2024.10.10
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司会者:それでは、本連携の概要について、宮城県知事の村井嘉浩からお願いします。
村井嘉浩氏(以下、村井嘉浩):宮城県知事の村井嘉浩でございます。本日は共同記者会見にお集まりいただき、誠にありがとうございます。
被災者を代表いたしまして、私から「ポケモンGO(Pokémon GO)」などの位置情報ゲームと連動した被災県観光復興の概要について説明させていただきます。
背景としたしまして、東日本大震災から5年が経過し、被災3県では鉄道の再開や新しい商店街の完成、地場産品の回復といったように着実に復旧・復興の歩みを進めております。
しかしながら、いまだに残る震災の影響として、原発事故による立ち入り禁止区域の存在や風評による環境客数の減少、そして歳月の流れによる若年層を中心とした記憶の風化が懸念されております。
また、今年の4月には熊本地震が発生し、現在も熊本県内のいたるところで震災の傷跡が色濃く残り、いまだに避難所で暮らしておられる方が数多くいらっしゃいます。観光面でも深刻な状況が続いており、観光客の減少が懸念されております。
このような状況だからこそ、若年層を中心として人気の高いポケモンGOとの連携に取り組み、そして「来て、見て、感じて」被災県の“今”を知ってほしいと考えております。
次に、事業の目的でございますが、観光復興の推進を前提とした2点となります。
まず1点目は、誘客促進でございます。これはポケモンGOのゲーム特性である、実際に人が動くという利点を活用した誘客と、被災地を訪れた方が食事やお土産を購入していただくことで、地域経済活性化が図られるものと考えております。
2点目は、交流促進でございます。プレイヤー同士が現実世界で遊ぶというゲーム性を利用した、被災地を訪れる人と地元住民の交流、被災地住民同士の交流を目的としております。
続いて、今回被災県のためにご協力いただくナイアンティック社の、被災地に対する応援内容について説明させていただきます。
これまでもナイアンティック様には、ゲームアプリ「Ingress(イングレス)」のイベントを通じて、被災地に多くの人々を呼び込んでいただきました。今後もこの取り組みを継続していただきながら、今回はより大衆性のあるポケモンGOを活用し、被災地により多くの人が訪れ、訪れた人もより笑顔になる取り組みにより、被災地を応援していただくこととなっております。
ポケモンGOというゲームは、みなさんご承知のとおり、これまでにない新しいゲームの形であるとともに、新しいコミュニケーションツールと考えられ、さまざまな可能性が期待されております。
例えば、このゲームを通じて家族や親子のきずなを深めたり、被災地にいる方と訪問した方の交流であったり、また実際に被災地を歩いてもらうことで、被災地の現状を知ってもらうきっかけになるものと考えております。
最後に、ナイアンティック様と被災4県による連携事業のイメージをご説明いたします。連携事業の具体策につきましては、今後、各県の特徴を生かした内容となるように検討することとなりますが、現時点でイメージしているものをいくつかご紹介したいと思います。
まず1つ目として、周遊促進を目的としたポケストップ、ポケモンジムを被災地に追加すること。
2つ目に、ポケストップ、ポケモンジムを活用して、観光客の誘客を図るため、周遊ルートマップなどの作成、またスクラッチやクーポンなどを作成し、被災地で食事やお土産を購入してもらえるような仕組みにつきましても、検討してまいりたいと考えております。
3つ目、ポケモンGOと被災地を結ぶイベントの開催であります。
現時点では、このようなものを考えておりますが、今後、具体策の詳細が明らかになり次第、情報提供をさせていただきたいと考えております。
駆け足の説明にはなりましたが、以上をもちまして、位置情報ゲームと連動した被災県観光復興の概要説明を終了いたします。
被災地により多くの観光客が訪れていただけるよう取り組んでまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。私の説明は以上でございます。
司会者:続きまして、出席者よりご挨拶申し上げます。岩手県の達増知事お願いします。
達増拓也氏(以下、達増):岩手県もナイアンティック社にお世話になっておりまして、いIngressのポータルやミッションを設定いただいたこと、また震災で大きな被害を受けた陸前高田市など、三陸地域での誘客イベントの実施など、多くの支援をいただいております。
ポケモンGOにおいても、国内外のプレイヤーのみなさんに、被災県を訪問していただく取り組みを進めて行くべく、岩手県も頑張っていきたいと思います。
