2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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篠辺修氏(以下、篠辺):本日はたくさんのみなさまにお集まりいただきまして、ありがとうございます。多くの方は、昨日の成田でのメキシコシティ線(就航セレモニー)にも来ていただいて本当にありがとうございます。
今日8時半から全日本空輸株式会社の臨時の取締役会を開催しまして、隣におります平子裕志を全日本空輸株式会社の代表取締役社長に4月1日から就任することを決めました。
私のほうは、別途開催されましたANAホールディングスの臨時の取締役会で、4月1日からANAホールディングスの取締役副会長に就任することとなりました。ホールディングスの会長の伊東、それから社長の片野坂とともに、ANAグループの舵取りをやっていきたいということでございます。
以上が報告でございます。
平子のほうから一言ご挨拶をさせていただきます。
平子裕志氏(以下、平子):篠辺社長の後任として本年4月から全日本空輸株式会社の社長を拝命いたしました平子裕志でございます。
昨今の世界の政治経済の流れをみておりますと、時代はますます「一寸先」の様相を呈しておりまして、そのようななかでもANAが耐久力を発揮し、持続的に成長していける礎を築くことが私の使命だと考えております。
経営トップを担うことへの重責をひしひしと感じておりますが、ANAグループはお客様満足と価値創造で世界のリーディングエアラインになるというグループ経営ビジョン達成に向けまして、ANAホールディングスとともにしっかりと連携を取りながら、ANAの経営を率いていきたいと思っております。
誠心誠意、努めてまいりますので、みなさまの一層のご支援をよろしくお願いいたします。
以上です。
司会者:ではこれより質疑に移らせていただきます。ご質問がある方は挙手をお願いいたします。
記者1:恐れ入ります。テレビ東京のオオハマと申します。2人に1問ずつおうかがいしたいんですけれども、篠辺社長、改めて振り返ってみて、社長在任中の最大の実績はなんだったとお考えでしょうか。また、これはやり残したということがあったら教えてください。
平子さんにおうかがいしたいのは、これから社長に就任して最大の課題というのはどんなところだと捉えていらっしゃいますでしょうか。380(注:エアバスA380型)の導入など控えてらっしゃいますけれども。よろしくお願いいたします。
篠辺:それでは私のほうから。実績ということをどういうふうに評価するかは、しばらく後にみなさんに評価いただければと思います。
私自身は経営計画、とくにANA全日本空輸ということで、航空輸送事業についての事業計画の確実な遂行というのを最大の目標に掲げてやってきたつもりです。そういう意味では安全輸送についてはなんとか、つつがなくやってこれたかなということ。
それから事業計画については、これも常々申し上げていたとおり、国際線が当社、あるいは当社グループの成長の柱だということで、力を入れて事業計画についても進めてまいりました。
とくに国際線の定期旅客運行では、私が就任したときと比べて、座キロ(注:旅客輸送容量の単位。総座席数×輸送距離)では、おそらく60パーセント以上、増えてきたということで、私どものグループの成長のまさに柱だったと思います。
実際にはいろいろなディスティネーション、いろいろな条件があって、飛びたかったところを変更した中身もなかには混ざっておりますけれども、いずれも私どもが考えていた期待通りの結果をここまで出すことができたと思います。
昨日のメキシコシティ線については、「これからだ」ということで、いろいろなご質問をいただきましたけれども、順調にやれたということで、正直、そこは実績かなと思っております。
一方で、やり残しという意味では、大きなやり残しはないとは考えておるんですけれども、市況を見ますと、国際航空貨物、ここについては1、2年需要があまり良くなくて、私どもとしては航空貨物についての戦略については、やや修正をしています。
今年度の中では、需給調整をするということで、そのトンキロを見ていただくとわかるわけですが、計画上も伸びを抑えた形にしました。私自身は、国際旅客と同じように、トンキロを伸ばしたまま、なんとか利益につなげたかったんですが、残念ながら、需要はそうはいかなくて、供給サイドで調整をするというところになりました。
ここについては、もう少し貨物事業の競争力をつけることができれば、成長戦略のそのまま、旅客事業と同じように柱となって進めたかなと思うので、ここについては、来年度以降の中で、改めて需要については底を打って良くなりつつあると思っていますので、やっていけるんじゃないかと期待しております。
