2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会者:ありがとうございました。それでは、質疑応答に移らせていただきます。これまでのご説明や本連携につきまして、ご質問はありますでしょうか? どうぞ、一番最初に手を挙げた前列中央の方。
記者1:日本経済新聞のムラマツです。4県の方にそれぞれ共通でおたずねします。具体的な連携の事業はこれから考えるところだと思うんですけれど、4県それぞれ、「ぜひ、こういうところに来て、こんなのを見てほしい」ということ。
あるいは逆に、「こういうところへの立ち入りは少し遠慮してくれるとありがたい」というところ。来てもらいたいところ、遠慮してほしいところはありますでしょうか?
達増拓也氏(以下、達増):やはり沿岸、被災地=復興地にいらしてほしいということが大きいです。その次には、世界遺産・平泉、そして釜石の橋野鉄鉱山跡。そことその周辺に、外国からもどんどんいらしていただきたいと思います。
また、「ここはご遠慮」というのは、それはそれぞれのみなさんの常識による判断として、また実際にゲームをやっているときに危ないなと思うようなところとか、なにか真面目なイベントを隣でやっているとか、そこは社会常識としてゲームプレイヤー以前に人間としてきちっと判断をしてもらえればと思います。
村井嘉浩氏(以下、村井嘉浩):まず、こういうところを見てほしい、これは沿岸部、被災地です。復興状況等をぜひこの機会に見ていただきたいと思います。
とくに今、アメリカで火が着きまして、日本で火が着いて、そして今度、台湾でも火が着いているということでございまして、台湾からぜひ、この「ポケモンGO(Pokémon GO)」をやりに被災地に足を運んでいただくのが大変ありがたいと思っております。
遠慮してほしいというところは、当然立ち入り禁止区域ですね。こういったところは遠慮していただかなければならないと思っております。
伊藤泰夫氏(以下、伊藤):福島県では避難指示が出ている地域がございます。そのなかで昨年の9月5日に楢葉町(ならはまち)の避難指示が解除されています。楢葉町でもポケモンGOを使って、「楢葉町に来てください」という取り組みを、今、楢葉町役場が取り組んでいるところであります。
そういう避難指示が解除された地域、さらに原子力発電所の事故による風評が県内全域に及んでおりますので、会津地域、中通りにも当然来ていただきたいと考えております。
それから、ご遠慮いただきたいというのは先ほども申し上げましたように、まだ県土5パーセントの地域で避難指示が継続しておりますので、そのところは活動も制限されている状況でありますので、その分についてはご遠慮いただきたいと考えております。
渡邉純一氏(以下、渡邉):熊本県は、7月14日と16日に震度7がございましたので、まだまだ避難者の方も2,000人近くいらっしゃいます。そういった避難者の方の生活を守るという意味から、そういったところはなるべく立ち入らないでいただきたいのと、さっき申しましたように、熊本県内でもいわゆる活断層で非常に傷ついた地域以外は、ぜんぜん無事でございます。
さっき申した阿蘇、あるいは県北・県南、それから天草。とくに天草につきましては、先日世界遺産申請、長崎の教会群のなかで熊本の天草の崎津集落の崎津天主堂というのが1ヵ所だけ加えていただいておりますので。非常に希少性のある協会がございますので、そちらのほうにもぜひ足を運んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
記者2:ITジャーナリストのミカミと申します。ナイアンティック村井社長に2つ質問させてください。ポケストップを自由に作るにしても、観光地にみなさんに来ていただくとなると、かなりの数を作らなければいけないと思います。どうやって、誰に申請させるのか? 実際にどのくらいの数を作れるのか? というのが1点目です。
2点目です。思い切ってレアなポケモンを配置するようなことは考えていらっしゃいますか? お願いします。
村井:質問ありがとうございます。まず1点目のところですけれども、現時点では実際にどのくらいの数がこのサービスにマッチするのか、並びに、各県にマッチするのか、というのはわからない状況でございます。
こういったところに関しましては、これから一緒に協議をしながら、どのように観光に貢献できるのかという観点のところから、どのような方に貢献していただきながらこういったものを増やすのかということを決めていきたいと思っております。
2点目のところで言いますと、レアなキャラクターを出すというところ、1つのアイデアだと思っております。実際にそれを否定するところはまったくなくて、こういったものに関しましては、これからもまた協議をさせていただきながら、ここはゲームのバランス等をもっとも重要視しておりますので、ゲームを考えながら、我々の方で決めさせていただきたいと思っているところでございます。
記者3:ニコニコ動画のナナオと申します。よろしくお願いします。まず2つあるんですが、「Ingress(イングレス)」に対するユーザーの支持は、言うまでもなく、世界的に定着してると思うんですが、今のポケモンGOの爆発的な人気がどれぐらい継続するかはまだ未知数だと想います。
今回のプロジェクトの重要な目的の「(震災の)記憶の風化を防ぐ」という点におきましては、中長期的な効果の継続が重要になると思います。
この意義あるプロジェクトの効果が、中長期的に継続できるよう、なにか特別な工夫・仕掛けを考えている、あるいは、そういったものを考えていく必要があるという認識はお持ちでしょうか?
