2024.10.10
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体操男子種目別跳馬銅メダル(全1記事)
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司会者:おはようございます。本日は昨日の跳馬のメダリスト、白井健三選手を迎えての記者会見を開始したいと思います。
昨日メダルを獲得しまして、昨日のメディアの取材等もあり、またチームメート・関係者と会って、そして一晩経ちました。一夜明けての率直の感想をうかがい、みなさまからご質問をいただければと思っております。
跳馬の日本の男子のメダル獲得は、84年のロサンゼルスオリンピック以来32年ぶりとなる銅メダルでございます。
さらに白井選手におきましては、北京オリンピックの時の内村(航平)選手と同じく、19歳でのオリンピック初参加ということでのメダル獲得になっております。
それでは体操競技白井健三選手より、一晩明けての素直な率直な今のお気持ちをいただければと思います。よろしくお願いします。
白井健三氏(以下、白井):昨日の跳馬がオリンピックを通して最後の演技だったので、自分のなかでも後悔がないように思い切って演技しようと決めてやって、あんまり結果は気にせずにやったので、とにかく気持ちよくできたこと、最後悔いが残らなかったことがよかったかなと思います。
司会者:ありがとうございます。一晩明けて、朝、目を覚ましていかがでしたか?
白井:ちょっと今日は朝早かったので、そんなに優れた気分では起きれなかったんですけど(笑)。まあでも、昨日を悔いなく終われたので、今日はすっきり起きれたと思います。
司会者:ありがとうございます。それではみなさま、ご質問いただければと思います。よろしくお願いいたします。
記者1:産経新聞のアマノと申します。おめでとうございます。3問ほど質問がございます。1問ずつうかがわせてください。
まず、団体で取った金と個人で取った銅、この重みとか印象は一夜明けていかがでしょうか?
白井:やはり団体で取ったほうが間違いなく自分のなかではうれしいですし、やはりこうやって1人で記者会見に来てみると、5人でいるほうがおもしろかったなとも思うんですけど。
自分のなかの課題としていた「ユルチェンコ3回半ひねり」を成功させてのメダルだったので、なにか違う壁を乗り越えられた気がするというか、違う面でうれしさが込み上げてきています。でも、団体のほうがうれしいはうれしいです。
記者1:跳馬の試合の前あるいは前日とかに、内村(航平)選手やほかの選手からアドバイスとか、なにか会話というのはございましたでしょうか?
白井:ゆかが終わったあとのミックスゾーンのインタビューで航平さんさんが「健三がメダルを取れなかったのは、自分のように悔しい」と言ってくれて、もう僕は航平さんに悔しい思いはさせたくないと思いましたし、当日も「昨日の分までしっかりやってこいよ」と航平さんに言ってもらえたので、もう自分のなかで満足すればいいかなと思ったので、思い切ってやりました。
記者1:跳馬の際は「悔いなく思い切りやる」という心境だったのでしょうけど、ゆか運動のときの心境の違いは、自分としてはどういうふうに分析されてますか?
白井:ゆかは自分の内容より、何点を取ればいいとか、7番でけっこう試技順も遅かったので、何点を取れば大丈夫とか、そういった点数や結果を考えてしまったので、ちょっと演技が軽くなってしまったというか、中身が空っぽな演技をしてしまった感じだったので、とにかく跳馬は思い出に残るような演技をしようと思って。
もともとそんなにいい順位も取ったことがない種目でしたし、挑戦者の気持ちで臨むつもりだったので、自分が満足できればいいかなと思ってやりました。
記者2:朝日新聞出版『AERA』編集部のフカザワと申します。昨日は本当におめでとうございます。
白井選手に2点ほど聞きたいんですけれども。昨日の試合後も、今回大会通して内村選手の個人総合のインパクトがすごく大きかったという話をしていて、追いかけたいということだったんですけれども。
一方で、内村選手はやはり「東京五輪のときに自分がトップに立ってるようだったら、日本の体操界の未来はない」ともおっしゃっていて。そういった言葉だとか、初めての五輪を経験して、4年後に向けての決意ををあらためて聞きたいなと思っています。まず、そちらのほうお願いします。
白井:航平さんにずっと頼ってきてしまっている現状は、いつかは打破しなきゃいけないと思ってます。
航平さんがずっと引っ張ってきてくれる現状なので、やはりいい見本が合宿等でも一番近くにいることをしっかり活かして、今後僕たちが日本を引っ張っていかなければならないと思っていますし。
航平さんも19歳で初めてオリンピックを経験して、そこからオールラウンダーとしてどんどん飛躍していったので。やはり1回オリンピックを経験することで、なにかオールラウンダーとしてもつかめるところがあるのではないかなと思うので。
帰国してからしっかり自分の体操を見つめ直して、なにかわからないことがあったらまた航平さんに聞いて、少しでも近づけるようにしていきたいなと思ってます。
記者2:もう1問、ちょっと今のと関連するんですけれども。試合、最初の団体が終わったあとなども、「次は6種目やりたい」とか、あとは「オールラウンダー目指したい」ということをおっしゃってましたけれども。
今、ゆかとか跳馬のスペシャリストとして知られる白井選手が、オールラウンダーへの移行というか、転向という感じじゃないですけれども、そちらへの思いを強くしたのはどういったことがきっかけで、どういうふうにしていきたいと思ってらっしゃるのか、教えてください。
