2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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記者1:今ご自身の進退に言及されましたけれども、辞任ということはいつご決断されたんでしょうか? また、現在北朝鮮が弾道ミサイルの発射準備の情報がある中で緊迫した状況にありますが、この時期に辞任されることで国防に支障が生じる可能性についてはどのようにお考えでしょうか?
稲田朋美氏(以下、稲田):まず辞任を決意した時期でございますけれども、かねてからこの日報の問題について、これほどまでに防衛省自衛隊として世間をお騒がせしていることについて、管理・監督者としての責任は免れないと思っていたところでございます。
そして、そういった私の正直な気持ちについて、かねてより総理にも相談をしていたところです。そして今般、総理に辞表を提出をして、了承いただいたということでございます。
また、北朝鮮のミサイルの問題でございますけれども、確かに昨年来、脅威の新たな段階に入っております。そういう意味において、今回私が辞職するということになりましたけれども、防衛省、自衛隊としては万全の情報収集・警戒監視活動を続けているところであり、この件については遺漏がないと考えております。
記者2:朝日新聞アイバラです。報告書を読みましたが、2月13日、15日の焦点だった会議について、表現としては「陸自における日報データの存在についてなんらかの発言があった可能性は否定できない」というふうに解明できていません。
以前の会見で、大臣は「特別防衛監察で明らかになる」と何度も繰り返してきました。この結果を見て今まで言ってきたということに齟齬が生じているんじゃないかなと思うんですけれども、これで解明されたとお考えでしょうか。
稲田:特別防衛監察を回収してから4ヶ月、徹底的な調査がなされました。私に対しても、もちろんこの報道を受けて、13日、15日のことについても聴取が行われました。
そして、さまざまな資料、さらには関係者の聞き取りなど、事実関係については、一連の事実関係について、昨年の7月以来、今までの事実関係については解明ができたと考えております。
記者2:それで、13日、15日のところは解明できてないと思うんですよ。どう見ても。1時間の聞き取りに協力した程度で、不十分だと思うんですけれども、職を辞した後に、監察の対象にするなどして、いわゆるその仕切り直し、もう1回やるとか、第三者委員会を設置するとかですね、後任の大臣に対してなにか申し送りするつもりはないでしょうか。
稲田:監察本部について、独立的な、第三者的な立場から、現職の検事も入れて、徹底的に調査をした結果が今回の報告書でございます。私に対する聞き取りは1時間ではございましたけれども、私の認識については包み隠さず述べております。
今回の隠ぺいに至るに至っては、私の認識や、またさまざまな聞き取り、そして資料等で確認をしていた作業だというふうに考えております。
記者3:NHKのナカムラです。大臣は常々、この防衛監査について、改めるべき運営体制が自衛隊にあれば改善するとおっしゃっていましたけれども、隠蔽体質というのはあったんでしょうか?
稲田:まずこの日報に関して。日報は防衛省、自衛隊として自ら公表し、そして対国民のみなさま方においては隠蔽はない。日報はすべて公表しているところでございます。
一方、至る経緯について、今回の防衛監査でなされた、確定されたように管理に対する不適切な対応。さらに対外的な公表のあり方について、厳しく指摘をされている点。こういった点については、今後しっかりと改善していかなければならないというふうに考えております。
記者3:それは隠蔽体質があったということですか?
稲田:隠蔽体質ということではなくて、不適切な対応があったということを指摘をされております。そういった点、そしてなぜこういったことが起きたのか。やはり組織ごとの意思疎通のあり方であったり、さまざまな説明責任の果たし方であったり。そういった点は、改善していく点は多々あったというふうに思っております。
記者3:再発防止策はできたと思うんですけれども。大臣が職を辞することでですね、それは効果的に、実働性を保てるのでしょうか?
稲田:私は職を辞することになりますけれども、しっかりとした再発防止策の方向性についてはすでに先ほど申し上げたとおりでございます。防衛省、自衛隊一丸となって、今回の事件を契機に、やはり防衛省に対する、自衛隊に対する国民のみなさま方の信頼を回復するために一丸となって改革を進めていくと。そういう覚悟でございますので。私が職を辞することになりましたけれども、次の防衛大臣のもとでしっかりと今回の反省を活かしてもらえるものと思います。
記者3:この日報の問題でですけれど、大臣は国会での今後のあり方などを説明されたかと思うのですけれども。ご自身は今後も職を辞されたあとでも、閉中審査(閉会中審査)に呼ばれれば、説明するお考えはあるのでしょうか?
