・素材へのクレームについて

記者15:日本テレビのヒガシモトです。ちょっと教えていただきたいのが、取引先、顧客も独自に社内の安全性の点検をされているのかなと思うのですけども、その中で一部の部品が強度や数値が足りないということも検査でわかってくるのかなと思います。

素人なのでどういう検査が行われているのかは詳しくはわからないですが、これだけ顧客が多い中で、そういった顧客側から「これは強度が足りていないんじゃないか」とかいったような外部からの指摘というのはこれまで無かったのでしょうか?

勝川:納入品に関しては、様々なお客様からのクレームというのはございます。ただ今回のアルミ・銅の事案ですとか、そういったことに関連した直接的と思われるクレームはございませんでした。ただ、そういうのが今聞きとりでわかっているという状態でございまして、そこも調査中でございますので、最終的にはきちんとご説明させていただくというふうになると思います。

記者15:確認させていただくと、現時点ではクレームというのは把握してないけども、調査の中でクレームがあったとか出てくる可能性もあるということでしょうか?

勝川:過去のクレームとの因果関係というもので、出て来る可能性はあると思ってます。

なぜ4つの事業所で不正が見つかったのか?

記者16:日経新聞のウエサカと申します。アルミ・銅の件で補足で教えてほしいんですが。全部で4事業所で(不正が)見つかったと。これは、たまたま4事業所であったものなのか、それとも、マニュアルみたいなものが4事業所で流通していて、そのマニュアルに基づいて数字データの改ざんがあったか。その辺はどのようにご覧になっていますか?

勝川:これも社内の調査ということですが、4事業所でそういったものは確認されておりません。実は、4事業所で、というのがなぜだ、というところについては、私どももいろんな仮説を立てながら議論しておりますが、まだ結論に至っていないというのが正直なところでございます。

ここは、外部の方のご意見も借りながらですね、どうしても社内だけですといろんな……色眼鏡で見てしまうというんですが、そういうこともあろうかと思いますので、そこはきちんと、考えを明確にさせていただきたいと思っています。

記者16:引き続き調査中ということでよろしいでしょうか?

勝川:あの、そうでございます。

記者16:あと、10年前からあったというお話が8日の会見であったと思うんですけれど、これは10年間の間で何件くらいあったというのは判明しているのですか?

勝川:まだそこまで調査は進んでおりません。お客さまといろいろなデータをお出しさせていただく中で、顧客ごと……お客様ごとに要求されるデータの量が異なります。そういうことに対応させていただくのが1つ。それと、私どもで時間をかけながら過去にさかのぼって調査をさせていただく、というのが2つめかなと思っております

記者16:あと、10年前からあったとしたら、4事業所で工場長とか現場の幹部をされている方が、本社の執行役員とか取締役に昇格されている方もいると思うんですね。そういった方々は現場でそういうことを把握しながら、本社で執行役員や取締役の立場にあると。それは見て見ぬふりをしていた、黙認していたことにはならないのでしょうか。

勝川:仮にそういうことであれば、恐らくそうだと思うんですね。そこも含めてですね、いま外部の調査を受けている、という状態でございます。

記者16:前回、本社の関与はなかったという話があったと思うのですが、関与はなかったにせよ、本社の重要な役職にありながら黙認していた方がいらっしゃったということですね。

勝川:えぇ……まだ調査中です。今の段階では、社内の調査の段階ですが、明確になっておりませんが、これについても社外の調査を待っております、という状態でございます

グループ会社への影響について

記者17:中国新聞のコウノと申します、お世話になります。グループのことも先ほど話がありましたが、グループでコベルコ建機さんあると思うんですが、そこは御社の素材をたくさん使っていると思うんですけど、影響とか、どのように調査されるのかとか、その辺をお聞きできればと思います。

勝川:同じように、出荷検査ですとかいろんなかたちで出荷前にテストをしたり、いろいろしております。そういったものについて、不正がなかったかという点検をさせていただいています。その方法については、第三者のご助言をいただきながら、その方法を決めて、それで緊急点検をしたというのが足元の状況でございます。それに加えまして社外の調査をしている、という段階でございます。

記者17:今回の銅・アルミとか一連の不適切なことがあった製品……素材を使っていた可能性はある、ということになるんでしょうか?

勝川:まだ……すみません、まだ調査中でして、まだ明確には分かっておりません。

納入先での安全性の確認状況について

記者18:ロイターのオオバヤシと申します。今日示された2つの例の中で、顧客のスペック上限を超えていたということですので、端的にいうとオーバースペックのものを出して、性能には多分影響はないんじゃないかということを判断したため、8日にアルミとか銅とかの会見をされた時には言わなかった、ということになるんですか?

勝川:そういうわけではございませんで、その時点でもお客さまと、製品についての安全性ですとかというのを協議をしている最中でございまして。

記者18:200社……アルミ・銅に関するほうの200社のうちでも、逆にいうと上限を超えていた、それもデータの不正として含めているんでしょうか? そういうケースはそちらでもあるんでしょうか? それとも、アルミ・銅については基本的にスペックを満たしてなかったという例がすべてだと考えていいのでしょうか?

