2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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記者7:フリーランスのイシノと申します。先ほど、デューデリが適切に行われていたのかという質問があったと思うんですけれども、それに関連して、そもそも買収しようとした時に、キュレーション事業部、ここまで大きくなると本当に守安さんが思っていたのかというのが、少し信じられないところがあって。
というのも、キュレーションに関する問題って、LINEだったり、そういうほかの事業でもそれなりに法的な問題でリスクを含んでいるという指摘は、当時業界でもいろいろあったと思うんですけれども、その点はどのように考えていたんでしょうか?
そこまで本気で成長すると思っていたのか、ちょっとそこらへんが……守安さんの判断としてどういうふうな位置づけで買収にいたったのか、というのをもう少し詳しく教えていただけないでしょうか?
守安功氏(以下、守安):著作権的なことも含めた、法的なところ、モラル的なところというのは、非常に反省すべきところが大きかったと本当に痛切に感じております。
ただ、メディアといいますか、サービスとして考えた場合には、ヴァーティカルに非常に大きくなっている、例えば食べログですとかクックパッドですとか、そういったサービスもございますので、そこの作り方というか運営の仕方というのは異なるわけですけれども、適切にそれがユーザーさま、社会に認められるやり方でできれば、非常にポテンシャルのある事業だということは思っておりました。
記者7:もう1点あるんですけれども。今回、こうやって経緯を社長自ら説明されたわけですけれども、キュレーション事業部の責任者とか、そういったところが今日この場にいらっしゃらないというのはなぜなのでしょうか? そこをお聞かせください。
守安:ここまで大きな社会的にもお騒がせをする問題になりましたので、今回、会社のトップである私がきっちりご説明させていただくのが一番よいだろう、筋だろうと判断いたしました。
また、第三者委員会含めて、今回どのような背景で、指示系統も含めて、なぜ問題が起こったのかというところがまだ解明できておりませんので、そういった意味で第三者委員会を含めて、責任のあり方、所在含めて検討すべきだというところで、今回は私が話をさせていただくのがよいだろうと考えました。
記者8:共同通信社のクボタと申します。2、3点ほどお願いいたします。まず1点目なんですが、第三者委員会なんですけれども、これは必要な調査されるということなんですが、かといって、いつまでもずるずるとというわけにはいかないかと思います。
時期的な目処、いつぐらいに調査報告書をいただきたいのか。もちろん調査委員会の判断もあるとは思うんですが、社長自身、いつぐらいが目処だと思われているんでしょうか?
守安:まず、小林のほうから第三者委員会の現状の進捗について、ご説明させていただきます。
小林賢治氏(以下、小林):第三者調査委員会についてなのですが、今現在、まだ委員の方々が現時点で発表できるという状況では、まだ確定している状況ではないんですが、速やかにメンバーを確定していく、そういうフェーズでございます。
その調査内容および日程等々につきましては、やはり我々がというよりは第三者調査委員会側がしっかり考えていくというところになるので、この時点ではお答え申し上げるところが難しいのではありますが。
今回、そういう意味では、時期を急ぐというよりも、しっかり中のところに踏み込んでいただいて、なにが実態としてどうであったかというところを、とくに振り返るべきところをちゃんと振り返られるようなものになるべく、そうした期間をしっかり取りたいと考えております。
記者8:もう1点なんですけれども。先ほど、社長自身が先頭に立って対応していきたいとおっしゃられたかと思うんですが、基本的には社長は続投されて、この問題しっかりと最後まで責任をとって見られると考えてよろしいでしょうか?
守安:はい。今回、非常に大きな問題を引き起こしてしまいましたが、この問題をきっちりきちんと世間のみなさまに納得いただけるかたちで解決して、新たなDeNAを作って、世間のみなさまによろこんでいただけるサービス・事業を作ることこそが、私の使命、責務だと思っておりますので、先頭に立ってこの問題を解決していきたいと考えております。
記者8:3点目なんですけれども、キュレーション事業、黒字化が見えているとおっしゃられていていて、確か第3クオーターで黒字化するのではないかというような話だったと思うんですが。これで、4Qではなかなかそのへん見えない状況になったかと思うんですけれども、業績に関する影響みたいなところをもう少し詳しく教えてもらえないでしょうか?
