2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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綱川智氏(以下、綱川):綱川でございます。本日はご多忙のなか、多数お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
本日は、当初第3四半期の決算発表ということで案内をさせていただいておりましたけれども、第3四半期報告書の提出期限を延長せざるを得ない事象が発生したことに伴いまして、予定していました決算発表についても延期させていただきます。
みなさまには多大なるご迷惑をおかけすることこと、心よりお詫び申し上げます。
第3四半期報告書の提出延長の理由につきましては、取締役監査委員会委員長の佐藤からご説明させていただきます。そのあと私から、2016年度第3四半期の累計の見通し、それから2016年度業績と株主資本と純資産の見通しなど、ならびに原子力事業における損失発生の概要と対策案などをご説明させていただきます。
それでは、佐藤監査委員長、よろしくお願いいたします。
佐藤良二氏(以下、佐藤):佐藤でございます。監査委員を代表して私のほうからご報告申し上げます。
当社は第178期、第3四半期報告書を本年2月14日に提出すべく作成作業をすすめるとともに、並行して独立監査人によるレビュー手続きが進行しておりました。
1月8日および1月19日に当社グループ会社であるウェスティングハウス社による、CB&Iストーン・アンド・ウェブスター社の買収に伴う取得価格配分手続きの過程において、内部統制の不備を示唆する内部通報がありました。
これを受けて、監査委員会として、当該内部通報の内容について、外部弁護士である西村あさひ法律事務所を起用し、ウェスティングハウス社が起用したK&L Gates LLP.とともに事実関係の調査を行いました。
調査の過程で、当該内部通報者とは別に、ウェスティングハウス社の経営幹部からK&L Gates LLP.に対し、ウェスティングハウス社経営者による不適切なプレッシャーの存在を懸念する指摘があり、1月下旬から2月7日にかけて、西村あさひ法律事務所および、K&L Gates LLP.による当該懸念の指摘を行ったウェスティングハウス社の経営幹部へのインタビューを実施いたしました。
これをふまえて、監査委員会としては経営者による内部統制の無効化が仮にあった場合には、四半期連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると判断しました。そのため現時点では四半期連結財務諸表に具体的に修正を行うべき事項を認識していないものの、四半期決算を完了させるには、内部通報により指摘されている事実関係に加えて、インタビューで懸念が示された経営者によるプレッシャーの存在やその影響範囲について、さらなる調査が必要との結論に、昨日午後至りました。
現在、外部の弁護士である西村あさひ法律事務所、およびK&L Gates LLP.において、一部経営者による不適切なプレッシャーの有無や当該プレッシャーが存在した場合の会計への影響の有無、複数の関係者のインタビュー間の不整合の確認をはじめとする、多岐にわたる調査を実施中ですが、今般、当該外部弁護士の西村あさひ法律事務所およびK&L Gates LLP.によるこのような追加の調査の報告ならびに独立監査人によるレビュー手続きには30日程度の期間を要すると判明いたしました。
第178期、第3四半期報告書の提出にあたっては、同報告書に添付するレビュー報告書提出の前提として内部通報に関する調査の完了が求められており、法定の提出期限までに提出することが困難な状況となりました。
このため、誠に遺憾ながら、当社は2017年2月14日付で、四半期報告書の提出期限延長申請を行い、承認を受けましたので、お知らせいたします。
なお、経営者による内部統制の無効化が仮にあった場合には、現在作成中の第178期、第3四半期報告書に記載する四半期連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がありますが、当社は現時点では内部通報にあるような事実は確認されず、四半期連結財務諸表に具体的に修正を行うべき重要な事項は認識しておらず、独立監査人からもそのような指摘を受けてはおりません。調査報告書を受領し、当該調査結果を受けて、措置を講じたうえで独立監査人によるレビュー手続き完了後、すみやかに提出させていただく予定です。
私からは以上です。
<h2原子力事業の業績見通し
司会者:続きまして、綱川から、業績の見通し、原子力事業等についてご説明申しあげます。
綱川智氏(以下、綱川):ただいま佐藤からご説明がありましたように、このような事態になり、株主、投資家を始めとするステークホルダーのみなさまには多大なご迷惑をおかけしましたこと、あらためて深くお詫び申し上げます。
3月14日が提出期限でございますが、可能な限り期限以前の早期の提出に向けて全力を尽くして参る所存であります。それでは、ここからは2016年度の業績見通しおよび、3月末時点における業績の見通しにつきましてご説明をいたします。