岩手県ではやはり東日本大震災で津波被害を受けた被災地であり、復興地である沿岸地方に多くいらしていただきたいということで、岩手県内陸から沿岸への交通アクセスを便利にし、今年は岩手県で「希望郷いわて国体」と「全国障害者スポーツ大会」が開かれますので、これに合わせて内陸から沿岸へのバスツアーの企画でありますとか、沿岸に行きやすいさまざまな工夫を講じますので、それと連動させながら、沿岸のほうでもポケモンGOをどんどんやりやすくしていきたいと思います。
また、盛岡市など、内陸のほうにある街中に、回って歩きやすいようにポケストップやジム、「希望郷いわて国体」と「全国障害者スポーツ大会」で、盛岡駅前に「国体おもてなしパビリオン」というものを設置するなど、街歩きがしやすいようなさまざまな取り組みをいたします。
外国からいらっしゃる方に対しても、無料講習無線LANや他言語表示など、今回の「希望郷いわて国体」と「全国障害者スポーツ大会」にも合わせても、そういったものを整備していきますので、外国から来る方々もポケモンGOを利用して楽しんでいただけるようにしてきたいと思います。
東日本大震災・津波からの復興、そして地域振興、地方を元気にしながら復興を力強く進めていくために、岩手県としてもポケモンGOにおおいに期待をしておりますので、頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
司会者:ありがとうございました。続きまして、宮城県、村井知事よりご挨拶申し上げます。
村井嘉浩:改めまして、宮城県知事の村井でございます。
ナイアンティック様には以前からいろいろな被災地の応援をしていただいておりました。Ingressのイベントを仙台でも開催をしていただいたということもございまして、そのご縁で私がお願いをいたしましたところ、村井代表がすぐに会ってくださいまして、「どうせやるならば被災4県でやりませんか」とお願いをいたしました。
するとすぐに、「非常にいい取り組みですね」ということでご賛同いただいたわけであります。
改めまして、このようなかたちで前向きにご検討いただいたことに対しまして、心より感謝を申し上げたいと思います。
そういったご縁でございますので、事務局は宮城県のほうで持って、今後の話を進めさせていただきたいと思います。
当然、各県ごといろいろ計画するものもあろうかと思いますが、共通してやるものにつきましては、宮城県のほうで取りまとめをさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
司会者:ありがとうございました。続きまして、福島県、伊藤企画調整部長よりご挨拶申し上げます。
伊藤泰夫氏:みなさまおはようございます。福島県企画調整部長の伊藤泰夫でございます。
福島県では、昨年の観光客入込数が対前年度7.3パーセントの増となりました。震災前の約88パーセントまで回復しております。
しかしながら、教育旅行や外国人観光客の延べ宿泊日数は震災前の約50パーセントにとどまっております。
教育旅行につきましては、年間1,000ヵ所を超えるキャラバンを実施するなど、関係者が一丸となって取り組んでいるところでありますが、東日本大震災から6年目を迎えた今でもなお、風評という厚くて巨大な壁が我々の前に立ちはだかっております。
そのようななか、今回、宮城県さんが中心になりまして、東日本大震災の被災3県、および熊本地震の被災県である熊本県と、ポケモンGOの運営・開発を手がけるナイアンティックさんが観光再生に向け、がっちりとスクラムを組むこととなりました。
一方では、福島県では原発事故の対応が継続しており、現在も避難指示が出ている地域もございます。こうした地域への立ち入りは、ポケモンGOを遊ぶ際でもご遠慮いただきたいと考えております。
しかしながら当然、それ以外の地域におきましては、ポケモンGOを楽しんでいただきたいと考えております。
現在、福島県では10月16日まで、「ウルトラマンARスタンプラリー」を開催しております。ポケモンGOと同じAR技術を活用しており、スマートフォンの画面上でウルトラヒーローや怪獣の写真を撮ることでスタンプを手に入れることができ、楽しみながら福島県を周遊できるイベントでございます。
ポケモンGOなどデジタルコンテンツをきっかけに実際に福島に来ていただきまして、見て、食べて、触れていただき、笑顔になっていただく。そして福島県での体験や、ありのままの福島県の姿について、それぞれのお立場で、ポケモンGOをしている人も含めて、発信していただくことを期待しています。よろしくお願いいたします。
司会者:ありがとうございました。続きまして、熊本県渡邉東京事務所長よりご挨拶申し上げます。
渡邉純一氏:おはようございます。熊本県東京事務所長の渡邉でございます。東日本大震災にあたりましては、今日お見えになっています岩手県、宮城県、福島県、被災されまして、そのときは、熊本県も被災当初からご支援いたしました。