守安:業績内容については、小林のほうからお答えさせていただきます。
小林:先般開示いたしました資料におきまして、キュレーションの現在の事業の状況というのをお示ししておりますが、第3四半期におきましてはおっしゃるとおり、若干の黒字を見込んでおりました。
今回の一連の件を受けまして、この点についての事業の状況が大きく変わることになりましたので、ここについての金額の影響は、第4四半期を含めて、しっかり精査している途上でございます。そういう意味では業績に影響があると判断した場合は、速やかに開示してまいります。
記者9:朝日新聞のフジサキと申します。3点うかがいたいんですが、守安社長自身がこの問題に気づかれたのはいつごろだったのか。先ほど「11月下旬から声が大きくなった」とおっしゃっていたんですが、いつ気づかれて、どういう経緯で気づかれて。
それで、先ほど「スタートアップの良さとのバランス」ということはおっしゃっていたんですけれども、それまで中で一切議論がなかったのか、あったのか。対応の遅れ、判断の甘さが生まれた理由について、お聞かせくださいますでしょうか。
守安:2つ、今回わけてお話する必要があると思いますけれども。まず、医療関連記事の正確性。その監修がついていないというところに関してなんですが。これも私の記憶においてはっきりしていない部分もございますので、今の考えということで申し上げさせていただきます。
インタビューでも答えておりますが、当初、WELQというものはいわゆるライトなヘルスケア。例えば筋トレとか、コスメとか、そういった、医療情報とはちょっと隣接はしているんだけれどもライトなヘルスケアという領域で立ち上げようということを、昨年の8月くらいに決めて、実際には11月頃からサービスが始まりました。
そのなかで、どのような経緯でこの医療情報を取り扱うことになっていったか、というところは、これもまだ調査していかないといけないんですが、私もWELQというサービスが順調に成長しているなかで、例えば「腰が痛い」というキーワードで検索した場合に、腰が痛い原因として、例えば長時間座っているとか、あるいはこうだとか。
私自身もなにが医療情報かという知識がないところもありまして、当初はそういった記事がそれほど問題でもないのではないかと思っておったんですが、やはり外部から夏前くらいですね。「医療情報がこのようなかたちで提供されているのはどうなのか?」という声も耳に入っておりました。
そこで私としても、やはり医療情報について正確性が担保されないのは問題であるというところで、これは監修をつけるべきだと考えて、その監修のプロセスを走らせるというか、監修していただけるところを探して、実際にお願いしてくれということはやっておりましたので、やっておったんですけれども。
そこの私の認識としては、記事が公開されている状態で後追いで監修の方に入っていただいて、必要なものを修正して監修をしていくと。公開しているものを順次監修していくということをやっていけばよいのではないかというふうに考えていたんですけれども、その認識というのが、やはり世間の認識とズレがあったと。
監修が入っていないのであれば本来は一旦記事を取り下げて、監修をつけて、それから再度アップすべきだというところが世間の一般の感覚だったわけですけれども。そこの私の認識の甘さというところがあったというふうに反省しております。
そしてもう1点。記事作成のプロセスにおいて、ほかの記事の文言の転用を推奨していると捉えられかねない、ああいったマニュアルに関していくと、当然マニュアル類は私は見たことがございませんでしたので、BuzzFeedさんの先週の月曜日ですかね。その時の記事を見て、初めて知ったというところになります。
記者9:もう何点かあるんですけれども。外部のライターの方と個人の方が書かれているというところがあるんですけれども、一部の指摘で「リライトツールなども使っているのではないか?」というご指摘もあるかと思うんですが、そういったことに関してはどういうふうにお考えですか?
守安:そうですね、これも第三者委員会の調査が必要かもしれませんが、私が現場の人間に聞いた限りにおいて、そういうbotの利用というのは禁止しておりまして、推奨も容認もしていないということですので、当社の認識においてはそういったbotは利用してはいけない、していないという認識をしております。
ただ、クラウドワーカーさんなどに記事を依頼しているなかにおいて、それが本当にどうだったかというところは、これはまだわからないというところになります。
記者9:今回の事業が、みなさんのなさっている事業のなかでは自動運転とか遺伝子検査とか、命にかかわるような事業もほかにはあると思うんですけれども、今回のWELQの問題が与えうる影響というのをどのように見てらっしゃいますでしょうか?
