2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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安倍晋三氏:5年前、国民のみなさまのお力を得て、政権を奪還しました。当時、私たちが公約に掲げた大胆な金融政策にはたいへんな批判がありました。しかし、総選挙で勝利したからこそ実行に移すことができた。アベノミクス3本の矢を放つことで、日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換することができました。
今、日本経済は、11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長、内需主導の力強い経済成長が実現しています。雇用は200万人近く増加し、この春大学を卒業したみなさんの就職率は過去最高です。
この2年間で正規雇用は79万人増え、正社員の有効求人倍率は調査開始以来初めて1倍を超えました。正社員になりたい人がいれば、必ず1つ以上の正社員の仕事がある。
この5年近くアベノミクス改革の矢を放ち続け、ようやくここまで来ることができました。今こそ最大の壁にチャレンジする時です。
急速に少子高齢化が進むこの国が、これからも本当に成長していけるのか? この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいります。
それは生産性革命、そして人づくり革命であります。この2つの大改革はアベノミクス最大の勝負です。国民のみなさまの支持をいただき、新しい経済政策パッケージを年内に取りまとめる考えであります。
4年連続の賃金アップの流れをさらに力強く持続的なものとする。そのためには生産性を高めていくことが必要です。ロボット、IoT、人工知能。生産性を劇的に押し上げる最先端のイノベーションが、今、世界を一変させようとしています。この生産性革命を我が国がリードすることこそ、次なる成長戦略の最大の柱であります。
2020年度までの3年間を「生産性革命・集中投資期間と位置づけ、中小・小規模事業も含め、企業による設備や人材への投資を力強く促します。大胆な税制、予算、規制改革。生産性革命の実現に向かってあらゆる施策を総動員してまいります。
生産性を押し上げ、今年より来年、来年より再来年と、みなさんの所得を大きく増やしていく。デフレ脱却へのスピードを最大限まで加速してまいります。
もう1つの最大の柱は、人づくり革命です。いくつになっても、子どもたちには無限の可能性が眠っています。どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校・大学に進学できる社会へと改革する。所得が低い家庭の子どもたち、真に必要な子どもたちに限って、高等教育の無償化を必ず実現する決意です。
授業料の減免措置の拡充と合わせ、必要な生活費をすべて賄えるよう、今月から始まった給付型奨学金の支給額を大幅に増やします。いくつになっても、誰にでも、学び直しと新しいチャレンジの機会を確保する。人生100年時代を見据え、その鍵であるリカレント教育を抜本的に拡充します。
こうしたニーズに応えられるよう、大学改革も強力に進めていかなければなりません。幼児教育の無償化も一気に進めます。2020年度までに3歳から5歳まで、すべての子どもたちの幼稚園や保育園の費用を無償化します。0歳から2歳児も、所得の低い世帯では全面的に無償化します。待機児童の解消を目指す安倍内閣の決意は揺らぎません。
本年6月に策定した「子育て安心プラン」を前倒しし、2020年度までに32万人分の受け皿整備を進めます。2020年代初頭までに、50万人分の介護の受け皿を整備する。最大の課題は、介護人材の確保です。これまで自公政権で月額4万7,000円の改善を実現してきましたが、他の産業との賃金格差をなくしていくため、さらなる処遇改善を進めます。
子育て、介護、現役世代が直面するこの2つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を全世代型へと大きく転換します。
急速に少子高齢化が進む中、国民のみなさまの支持を得て、「今、実行しなければならない」。そう決意しました。2兆円規模の新たな政策を実施することで、この大改革を成し遂げてまいります。
しかし、そのツケを未来の世代に回すようなことがあってはならない。人づくり革命を力強く進めていくためには、その安定財源として、再来年(2019年)10月に予定される消費税率10パーセントへの引き上げによる財源を活用しなければならないと、私は判断いたしました。2パーセントの引き上げにより、5兆円強の税収となります。
現在の予定では、この税収の5分の1だけを社会保障の充実に使い、残りの5分の4である4兆円あまりは、借金の返済に使うこととなっています。この考え方は、消費税を5パーセントから10パーセントへと引き上げる際の前提であり、国民のみなさまにお約束していたことであります。
この消費税の使い道を私は思い切って変えたい。子育て世代への投資と、社会保障の安定化にバランスよく充当し、あわせて財政再建も確実に実現する。そうした道を追求して、増税分を借金の返済ではなく、少子化対策などの算出により多くまわすことで、3年前の8パーセントに引き上げたときのような景気への悪影響も軽減できます。