村井説人氏(以下、村井説人):ご質問ありがとうございます。おっしゃるとおり、記憶の風化をいかにして防いでいくか、これはまさに我々がやろうとしている位置情報ゲームの根幹となります。
まさにIngressで集めてきているようなデータ、そこはまさに、みなさんがふだん気づかない、しかしながら、過去から脈々とつながってきているような、そういった遺産がたくさんこの世の中にはあると考えており、そういったものを実は集めて、それを表示しています。
なので、IngressならびにポケモンGOを使って歩いてみると、ふだん見過ごしていたようなものに、みなさん出会うことが多々あると思います。
こういったものが、やはり記憶の風化……。「記憶の風化」ということを大上段に構えてやると、なかなか取っつきづらくなりますけれども、実はこういったツールを使うと、自然と自分たちで学んでいくといった環境ができるというのは、我々にとってはすごく価値のあることだと考えております。
実際にポケモンGOに関しまして、ここまで本当に大きくなったのは、我々自身もとても驚いているところではございます。
実際にこれが中長期的にどのように成長するのかというのは、おそらくこのままなにもしていなければ、そのまま下がるかもしれませんし。我々の企業努力として、いろいろなことをやっていくことによって、これは継続していくものだと我々は信じております。
実際にどのようなことをやるのかは、やはり過去、もう5年も経ちますけれども、Ingressをやって、ここもIngressも中長期的に、今は「中」ぐらいまで来てると思うんですけれども、さまざまなことをやってきております。
そこのノウハウならびにその経験は、我々のなかには確実に蓄積されておりますので、そういった経験等をふまえて使って、ポケモンGOでもうまい取り組みができたらいいなと考えております。
記者3:ありがとうございます。あともう1点は、お答えいただける県の方に。ぜひ知事にお答えいただければと思うんですが。
1回、2回、県外の人に訪れてもらうかという計画でありますが。被災当事者、とくに子供を中心に、県民の人も元気になるプロジェクトだと思うんですけど。
今回のプロジェクトの県民の期待の声というか、子供とか大人の期待の声は届いているんでしょうか?
