2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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記者1:テレビ東京のオオハマです。社長におうかがいします。先月と比較した場合、いわゆる監査法人との溝というのは、平行線のままなのでしょうか。それとも解消されつつあるのでしょうか。来月、有価証券報告書の提出も控えていますが、そちらの目処というのはたっていらっしゃいますか?
綱川智氏(以下、綱川):現在、監査法人さんとは、双方とも前向きに決算手続きをすすめようと、いわゆる協力関係、協調してやろうということで、話しております。
記者1:先日もおうかがいしましたけども、現状でも上場基準は満たしているとお考えでしょうか。
綱川:上場につきましては、東証さんの決められることなので、我々が決めることではないと。我々は手続きに向けて、しっかりと誠実に協力していく体制です。
記者1:考え方としておうかがいしたんですけど、今後、上場にこだわらずにあえて非上場の道を選んだ上で、再建し、再上場という選択肢はないんでしょうか?
綱川:その点に関して、現在考えていることはありません。
記者2:朝日新聞のカワダと申します。冒頭で社長がおっしゃっていたように、今回の赤字9,500億円について、重く受け止めるとおっしゃっていましたが、具体的にどういうふうに受け止めていらっしゃるのかという点と。あと今回、決算短信が公表できなかった理由を詳しく教えてください。一方、見通しについてはステークホルダーのために発表したということですが、その点も詳しく教えてください。
綱川:第1点目ですけど、これだけ巨額の赤字を出したということで、このあたりは大変重く受け止めています。それから決算につきましては、手続き等の詳細について回答できないわけですが、先ほども申し上げたとおり、我々のスタンスとしては、監査に協力して、監査に制約を与えることはしないと。それから決算書類等について、具体的なご指摘を受けているわけではないので、誠実に協力していくという姿勢で、続けてまいりたいと思います。
また見通しということで、決算短信については、まだ発表できないということで、数字を出させていただきました。
記者2:それに絡んで、監査法人さんとの関係で、この発表を見ますと、調査については前回完了したとおっしゃっていましたけども、調査を含めて終わってないということなんですか?
綱川:調査につきまして、我々執行サイドとしては、会社内の監査委員会のほうにも協力しますし、PwCあらたさんという、独立系監査法人に対しても協力するということでございました。前回、2月、3月と調査をしていて、4月11日の時点でほぼ調査は終わったと、監査委員会のほうで考えたということであります。
今回の年度に関しましては、まだ監査手続きが完了してないので、今後も調査を続けるということです。
記者2:6月末の有価証券報告書なんですけど、この提出の目処と、そのPwCあらたさんとのご関係と、その後の監査法人の交代について、そのへんの検討状況を教えてください。
綱川:有価証券報告書につきましては、法定期限までに、監査法人さんとも協力して最善を尽くしていきたいということであります。それから、監査法人の変更につきましては、我々執行サイドというよりも、監査法人のほうが、独立した権限で決めることなので、特に変えるとか変えないとかいうことは、私の知る限り聞いておりません。
記者2:最後に、半導体事業の東芝メモリの売却手続きで、本日、ウエスタンデジタルが裁判所に申し立てしました。これについての手続きは、継続するのかという点と、こうなると入札する側が躊躇するという可能性があります。そのへんについて、どのようにお考えですか? さらにその対抗策について、何かお考えがあれば。
綱川:本件に関しましては、我々のメモリの事業を分社化したということが1つ目。その分社化した事業のマジョリティとの一連のプロセスを正当に実施していると考えております。ジョイベン契約に抵触するような事実もなくて、WD側がそのプロセスを止めるような根拠はないと考えていますので、最初の入札手続きで遅れが出ないかというご質問につきましては、入札の候補者の皆様に、東芝の主張の正当性、これをご説明いたしまして、懸念を払拭するように努力していきます。
記者3:すいません。東洋経済、ヤマダと申します。3点ございます。1点目が、監査法人の溝がまだ埋まっていないんですけれども、これに関してS&Wの調査の、損失の認識時期の問題というふうにまだ理解してていいのかということと、前回の時に一定の確度をもって損失認識できた証拠がないというようなことをおっしゃってたんですけども。
逆の言い方をすると、確度はなくても一定の損失認識みたいなことをどこかのレベルでしてたんじゃないかなと思うんですが、数十万通のメールと数十人のインタビューをやったということですので、このへんがどこまで損失というのが認識されていて、どういうふうにあがらなかったのか、それが監査法人とどういうふうにもめているのかについて教えてください。これがまず1点目です。
綱川:監査法人さんとの溝という話ですが、とくに溝ということではなくて、両者一体となって、早くステークホルダーのみなさまのご心配を一刻も溝を埋めるように協力してやっているということでございますが、その1つのアイテムにこのストーン・アンド・ウェブスターの、この認識の時期ということがあるというのは、それは事実でございます。
それで、今、調べているわけですけど、ポイントは、具体的に決算書類についてどこが悪い、どこがバランスシートの問題だという具体的なご指摘までいっていないということで、それが事実でございまして、ただその示唆のあったところの調査を続けているという状況でございます。
記者3:いや、監査でどうかというのではなくて、会社としては確度がなくてもどのぐらい……決算に織り込むというのは確かに確度が必要だと思いますので、ゆるいものでもなんらかの損失認識というのはあったんでしょうか? それはどういうレベルであって、なぜあがらなかったんでしょうか?
