2024.10.10
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守安功氏:株式会社DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功でございます。
当社キュレーション事業による、今回の一連の問題でご迷惑をおかけしたみなさまに、深く、お詫び申し上げます。また、当社サービスをご利用いただいているみなさま、お取引先のみなさまに、多数のご迷惑、ご心配をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。誠に申しわけございませんでした。
本日は着座にて失礼いたします。
先般発表しましたとおり、社外の専門家のみで構成される第三者委員会を設置し、約3ヶ月に渡る調査を経て、3月11日に報告書を受領いたしました。このたびの調査報告書、および報告書内の指摘事項を、当社としても、重く、そして真摯に受け止めております。
短い期間のなかで、専門家のみなさまには、広範囲の資料の精査など、精力的かつ徹底的に調査をいただきましたことを、この場を借りて御礼申し上げます。
第三者委員会の報告書において、法令上の問題、倫理上の問題として、大きく4点の指摘を受けました。
1つ目が、著作権法に違反する可能性のある記事が作成、公開されていたこと。2つ目が、薬機法等に違反する可能性のある記事が作成、公開されていたこと。3つ目が、内容が不適切な記事が作成、公開されていたこと。4つ目が、プロバイダ責任制限法の適用を受けられない場合であっても、プロバイダ責任制限法の適用を受けられるかのような説明を行っていたこと。
今回の問題に際して、第三者委員会に客観的な調査報告をお願いすると同時に、私なりにも今回の問題が生じた本質的な原因や背景はなんだったのかを振り返り、社内でも議論を重ねてまいりました。
本質的には、本事業に発生した問題に関する要因は次の3点に集約されると考えております。
1つ目が、事業においてもっとも重要である利用者のみなさまへの本質的な価値、あるいは世の中への貢献といったものがもっとも優先するような実態になっていなかったということです。
2つ目が、事業の定義や理解が曖昧であったということです。まず、我々の提供してきたサービスが、メディアなのかプラットフォームなのかというところに関して、その定義や理解、線引きが曖昧なまま事業が推進されたため、さまざまな問題を引き起こしてしまいました。
実質的にはメディアであったにも関わらず、メディアとしても求められる責任への理解が不十分であり、権利関係や記事の正確性などへの、本来、当然配慮すべき部分について適切に運営されておりませんでした。
3つ目が、問題を早期に発見、チェックする管理体制の不備があり、コンプライアンスが徹底できていなかったことです。新しいことに挑戦し続け、成長していくことを強く志向する。それこそが当社のDNAです。ただ、そうした挑戦の姿勢を強く持つのであれば、事業の成長に伴う責任や義務をきちんと果たすための管理、コンプライアンス、およびガバナンスを強化して、足場を固めなくてはいけませんでしたが、そちらに対して、対応が不十分であったと考えております。
今回の問題に関しての当社内の調査および議論、そして第三者委員会の報告書の内容を踏まえ、当社として本事案の責任を明確にするため、関係者への処分を当社取締役会にて決定いたしました。
私、守安功につきましては、2016年12月1日公表おいては、月額報酬の30パーセントを6ヶ月間減額としておりましたが、今般の第三者委員会における調査報告書の結果を踏まえ、月額報酬の50パーセントを6ヶ月間減給といたしました。
執行役員 メディア統括部長兼Palette事業推進統括部長、村田マリにつきましては、就業規則にもとづく処分を行いました。また、3月12日付で執行役員を辞任し、また同日付で子会社iemo株式会社の取締役、および株式会社Find Travelの取締役を辞任する意向を表明しております。
当社子会社である株式会社ペロリの代表取締役、中川綾太郎は、3月12日付で同社の取締役を辞任しております。
なお、執行役員、柴田大介、執行役員 経営企画本部長、小林賢治、ほか25名につきましても、就業規則にもとづく処分をいたします。
今回の件においては、12月7日より問い合わせ窓口を設置し対応を進めておりますが、その点についてご報告させていただきます。
昨年12月の問い合わせ窓口設置以降、多数のお問い合わせをいただきました。ご相談内容に応じて、1件1件対応をさせていただいております。なんらかのご懸念をお持ちの方は、当社ホームページのトップページに継続して窓口を設けておりますので、お問い合わせをいただきたく思います。