村井嘉浩:宮城県はまだこの情報をまったく流しておりませんので、今日はおそらくかなりのニュースで流していただけると思います。あとは新聞に書いていただけると思いますので、おそらくこれで非常に期待が高まるんじゃないかなと思いますね。
知事への手紙というか、よくメールで届くんですけれども、かなりの方が期待してるというメールいただけるんじゃないかなと思って、楽しみにしております。
達増拓也氏(以下、達増):岩手県のほうも、反響はこれからだと思うんですけれども。やはりお祭り的な、みんなが元気になるような、楽しみながら地域を盛り上げていくようなことがほしいというニーズは、沿岸被災地=復興地のほうからひしひしと感じてます。
また岩手全体、この人口減少対策、地方創生的な観点からも、そういう起爆剤のようなものが欲しいというニーズ、常にありますので、今回のこの取り組みは、かなりそういう期待に応えられるものだと思います。
記者4:『日経トレンディ』です。プロジェクトでお聞きしたいんですけれど。Ingressの場合、いわゆる、そのとき、その場所に本当に行かなければいけない、オリジナルミッションなどの仕掛けがあったり、ミッション自体がその地域への流入を自動的に促すかたちになっているかと思うんですけれど。
ポケモンGOの場合は、本当に遠方からその場所に行かないといけないという仕掛けが、若干Ingressにくらべて弱いような気がするのですが。
そのへんはどうお考えなのかとか。あとはゲームシステム自体にこれからこれを敷かれるのか、そういったところを。
村井説人:ご質問ありがとうございます。おっしゃるとおり、Ingressに関しましては、「その場所に行く」というモチベーション、かなり強いと思います。そこをうまく活用したイベント等もいろいろやらせていただいております。
ポケモンGOに関しましては、現時点では、みなさんもうご存知かもしれないですけれども、それぞれの属性にあわせて出やすいポケモンがいます。
例えば、水に近いところでしたら、水ポケモンが出たり。山のほうに行ったら、山のポケモンが出たりとか。それぞれ地形や自然というところをキーワードにして、それぞれ固有のものが出てくる設定がされております。
いずれにしろ、こういったところは、これから我々自身もいろいろと検討しながらサービス等を設計していくのだとは思いますけれども。
現時点、十分に実際に都心に住まわれている親御さんいらしゃったら、一緒にを手をつないで川辺りに行って、ならびに山に行って、海に行って、このゲームを楽しむと。都会にいる以上に楽しむ。
ならびに、やはり自然が豊かなところにみなさまいらっしゃると思いますけれども、そういったところに訪れるきっかけには必ずなるとは考えております。
記者5:テレビ朝日経済部のニシダと申します。村井社長にあらためておうかがいしたいんですけれども。観光・復興と位置情報ゲーム、さっき言ったポケモンGOとの相性についてどうお考えか、あらためてよろしいでしょうか?
村井説人:ご質問ありがとうございます。先ほども少し申し上げましたけれども、このポケモンGOならびにIngressを含めて、人が動き始めるという、そういった大きな特徴を持っております。
この「人が動き始める」ツールは、なかなかこの世に存在してなかったと思っているんですけれども。そういった、人が動いて、さまざまな情報を得に訪れるようなツールは、観光・復興ならびに被災地の復興、そういったものにはとても相性がいいと考えております。
記者6:NHKのカナザワです。村井知事におうかがいしたんですけれども。今回、連携をしていることで決まったわけですけれども。実際に実現について、いつぐらいをお考えでしょうか? 今すごく話題にもなっていますし、もしすぐ実現すれば、かなり反響があると思うんですが。
村井嘉浩:できるだけ早く具体的に詰めていきたいと思います。我々、役所の場合はどうしてもなにかやろうとする場合、予算が必要になりますので、他県はわかりませんけれども、宮城県の場合は9月補正予算を組みたいと思っております。事業費が必要な場合は、補正予算を組もうと思っております。みんなそうですよね?
