2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
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司会者:それでは、まず、第三者委員会のみなさまをご紹介いたします。まず、委員長の名取勝也弁護士。続きまして、委員の西川元啓弁護士でございます。同じく委員の、岡村久道弁護士でございます。同じく委員の、沖田美恵子弁護士でございます。
本日の進行の予定でございますが、委員会のみなさまの記者会見を18時まで予定しております。冒頭に、まず名取委員長より、概要のご説明をいただきまして、そののちに質疑とさせていただきます。
その後に、15分ほどの休憩をはさみまして、18時15分から、株式会社DeNAの記者会見へと移らせていただきます。何卒、よろしくお願いいたします。それでは、さっそく、名取委員長からご説明をいただけますでしょうか。よろしくお願いします。
名取勝也氏(以下、名取):第三者委員会の委員長を務めました、名取です。当委員会の調査の詳細につきましては、DeNAが本日公表し、本会場においても配布されている調査報告書に記載の通りです。その概要につき、同じく、本会場において配布の調査報告書の概要に基づいて、以下に申し上げます。
まず、調査の概要は以下の通りです。当委員会は、2016年12月の設置以来、約3ヶ月間に渡り、調査を行ってきました。その概要は、以下の通りです。
(1)委員会の実施回数は、26回。
(2)ヒアリング調査は、合計134回。97名。
(3)フォレンジック調査として、保全されたデータ容量は約520万件。抽出されたデータ容量は約307万件。本問題に関連すると考えられるキーワード検索により、対象とすべきと判断した資料のレビュー件数は約27万件でした。
(4)また、その他の関係資料を検討いたしました。
(5)加えて、記事のサンプル調査。
(6)役職員、クラウドライター等からの意見募集を実施しました。
次に、調査結果ですが、本問題に関して、当委員会が調査によって認定した事実は多岐に渡りますが、そのうち、法令上の問題と、その他の問題に関して認定した事実は、以下の通りです。
1つ目として、DeNAが行っていたキュレーション事業の法令上の問題に関しては、以下の3点が認められました。
1点目として、DeNAが運営していた10サイトの記事、37万6671件についてサンプル調査を行った結果、統計学的には、複製権、または、翻案権侵害の可能性がある記事の出現率の推計値は、1.9ないし5.6パーセントの範囲内であり、その可能性がないと言えない記事の同数計値は、0.5ないし3.0パーセントの範囲内でした。
これらの記事の一部は、同時に、公衆送信権侵害、同一性保持権侵害、または、氏名表示権侵害となっている可能性もあります。ただし、第三者記事との間で、記事の先後関係が不明なもの等が存在するので、これらすべてにつき、侵害していると断定はできません。
2点目として、DeNAが運営していた10サイトの記事に掲載されていた画像472万4,571個のうち、74万7643個については、個々のケースで個別許諾等があった可能性や、ライター自身が撮影した画像を掲載したものの、その事実が確認できない場合等があるため、そのすべてではないと思われるものの、複製権侵害の可能性があります。これらの画像は同時に、公衆送信権侵害、または氏名表示権侵害となっている可能性もあります。
3点目として、外部から内容について問題視されたWELQの記事19本について調査したところ、薬機法、医療法または健康増進法に違反する可能性のある内容を含むと認められる記事は、薬機法について8本、医療法について1本、健康増進法について1本でありました。
2つ目として、DeNAが行っていたキュレ―ション事業のその他の問題に関しては、以下の3点が認められました。
1点目として、WELQに掲載されていた記事の一部には、(1)センシティブなテーマを扱う記事にアフィリエイト広告を掲載するに際し、不適切な点があった。(2)医療に関する記事のユーザーに対する配慮を欠いた内容が記載されていた。(3)医療に関する記事に医師の間でも見解に相違がある内容を安易に記載していたなど、倫理的に問題のある記事が掲載されていました。
2点目として、DeNAが運営していた10サイトには、(1)文章自体には著作物性が認められないものの、他の記事のコピー&ペーストがなされていると考えられるもの。(2)出典が不明瞭で、引用方法として不適切であるものなど、倫理的に問題のある記事が掲載されていました。
3点目として、DeNAは掲載していた記事に対して、画像や文章の無断利用に関するクレームがあった場合、プロバイダ責任制限法の適用を受けられない場合であっても、プラットフォーム提供者としてプロバイダ責任制限法の適用を受けられるかのような対応をしていました。
当委員会は、DeNAが本問題に至った原因や背景は以下のようなものであると考えました。
1点目としてiemo社、およびペロリ社の買収により、キュレーション事業へと新規参入する段階で、同事業に関する分析、議論が尽くされず、事業リスクが適切に把握されなかったこと。
2点目としてiemo社、およびペロリ社の買収後、キュレ―ション事業を開始する局面において、同事業の潜在的なリスクに対する予防策が十分に講じられなかったこと。
3点目として、キュレ―ション事業を拡大していく過程においても、同事業のリスクに対するチェックや手当が十分ではなかったために、リスクの顕在化を招くとともに、問題の早期発見が遅れたこと。
4点目として、キュレーション事業においては事業運営に対する自己修正を妨げる要因が複数存在していたことです。
以上のような事実関係と問題の原因および背景を踏まえて、当委員会は、再発防止策として以下のことを提言します。
まず、DeNAが目指すべき企業としてのあり方を正しく認識し直すこと。例えて言うのであれば、「永久ベンチャーは免罪符ではない」ということです。DeNAが掲げ、目指してきた「永久ベンチャー」とは本来どのようなものであるべきか、再度明確に定義づけ、全員の共通認識とすべきと考えます。
次に、事業のあり方について再検討すべきこと、すなわち数値偏重から公正な稼ぎ方への修正です。もっぱら自社の経済的利益のみに着目するのでなく、さまざまなステークホルダーへの十分な配慮を行っていくべきと考えます。
さらに、事業参入後の必要十分なチェックや振り返りを継続していく体制とプロセスを検討すべきこと。すなわち、経営判断や事業運営における全社的なリスク感覚を醸成すべきと考えます。
最後に、仮にDeNAがキュレ―ション事業を再開する場合には、同事業に関して適切な再検討を行うこと。すなわち、社会から広く受け入れられるキュレーション事業に向けて、読者や外部委託者を含む社会にどのような価値を提供するのか、情報発信における責任の所在は誰にあるのか、キュレ―ション事業の本質的な前提と言えるオリジナルコンテンツの作成者にどのような配慮と対応をする必要があるのか、といったもろもろのことを十分に検討し、明確化したうえで、社内において認識を共有すべきであると考えます。
当委員会は、DeNAが今回の問題について真摯に反省し、再び社会の信頼と期待を得ることができるよう努力することを期待しております。以上です。
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