他方で2020年度のプライマリーバランス、黒字化目標の達成は困難となります。しかし、安倍政権は財政再建の旗を降ろすことはありません。プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持します。引き続き、歳出歳入両面からの改革を続け、両面からの今後達成に向けた具体的な計画を策定いたします。
少子高齢化という最大の課題を克服するため、我が国の経済社会システムの大改革に挑戦する。私はそう決断いたしました。そして、子育て世代への投資を拡充するため、これまでお約束していた消費税の使い道を見直すことを本日決断しました。
国民のみなさまとのお約束を変更し、国民生活に関わる重い決断を行う以上、速やかに国民の真意を問わねばならない。そう決心いたしました。
28日に衆議院を解散いたします。国民のみなさまは北朝鮮の度重なる挑発に関しまして、大きな不安を持っておられることと思います。
政府として、いついかなるときであろうとも、危機管理に全力を尽くし、国民の生命と財産を守り抜く。もとより、当然のことであります。
他方、民主主義の原点でもある選挙が北朝鮮のおどかしによって左右されるようなことがあってはなりません。むしろ私はこういう時期にこそ、選挙を行うことによって、この北朝鮮問題への対応によって、国民のみなさんに問いたいと思います。
我が国を飛び越える弾道ミサイルの相次ぐ発射、核実験の強行、北朝鮮による挑発はどんどんエスカレートし、その脅威はまさに現実のものとなっています。
こうしたなかで私は国際社会の連帯をより強固なものにするため、米国、韓国はもちろんのこと、中国、ロシア、インド、欧州、中東、アジアの首脳たちと対話や協議を重ねてきました。
そして先般、国連安保理が原油や石油製品の輸出制限を含む厳格な制裁措置を全会一致で決定いたしました。まずこれを完全に実行する。さらに、北朝鮮が変更しないのであれば、国際社会とともにいっそう圧力を強化してまいります。
北朝鮮には勤勉な労働力があり、資源も豊富です。北朝鮮が正しい道を歩めば、経済も飛躍的に伸ばすことができる。しかし、拉致・核兵器・ミサイル問題の解決なくして、北朝鮮に明るい未来など、ありえません。北朝鮮に、その政策を変えさせなければならない。そのための圧力であります。
「圧力の強化は、北朝鮮を暴発させる危険があり、方針転換して対話をすべきではないか?」という意見があります。世界中の誰も、紛争など望んではいません。しかし、ただ対話のための対話には、意味がありません。
この20年間、我が国をはじめ国際社会は、6ヶ国協議など、平和のための対話を重ねてきました。その中で北朝鮮は、2度にわたり、核兵器・ミサイルの放棄を約束しましたが、結果としてそれらは、ことごとく裏切られ、かつ、核兵器・ミサイル開発が継続されていた。
対話の努力は、時間稼ぎに利用されました。北朝鮮にすべての核兵器・弾道ミサイル計画を完全な検証可能、かつ不可逆的な方法で、放棄させなければならない。そのことを北朝鮮が受け入れない限り、今後ともあらゆる手段による圧力を、最大限まで高めていくほかに道はない。私はそう確信しています。
そして、拉致問題の解決に向けて、国際社会でリーダーシップを発揮し、全力を尽くしてまいります。北朝鮮が意図的に緊張を煽っている今だからこそ、私たちは、ぶれてはならない。北朝鮮のおどかしに屈するようなことがあってはなりません。私はこの選挙で、国民のみなさまから信任を得て、力強い外交を進めていく。北朝鮮に対して、国際社会とともに、毅然とした対応をとる考えであります。
先の国会では、森友学園への国有地売却の件、加計学園による獣医学部の新設などが議論となり、国民のみなさまから大きな不信を招きました。私自身、閉会中審査に出席するなど、丁寧に説明する努力を重ねてまいりました。今後とも、その考えに変わりはありません。
この選挙戦でも、野党のみなさんの批判はここに集中するかもしれない。こうした中での選挙は、厳しい、本当に厳しい選挙となる。そのことはもとより、覚悟しています。
しかし、国民の信任なくして、国論を二分するような大改革を前に進めていくことはできない。我が国の国益を守るため、毅然とした外交を推し進めることはできません。国民のみなさまの信任を得て、この国を守り抜く決意であります。
少子高齢化、緊迫する北朝鮮情勢。まさに国難とも呼ぶべき事態に、強いリーダーシップを発揮する。自らが先頭に立って、国難に立ち向かっていく。これが、トップである私の責任であり、総理大臣としての私の使命であります。
苦しい選挙戦になろうとも、国民のみなさまとともにこの国難を乗り越えるため、どうしても今、国民の声を聞かなければならない。そう判断いたしました。
この解散は国難突破解散であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来をひらく。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民のみなさまとともに突破していく決意であります。
私からは以上であります。
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