2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会者:みなさま長らく大変お待たせいたしました。それでは開始させていただきます。あらためまして、本日は、ご多用中みなさまにご足労をおかけして大変申し訳ございません。遠方よりお越しの方々にも改めまして重ねてお詫び申し上げます。私、本日を進行を務めます、青野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それではまず、守安より本件についてご説明を申し上げます。
守安功氏(以下、守安):株式会社DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功でございます。本日は着座にて失礼いたします。
このたびは、お忙しい時間をいただくこととなり、誠に申し訳ございません。私からみなさまに直接お話をさせていただきたいと思い、本日会見を開かせていただくことといたしました。これより、当社のキュレーションプラットフォーム事業に関わる一連の問題に関して、ご説明を申し上げます。
はじめに、当社のサービスをご利用いただいているみなさま、お取引先のみなさま、インターネットのユーザーのみなさま、株主・投資家のみなさま、そしてすべての関係者のみなさまに、多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを、心より深くお詫び申し上げます。また、みなさまに対して直接私からご説明する機会が遅くなってしまったことを、重ねてお詫び申し上げます。
誠に申し訳ございませんでした。
(一同礼)
まず、この度の一連の問題に関する経緯を、私より説明します。2014年9月、当社は住まいやインテリアに特化したキュレーションプラットフォーム「iemo」を運営するiemo株式会社。および女性向けファッションに特化したキュレーションプラットフォーム「MERY」を運営する、株式会社ペロリの2社を買収し、キュレーションプラットフォーム事業を開始いたしました。
キュレーションプラットフォームとは、インターネット上に存在するさまざまな情報を、キュレーターと呼ばれるライターが独自のテーマに基づいて1つのページにまとめ、公開することが可能なサービスです。
当社では、先ほどご説明した、住まいやインテリア、および女性向けファッションに加え、食、旅行、男性向けファッション、育児、エンターテイメント、ヘルスケア、マネー、車と、新しいジャンルのキュレーションプラットフォームを順次立ち上げ、全部で10サイトのサービスを運営しておりました。
そのうち、ヘルスケア情報を扱うキュレーションプラットフォームである「WELQ」におきまして、専門家による監修のないまま、根拠が不明確で誤った知識の提供に繋がりかねない医療情報の情報を、医療関連の情報を載せていたことについて、数多くのご批判をいただきました。
細心の注意を払って取り扱うべき情報を、このように不適切なかたちで提供することは大きな問題であると反省し、11月29日にWELQの全記事を非公開化いたしました。加えて、共通する運営体制および方針を取っているMERY以外の9つのサービスに関して、業務マニュアルやライターの方々への指示などにおいて、他サイトからの文言の転用を推奨していると捉えられかねない点がござました。
このまま記事を提供し続けることは許されないと判断し、12月1日に、9つのサービスの記事をすべて非公開化することを決定しました。また、これらを重く受け止め、代表取締役社長として、自らの報酬を6ヵ月間30パーセント減額することを決定いたしました。9つのサービスを非公開化したことから、その後は女性向けファッションのMERYのみ記事が公開されている状態になっておりました。
これは、MERYの運営体制および方針が9つのサービスと異なっており、その確認を行ったところ、運営体制と方針に問題はないと判断したためです。しかしながら、WELQでもご指摘を受けた「心身の状態に関わるキーワードを含む記事」「出典元が不明の画像を含む記事」など、さまざまな観点から念のため記事単位での非公開化を進めたところ、実際には8割近い記事がMERYにおいて非公開化されるに至りました。
そのため、MERYについても他のキュレーションプラットフォームサービスと同様に一度サービスを停止し、厳正かつ公正な調査を受けるべきではないかと取締役会で指摘を受けました。そこで第三者による調査委員会を設置し、事実関係の調査を行うことを決定しました。これにより、本日、MERYを含むすべてのサービスの記事を非公開化といたしました。以上が経緯になります。
今後は、第三者委員会による調査に全面的に協力し、みなさまに今回の問題の全容をご報告するとともに、社内でもしっかりと問題のある部分とその原因を洗い出し、徹底的な改善策を実行してまいります。1日も早くみなさまの信頼を回復できるよう、私自身が全社員の先頭に立ち、全力で責任を果たしてまいります。
この場をお借りしまして、改めてすべての関係者のみなさまにお詫びを申し上げたいと思います。誠に申し訳ございませんでした。
(一同礼)
司会者:続きまして、小林よりみなさまにご説明申し上げます。
小林賢治氏(以下、小林):株式会社DeNA、執行役員経営企画本部長、小林賢治でございます。着座にて失礼いたします。
先ほど守安からご説明いたしましたとおり、今回、当社のキュレーションプラットフォームサービスの運営体制および方針、具体的には、記事が作成され公開されるまでのプロセスにおいて、大きな問題点が見つかりました。私、小林より、その詳細のご説明を申し上げたいと思います。
