2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
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記者:TBSテレビのヤマシロと申します。宜しくお願いします。孫社長にお伺いしたいんですが、今回のロボットについて、人型にこだわった理由というのはどのようなことなんでしょうか?
孫:やはり感情移入するという意味で、いろんな他の形よりも人間の形をしているほうが、家族の一員として感情移入しやすいんじゃないか、ということですね。
記者:"人っぽさ"というところが海外のロボットに比べてアドバンテージになる、というような考えはありますでしょうか?
孫:そうですね、はい。思います。
記者:具体的にどういったアドバンテージになるとお考えでしょうか?
孫:日本はもともと『鉄腕アトム』っていうアニメーションがあったので、世界中のなかでも一番、ロボットに対する親近感というか、夢を描いている人が多いと思うんですね。僕も子どもの時そうでした。
ですからそういう人の形をしたロボットというのは、多くの人の心をときめかせるし、日本だからこそ、アニメの世界だからこそ馴染みがあると。そういう夢を描いているエンジニアも多いし、それを待ち望んでいる人々も多いと思いますね。
記者:時事通信のハシモトです。二点ほど孫さんに伺いたいと思います。一点目なんですけれども、説明会でよく分からなかったのは、ロボットの身長だとか体重だとか、タイヤはいくつだとか、そういう細かいロボットの仕様を伺いたいです。
二点目は、ロボットからはちょっと外れるんですが、多分だいたいの方が伺いたいと思うんですが、アメリカのほうでTモバイルの買収に大筋合意したという話があるんですが、話せる範囲内でコメントを伺いたいと思います。以上二点、宜しくお願いします。
孫:我々のpepperの身長は120cmぐらいだったと思いますけれども。大きさ、体重、その他の詳細については、正確にお伝えしたほうがいいので後ほどお伝えしようと思います。
Tモバイルについては、今日はその発表会じゃありませんのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
記者:週刊アスキー編集部のタカギです。三点、簡単な質問をお願いします。まず、日本の家というのはけっこう段差があると思うんですが、そちらはどうお考えでしょうか。あとは、クラウドが落ちてしまった場合はどうなるのかということ。三つ目は、胸のタブレットは外せるのか、というところ。以上三点、宜しくお願いします。
孫:基本的に12時間以上連続の動作、稼働ができることを目標に作りましたので、今回は二足歩行というのはやっておりません。けれども、技術的にはすでに我々のグループでもう長く持っております。ですから将来、バッテリーの持ちが二足歩行でも5時間10時間できる、というようになった段階であり得ると。
まずは連続稼働時間を長くいけるように。お店で立ちっぱなしでやれるように、家庭のなかでもしょっちゅう電池切れというのは白けてしまいますので、今回はそのようにしています。
クラウドについては当然、複数のセンターで行いますし、電源が落ちないように当然設計していきます。もちろん100%ではないですけれども、我々はインターネットのサービス、Yahoo!をはじめとするサービスをやっているという立場から、クラウドのサーバーが落ちないように、ということは細心の注意を払ってやっています。
それから胸のタブレットは差し替えできるようになっております。
記者:フリーランスのオカダと申します。孫社長に三点お願い致します。まず一点目ですが、今日のデモではpepper君が非常に滑らかに応対していましたけれども、これはある程度事前にプログラムしていたと考えていいのか、それとも全て自律で動いていたのか。もしある程度プログラムがあったのであれば、どこまでがプログラムでどこからが自律なのかをお教え頂ければと思います。
それから二点目です。値段が19万円と非常に安いと思うのですが、この値段で利益はあるのでしょうか? 三点目はそれに関連しまして、どれくらいの利益規模を見込んでいらっしゃるのか、教えてください。
孫:滑らかな会話ができるようにというのは、そのシーンに合わせたアプリケーションを様々に用意していると。今日のデモの多くの部分は、シナリオというか、アプリケーションに基づいたものであります。
ただ、会話をしてなにをこちらが喋っているのかというのはキチンと認識していて、また感情を読み取ってそれを表現していると。というのは、すでに感情認識エンジンが稼働し始めているということを意味しております。
店舗では、明日から銀座と表参道でやりますけれども、2つのモードがあります。アプリケーションとして予め、面白いジョークだとか面白いダンスだとか、そういうショーを30分に1回、行える部分があります。そのショーとショーの間には、フリートークの時間があります。これは人工知能で、お客さんとの対話、という形になります。