勝川:スペックにも、たまさか、鉄粉の場合は上限が、例えばオーバースペックであるとかというものもありますし、それから当たりそのもののばらつきが収まっているかという基準もありますので、そこについてはですね、一概に言えないと思っています。

記者18:昨日ロケットの発射があって、三菱重工さんと……JAXAさんかな? 安全性を確認して打ち上げたということをまた向こうでおっしゃっていると思うんですけれど。この問題が発覚してすでに200社のうちの大半とのコミュニケーションがかなり始まっていると思いますが、今までの数週間の間で、200社のうち何社かからは安全性に問題がないということを報告は受けているんでしょうか? もし何社かから受けているとしたら、どの程度から受けているんでしょうか?

勝川:まだですね……、いま事実として把握しておりますのは、例えば製缶メーカーさんが各社さんのホームページで「安全性を確認しております」というようなことを言っていただいているというケースがございます。大和製罐さんですとか、東洋製罐さんに供給しておるのですが、そういうかたちでお客様の方で安全を確認されて、そういう公開をされている、という状態でございます。

記者18:とりあえず今は2社だけでしょうか?

勝川:製缶メーカーさん3社だったと思うのですが……すみません、ちょっと個社名が記憶にないのですが……。

記者18:それは、3社は少なくとも200社のうちの一部ということでいいんですか?

勝川:はいそうです。

記者18:そういう状況を見ると、いつごろすべてのところから安全確認というのが得られそうか、その辺の時期的な目途というのは少しでもついているのでしょうか?

勝川:いえ、これは各社さま、お客さまによりまして評価の方法ですとか相当異なると想定しております。ですから、いつまでというのは私どもでなかなか把握できないとご理解いただければと思います。

記者18:あとすみません、最後に、今回の調査は海外子会社についても含んでいるということを最初の方で言及あったと思うんですけど、具体的には御社の場合海外子会社というのは何社くらいあって、いまのところ一番最初に発表された時に違法性はないという話……、社内調査では違法性はないという話をされていると思うんですが、海外子会社についても同じという理解でよろしいでしょうか。

勝川:何度か通して申し上げておるんですが、私どもの調査でございますので、外部の方の調査を待ってその辺りは明確にさせていただきたいと思いますが、海外の子会社ももちろん範囲に入っておりますので、少々お時間はかかるかもしれませんが、きちんと調べたうえで、お話しさせていただきたいなと思っています。

業績への影響について

記者19:共同通信のイイダと申します。1点だけうかがわせてください。顧客との契約の中で、例えばこういうスペックの問題が出たとか、検査、何でもいいんですけど、違約金ですとかですね、そういった契約っていうのは。個々の契約だとは思いますし、あるものないもの、あるのかもしれませんけれど、どういう契約になっているのか。あと、業績の修正が必要なほどの影響が出そうなのかどうかということを教えてください。

勝川:違約金うんぬんにつきましてはですね、いま個別の取引のことでございますので、この場では差し控えさせていただきますが、現段階では、例えば保障といった話はまだいただいておりません。

業績に関しましては、そういった状態ではございますが、これは将来のこと、それからこれからのお客様との会話というのが必要になってきますので、ただいま精査中でございます。したがって、蓋然性と言いますか、状況が明確になりましたら、その段階で業績影響についてはお話しをさせていただく、ということになると思います。

記者19:現時点で構わないのですが、顧客の中から「今後当分取引を差し控える」といった声などは上がっていないんでしょうか?

勝川:幸いに、今の段階では、そういうお話はいただいておりません。

不正発覚後の対応の是非について

記者20:朝日新聞のフジモトと申します。先ほどの発言でちょっと確認させていただきます。10年前からあったということで、役員になられている方もおられると。黙認していたのではないかというのに対して、仮にそういうことだとすれば、そういうことだと思うという、非常にあいまいな答えをされているのですが。それは、役員になられている方の中に、黙認している方がいる可能性が高いというふうに常務としてお考えだという認識でよろしいんでしょうか。

勝川:そこについては、まだ社外の方の調査が終わっていません。ですから、コメントは差し控えさせていただきます。

記者20:では、先ほどなぜ、そういうあいまいな説明をされたんでしょうか? 各社からいろいろと質問が出てるんですけど、要は対応として完全に後手後手に回っている訳ですよね。社会の目からしても、本当に法令違反がどこまであるのかというのはこれからかもしれませんけども、いわゆるB2Bでビジネスをされておられて、ここまで影響があるということに対してどこまで反省あるいは認識を持たれているのかというのが会見を通じて伝わってこないんですけども、そのあたり常務としてどのようにお考えでしょうか?

勝川:本件につきましては、本当に関係するみなさまに多大なるご迷惑をおかけして本当に申し訳ないと思っています。ただ、素材を売ることで、そのお客様までの距離がすごく遠いケースもございます。そういった場合、やはり確認に時間がかかったり、どうしても個別契約の関係でお話しできなかったり、というのが多々あります。そういった流れの中で、私どもとしては最大限お話しさせていただこうと思って、まずは調査中の段階ではあるのですが、こういうかたちでお話しさせていただいているというのを、ご理解いただければと思います。

記者20:多分、今日の会見を例えばネットで中継で聞いておられるエンドユーザーの方からすると、「なんで8日に言わなかったんだ」ということに対する疑問は解けないままだと思うんですけど、今のご説明で納得できる、納得を得られるというお考えでしょうか?

