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民進党 両院議員総会 9月28日(全4記事)

【全文3/3】「人の好き嫌いで政治をやった」 前原氏、小沢一郎氏と“徹底的にケンカ”をした過去を猛省

民進党は9月28日に両院議員総会を開き、党の代表・前原誠司氏は所属議員に総選挙の対応について説明。満場一致で希望の党と事実上の合流が決まりました。両院議員総会後の会見をお送りします。

今後、財源論を政策合意のなかでどこまで反映させるか

記者19:京都新聞のスズキです。「All for All」についてお聞きします。All for Allは財源論から逃げないということで、1つ説得力のある特徴だったかと思うんですけど、先ほどの質問にもあった小池さんの消費税の考え方との政策協議のなかで、今後、財源論を政策合意のなかでどこまで反映させるのかということをおうかがいします。

前原誠司氏(以下、前原):みなさん方にもお示しをしてきたように、今回の民進党で戦う場合の政権公約には消費税を必ず前提とするというようなことは書いてありません。私が代表選挙で申し上げてきたことは消費税が上がる前提で、これだけの財源があるけども中身を組み替えるということについては、私は代表選挙で申し上げてきたことですけど。

今回の選挙公約については上げる前提にはなっていないということにおいては矛盾はしないということは先ほど申し上げたとおりでございます。

記者20:毎日新聞のスギモトと申します。民進党には98億円という資金があるとうかがっているんですけど、そのお金は運用はどなたがやって。例えば、希望の党にご提供するのか、こういったかたちで渡すとか現時点ではっきりしていることがあれば、お教えください。

前原:あの……もうちょっと(金額が)ありますけどね(笑)。もうちょっとありますが、その使いみちについてはまったく決めておりません。

前原氏は希望の党に党籍が移るのか

記者21:NHKになるんですが、簡単に2点お聞かせください。民主党時代を含めて、これまで4回代表選挙に出られて、民主党、民進党で中枢を担ってきた前原さんですけれども、今の率直なお気持ちをアウフヘーベンというふうに言ってましたが、お気持ちをおうかがいしたいのと。

それから、希望の党の公認を求めない民進党の衆議院議員が仮にいるとすればですね、その人たちに対しては、どういうふうに接していこうというふうにお考えなんでしょうか?

前原:今日の両院議員総会の冒頭でごあいさつしたように、我々は仲間を大切にし、今までの議論を大切にし、我々が培ってきた仲間意識、そして求めるべき社会像、理念、こういうものは大事にしていきたいと思いますし、これからより多くの仲間と、そういったものを共有できるように努力していきたい。

それは小池さんがどういう思いでアウフヘーベンとおっしゃったのかわかりませんが、私自身にとってのアウフヘーベンというのはそういう思いである、ということはお伝えしておきたいというふうに思います。

で、もう1つ何でしたっけ?

記者22:それから、希望の公認を希望しない方については、組織運営だったり、選挙後の支援だったり。

前原:ああ、はい。まあ、それは仮定の質問でありますので、これからみなさん方のご意向というものをうかがう、ということになろうかと思います。

記者23:フリージャーナリストのタナカと申します。前原代表の出馬の仕方の、ちょっと確認させてください。

民進党代表として残る以上ですね、今日の3項目の2番目と、出馬する際、矛盾しますね。出馬する際にですね、「いったん離党して新党に参加する」とありますね。

前原:「離党して」とは書いてないと思います。

記者23:意味としては「離党して」ですよ、これ。

前原:文章そのまま読んでいただいたら、今日、両議員総会で決めたことはその言葉のとおりでございます。

記者23:じゃあ、希望の党に党籍移るわけですよね? 公認するというか。希望の党の公認になるわけですよね? それは代表が……。これ責めてるんじゃないんですよ。前原代表が民主党の代表として残るというのと、選挙に出る際、矛盾してきますね?

前原:これ、先ほどお答えをしたように、お答えをしましたけれども、法律上は民進党籍を持ったまま他の政党の公認候補になることは問題ありません。はい。ただ、私がどういう判断をするかについては、まだ決めていないということであります。

記者24:わかりました。ありがとうございます。

前原:はい。

人の好き嫌いで政治をやったことを後悔

記者25:フランス10のオイカワと申します。小池百合子さんは『月刊正論』で、「日本のマクロンになる」というふうにおっしゃっていました。しかし、マクロン大統領は就任わずか100日で支持率が60パーセントから30パーセント台になった、と。