もちろんフリートークの場合はシナリオがあるわけではなくて、お客さんとの会話を楽しむと。そのなかには、うまく会話が噛み合うものと、会話が成り立たないものがあると思いますが、これは我々クラウド側で毎日進化させていくという形になります。
少なくとも来年(2015年)の2月に一般発売をするまでの間に、出来るだけ多くのお客さんと我々のお店で、とりあえずは2店舗ですけれども、そこから順次、数百店舗というレベルまで増えていきますので、毎日会話をするなかでどんどん学習し、進化していくということを行っていきたいと思います。
孫:値段は19.8万円でなかなか利益は出ません。もっとそれ以上にコストはかかっておりますけれども、我々としては、高い志と低い値段という形で、当面は利益を度外視してでも一人でも多くの人、家庭に、PCと同じくらいの値段で買えるということに今回は力点を起きました。ペットとして子犬を買うのでも、日本では最近20万円前後しますけれども、それとあまり変わらないという形になります。
後はハードやなんかの保守がありますけれども、これはペットでいえば、ペットフードだとかお医者さんに連れて行く時にかかるのと同じような部分ですね。あるいはPCでいえばソフトを買う、インターネットにつなぐというところでお金がかかります。そういうようなソフトウェア・ハードウェアへの保守費用というものが別途ありますけれども、本体価格はあくまでも19.8万円。
これでは利益はすぐには出ませんけれども、将来的にたくさん量産するようになれば、まあそれなりのビジネスとして成り立つと。量産を世界で一番得意とするフォックスコン(鴻海)を我々の製造パートナーとして選んだ、一番大きな理由であります。ビジネスとして、どれくらいの売上規模か台数かというのは、まだこれからです。まだ今日発表したばかりですから、これから詰めていくということになります。
記者:それでは確認なんですが、利益は保守やダウンロードするソフトウェア、アプリなどから出していくというイメージでいいのでしょうか?
孫:そちらはそちらでコストがかかりますので、利益はあくまでも量産が何万台 何十万台 何百万台というふうになっていけば、いずれは我々のコストダウンも成り立つようになるだろう、とそういう意味です。
記者:フリーランスのコヤマと申します。今のお話に関連するんですけれども、クラウドサービスのほうでお金をとるのか、利益を考えていらっしゃるのかという点と、(開発元の)アルデバラン社の従来のロボットとの機能的な面における違いを教えて下さい。
孫:利益に関しては、あんまり目先で出なくてもいいや、という少しゆったりした構えで今は考えております。ですから、量産効果が出てくればそんなに赤字にならない程度にはなるだろうと思いますけれども、これで大きく稼ごうというよりは、アプリケーションソフトのプラットフォームとして作っていきますので、いろんなコンテンツだとかアプリケーションとか、そういう部分でも将来的には利益が稼げるようになっていくのではないかなと考えております。
あと、アルデバラン社の従来のロボット「NAO」との違いは、(同社社長の)ブルーノさんが一番よく知っていると思いますので、まずコメントを頂きたいと思います。
ブルーノ氏:ご質問ありがとうございます。一番の違いというのは、まず見た目もそうですし、サイズもそうですね。それから機能という意味では、ソフトウェアは同じですから、今すぐではないんですが、NAOが持っている機能と同じものがpepperにも装備されることになります。あるいは人とのインタラクション、あるいは感情認識のところは互換性があります。
また、コミュニティを今作っておりまして、そこの方たちがアプリケーションを作っていきます。それによって、ロボットが人のためになにか出来るようになるわけです。ですからそういうロボットが増えていけば、より多くの機会に人々に貢献できることになると思います。
それから、別の方の質問で「なぜ人型なのか」というのがありましたが、とにかく人とのインタラクション、やり取りを出来るだけ効果的に行うには、人型というのが大事だと考えております。そして温かい、ポジティブな感情を持ってもらいたい。そういう意味では人型がいいと思うんです。もちろん動物と私たちでも愛情を交わし合うことは出来ますけれども、人型のほうがより効果的に愛情を育めると思ったんです。
孫:アルデバランとしてもう何年も前から開発してきたNAOというソフトウェアの能力と、そしてハードウェアのいろいろなノウハウ。そして今回ソフトバンクが増資をし、資本を入れ、約80%くらいの株主になっているわけです。またソフトバンクが得意としているクラウドだとか通信、そして私が25年も前から「なんとかロボットに心を持たせたい」という想い。これらを最大限に使って、共同でやることによってそれが足された時には、新たな進化が一気に加速されるだろうと思っています。
記者:確認なんですが、そのクラウドサービスは例えば月額料金等、取られるのか取られないのか、どちらになるのでしょうか?