それから今回、熊本地震発生に際しましても、東北各県から温かいご援助をいただいております。
それからこの場をお借りしまして、全国各地の方、あるいは世界中の方々からご支援いただいたことに対しまして、改めて御礼申し上げます。
そしてこのなかで、実は村井知事のからうちの鹿児島知事に電話がございまして、「東北3県でこういった取り組みをやるから、熊本県も被災しているから入らないか」と温かいお声がけをいただきました。
鹿児島知事も大変感激いたしまして、実際今日来られればよかったんですが、なかなか来れないもので、今日はしっかりお礼をしてこいということで言われております。
村井知事様はじめ、株式会社ナイアンティック村井社長様、本当にお声がけいただきましてありがとうございます。関係者のみなさま、この場を借りて、御礼を申し上げたいと思います。
本県、熊本地震によりまして、代表的な観光地であります熊本城あるいは阿蘇といったところが大きく傷ついております。
先ほど村井知事からありましたように、観光に対しての最大のダメージは風評被害でございまして、ゴールデンウィークのときは、九州全体で70万泊以上のキャンセルがございました。
これは大変だということで、政府のお力もお借りして、復興割ということで最大7割引きの旅行商品、クーポン券を出していただいてなんとか息をつないでおりますが、まだまだ風評被害、あるいは入込が少ない状況でございます。
こんななかで、熊本県内でも県北地域、阿蘇地域、県南の人吉・球磨地地域、それから、島である天草地域、まだまだ、いわゆる無事なところはたくさんございますので、このポケモンGOを活用してどんどんお出かけいただきたいと考えております。
今日は営業部長のくまモンも来ておりますが、表情はわかりませんけども、本人は大変喜んでおります。引き続き、報道各社のみなさまにおかれましても、東北3県、それから熊本に対しまして、お力添えをいただきますようよろしくお願い申し上げます。
司会者:ありがとうございました。続きまして、株式会社ナイアンティック村井社長よりご挨拶申し上げます。
村井説人氏(以下、村井説人):みなさまおはようございます。ポケモンGOの運営・開発を行っております株式会社ナイアンティックの日本代表をしております村井と申します。
このたびはこんなに多くの方にお越しいただきまして、本当に心より感激しております。
このような記者会見の場を用意していただきまして、その音頭をとっていただきました村井知事、本当にありがとうございます。またみなさまもありがとうございます。
もうご存知のとおり村井知事とは偶然にも苗字が一緒でして、とても親近感を覚えるなかで、このような震災復興を、こういった新しいテクノロジー、ならびにそういったイノベーションを起こそうとしている会社と一緒になにかできないかというお話をまずいただきました。この取り組みというのは、我々もとても価値のあることだと考えております。
実際に我々ナイアンティックは、位置情報ゲームというのを提供しておりますけれども、Ingressの時代からそういった復興支援、ならびに観光促進といったところでいろいろなことを考えて実行に移してきた実績もございますので、我々がなにかしら貢献できるところというのはたくさんあるのではないかと考えまして、今回のお話を受けさせていただいたというかたちでございます。
みなさまご存知のとおり、ポケモンGOというのは現実世界のなかで遊ぶゲームでございます。家の外に出て、実際に自分が自らの足で歩くことで、初めて楽しむことができるゲームとなっております。
このゲームの特徴をうまく捉えることで、実際に自分たちの移動距離というのがもっともっと増えていく。ならびに、このゲームを通じて実際にこのゲームで接する多くの人たちとのコミュニケーションが活性化されたり、また地元の方とのコミュニケーションが増えたりと、そういったことが促されるようなゲーム設計になっております。
我々はこのような活動が我々のゲームが通じて行われることでこの世の中はよりよくなっていくという理念のなかで、我々はこういったゲームを開発・運営・提供させていただいております。
我々、実際ポケモンGOならびにIngressですね、まだまだいろいろな貢献のできる場というのがあると思っています。
まずは今回こういったかたちで被災地の復興支援といったところでやらせていただくのと同時に、我々も引き続きいろいろ考えながらみなさまの生活に貢献できるような、そういったサービスにより成長させていきたいと考えておりますので、これからもぜひ、ナイアンティックを温かく見守っていただけますとありがたいと思っております。以上でございます。
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