稲田:はい。国会の閉中審査が開かれるかどうか。また、そこに私が呼ばれるかどうか。これは国権の最高機関である国会がお決めになることであって、そして国権の最高機関である国会がお決めになったことに私は従います。
記者4:大臣は今まであらゆる我々の質問に対して、あるいは、国会答弁に対して、特別防衛監査の最中なので、その中で明らかになると。
稲田:はい。
記者4:それまではお話しできないとおっしゃっていました。そして今回、一連の経緯が明らかになったとおっしゃいましたが、先ほど質問もあったように2月13日と15日の時点では「明確な答えは出ていません。相互の了承があってなんらかの発言があった」という曖昧な表現になっています。これでもう解明されたとお考えですか? あるいは、まだ解明作業が足りないとお考えですか?
稲田:はい。13日、15日の件について、今までの質問に対して私は監察の対象ではなかったのでお答えをしてきたところです。その後、監察官の聴取も受けたところでございます。そして、13日、15日のことに関しては、先ほど申し上げましたとおり、なんらかの発言はあった可能性はあるものの、書面を使った報告や了承を求めるような会議ではなかったということは認定をされているところでございます。
さまざまな証言や、さまざまな資料をもとに、私は防衛監察が認定をしたというふうに考えております。
記者5:ということは、大臣は国会で「報告を受けていない」というふうに答弁されていますが、なんらかの発言があった可能性があるということは、報告を受けている可能性があるということですよね? その点、どういうふうにお考えでしょうか?
稲田:はい。私としては、それまでの答弁を覆すような報告はなかったという認識をしています。今も認識をしております。
記者6:大臣が職を辞することについて、野党のほうから「遅かったんじゃないか」という指摘もあります。もっと前に覆すような発言もありましたし、「遅かったんじゃないか」という指摘がありましたがそれはどのようにお考えでしょうか?
稲田:はい。さまざまなご批判はございました。もちろん、都議選のときにも今のご指摘を受けたところです。しかしながら私は今回の特別防衛監察に関して、この日報の問題に関して、これほどまで世間をお騒がせをしましたこと、これに対してしっかりと監督責任を果たしたいと、かねがね思っていたところでございます。
もちろんいろんなご批判はあろうと思いますけれども、私の意思としてこの報告書を出して辞任をするということでございます。
記者7:総理大臣には自分で伝えたということですけれども、総理からなにかお言葉はあったんでしょうか?
稲田:総理からは「わかりました」という言葉がございました。
記者8:今回の件は、過去に行ったような問題になったとしても、都議選の応援演説とかあの発言というのはどうか考えても公選法違反じゃないかという指摘があります。あの発言について辞任を考えたことはないのでしょうか?
稲田:あの発言に関しては、私も、誤解を招きかねない発言であったと、即日撤回をしてお詫びを申し上げているところでございます。
私として、この辞任ということについては、今回の日報によって世間をお騒がせし、また防衛省、自衛隊に対する信頼を揺らがしたことの指導監督責任というふうに思い、責任をとるということで辞任を決意をしたということでございます。
記者8:今でもあの発言というのは、受け手の問題であって、誤解を招きかねないという主張は変わらないわけですか?
稲田:誤解を招きかねない、防衛省、自衛隊、防衛大臣と。本来であれば自民党としてお願いをするというところを、非常に誤解を招きかねない発言であったと、即日撤回をし、お詫びを申し上げたところです。
記者9:誤解を招きかねないというのは、国民の理解力がないから誤解する可能性がある、「私は正しいことを言ったのに国民が理解する能力がないから誤解する可能性がある」、という意味でよろしいでしょうか?
稲田:いいえ。そういうことは申し上げておりません。
記者9:誤解をする可能性があるってそういうことじゃないですか?
稲田:私自身の問題として、誤解を招きかねない発言をしたことについて、訂正をし謝罪をさせていただいたということでございます。
記者9:私は正しいことを言ってるのに、国民が理解力がないから誤解をする可能性がある、という意味でよろしいでしょうか?
稲田:そういうことではありません。
記者10:大臣、すいません。来月の上旬に内閣改造が控えています。この時期に閣僚が辞任するのは政権へのダメージもあると思うんですけれども、安倍内閣の政権運営に対する影響をどのようにお考えでしょうか?
稲田:そういったご批判があることも承知をいたしております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、今回の日報の問題についての監督責任をとるべきだと私は思い、辞任を決意をしたということでございます。
記者10:影響はあるとお考えでしょうか?