守安:ほかの事業も当然そうですけれども、会社自体の信頼性が、今非常に揺らいでいる状況だと思っておりますので、この状況というのをきっちり対応して、もう一度世間のみなさまに納得していただける、そういった企業に生まれ変わる必要があると。そういうふうに思っておりますので、そこに全力を捧げたいというふうに思います。
記者9:最後に、医療のチェック・監修が、ということだったんですけれども、監修する方を探す方法や、監修をどういう方にお願いするか、今の考えを改めてお聞かせください。
守安:これもプレスリリース、WELQのなかのお知らせで出していたかと思うんですけれども、一部監修自体はすでに走っておりました。ただ、今回WELQ自体を閉じると。そして今後どうするのかわからないというなかにおいて、現状そのプロセス自体も止めております。
10個の媒体を今後どうしていくかというところはあるんですけれども、この医療関連記事というのは非常に取扱がやはり難しい分野であると思っておりますので、再開のハードル自体は非常に高い。もしかしたら再開自体できないかもしれないという、そういう考えでおります。
記者10:朝日新聞のカミグリと申します。今の続きで1点。先頭に立って信頼を回復されるということなんですけれども、今回の責任については、このサイトについて対応をされたところでお辞めになるということでよろしいんでしょうか。
守安:辞める予定、つもりはございません。信頼を回復して、企業を成長させていきたいというふうに考えております。
記者10:わかりました。続きなんですけれども、先ほど記事の作成プロセスについてご説明いただいたんですけれども。この図を見ますと、社内の方が社内外の方に指示をして原稿を作っているということだと思うんですけれども、御社のサイトでは「記事の内容については編集部は関与していなくて、正確性については一切保証するものではございません」というふうに表示してあったと思うんですけれども。
これはみなさん自身が能動的に記事を作られているにも関わらず、「まったく無関係である」と書いていたということは、配慮とか著作権の問題ではなくて虚偽の記載をしていたということだと思うんですけれども、そのような認識はおありでしょうか?
守安:そのような認識はまず持っておりません。これも非常にむずかしいところではあると思うんですけれども。
例えば、私の認識している範囲におきまして、医療関連情報を扱っているサイトで監修がついているものに関しましても、やはり医療関連の情報というのは非常に個人差もあり、その記事の内容に基づいて行動した結果どうなるかわからないというところがございますので、医療関連の記事において監修のついているものであっても、「その正確性を含めたところというのは自己責任になりますよ」というところのほうが多いのではないかと私は思っております。
記者10:すみません、結果が自己責任であるということと、記事を自ら作成して、自らのスタッフで作成をしてサイトに載せておきながら、その正確性について一切担保しないというのはまったく性質が違うというふうに思うんですけれども、自ら作った記事について正確性を担保していないと自ら明記していたということは、どのようにお考えですか?
守安:ちょっとどの記事というのがわからないところもございますので。
記者10:サイト全体の性格として、「キュレーションサイトですので正確性を編集部が担保するものではない」という趣旨の記載だったと思うんですけれども、実際には編集部としてテーマ設定を含めて、能動的に、この図にあるように記事を作成されていたわけですよね。つまり、内容について本来責任を持つべきプロセスで作成していたにも関わらず、一切その正確性を保証しないと表記されていたことについて、どのようにお考えですか、と申し上げているんです。
守安:そうですね、一切正確性を保証しないという文言を、どのような経緯でそれを入れたか、今私は認識していないんですけれども。編集の体制に不備があった、チェックが十分に働いていなかったということは事実だと思っておりますので、編集のあり方として問題があったという認識はしております。
記者11:日経BPのタマキと申します。そもそもの話として、キュレーションメディアをこれだけ短期間の間に立ち上げて、注力してきた理由を改めておうかがいしたいんですが、なぜこれだけキュレーションメディア事業に力を入れたのか。
端的に言うと、短期間に儲かる、成長できる事業だからかなと思ったんですが、体制図を拝見すると、かなり外部に依存した体制で、コストを抑えつつも、ビューや広告収入をあげられる構造のビジネスなのかなと拝察します。そういった収益性なども絡めて、なぜキュレーションメディア事業にこれほど力を入れてきたのかということをご説明ください。
守安:キュレーションメディアの作り方自体がどうだったのかという問題は、非常に大きいと思って、反省をしているところでございます。
もともとMERYとiemoを買収したときに、MERYがすでにファッションのサービスとして月間の利用者数で1千万人くらいご利用になられている。iemoについても、非常に急成長しているというところで、そういうバーティカルな情報を扱ったスマートフォンのメディアというのは、非常にニーズが高いのではないかと。
その2つのメディアだけを買収してやるのではなくて、いくつか横に展開していこうというところが、もともと買収したときの戦略にあったということでございます。