綱川:我々執行部としては、とくに認識してるものはございません。
記者3:わかりました。2点目が、その前にありましたメモリの件なんですけれども。今後のメモリ売却のめどについて教えてください。これがうまくいかないと、債務超過の解消もできませんし、上場廃止のリスクというのが一層高まると思うんですが、現実味はあるんでしょうか?
綱川:これは先ほども申し上げましたけれども、JV契約、ここでは、この第三者への譲渡による支配権が移る場合、Change of Controlの場合ですけれども、ここではJVの持分の譲渡含めて、このJV契約そのものの譲渡について、相手方の同意は不要であると、いらないということになっておりますので。
例えば昨年ウエスタンデジタルがサンディスクを買収した時も、東芝のほうから同意はとくになくて、それでやられたということでありますので、このへんの主張の正当性を正々と説明して進めてまいりたいと思います。
記者3:これ5月19日が2次の締め切りということだったと思うんですけれども、これはもうなくなってるという理解でいいですか?
綱川:その契約のとおりに進めております。5月19日で進めております。
記者3:わかりました。最後が、すいません、そろそろ、上場廃止もそうなんですけれども、一定程度、法的整理ということの検討なり、そこについての一種、チャプター11じゃないですけれども、有効な手段として考えていらっしゃるのか。もし考えていないのであればどうしてなのか、いただければと思います。
綱川:検討してはおりません。
記者3:ありがとうございます。
記者4:共同通信社のクボタです。大きく2点お願いいたします。
1点目、半導体のほうなんですけれども、ウエスタンデジタルさんに出された文書のなかで、15日で締め出しの期限というものが、報道ベースですけど、あるかと思います。今日がその期限になっているかと思うんですが、実際の締め出しであるとかサーバ切断の状況について教えてください。
綱川:15日、米国時間ですので、我々日本では16日ということで、明日なわけですけれども。これはですね……まあ、事実を、背景をご説明いたしますと、ウエスタンデジタルによるサンディスクを買収したあと、サンディスクのエンジニアがウエスタンデジタルのほうに入り、東芝とこのWD(ウエスタンデジタル)との間できちんとした契約がまだできていない段階で、そういう契約がない状況でウエスタンデジタル側に、当社とこのJVの機密情報が流れているという状況でありました。
こういう状況はお互いに「解決しようや」ということで、これまで両社で信頼関係の下でこのWDと協議してきたわけですけれども、ここではこれ以上この情報漏えいのリスクが看過できないという状況になったので、我々としては最低限これを是正すべき、情報が流出しないような措置を起こすべきであろうと考えて、この防止策としました。
これはとくに今いる人が出て行くとか、人の出入りを制限するものではないので、JV事業の運営と、これには差し障りないと思うんですけれども、単にデータへのアクセスということでありますが、明日どうするかということに関しては、今現在まだ決めたことはありません。明日判断したいと思います。
記者4:次に決算に関連することなんですが、先ほど調査のほうは継続というお話もあったんですけども、前回、佐藤委員長のほうで、過去の部分についてはもう調査する必要がないという趣旨の発言をされたと記憶をしているのですが、過去の部分の調査についても、今回、年度末決算を出すにあたり、PwCあらたさんが必要だとおっしゃるのであれば応じる意向はあるのでしょうか?
綱川:できるだけ協力して、調査に応じたいと考えています。
記者4:その場合、過去の調査まで遡ると、通常で考えれば、とても有価証券報告書、期限内に難しいかと思うんですけれども、これは延長やむなしでも調査に応じるんでしょうか?
綱川:そのへんはやっぱり期限というものもあるので、そのへんは話し合いの下で、お互いに話し合って協調して監査手続を進めたいと思っています。
記者4:ありがとうございました。
記者5:プラッツのヤマグチと申します。先ほど東洋経済の方から質問がでました。御社において、法的整理、民事再生、会社更生法などは検討されていらっしゃらないと明言されましたけど、その理由をもう一度おうかがいできますでしょうか。それが1つ目。お願いします。
綱川:今、毀損した財務基盤、このへんの改革等々に専念しておりまして、そのへんの再生法等々考えている事実はございません。
記者5:そうすると要するに、来年度以降、再生が滞りなくいくだろうというような?
綱川:それに向かってがんばっています。
記者5:もう1つ目は、各論ですみません、原子力事業についてなんですが、英国のニュージェン(原発事業子会社ニュージェネレーション)のほうですね、これは現在持株60パーセント、契約にもとづいて100パーセントにするというのは表明されておいでですが、その前からEPCコントラクターではなくなるんだということを踏まえると、このニュージェンのプロジェクトそのもの、株式の売却等、韓国のKEPCOとの協議なども取り沙汰されておいでですけれども、いかかでしょうか?
綱川:ニュージェンに関しましては、今のところ、決定したことはありません。ありませんが、英国政府をはじめとしたいろんなステークホルダーがおられますけれども、このステークホルダーのみなさんと相談しまして、株式売却も含めて、それも選択肢の1つとして検討したいと思っています。
記者5:KEPCOとの協議はなされてはいらっしゃる?
綱川:そのへんに関しては、今いろいろ、相手もあるので、ここではコメントは控えさせていただきます。
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