以上でございます。
平子:まず、最大の経営課題でございますが、最初にやるべきことは、現場力の回復でございます。もともと、私どもの会社は、現場力の強い会社だと自認してきておりましたが、昨年来、いくつかのトラブルを起こしているということを素直に反省いたしまして、まずは、現場力、基本品質の徹底的な見直しを図ってまいりたいと思います。
安全運行、定時性の向上。それから、オペレーションの安定、こういったことを、3現主義と申しますが、現地、現物、現実と、こういったことに基づいて、まずは現場を見て回って、従業員と対話をし、お互いに腹の底まで納得するようなコミュニケーションを目指していくと。これがまず最初にやるべきことだというふうに考えております。
それから、少し中期的な話になりますが、やはり今後の課題といたしましては、国際線事業、ここが成長の柱になっていくわけですけれども、フルサービスキャリアとしての品質、あるいは、海外認知度、こういったことを高めていきたいと考えております。
当然、今後のマーケットはLCCとの競合も激しくなってくるものと思われます。そういった中で、当社のこれまでやってきましたフルサービスキャリアとしてのこの経験、これを今後どう活かしていくのか、これは大変な大きな課題だと考えておりますし。
2020年には東京のオリンピック・パラリンピックを控えておりまして、こういったことが1つのきっかけではありますが、ユニバーサルなサービスをごく当然のように発信できる、提供できる、こういった会社になっていきたいと考えております。以上です。
記者1:時事通信のハシモトです。篠辺社長にうかがいたいと思うんですけれども、なぜ、この時期に社長交代になったかということを、もうちょっと説明していただきたいということ。
あと、在任期間中に日本航空さんが破綻して再建されてということで、今年度末には8.10ペーパーが終了することになると思うんですが、そういう中で、どうやっていくかということを、平子さんに改めてうかがいたいと思います。以上、2点お願いします。
篠辺:時期についてですが、とくに、社長になったときに、いつまでやろうというふうには決めてはいませんでした。ただ、全体感として、1年でも2年でもなかろうというつもりで、そうすると、3年、4年、5年というのを視野に置くんだろうなというふうにスタートしています。
実際に、後継について真剣に考えるようになったというのは、3年目に入ってからです。先ほど経営計画の遂行のお話をしましたけれども、私が社長になったときに、同じように大事なのが後継者選びだと思ってましたので、航空事業というのは、いつ変わらなきゃならないかもしれないような危うさをもちろん持っていますので、少し前からいろいろなかたちで、自分なりに後継者の育成とまでは言いませんけども、検討を進めてきたということです。
それを進めながら、事業計画や経営計画の遂行を見ますと、2017年、18年というのは、羽田・成田の拡張が一息ついて、私どもとしては、次の2019年、20年の羽田・成田の次なる配分に向けて、若干の踊り場になります。したがって体制を、大きく若返る新しい力で次の飛躍にさせるには、このタイミングがいいんじゃないかというふうに判断いたしました。それが1つです。
それから、8月10日の話は、これまでホールディングスのほうで片野坂社長が言っているとおりであります。私どもとしては事業ほうは直接的にはそうしたこととは関係なく我々の事業戦略をどんどん遂行していくことに徹してきたつもりです。
ただ、財務体質だとかいろいろなところについては残念ながら差があるのは決算報告の時に感じることでありますので、事業会社としてはどんなハンデがあろうとも競争には負けないような会社をつくっていくということで「引き続きがんばっていくんだ」ということに尽きるということであります。
記者1:なぜ平子さんになったのか、というところをお聞かせください。
篠辺:必ず聞かれる質問ですね。私自身は少し若いときから、40代になってから企画部門が多くて、彼と最初に社内で会ったのもその部門で、その時から承知をしていた人材であります。
私自身はANAグループのブランド、文化としては「安心あったかく明るく元気」と呼んでますけれども、どんな強い相手がいようと、みんなで明るく元気に仕事していって少しでも強くなるんだ、という風土を大事にしたいと思っていまして、そこを繋いでもらえる人材であることを貢献の1つの条件に考えてきました。
それから、もうひとつは、先ほど言ったことの一部繰り返しになりますけれども、状況からすると、私は64歳になっていますけれども、世代交代を進めるべきだと。これはホールディングスの体制も含めてトータルでグループ見たときに、そのチャンスだと思いますので。