記者12:BuzzFeed Japanのフルタと申します。まず1つ目の質問なんですが、(記事作成の)マニュアルを読ませていただきました。かなり驚きの内容だったのですが、現場のレベルだけであのマニュアルを整備することはとてもできないかと思います。いったいどのレベルの方までが、あのマニュアルを確認していたのでしょうか。
守安:そのマニュアル自体がどのような経緯・背景で作られたかというところがまさに問題となっておりますので、そこは現時点で把握できておりません。現時点でマニュアルは入手しておりますが、9つの媒体におきましても、かなりマニュアルが変わっていることもございます。
これがどのレベルで作られたのかというところ、あとはマニュアル自体もかなり早いスピードで改定されていましたので、どのレベルで「こういうふうにしよう」とか、指示があったのかといったところは、第三者委員会をふくめて、きちんとした調査の必要があると思っております。
記者12:元サイトからの引用において、(マニュアルに)「表現を変えることによってオリジナリティを増す」という表現が入っていたかと思います。これは組織的な盗用の推奨ととられかねない部分かと思ったのですが、これはすべてのメディアで共通していたんでしょうか。
守安:基本的には、「著作権を侵害してはいけない」ということを基本方針にしておりましたので、そのような認識はございません。
記者12:先ほどの説明のなかで、家が好きな方や、ファッションが好きな方が自発的に投稿する、それで成長していくというモデルに魅力的な部分があったと。
ただし、メディアとしてグロースしていくなかで、投稿数を増やしていく必要があって、間違った方向に進んでいったという趣旨の説明があったかと思います。これはいつ頃から、外部ライターを大量に使うといった方針に変わっていったのでしょうか。
守安:9媒体のほうはかなりクラウドソーシングに依存しておりましたけれども、MERYのほうはインターンやアルバイトの方が書いている記事が多くて、方針自体が当初から変わったということではなくて、徐々に規模を追い求めていくなかで、(外部ライターの)人数が増えていったという認識でおります。こちらに関しても、どこかのタイミングで、どうなったのかというのは、第三者委員会を含めた調査が必要かと思っております。
記者12:今のご説明ですと、残りの9媒体については、かなり早い段階からグロースを重視して、外部ライターを大量に雇用する体制だったということでしょうか。
守安:9つの媒体の立ち上げ方もありますので、私がこの場で把握しているところはございませんが、媒体を立ち上げるにあたって、当然一般の投稿者さんもいますけれども、まあ発注して(記事を)作っていくものが多かったのではないかという考えをしております。
記者12:2014年、キュレーションプラットフォーム運営のiemoさん、ペロリさんを買収されて始められた当時において、すでに日本で著作権侵害をしているということで話題を呼んで、サイトを潰された方々もそこに合流されていたようです。
その点について、そもそも最初に法務にグレーな部分がある、そこを気をつけないと、という認識があったにも関わらず、そういう方々を合流させることになったのは、そもそも著作権に関する認識が甘かったということではないのでしょうか。
守安:そのように指摘されてもしょうがないかなということで、著作権者さんに対する配慮をふくめて、当初の認識は甘かったのではないかと思っております。
南場智子氏(以下、南場):それは意思決定をした場に私もおりまして、おっしゃっている(問題のある)個人を採用するというのは経営会議でも議論になりました。そのような問題を過去に起こしたことのある非常に若い人物であるということで、私どもとしては、そのような問題を決して起こしてはいけないと思っております。
ただ、その若者が、大変にネット上で炎上して心を痛めて、大反省をしていて、すでにお詫びをしているということであれば、もう1回チャンスを与えてみようじゃないかということで、「私に会わせてもらえないか」と経営会議で発言して、その人物にも会って、確認したところです。
このインターネット文化の発展のプロセスにおいて、そういった大きな間違いを起こしてしまった者に、再度チャンスを与えるといったことを非常に安易に行ったわけではなく、経営会議でもそこが大きな論点となって、そういう人物を入れていいのかというのが、侃々諤々の議論がございました。
その意思決定よりも、採用した後に、当社としてしっかりと教育ができたのかとか、私は(今回の)その事実がつまびらかにならない段階で申していますが、当社自身が結果として同じような過ちを犯してしまったということ、これはその後の私どもの認識の甘さであったと考えます。
記者12:真摯なご説明ありがとうございます。最後の質問です。キュレーションメディアというのは、インターネット上では非常に一般化されている手法であり、引用であっても、あらゆるメディアでされている、通常の初動動作であると思うのですが、今回の一連の動きのあとに、キュレーションという手法そのものに対する批判が広がっています。このことに対する社の責任をどのようにお考えでしょうか。