孫:それはある程度かかりますけれども、どのくらいの料金にする、どのようなサービスにするというのはこれからですが、2月までには詰めていきたいと思います。
記者:「NAO」との互換性のお話について、NAO向けに作ったアプリケーションがpepperでも使える、またその逆もあるという理解でよろしいんでしょうか?
ブルーノ氏:その通りです。もちろん形は違いますが、基本のアプリケーションは同じで、互換性があります。ですからもちろん、今すぐにpepperに導入できるというわけではないんですけれども、若干調整をしたうえで使えるようにしていきます。
記者:日本テレビのアンドウと申します。孫社長がtwitterで「25年間夢見てきた」と呟かれています。25年前にロボット開発への夢を見られたキッカケを教えて下さい。
孫:一番最初の潜在的な意識として、小さい子どもの時に見た『鉄腕アトム』のアニメで、アトムが空を飛んで、100万馬力で悪者をやっつけて、というのを学校から慌てて帰って胸踊らせながらテレビを見ていたというのを覚えています。でもそのアトムが、涙を流せないと。ハートが、心が無いからわからないと。痛いとか嬉しいとか悲しい、というのがなかなか分からない、というような話が確かあったと思います。
それってかわいそうだな、と小さい子どもなりに思ってたわけですね。いつか、自分たちが大人になった時、ロボットが、コンピュータがそういうのを理解できるようになればいいな、と漠然と思ってました。
しかし、ソフトバンクを始めてコンピュータに毎日触れるようになって、また25年くらい前になると、CPUの能力がどんどん進化していきました。メモリの容量もどんどん進化していく、通信機能も進化していく、というようになって、毎日自分たちが扱っているPCのソフトの遥かに先の、一番難しいとされてきた「感情」というものに、いずれは挑戦したいと。
僕なりの理論では、人々の感情を数値化することは可能なはずだ、とその時に思ったんですね。人間が理解できるということは、コンピュータにも理解できるようになる。必ずいずれそうなると。
そのいろんなロジックをもう考え始めていたわけですが、そのロジックと、通信やチップやクラウドなどの要素技術が揃ったので、ついに実現できる時が来た。そこでさらにブルーノとの出会いで、体もロボットとして用意できると。今こそ挑戦すべき時だ、と思ったわけです。
記者:もう一点なんですけれども、この「pepper」という名前をつけた意味や由来を教えてください。
孫:これはいろんな名前をみんなで議論して、何百も候補を出してですね、その中で最初は日本の名前「TARO」というコードネームで呼んでおりました。ですから、ついつい僕も「TARO」と呼んでいる癖が残っているんですけれども。ちっちゃな男の子を育てるように、みんなで心を込めて開発しました。
でもこれは世界中の人々に提供したいということで、日本的な名前よりは、世界中の人々が覚えやすくて発音しやすくて、また少し変わった名前で、と最終的にみんなでそこへ絞り込んだというわけです。
記者:毎日新聞のヨコヤマと申します。二つあるんですけれども、pepperはどこで売っていくんでしょうか? ソフトバンクのショップなのか、他のインターネットだったりするのか、そこを知りたいのがひとつ。もうひとつ、最初は赤字からスタートするということなんですけれども、このロボットの事業をどういうような方向でやっていきたいのか、また今やっている通信やスマホの事業との関連性も含めて教えてください。
孫:まず最初はショップとネットになります。ソフトバンクショップが全国に数千店舗ありますので、そのどこででも買えるようにと。そしてその大半のソフトバンクショップには、このpepperが並び、毎日実演できるという形になります。順次、店舗数は拡大します。あと同時に我々はインターネットカンパニーですから、ネットでも買えるようにと。
まずは日本から始まります。で、日本でいろんな機能がある程度しっかりとこなれたら、近い将来、世界展開を行っていきたいと考えています。