まず、今回のご説明に当たり、ご留意いただきたい点を申し上げます。本日の説明内容は業績内容の修正として公表するものではなく、当社としての見通しおよび見解を記述したものであります。
そして、本日の説明内容は独立監査人によるレビュー手続き中であり、レビューの結果次第では大きく修正される可能性もございます。第3四半期および通期業績予想の修正につきましては、第3四半期決算に関わる独立監査法人によるレビューが終わり次第、速やかに公表いたします。
それでは、ご説明をいたします。まず、第3四半期累計の見通しでございますけれども、今回この資料をお持ちだと思いますので、後で多く質問を受けるようにポイントだけお話いたします。
まず、上から2つ目の営業利益のところでございますが、今回のれんの減損7,125億円。これを含んでおりますので、黄色のところ、3Qまではマイナスの5,447億円という営業利益でございます。
それから当期純損益のところでございますが、ここにものれんの減損6,204億円が含まれておりますので、4,999億という数字でございます。フリーキャッシュフロー、マイナス547億円。
そして、12月末現在の株主資本でございますが、マイナスの1,912億。そして、その2つ下の純損益でありますけれども、681億のプラスという結果でございます。
今の流れを、営業利益のところを対前年度で申し上げたのがこの表でございますが、省略いたします。
次に年度の見通しでございます。
これは営業利益、マイナス4,100億円。それから当期純損益が3,900億円。
下に参りまして株主資本でございますが、マイナス1,500億円。これは資本対策前の数字でございます。純資産につきましては12月末もプラスでございましたが、この3月の見通しでも1,100億円のプラスという見通しでございます。
ここの流れを書いたのがこの図でございますが、一番左にあります通り、11月8日では年度で1,800億円という見込みでした。年度当初の予算は1,200億円でございました。その後業績が回復して積み上がっておりまして、右から3番目の棒ですけれども、約3,000億円のところまで至りましたが、今回のれんの減損を7,125億円組み入れたために、一番右の数字、年度では4,100億円のマイナスと、こういう見通しでございます。
次に、純資産のところでございますが、右から2本目、先ほどご説明しました通り、マイナス1,500億という株主資本でございますが、純資産ベースで申し上げますとプラス1,100億円ということで、ここはキープしたいと考えております。
ここはNAND等の資本対策前の数字でございます。
続きまして原子力事業についてご説明いたします。ここでのポイントは、4機米国でEPC(注:設計、調達、建設含む建設プロジェクトの建設工事請負契約)を取りましたけれども、ここでのポイントは下の方の「東芝、親会社保証提供」ということで、2008年度に受注をいたしました。
その後、赤枠で経緯が書いてありますが、書かれている通り、安全規制等々が増える結果となり、お客様、それからコンソーシアムを組む相手といろいろ問題が起こったと。その問題が書いてあるのが緑の枠でございます。
そのような経過を経まして、買収の狙いでございますが、こういうことが狙いでございます。上の行でございますが、青く書いてあるところ「訴訟及び訴訟懸念一括解決によりプロジェクト完工に注力するため」ということで、ストーンアンドウェブスター社を買収する。
それに加えてコスト増、納期延長。これによる損害賠償請求を回避できたと。これが目的でこの買収を行いました。
その後、経緯が書いてありますが、ではなぜこれだけののれん減損になったのか、というところがこの表であります。ここには3つのポイントが書かれております。まず、一番上のところに書いてある通り、買収時に認識されていなかったコスト見積もりの必要性が判明してしまった、これが1点目であります。
2点目として、右側の枠で書いてありますが、運転資本調整。これが年度内に解決するものだと思っておりましたが、CB&I社との訴訟等々で、年度内に調整ができなかった。来年度に持ち越してしまったということでございます。
3点目としまして、この買収後、改善が行われると思っていたんですが、右側の箱の一番下に書いてある通り、当初想定していた作業の効率改善が進まなかった、改善を行えなかったと。この3点のポイントと言いますか、誤算と言いますか。それによりまして今回の損失となりました。
その損失を費目別に分析すると、「労務費」「調達コスト」「予備費等」と、書いてある3つの要素に分かれて、この金額6.1ビリオンという金額になっております。
のれんの計上のところでございますが、原子力ののれん合計は7,125億円と書きましたけれども、その他の繰延税金資産取崩しを含めた当期純損益ベースでは、6,204億円でございます。
その下のところがポイントなので読ませていただきます。「WECは、CB&Iとの買収契約で定められた運転資本調整を現在なお継続しており、完了していないため、今回ののれんの算定におきましては、価格調整に関する資産・負債(受領による改善影響、あるいは支払いによる悪化影響)を認識せずに算定しております」ということで、運転資本のネットワーキングキャピタルの調整は来年度以降ということになります。