そして、6月の国民議会選挙では577議席中350議席取ったのに、今週日曜日の上院議員選挙では大敗をした、と。期待が、希望の党が3ヶ月ぐらいでしぼむことはないのかということを、確認させていただければと思います。

前原:(笑)。まあ、これから先どうなるかっていうのは、誰にもわからないわけでありますが、少なくとも7月に行われた都議会議員選挙、そして、こないだ新党を立ち上げて間もない中での比例代表の支持率というものは、極めて高いものがありますので、現在のところは永続しているというか、伸びているんじゃないでしょうか。

記者26:毎日新聞のヒグチです。代表の心境をちょっとおうかがいしたいんですけども。

希望の党には民進党を離党した方や除名された方、で、前原代表になってから離党された方もいらっしゃいます。そういった党とですね、候補者の調整をすることに、なにかご逡巡というか、躊躇されることがなかったのかというのと。

代表は党員・サポーターも含めた代表選挙で選出されましたけれども、党員・サポーターの方には違和感を持つ方もいらっしゃると思いますが、どういうふうに説明されてどう納得を得るのか、それをお聞かせください。

前原:はい。まず私個人として、3年3ヶ月の民主党政権の反省というものをしっかりやらなきゃいけないと思って、今まで政治をやってきました。あの時の反省はいったい何だったのか。

1つの大きなポイントは、人の好き嫌いで政治をやったことです。親小沢派、反小沢派ということで徹底的にケンカをして、そして、せっかく期待をいただいた政権をですね、国民からいただいた政権を、たった3年3ヶ月でつぶしてしまった、と。これは痛恨の極みでありました。

したがって、私が今感じている反省の1つは、人の好き嫌いで政治をやってはいけない。やはりこの大所高所に立って、お互い協力をし、そして、日本の社会を良くする。すべては国家国民のために、という思いでやらなくてはいけないということでありますので。

この世界いろいろ、党を変えられたりとか、思いを持ってる方々もおられますけども、1つ、安倍政権を倒す、そして1つ、政権交代を目指す、この大きな2つ、そして、新たな社会をつくっていく、この3つで協力するんであれば、今までのそれぞれの思いというのは、なんら問題なく乗り越えられることではないかと、そう私は思っております。

2つ目、何でしたっけ?

記者26:党員・サポーター。

前原:ああ、ごめんなさい(笑)。党員・サポーターについては、これは常任幹事会、両院議員総会でも、大変重要なご意見として出てまいりました。

まずは、今週末に全国幹事長会議を開かせていただきます。これをできるだけ早く、10月1日に予定してたんですけども、ちょっと前倒しをしようということで、1日も早くということで、全国幹事長会議というものを招集させていただき、全国の都道府県連の主要なメンバーの方に集まっていただき、今回の経緯をしっかりとご説明をしようと、こう思っております。

それに加えて、自治体議員のすべてのみなさん、そして、党員・サポーターのすべてのみなさん方に私の文書を発出して、どういう決断をして何を目指しているのかということについて、丁寧にご説明をさせていただこうと考えております。

1年10ヶ月後の参議院選挙はどう対応?

記者27:日本経済新聞のカトウと申します。

先ほど、衆院選後の党のあり方について、「1つになるべく考える」というふうにおっしゃいましたけれども、将来、衆院選後に民進党を解党するという考えがおありなのかということと。

今回衆院選の候補者を、いったん離党して希望の党から出馬させるという、若干イレギュラーなかたちをとられる理由っていうのは、今回解党せずにそういうかたちをとられたっていうのは、どういったご判断があるんでしょうか?

前原:まとめてお答えをいたしますと、我々は衆議院議員だけの党ではありません。参議院議員もおられれば、自治体議員もおられれば、党員・サポーターもおられる、地方組織があります。そういう意味では、今回は解散ということを踏まえて、衆議院議員候補者についての対応を、両議員総会で決めさせていただいたということでございます。

記者27:解党については?

前原:先ほど申し上げたとおり、それは選挙後にどういうあり方がいいかと、どう一緒になるかっていうことについては、その在り方も含めて検討していくということになろうかと思います。

記者28:テレビ東京の大江です。先ほどの質問に関連してなんですけれども、つまりは衆議院だけでなく、いずれ参議院、それから自治体議員、地方組織、党員・サポーター、こういった方々もあらためて1つになるような方向性に持っていきたい、ということなんでしょうか?