人材的には、平子よりも年次の高い人材でも社長がやれる人材というのは、私も人材豊富ですので、いるとは思っていますけれども。若返りということを考えた時に、できるだけ若い世代の中から、次の、何年になるか分かりませんけれども、ということで、人とを選んだということです。
その中で、できれば私自身がスターアライアンスですとか、外でいろんな社長さんたちとやり取りをせざるを得ない環境だとか今後の国際線の展開、LCCとの競争もあるかもしれませんけれども、それを考えた時に、できれば国際経験を持っている経験も重要だと思ってましたので、そうしたことも考えます。
それから平子の挨拶にあたって、みなさま方がどういうふうに思われたかどうか分かりませんけれども、ある側面私以上にしっかり真面目にやるタイプですのでそういう安心感というのは持っております。
「現場を大切にしたい」という気持ちさえあれば、ANAのグループはたぶん生き残っていけるだろうと思ってますので、そうした気持ちを持っているということ。彼の略歴について、会社の中央も知ってますし、海外の一支店のところも知ってますので、その意味では私のような整備を知らない部分はある部分ありますけれども、私の方にも逆に知らない部分はたくさんあって、なんとか勤め上げることができそうだ、というところにはきていますので、そこについては心配していなくて。そこのところをトータルに考えて彼に白羽の矢を立てました。
記者2:読売新聞のオザワです。平子さんにおうかがいしたいんですけれども、今まで入社してから思い出深い仕事だったり、興味深い仕事があったら教えていただきたいのと、先ほど社長が海外経験というお話をされたかと思うんですけれども、ニューヨーク時代のエピソードがあれば教えてください。
平子:印象深い仕事はたくさんありまして、私もこの4月で入社して36年になります。その中で、比較的本社勤務が長い人間だとおそらく周りの人間は思っていると思うんですが、実際にあのフロントラインで仕事をしたという経験が通算すると8年間ございました。最初の三年間が東京支店というところで、セールスをやっておりました。
その後ですね、2年間が羽田空港で旅客部長という。これはみなさんが空港に行ってチェックインする時のチェックインエージェントの組織の親分なんですけれども、そこを2年間。最後3年間は米州室におりまして、8年間の現場の経験というのが非常に、私にとっては印象深い仕事でした。
とくに新入社員の頃は、冬になりますと、東京-札幌線がガラガラになるという時期でありましたので、当時は北海道スキーツアーという、こういった商品造成をしました。われわれは新入社員なもんですから、「しっかりそれを売らにゃいかん」ということで、八重洲にオフィスがありまして、丸の内とかそれから八重洲の交差点の角に立って。
当時、日本航空さんはポパイかなにか、私どもはスヌーピーというキャラクターでお客様の気を引いたわけなんですが、ちょうどその前のスヌーピーが出てくる前のキャラクターで、誰も知らない「名無しのくまさん」のぬいぐるみを着てパンフレットを配りまくったと。こういったようなことを昔やっていたなということを思い出しています。
それで、思い出深いことと言えば、当時はちょうど羽田空港の第2ターミナルが開設したばかりで、われわれも非常に気持ちを新たにして仕事に臨んでいたわけですが。やはりなかなか、当社便だけで1日5万人、6万人が利用する大規模空港でしたので、毎日なにかお客様との揉め事とかトラブルというのがあるんですが、そういったなかで1日1日をしっかり解決していくという、こういったスリル満点な仕事もいたしました。
アメリカでの経験は、これは幸いなことに、3年間滞在したんですが、私が就任した時は日米路線がちょうど1日8便飛んでおりましたが、私が離任するときには13便になっておりました。1.5倍以上の規模になったということでありまして、それと同時に米国内、北米内の支店が6支店から9支店に増えたということでした。
規模の拡大に伴って、「規模だけではなくて質もしっかり高めなければいかん」ということで、その関係もあって米国中を飛び回りまして、約200名強、300名近くおります現地のスタッフの人間と、いわゆる私ども社内用語で「ダイレクトトーク」というんですが、タウンミーティングの一種ですね。
タウンミーティングの一種で、直接彼らと対話をして、彼らの言いたいことを聞き、こちらも言いたいことを言うという。こういった経験が非常に印象深く残っております。以上です。
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