キュレーションプラットフォームのそれぞれのサービスごとのフローや運用体制は異なる部分もございますが、記事は、正面の図で示しましたように、プロデューサー、ディレクター、外部パートナー、ライターらによって作成されているものと、各サービスに一般ユーザーが自由に投稿するものがございました。
通常のメディアであれば、記事の品質や内容の正確性を担保するための編集部が存在しています。しかしながら、お示しした図にあるとおり、当社のキュレーションプラットフォームサービスには、この濃い色になっている役割の者がサービスへの投稿を行うことが可能な仕組みになっており、記事の品質等について最終的な責任を負う機能が明確には存在していませんでした。
また、プロデューサー、ディレクターから、外部パートナーまたはライターに記事作成を発注する際において、ほかの方が作成された記事等を参考にする場合は、元の記事と同一のかたちにならないように作成するよう指導していたマニュアルが、一部のサービスにおいて存在していたことが判明しました。そのため、不正確・不適切な記事が容易に掲載される運用体制となっていました。以上となります。
守安:ただいま小林よりご説明申し上げた当社の記事作成のプロセスにつきまして、私としては、サービスの成長を追い求める過程で、ユーザーのみなさまに正しい信頼できる情報をお届けすることを担保できない体制となっていたこと、ほかの方が作成された記事などを不適切に利用することを助長しかねない運営体制となっていたこと、このような運営体制にならない管理体制を構築できなかったことについて深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした。
(一同礼)
今後の抜本的な改革については、第三者調査委員会による調査結果も受けて、できるかぎり早期に行ってまいりたいと考えております。
また、今回の問題によりご迷惑を受けられた方、具体的には、当社WELQの記事をご覧になられて健康被害を受けられた方、また、当社サービスの記事などの出展・出処にご懸念をお持ちの方から、ご意見・ご相談やお問い合わせを受け付ける専用の窓口を開設いたします。
当社ホームページの一番上に窓口を設けております。いただいたご意見・お問い合わせには真摯に対応してまいります。
続きまして、このような事態を招いた背景になにがあったのかを、私なりの反省を述べさせていただきたいと思います。
当社のキュレーションプラットフォームサービスは、ユーザーに情報を届ける、インターネット上のメディアです。いかなるかたちであれ、メディアという事業を行うにあたり、情報の受け手に正しい情報を適切に届けることは、なによりも大切にしなければいけないことです。
にもかかわらず、当社のサービスは、その成長を追い求めすぎる過程において、正しい情報の提供という点に対する配慮を欠いた運営となっておりました。
また、他の方が作成された記事などの取扱いおよび医療関連情報の取扱いについて、モラル面のみならず、コンプライアンスや社会的な要請といった観点からも、しっかりと見直さなければならないと認識しております。当社のキュレーションプラットフォーム事業において、そのような運営体制を外部から指摘を受けるまで是正することができなかった私の責任が非常に大きいと考えております。
みなさまの信頼を回復することは、大変に時間のかかることだと思っております。しかし、企業としての信頼を回復するために全力を尽くすことが私の責務であると感じております。そのため、先般発表の通り、第三者調査委員会による調査を行います。第三者調査委員会には今回の問題にかかる詳細な事実確認の調査と、原因究明をお願いします。
これは、直接的な原因のみならず、企業風土、コンプライアンスおよび組織運営体制の課題といった、(問題の)背景となる要因なども含みます。私自身も調査を受け、なにが問題であったかを詳らかにしていきたいと考えております。調査終了後は報告書を公表し、当社の問題、課題をみなさまに明らかにします。また、すべての役職員に対して、必要な処分を実施します。
加えて、第三者調査委員会による調査結果を待つだけでなく、並行して、社員で構成されるプロジェクトチームを立ち上げ、全社を対象とした調査も行います。
異なる観点に基づく2種類の調査を通じて、キュレーションプラットフォーム事業にとどまらず、会社全体に潜在している課題、問題の要因につながる社内風土・文化の洗い出しを徹底して行います。
第三者調査委員会、および社内プロジェクトチームから出される調査結果を真摯に受け止めて、抜本的な改革を行います。
なお、本日取締役会長の南場も同席しておりますので、南場からひと言申し述べさせていただきます。
南場智子氏:このたびは大変なるご迷惑、ご心配をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。
ご批判が企業風土や組織のあり方に及んでいるという事態になりまして、取締役会長として、そして創業者として、責任のある立場にあります。そこでみなさんに直接お詫びを申し上げたく参りました。
本当に申し訳ございませんでした。
守安:当社のサービスを利用いただいているみなさま、お取引先のみなさま、インターネットユーザーのみなさま、株主・投資家のみなさま、すべての関係者のみなさまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めて心より深くお詫び申し上げます。
誠に申し訳ありませんでした。
(一同礼)
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