孫:あと赤字ということですけれども、我々は「赤字でいこう!」というふうに思っているわけじゃなくて、まずは台数が少ないので製造コストよりは売値のほうが安いということになりますが、あくまでも事業としてきちっと成り立つようにと考えておりますので、いろんやソフトだとかアプリケーション、コンテンツだとか、いろんな形で利益が出るようにしていきたいと考えてます。
また通信ですけども、Wi-Fiを通じてクラウドとのやり取りを行いますけれども、Wi-Fiですと時々、家の片隅に行くと弱かったりしますので、我々ソフトバンクの得意とするLTEのチップも近いうちに載せていきたいと考えています。
記者:週刊ダイヤモンドのコジマと申します。二つ、教えてください。ひとつはgoogleがロボットベンチャーを買収して、商用化も狙っているというなかで、このように市場が立ち上がる前に先んじて始められたという意味、またタイミングについて教えてくださ。
もう一点が、フォックスコンとの連携の意義なんですが、中国ではシャオミ(小米科技)がルーターですとかスマートテレビですとか、各ネットプレイヤーがハードを売るというような流れが、フォックスコンと組んで始まっています。御社の場合、これを機にハードの展開を加速させるといったお考えはあるのでしょうか?
孫:googleが狙っているロボットと我々が狙っているロボットは少し違うんではないかなと。彼らはより産業用というか、生産性を求めていると。おそらくコストももっと高いものではないかなと思いますけれども。
我々は、生産性というよりは家庭の中で、あるいはお店の中で、人々をもっと楽しませたい、喜ばせたいというところに力点が置いてあると。だからこそ、感情認識エンジンというのを詰め込んでいるというところです。我々グループ会社でも、ガンホーだとかスーパーセルとかいろんなゲームソフトもやっているように、エンターテイメントにもグループとしてかなり力を入れていますので、そういう観点からも少し違いがあると思います。
また我々はですね、感情認識や自律的な感情を持って動く、というところにおいて、グループ全体で100件以上の特許を出願済みです。ですから今回、単によその会社のロボットを見よう見まねで後追いしているわけではなくて、特に感情系などのユニークな特許をたくさん出願している、という立場にあります。
またフォックスコンと今回組んでいるわけですけども、すでにいろんなアプリケーションだとか周辺機器、アクセサリーではたくさんのおお取り引きがあります。実はYahoo! BBのモデムもフォックスコン産で、昔から作っていますし、非常に長いパートナーシップにあります。
今回特に、このようなロボット事業への本格的な参入ということで、フォックスコン以外では考えられない、ということで製造のパートナーになっていただいたというわけです。これからスマホやパソコンをうちでたくさん作りたい、というわけではないです。
記者:Impress Watchのオオタと申します。宜しくお願いします。海外展開というお話と、クラウドにおける集合知で成長が加速する、というお話がありましたが、これは海外のユーザーの利用の仕方というのも反映されるのでしょうか? 例えばフランスの常識、アメリカの常識、いろいろあると思うんですけれども、そういった感情面でのものも集合知になっていくのか、それとも各国で別れていくのか、教えてください。
もう一点が、SDKをクリエイター向けに配布するとのことでしたが、具体的にどういったことが出来るのか、簡単に例を教えてください。
孫:海外展開は順次行っていきます。それぞれの国で習慣だとかは違いますので、その国により力点の置かれた習慣は、その国に当てはまるようにします。ただし基礎的な部分、例えば人間としての笑顔ってってのは、どこの国の人でも笑顔は笑顔だと思うんですね。悲しんでる時の声のトーンというのは、何語でも"悲しんでいる"という声のトーンになります。
実はですね、人間が喋る言葉の内容よりも、声のトーンとか表情がより感情に近い、というのが我々の研究の結果でも出ております。ですから、そういう人間の直感的な感情というのは、国をまたいでかなりいけるんじゃないかなと思っております。ですから集合知とローカルのいろんなミックスになります。もちろん家庭のなかのローカルと、国のなかでのローカルと、それから世界と、それぞれの濃淡を入れて、集合知と合わせていくという形になります。