お問い合わせをいただいた上で調査を行い、その結果を報告するとともに、お問い合わせいただいた方お1人お1人の思いやお考えも踏まえ、みなさまにご理解いただけるよう、対応を行ってまいります。
我々は、従来より「挑戦」を重視し、企業を運営してきました。また、それを企業の文化にもしてまいりましたが、認識が足りておりませんでした。管理やコンプライアンスの徹底なくして、挑戦を実現することはできないということです。会社としての大きな変革が必要であると考えております。
そこで、第1に、会社のトップマネジメントを強化し、改革を進めてまいります。まず、南場が代表取締役会長に就任し、代表取締役が2名に体制に変更します。また、コンプライアンスとリスク管理の最高責任者を新たに定めるなど、今後数ヶ月かけて、強固なトップマネジメント体制を築きあげていきます。
そして、管理、コンプライアンス体制の強化も進めてまいります。全社のリスク情報の一元管理を行うとともに、取締役会、監査役会への報告を定期的に実施します。さらには関連部門間の連携を深め、コンプライアンス体制をさらに強化してまいります。
加えて、執行役員や事業本部長については、コンプライアンスや管理能力をより一層重視し、複眼的な観点から適正な配置を行うよう努めていきます。また、候補者選定においては社内取締役だけでなく、社外取締役による人物評価を行い、客観的な視点から任命プロセスを進められるようにしていきます。
しかしながら、今回の問題における本質的な要因は、体制や仕組みを変えるだけで簡単に解決できる問題とは考えておりません。根本的な解決のためには、私を含めた経営陣をはじめ全従業員の決定的な意識改革が不可欠であると考えております。
具体的には、取締役会や経営会議において、事業の定義やお客様にどういった価値を提供していくのか? あるいはそれが倫理上正しいことなのか? そういったことを議論する際に、お客様の声、例えばカスタマーサービスに頂いている声や、運営側に直接頂いている声など、自らが率先して確認すること。
また、新規事業等において、社外の有識者の方からアドバイスを頂くなど、客観的な視点を交えて正しい事業運営がされているのか? そういったことを時間をかけて、じっくり議論をしていく。そうすべきであると考えております。また、こういった議論が取締役会や経営会議だけでなく、各事業部門各サービスの単位においても、常に行われる、そういった企業に変えていきたいと考えております。
この3ヶ月間社内外の多くの方から、さまざまな声を頂きました。そのなかで「DeNAは儲け主義だよね、だからこういった問題が起こるんだよ」といったご意見が、とくに社外の方から、また社内からも一部ではありますが、ありました。
このような言葉を受けて、本当に辛かったし深く反省しました。多くの声を受けて実態としてどうだったのかということをここで改めて深く反省し、お客様への提供価値、そして社会にどういった貢献をしていくのかということを事業推進の中枢に据えて、すべての意思決定すべての行動を変えていく。それを改めて決意いたしました。
その達成度合いや経過につきましては、社内外のみなさまから厳しくご意見を承りたいとも考えております。みなさまより信頼いただける企業として生まれ変われるように、従業員一丸となって全力で取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、南場より、みなさまにご説明を申し上げます。
南場智子氏(以下、南場):会長の南場でございます。このたびは、一連の問題によりご迷惑をおかけしたみなさまに、心から深くお詫び申し上げます。
第三者委員会の調査報告書にも指摘されておりましたが、今、守安が申し上げた通りでございます。会社として、管理体制の不備があり、コンプライアンスの徹底ができていなかったこと、そして、お客様にどのような価値を提供していくのかという部分において、十分な議論が行われなかったことについて、深く反省しております。
また、私自身も、これまで会長として、十分にチェックアンドバランスの役割を果たせていなかったということだと思います。これを戒め、今後は、私自身も、代表取締役として、強い決意を持って、守安とともに、会社全体の変革に取り組んでまいります。
DeNAが社会から存在を許され、歓迎され、そして、信頼される会社になれるように、全力で努めてまいります。
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