白井:もともとゆかで代表入りを初めてしたのがきっかけで、スペシャリストと呼ばれるようになったんですけど。やはり日本人はほとんど全員がオールラウンダーとして活躍すること、6種目ができることが体操選手だと小さい頃から思っているので。
僕はべつに自分がスペシャリストという役割を担えているかどうかも定かではないですし、周りが失敗したとはいえ、今年も全日本で2番になってるので、そこまでオールラウンダーとしての力が欠如しているとも思っていないので。
今のところオールラウンダーとしての力は順調についてると思いますし、ここからなにか特別変えていかなければならないこともないと思うので、今の自分のペースで乱さずにゆっくりとやっていきたいと思っています。
記者2:ありがとうございます。
記者3:産経新聞社のササキと申します。質問を2つお聞きします。今4年間がんばってきまして、自分へのご褒美を、もしあるとしたら。2つメダル取りましたので、金メダル級と銅メダル級のご褒美をお願いします。
白井:あんまりふだん物欲がないタイプなので、欲しいものとかもないですし、自分に試合が終わったら買ってあげようと思うものもないんですけど。24日が20歳の誕生日になるので、ちょっと大人らしいことはしたいかなとは思ってます(笑)。
記者3:どんなことですか? 大人らしいこと。
白井:大人らしいことって、逆にお尋ねすると、どんなことですか?(笑)。
(会場笑)
記者3:いろいろあの……法律でも(笑)。
白井:そうですよね(笑)。法律上のものがいろいろ解禁されるので、そういったこともちょっと、大人らしいこととして楽しもうかなとは思ってますけど。
やっぱり一学生としてやるべきことはたくさんあるので。オリンピック中も授業を抜けさせてもらってオリンピックに来たりもしてますし。そういった課題もたくさんあるので、まず学生らしいことを大事にやろうかなと思ってます。
記者3:すいません。もう1問お願いします。白井選手は19歳で世界に羽ばたきました。日本の19歳にメッセージをお願いします。
白井:僕は10代でオリンピックを経験できたことはすごく幸せなことだと思っていますし、こういった大きな経験をできる10代もそう多くないと思うので、すごく応援してくれた人に感謝したいと思いますし。
やっぱり昨日の跳馬で、強い意志を持って行動することが大事なんだなと思ったので、どんなに厳しい状況であってもとりあえずやってみることが、僕の昨日の跳馬の1本目のように、とりあえず失敗覚悟でやってみることが成功に結びつくんだなと、昨日の跳馬で確信したので、僕もそうですけど、これからは強い行動力をもって行動してほしいなと思います。
記者3:ありがとうございます。
記者4:一昨日のゆかのときに、白井選手のときはそれほどでもなかったんですけれども、ブラジル選手が上位に残っていて、最後のアメリカの選手の演技のときに、観客のなかで声がでたり、それに対して「シー」という声があったりとか。
次、東京で行われるということで、観客のそういった心構えというか、そういうのもやっぱりホスト国としては求められてくるなと思うんですけども。
今回のオリンピックを経験して、東京に向けてどういったことで受け入れ体制を作っていったらいいのかということを選手の目線から教えていただけますか?
白井:僕はオリンピック初めてだったんですけど、ほかのメンバーはオリンピックがもう2回目、3回目で、初めてではなくて。「ロンドンのときよりは静かだ」と言っていたので、僕は相当盛り上がっているように感じたんですけど、「やっぱりオリンピックってそういうものなんだな」と思いましたし。
日本人の国民性を考えると、ああいうことは絶対ないと思うので、なにも心配してないですし、逆に静かすぎるんじゃないかなという心配をしているので。
すごく一技一技で盛り上がってほしいと思いますし、やはりスポーツの祭典なので、そこは日本人のやさしさ・おとなしさは少し捨ててもらって、少し羽目を外して、綺麗に盛り上がって欲しいなと思います。
記者4:ありがとうございます。
記者5:共同通信のナカジマといいます。昨日、新技を成功させての銅メダルということで、試合後に、畠田(好章)監督もいらっしゃいますけど、畠田監督や内村選手、いろいろ声をかけられたと思うんですけど、とくにうれしかった言葉とか印象に残ってる言葉とかがあったら教えてください。
白井:やっぱりみんながみんな、自分も含めてですけど、「ビックリした」というのが率直な感想です。あまり跳躍自体に関するアドバイスがなかったんですよね。それぐらい練習でも成功してなかった技だったので。
成功はしてたんですけど、ラインを必ず超えてたりとか。そういうあんまり質が高くない技だったので、とにかくラインのなかに収まった実試ができただけで、たぶんほとんどの体操選手がビックリしてたので、あんまりインパクトに残ってる言葉とかはないんですけど、自分的にもあの跳躍自体が一番の驚きですね。
記者3:度々すいません。産経新聞社のササキと申します。今食べたいものと会いたい人をぜひお願いします。
白井:食べたいもの……なんですかねえ(笑)。でも、けっこう自分で料理したりもするので、「自分でそのとき食べたいと思ったものを料理したい」という感想が食に関しては一番強いですかね。
一番会いたい人といえば、両親にメダルをかけさせてあげたいというのは一番最初の感想ですけど、両親はここに応援に来てくれているので。
応援に来れなかった同期や部活の仲間、日体大の仲間にもすごく会いたいですし。帰ったらインカレもあるので、今度は応援する側になるので、そっちをしっかり応援したいなと思ってます。
司会者:それではこれにて記者会見のほうを終了して、メダリストのフォトセッションを行いたいと思います。
白井:ありがとうございました。
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