稲田:それは、そういったご批判があることは真摯に受け止めたいと思います。
記者11:今回の辞任にいたった、引責をしなければならないほど世間を騒がせた、これは防衛大臣としてご自身にどのような問題があったとお考えですか? あるいは、ご自身には問題がなかったとお考えですか?
稲田:今回の日報に関して、さまざまな、例えばシビリアンコントロールが利いていないとか、私の指導力不足であるといったご批判がたくさんあったことも承知をいたしております。
その上で、今回の日報、自ら公開もしているところでございます。さらには、厳しい安全保障環境のなかでやるべきこと、成すべきこと、しっかりとやってきたつもりでもございます。しかしながら、結果としてこの問題で大変お騒がせをし、また国民のみなさま方から「防衛省、自衛隊、大丈夫なのか?」と。
そして、「しっかりと我が国を取り巻く安全保障環境の危機のなかで乗り切ってくれるのか?」という、そういう信頼を揺らがせたということは、私の管理監督指導責任であるというふうに、痛切に反省をしているところであります。
記者11:いや、ご自身の反省と責任というのはわかるんですが、なにが問題でこういうふうになったとお考えですか?
稲田:先ほど申し上げましたように、今回、特別防衛監察で指摘されたさまざまな不適切な扱いというものもございました。そういった点も踏まえて、しっかりと改革をしていかなければならないというふうに考えております。
記者11:シビリアンコントロールが利いていないとか、指導力不足といった批判がたくさんあったというふうにご自身でおっしゃいましたが、そのことについてご自身としてはどう認識されていますか。そのような批判は当たらないとお考えか、ご自身でも思い当たる部分がございますか?
稲田:もちろん反省すべき点は多々あります。しかしながら、シビリアンコントロールという面において、またこの厳しい環境のなかでやるべきこと、成すべきことはしっかりとやってきたつもりでございます。
しかしながら、この日報の問題で信頼を揺らがしたことは事実であります。その点についての私の監督、指導力不足という点について、痛切に責任を感じているところです。
記者12:大臣が報告を受けたかどうかというところで、「存在についての可能性が否定できない」というかなり曖昧な表現のまま報告書になっていて、それで大臣が了承されたと思うんですけれども、なぜ事実認定されていないのか、詳細とかディテールとか、どういう発言があったのかというのが報告書に全然入ってないんですけれども、これで国民に十分説明しきったとお考えでしょうか?
稲田:まず、監察の過程においてどういった聴取がなされているかということについては、やはり独立の第三者的な機関として、事実関係の調査を徹底的に行なっておりますので、その経過については存じ上げません。
しかしながら、私の認識について記憶に基づいて、できるだけ詳細にお話をしたところでございます。その上で、監察結果として認定がされたこと、それを私は受け入れたいと思っておりますし、この4ヶ月間、しっかりと特別防衛監察が、しっかりと体制を組んで、事実関係の解明にあたってきたと思っております。
記者12:徹底した調査を行っているのに、なぜ一番大事な根幹部分が特定できない、認定できないんでしょうか。
稲田:あのー、一番大事だとおっしゃったわけですけれども、もちろん13日、15日の問題というのは非常に今報道で注目をされた点です。ゆえに、私自身も聴取の対象となったわけでありますけれども、そのなかにおいて、多くの証言、そして多くの資料を監察において調査をした結果が今回の報告であったと考えております。
記者12:いや、ですので、なぜ事実認定できなかったのかというのを大臣が指示して、「もうちょっと説明したほうがいいんじゃないのか」というところまで書き込んだほうがよかったんじゃないですか?
稲田:私は本当に独立した、元高検の検事長をトップとする、現役の検事も入れたなかで、徹底的な事実調査をしているなかにおいて、報告の内容について途中でなにかを申し上げるとか、そういうことはいたしておりませんし、すべきではないというふうに考えております。
記者12:最終的に報告書がまとまったときに了承されたということですね。
稲田:はい。
記者12:そのときに、この報告書で、十分国民が納得するような報告書になっていると考えられたんでしょうか。
稲田:私は特別防衛監察がこの間徹底的に事実調査をした結果であるということで、率直に受け入れたということでございます。
記者13:黒江(哲郎)次官と岡部(俊哉)陸幕長が退職となりますが、これは今回の日報の問題を受けての引責ということでよろしいでしょうか?
稲田:今回の日報を受けての処分は、先ほど申し上げた通りでございます。そして、先ほど閣議で了承された人事に関してのお尋ねですけれども、黒江次官は本日付で依願退職をされるということでございます。
記者14:今回の辞任の決断に関して、官邸側から慰留などの申し出はあったんでしょうか。
稲田:最終的に了承いただいたということです。
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