達増:そうですね……。
村井嘉浩:知事がいないから言えないけど……4県ともそうだと思いますね。
達増:あとひとつ。先週土曜日に岩手県の久慈市で、「あまちゃんサミット」というのがあり、その同じ日にそこに集まった人たちが、あまちゃんにちなんだ、このポケモンGOイベントを企画しました。
あまちゃんゆかりのいろんな場所をまわってると、おのずとポケストップにも遭遇して。それで、あまちゃんに関係する場所を背景にポケモンをゲットしてる写真を撮ったり。また、あまちゃんに関連したポケストップの画面の写真を撮ったり。それをSNSでシェアするとか。
そういう地域振興にポケモンGOを活用というのは自然発生的に起きてるところもあるので。県としても連携はすぐにでもできるのではないかと思っています。
記者7:出版社のインプレスのセキグチと申します。自治体を代表して村井知事にお答えをお願いしたいんですが。
Ingressの場合ですと、ユーザーの存在というが、ある程度、こういったイベントを開催するときには大きくて、運営の一端を担うといったことがありました。
今回は自治体主導というかたちで、印象を持ってるんですけれども。まだポケモンGOが始まって間もないなかで、地元の人たちとのコミュニケーションというか、どういった役割を担ってもらおうと考えていらっしゃるのか、そのあたりのお考えをお聞かせください。
村井嘉浩:実際、県庁の目の前にも勾当台公園があるんですけれども。そこでいろんな方たちが集まって、よくポケモンGOをやっておられます。そこで会話が始まっている例も、私多々見てまいりました。
そういった意味で、まずは……。今まで公園といったような場所は、ほとんど人が集まらない場所になってるんですね。そういう場所に集まっていただく。
人が集まれば、そこでコミュニケーションがスタートするだろうと。そのコミュニケーションをスタートさせるツールに、このポケモンGOはなるのではないかなと。そこが大きな期待を寄せている部分でございます。
記者7:ありがとうございます。Nianticの村井さんに2つおうかがいしたんですけれども。
1つは、先ほど、今回のイベントの仕組みは、完全にIngressと切り分けたものだと理解しているんですけれども。
その一方で、ポケストップ等を作られるということであれば、Ingressのほうを反映させれば、それはそれでIngressのユーザーも今回取り込めるのかなと思ったりするんですけれども。そのあたりのお考えがあるのかどうかというところと。
もう1つは、今ポケモンGOでは、マクドナルドさんと、それから昨日TOHOシネマズさんという、パートナー企業さんとのコラボレーションがあります。
こういった企業さんとの枠組みのちがいですね。あらためて、企業さんとはこういったかたちだけれども、今回は自治体さんとのコラボレーションはこうなってる。例えば収益面ではどういう違いがあるのかとか。そのあたりを教えてください。
村井説人:基本的には、みなさまご存知のとおり、ナイアンティックが持っている位置情報の、例えばポケストップのデータは、我々がIngress時代から積み重ねてきてデータの集大成となっております。
ここに関しましては、我々ナイアンティックが作ったというよりも、Ingressのユーザーのみなさまと一緒に作り上げてきた、価値ある資産だと思っております。
実際にこういったかたちで、例えばポケモンGOでこういうふうに連携するといったところも、また違ったかたちでの、そういった価値ある情報を集めるひとつの手段だと考えております。
これを、例えばIngressに反映させるのか、ポケモンGOだけにするのか、ここらへんは我々のほうできちっとゲームバランスを考えて、動かしていきたいなと思っております。いい方向にいくようにちゃんと結論づけたいと思いますので、ご心配なくという感じです(笑)。
もう1つ、企業様との連携というところに関しましては、これも実はIngressに関しましてもパートナーシップで多くの企業様にご賛同いただいて、Ingressだと「ポータル」と呼ぶんですけれども、「ポータル」を実際に生やすことをやっております。
同様にポケモンGOも、ご存知のようにマクドナルド様、昨日でいうとTOHOシネマズ様との発表がございましたけれども。こういったものはこれからもどんどん増えていくと、我々考えております。
実際にこういった仕組みづくりも、我々ナイアンティックという会社はアメリカのほうに法人がある企業でございますけれども、今回すごくおもしろい取り組みとして……。
やはりアメリカで作っている、ITの「プラットフォーム」と言われるようなものに、日本がもつ、本当に世界に誇るべき、そういったキャラクターが乗ったことによって、世界中にこれが伝播したと。
我々としてはとても誇りに思いますし。実際にこういった取り組みは、まさに日本から世界に発信する、またいいきっかけになるのかなと思っておりますので。まずはこういったみなさまとの連携も、本当に日本で始めて世界にちゃんとニュースとして伝えていく。
それがどのぐらい価値があるものかということを、我々は本当検証しながら着実に、また、ほかの人たちとも、企業ともパートナーシップを組みながら進めていきたいなと思っております。
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