それともう1つ、これは著作権だけの問題ではなく、数年前にアメリカでも広がったコンテンツファーム、粗悪なコンテンツをSEOだけ最適化して大量に増やすことによって、広告費を得るといった問題ではないかと思い、そのコンテンツファームのアイデアを真似したように感じるのですが、その点はいかがでしょうか。
守安:まず1点目ですけれども、まさにネット上においても非常に議論がなされているところだと思いますが、インターネットメディア自体のあり方が問われてきていると思っております。
今、どのように運営していけば、信頼できるインターネットメディアとして存在できるのかという議論が巻き起こっている最中かと思っておりますが、我々自身、第三者委員会もふくめて、どのようなチェック体制でやっていけば、世の中に信頼できるメディアだと認めていただけるのかというところは、率先してそのようなメディアを作っていかなければいけないと思っております。
2点目、そのコンテンツファームというものは、いわゆるGoogleさんのレギュレーションを逸脱して、上位表示を狙う手法だと認識しておるんですけど、当然我々もSEOという手法自体を重視して取り組んできましたが、Googleさんのレギュレーションを逸脱して、順位をあげようといったことは考えておりません。Googleさんの許されるレギュレーションのなかで、工夫をしたと考えております。
記者13:プレジデントオンラインのヨシオカです。守安社長に1つと南場さんに1つ、質問がございます。
まず1点目。メディア事業というのは、コンテンツを作るコストから、広告費などで儲けたお金を逆にマイナスしたところが利ざやになるわけで、そこが儲けになるんですけれども、まず広告費以外に知られている収入があったのかどうか。お金を獲得するというところですね。広告費以外にお金を得る手法があったのかどうかというところと。
今後この引用ができないということになって真面目にオリジナルコンテンツを作ろうということになると今度はコンテンツを作る部分にものすごくコストがかかることになり、おいしい仕事ではなくなると思うんですけれども、メディア事業が儲からない事業になったとしても、今後キュレーション事業を続けていく気があるかどうかというのを教えてください。
守安:まず収入面に関してですけども、基本は広告収入が大半、メインでありました。一部MERYにおいてeコマース、物販を行っておりましたので、一部その物販の売り上げがあったということですが、基本的には広告収入が大半という認識でおります。
もう1点目、コンテンツの制作にコストをかけた場合にビジネスモデルとして成り立つのかというご質問だと思っておりますが、まさにそこ我々が考え抜くことが必要だと思っておりますので、それに挑戦はしていきたいと思います。
結果として、これがビジネスモデルとして成り立たないということになるかもしれませんが、現時点においては、これもキュレーションビジネスと呼ぶのかというところから考えないといけませんが、このようなバーティカルなメディアをどうすればユーザーのみなさまにも喜んでいただいて、世間のみなさまにも納得いただいて、ビジネスとしても成立するものができるかというところは考えていきたいと思っております。
記者13:ビジネスとして成立しない場合は、元々本業ではないわけですし、メディア事業から撤退する可能性があるということで正しいでしょうか。
守安:現時点で可能性はあまりお話ししてもと思いますが、これはどの事業においてもだと思っております。弊社のすべての事業において、当然営利企業でございますので、投資期間をどれぐらい見るかということでも変わってきますが、これが未来永劫利益を生む可能性は低いといった場合には、これはメディア事業だけではなくて、いろんな事業から撤退するというのは必要な判断だと思っております。
記者13:あと南場さんに1つ。南場さんはご家族の看病をずっとされていて、おそらく医療情報についてもネットで検索されたことがきっとあると思います。
そのなかで、WELQの記事を見たことがあるんじゃないかなと私は思っていたんですけれども、実際見たことがあったのかというのが1つと、見た時にどのように思われていたのか。
手軽にこういう情報が得られるのはいいことだと思ったのか、あるいはこんなのひどいじゃないかと思ったのか。そのへんを率直にお話しいただけるでしょうか。
南場:大変に不覚なことでございますけれども、WELQのそういった情報提供についてはまったく認識しておりませんでした。
私は日々もちろん情報を探しておりますけれども、基本的には、家族の闘病が始まった時から、インターネット情報を徹底的に調べまして、インターネット上の情報がそれほど役に立たないとか、その先にガンに効くキノコとかそういう話が出てきて、信頼できないと2011年時点で思いまして、私の情報収集は論文と専門家からのレクチャーを受けるということを中心にしていました。ただ毎日、同じ病気の患者さんのブログはチェックしていました。
そして、この件を知ったのは、実は報道されてからなんですけれども、「がん」という言葉でWELQのなかで検索をしてみて、いくつか記事が出てきたときには、「いつこういう重い情報を、医療情報を扱うようになったのか」ということで愕然としたという事実は実際ございまして、それは経営者として非常に不覚であったと反省しております。
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