そうしますと、今後行われる参議院議員選挙、ここでは今回の衆院選のように、いったん離党して希望の党から出る、こういうことを考えていらっしゃるのかどうか。

それとも、もしも参議院で残すということになればですね、いずれまた党勢回復していった時に、民進党の衆議院議員も増やしていきたい、こういったことも考えていらっしゃるんでしょうか? お願いします。

前原:次期参議院選挙というのは、今が9月終わり、10月ですよね。ということになれば、あと1年と10ヶ月ぐらいで参議院選挙はやってまいります。

それまで民進党というもので参議院議員を活動させるというふうには、現時点で民進党代表としては考えておりません。したがって衆議院選挙が終われば、どういう組織にしていくかということについては、内部で相談をしながら決めていきたいと、こう考えております。

前原氏の小池百合子氏に対する評価は

記者29:読売のマエダです。民進党という組織を残したまま、衆院選が終わったらそこにもう1回戻ってきてもらうという考え方なのか、もしくは、希望の党に入るのか。それは地方議員と、あとは参議院、両方の点でお願いします。

前原:希望の党で出て、そして、当選させていただいて、また民進党に戻るということはありません。希望の党を大きくしていくと、今回でぜひとも政権交代を狙いたいと思いますし、仮にそうなった場合においてはですね、おそらく参議院はねじれてますね。

我々は少ないということですから。そうなると、まあ、仮にですよ、仮に政権交代が起きたとしても、どういったところと連立を組むかということにも関わってきます。

参議院を考えなければいけませんから、衆議院で過半数を超えたとしても、参議院を考えた時には、その参議院の足りない部分をどうするかということは、いろいろ考えていかなくてはいけないことになってくるというふうに思いますけども。

それを前提と考えた場合は、今の我々の49名というのは、極めて大事な戦力でございますので、そういう意味では、大事に考えて、まとまる方向で考えていきたいというのは、当然のことだというふうに思います。

記者30:週刊朝日のコイズミと申します。

かなり今回早いペースで、今回のことが決まったと思うんですが、そもそもいつぐらいからこういうプランというのは、前原さんの頭の中にあったのか、また、どちらから今回の話というのは持ちかけたかたちだったんでしょうか? というのが1点と。

もう1点は、日本新党の頃から小池百合子さんのことはよくご存知だと思うんですが、あらためて小池百合子さんという政治家に対する評価、どう思ってらっしゃるのかというところをお願いします。

前原:解散があるのではないかというものが現実味を帯びた頃から、これはお互いのサイドからそういった接触が始まったということで、一方ではありません。お互いのサイドから接触が始まった、ということであります。

小池さんについては、やはり勝負に出る方だと私は思います。衆議院議員のバッチを外して都知事選挙に出られる。あの時はまだ、そんなに小池ブームってなかったですよね。

しかし、それをしっかりと勝ち切って、知事になられて、で、さまざまな情報公開、我々の知らなかった、例えば豊洲の問題なんていうのは、まあ、私は京都府民ですので、あまり存じ上げなかったことまで、全国の国民が知るようになった。

オリンピックの費用負担の問題もそうです。「あ、国民の税金って、こんなに使われようとしてたんだ」、あるいは、「ともすれば無駄に使われようとしてたんだ」ということをしっかり暴いて、それを国民の納税者の立場を踏まえて、取り組まれたのが小池さんだと思いますし。

そういう意味では勝負ができる、そして、実行力があるという意味では、すばらしい議員だと私は思います。……あ、政治家だと思います。

小沢一郎氏は今後、希望の党に入るのか

記者31:インターネットニュースサイト「THE PAGE」のソウミヤと申しますけれども。

今日の両院議員総会でも、大畠さんとか渡部恒三さんの話を出されて、「政権交代、二大政党への思いを新たにした」みたいなお話されてたと思うんですけど。旧民主党含めて、政権交代を目指して結党された党だと民主党は思うんですけども。

そういった政党が十数年で事実上なくなってしまうかのようなかたちになってしまうんですけども、一度政権交代を果たして。そういったところでどう思われるか。あと、民進党が果たしてきた役割みたいなことをどう考えられるかについてお聞きしたいです。

前原:私は旧民主党のオリジナルメンバーです。1996年に菅さんと鳩山さんと一緒に立ち上げて、ずっと民主党でやってまいりました。それからは旧維新の方、……失礼。その前に自由党の方と民由合併っていうのがありまして。そしてその後、また、維新の方の一部と合流をし、そして、民進党というものになってきた。私は非常に愛着を持っております。

名前もそうなんですけども、やっぱり仲間なんですよ。仲間が一番大事。そして、その仲間と一緒に議論してつくってきた社会像、そして信頼関係、そういうものが大事。それはどの党に一緒に行ったとしても変わりませんし、より大きな仲間が得られると思って前向きに考えたいと、そう思ってます。