次に、課題の対策ということでありますが、現行の組織から、右側の組織に変わります。前回もご説明しましたが、社長の私の直属のところで、原子力事業統括部というのを設定いたします。それとともに、私を委員長として、原子力事業監査強化委員会というものを設定いたします。
モニタリングとコーポレート執行役がリスク評価とモニタリング、これをしっかり見ていきたいということでございます。
それから米国のAP1000、これの強化ということで、現地の体制をここに書いてある通り、細かくはご説明しませんが、この通りに進めて完了するということを進めてまいります。
今回の責任問題でございます。ここに書いてある通りでございますが、表の通り綱川、私、それから会長の志賀、ダニー・ロデリック、それから原子力事業部長の畠澤、お手元の表の通り、報酬返上等の責任を取るということで進めてまいります。
会長の志賀に至りましては、取締役・代表執行役を辞任して、ウェスティングハウスのほうの課題解決に専念してもらうということでございます。
続きまして原子力事業の連結予測、今後どうするのかということにもよりますが、上のほうに青字で書いてあるのが売上高、下のほうにピンクで書いてあるのが営業利益でございます。
太字で書いてある「燃料・サービス計」というのが売上高の上のほうにございますが、過去から、2009年度からの推移を見ていただきましても、この原子力事業、売上の80パーセントが燃料・サービスの事業でございました。
今後もここの事業はお客様に迷惑をかけないように国内海外関わらずしっかりやっていくということで進めてまいります。
今回、土木建築というところが、WECTECというところで、例えば2016年度ではここに2,994億入っておりますが、ここを今後管理して、土木建築はとらない、受注をしないということで進めていくということでございます。
営業利益を見ていただいても、「燃料・サービス計」の欄が太字で書いてありますが、昨年も今年も400億前後のプラスであるという事業でございまして、今後はオペレーションを燃料・サービスのところ、それから新設プラントのところ、機器の納入のところ、これをしっかり分けて管理をしていくということでございますし、今お客様が心配されている、今までの100台以上の原発の据付ベースに関しましては、しっかりとサービスをしていくということでございます。
そのあたりをまとめたのがこのページでございます。繰り返しになりますが、国内・海外限らず、再稼働、メンテナンス、それから廃炉等を中心として、社会的責任を継続するということは進めております。
海外事業につきましては、下にあります通り、サービス、燃料・プラントのところ、それから新設のプラントのところ、それをしっかり分けてオペレーションをしていくということでございますし、先ほど申し上げましたが土木建築の部分はこれからはとらないということでございます。
それから最後にあります通り、今進行中の8基、アメリカのEPCでやっている4基、それから中国、これはEPCではございませんが、この8基につきましては、リスクの点に務めて進めていくということでございます。
具体的にはこのページの通りでございますが、中国にとりましては、三門と海陽のこの4基でございますが、先ほども申し上げた通り土木建築は含まれておりませんが、地方機、昨年の12月に高温試験を終了いたしました。
運転開始までに主要なマイルストーンとしては、燃料装荷と試運転を残すのみとなっております。これを確実にやっていく。
それからインドのAP1000でございますが、6台の見込みがございますが、これも土木建築のリスクを負担いたしません。それでとれれば受注するということで進めてまいります。
それからNuGen、イギリスのほうですけれども、これに関しても土木建築のリスクを負わない前提で検討を進めておりますし、従来と同じですが出資の希望者があれば持分売却を検討するということでございます。
ここにありますのは、WECに対する親会社保証に関する数字でございます。この金額をお知らせしておきます。
続きまして、当社の事業の中期的な考え方でございますが、まだ3Qの数字がしっかりと固まっていないところでありまして、ここでは考え方だけ述べさせていただきます。
社会インフラ・エネルギー・電子デバイス、ICTソリューションということで、この3本でとくに社会インフラを中心に今後しっかりやっていくということであります。
海外原子力事業のところ、「戦略的選択肢を検討」と書いてありますが、これはパートナーさん、しっかりとお客様、従業員に納得性のあるお客様・パートナーがいれば、株式も創始場の持分も減らしていくということであります。
メモリ事業につきましては、今後さらなる成長に必要な経営資源を確保していくということで、非常に柔軟に考えておりまして、とくに当社東芝のマジョリティ確保ということにはこだわらないと。
柔軟に、マイノリティになっても、マジョリティを譲っても、外部資本導入を検討するということで柔軟な体制で進めていきたいと思います。
これは例として。このようなシステムについて事業成長させていただきたいということでございます。
私の説明は簡単ですが以上でございます。ありがとうございました。
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