勝川:隠しているつもりは……というか、隠そうとして、何か意図をもって8日の段階でお話をさせていただいたという認識は一切ございません。ただ、何度も申し上げますが、ユーザーさんとのお話の中で、こういうかたちのタイミングになったということでございます。

記者20:しかし、こういうことがあると、影響がどこまで広がるのかというのが認識できないほど、非常に裾野が広い部品……商品を扱っておられるというのは分かっているわけで。その上で聞かれたことに対しては「調査中だ」「答えられない」ということを連発されても、それはなかなか理解は得られないと思うんですけども。御社の今のこういう対応については、率直にどのように思われるんですか、一役員として。

勝川:私どもとしては緊急点検を含めまして、自社でできることは最大限をやっておりますが、いかんせんご迷惑をおかけしております張本人でございます。したがって、いくらそういう点検結果を申し上げたところでもですね、実際に皆さまのご理解が得られるとは到底思っておりません。そんな中で、やはり社外の弁護士さんを含めて、きちっと原因究明あるいは調査をいただくという中で、そういう事実関係をお話しするのが最も正確で適当だというふうに思っています。

会長兼社長の責任問題について

記者20:では、あえてうかがいますが、常務執行役員として、いまの社長……会長兼社長および担当役員の責任問題についてはどのようにお考えですか?

勝川:これは、事実関係が明らかになった段階で、きちんと対応させていただきたいというふうに思っております。

記者20:その件については8日も発言がありましたが、改めていつ頃というお考えでしょうか?

勝川:これは正確にいつくらいというのはなかなか……。というのはですね、社外の弁護士の方にお願いをしているという部分もございまして、私どもの意思でいつまで、といのはなかなか言えない状況かな、と思っております。

記者20:しかし例えば今日、JR東海も先ほどJIS基準を下回ったというお話をお伝えしても、これは普通の会社さんであれば広報の方おられるわけで、発言内容を確認されて、事実関係を確認する時間というのはこの間あると思うんですけども。なぜ調べられようとしないんでしょうか?

勝川:すみません、これは私の不勉強で、今日ここに来るまでにその事実を知り得なかったということでございまして。会社としてですね、恐らく何らかの対応をしているのではないか。これ、推測です。そう思います。

記者20:会見の冒頭でこのようなかたちで、ちゃんと事実関係、こういう公にJR東海のトップが発現されているわけですけど、非常に重いわけで。それに対してクイックレスポンスができないところに御社の甘えみたいなものがあると思うんですけども。社会に対して、あるいはメーカーとしての甘えみたいなものを体質としてお感じになる部分ってあるんじゃないですか?

勝川:そういうご批判については、返す言葉もないと考えています。

品質問題調査委員会の人選について

記者21:日経ビジネスのヨシオカと申します。品質問題調査委員会を設置されて鋭意調査を進められているところだと思うんですが、この委員長が川崎会長兼社長がお勤めだということに違和感を若干感じておりまして。組織ぐるみの改ざん隠蔽があった案件に対して、それを調査する委員会の委員長を現経営トップが務めるというのは、社会常識に照らしてちょっとずれているんじゃないかな、というふうに思うんですが、この件についてはいかがでしょうか?

勝川:そこにつきましてはですね、社外の弁護士の方などの調査も踏まえまして、適切に対応させていただきたいと思っております。

記者21:それで十分だということでしょうか?

勝川:えーとですね、社内調査が先ほど申し上げましたように、今までは一所懸命社内調査……社内の人間の調査をやってまいりました。それは、外部の方に見ていただいたりというのはありますが、いかんせん社内調査ということでございます。その流れの中で、外部の弁護士の先生も含めまして、いろんな原因対策を調査いただくフェーズになっております。その状況に応じて適切に、対応できればと思っております。

記者21:分かりました。あと、調査結果について、いつを目途にしてまとめるのかということについてですね、なんらか、その目標というか、それは調査の結果次第で前後することはあると思うんですが、今時点で教えていただける見通しなどないでしょうか? あと、またもしないとすると、そういったことも開示せずに調査を進めるという、社会に対して責任が十分なのかなという疑問も生じるのですが、どうでしょうか。

勝川:社外の調査という意味では、私どもは例えばスケジュールを調整したりですとか、期間を限定したりとか、そういうことはできないと思います。そういう意味で、いま現段階ではいつ頃というのを明確にお話しするというのはできないということでございます。もちろん、社外の弁護士の先生から、例えば対策についてはこういうふうにするよ、とか、こういうタイミングでできるよ、というのをお聞きすれば、それは改めていついつ頃になりますというふうにお話できると思います。

記者21:ありがとうございます。

司会:それではよろしいでしょうか。それではこれにて、会見を終わらせていただきます。本日は誠に申し訳ございませんでした。

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