記者32:共同通信のイチカワです。自由党の小沢代表のことについておうかがいします。

前原さん、これまでも小沢さんとの会談を重ねてこられたと思うんですけど、小沢さんは今回希望の党に合流されるのかということと、仮にそういうことであれば、前原さんと小池さんの間でそういった合意ができているのか、ということについておうかがいしたいと思います。

前原:これまで小沢先生には、いろんなアドバイスをいただいてまいりました。先ほど申し上げたように、旧民主党政権の失敗の大きな原因というのは、人の好き嫌いで政治をしてしまった。その大きなポイントが親小沢、反小沢で、党を割るようなケンカをガチンコでしてしまった。それが私の反省の大きなポイントであります。

したがって、下野をしてからある方を通じて小沢先生とお会いするようになり、そして、何回も何回も食事をしたり、いろんな話をさせていただく中で、やっぱりこの方は自民党の幹事長まで、権力者まで、権力者であったということも踏まえて、すばらしいアドバイスを多々いただいてるなと思いますし。この間も、まあ、その中身は別にして、いろんなアドバイスをいただいてきたのは事実であります。

他方で、自由党さんがどうされるのかということについては、これ、我々民進党が関わる話ではありませんので、これは自由党さんと希望の党さんとの話し合いの中で、お決めになられることではないかと思います。

小池代表は衆院選に出馬するのか

記者33:日本テレビのクロシマです。この間、小池知事が都知事を辞めて衆院選に出馬するのではないかという話が取り沙汰されております。前原代表としては小池知事も衆議院選に今回出馬するべきだとお思いでしょうか? お聞かせいただければと思います。

前原:これは非常に難しいご質問だと思います。やはり1年少し前に都民の期待を受けられて知事になられたということのなかで、今、知事の仕事を一生懸命されておられます。そういう意味では知事の仕事を重く受け止めてやっておられるわけであります。

他方で、国政に出てもらいたいという期待も大きいのは紛れもない事実だと思います。それをどういうふうにお考えになるか。政治家の出処進退というのはまさにご本人が判断されるべきことであると私は思います。

記者34:すいません。フジテレビのオオツキです。今回の事実上の合流というかたちですか、というかたちで、もし、政権交代を目指しているということなんですが、実際に政権交代になると、小池代表というかたちなので、初めての女性総理が誕生するかたちになると思いますが、このことに関しての受け止めをお願いしてもよろしいですか?

前原:先ほどの質問とシンクロしますけれども、都知事のままでは総理はできませんよね。国会議員でなければ総理はできませんので。そういう意味ではご本人のご判断だと思います。

記者35:すみません、ブルームバーグです。先ほど参院との関係性のところで、仮に政権交代というような言葉が出てまいりましたけど。

今勢いのある小池さんと合流をされて、今回の衆院選がまさに政権選択の選挙になる局面まで来ているという認識なのか。それとも、急な動きでもあるので、もう少し国民に理解を得てからという考え方なのか。そのあたりはいかがでしょう?

前原:それは国民がどうご判断をされるかだと思います。つまりは、今、自民党政権に対してイエスと思っておられる国民が多いのか、ノーと思っておられる国民が多いのか。

そして小池さんに対する期待がそれを上回るのか上回らないのか。さまざまな変数によって物事は決まってくるのではないかと思います。

我々がしっかりとやらなくてはいけないのは、政権選択を目指すということであれば、とくに私は自分自身が、旧民主党政権3年3ヶ月の反省に立てば、しっかりとした実現可能な政策をこの政権公約・マニフェストに掲げるということと、そしてそれをしっかりやりきるだけのチームというものがあるのかどうかということをしっかり見せることが大事であると思います。

私は単にこの政権選択の選挙というのはブームだけではいけないと思います。やはり地に足の着いた政策と誰がそれを実行できるのかというチームを見せないと。

単に小池さんの顔だけではそれは心もとないということになると思いますので、そうではないということを逆に我々が合流することによってですね。

もちろん、今オリジナルの希望の党の方々の中にも立派な議員の方々、あるいはこれから出てくる方々の中でも立派な方はたくさんおられると思いますけれども、我々にも政権与党の中でさまざまな重要な職を行った経験を持った方がたくさんおられます。

「人材はいる」ということを、どれだけ国民の方々に安心感を持って認識をしていただけるか。これが大事なことではないかと思います。

司会者:それでは次の予定もございます。ご質問も尽きないところかと思いますが、以上で終了させていただきます。ご協力、誠にありがとうございました。

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