それではSDKに関しては、ブルーノから答えてもらいたいと思います。
ブルーノ氏:SDKですが、専用のオペレーティングシステムがありまして、これが全ての感情認識機能に埋め込まれております。ダイアログにも織り込まれております。ですから、開発者会議を9月に行う予定でして、その1週間の間に、どのようなことができるか、どんな機能が可能かということをキチンと説明致します。
そして、アトリエも開設致しますので、そこで開発者ご自身でどんなことがこのオペレーティングシステムで出来るか、またどんなツールが利用可能なのかというのを見ていただければと思います。
記者:マイナビニュースのトカベと申します。二点ありまして、まずブルーノさんへ、バックエンドのクラウドというところにソフトバンクさんのメリットがあるということでしたけれども、それ以外にソフトバンクさんと組むことのメリットがあれば教えてください。
あと、これは孫さんへのほうがいいと思うんですけれども、日本の事情というところで、住宅が小さいとされるなか、120cmあるというpepperの大きさが家庭事情に合わないのではないか、という気がするのですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか・
ブルーノ氏:もちろんクラウドの機能を持つことは重要で、これは間違いなく機能していかなくてはいけないと。それでもたまにうまくいかない、作動しない時もあります。そういう時のために、組み込み型の機能もあります。ですから、コーコミュニケーションであればローカルでも出来ると。その場合、ロボットの機能というのはクラウドほどは良くないですが、それでも充分に機能します。
ソフトバンクとの関連についてですけれども、おそらく記者の皆さんは私よりも孫社長についてよくご存知だと思います。孫社長は非常に素晴らしい方で、ノーベル経済学賞を受賞してもいいくらい。人々の幸せのために、どこからでもいつでもネットへアクセス出来る環境というのを実現してくれる方じゃないかなと思っております。
人々は、技術で可能となっていく現実を享受できるようになる。それがロボットともつながると思います。そして我々も一緒にお仕事をさせてもらう上で、ビジョンであったり設計だったり、多くのことで孫社長、そしてソフトバンクと共同で作業させて頂きました。2年間を費やしております。
孫:2年間ですね、一緒に姿形から、声から、機能から、二本足として残すべきか否かと、いろんな議論を一緒にして決めてきました。そういう意味では、まさに共同で、ワンチームとして開発してきました。もちろんその前、我々が共同で始める前から、アルデバラン社はすでに「NAO」という形でロボットを作り上げていましたし、ノウハウも積み上げていました。
ソフトバンクはソフトバンクで、通信とインターネットとクラウドなどの分野で、別の形で専門性を高めて今に至っています。ですから、両方の力が合わさることによって、総合力として発揮できると。ですから我々としても、2~30%だけ資本を入れて、ワンプロダクトだけやりましょう、ということではなくて、ワングループ・カンパニーとして一緒にやっていこうということ。
それまで外部にいた方の資本や株主は全部買い取らせて頂いて、我々と経営陣だけで今、株主構成をしているわけです。ですから思いをひとつにして今、やっているというわけです。ただそこに加えて、僕は僕なりに、ブルーノはブルーノなりに長く考えていた、人の感情、心を和ませて寄り添いたいという想いが、ここで一気に融合されて、ある意味で人類初のロボットが出来たと思っています。
ただこれは、先ほどからお話しているように、今日お見せした多くの部分はアプリケーションとして作られて、そのアプリケーションの囲いのなかでの会話なわけです。もちろん会話はしているんですが。言葉を認識し、そして感情を認識ということでやっているわけですけれども、限られたアプリケーションのなかでの会話、認識ということです。
小さな一歩ではありますが、しかし、人工知能機能はこれまたクラウド側に持っておりますので、シナリオベースに頼らないフリートークの部分も、明日から銀座・表参道の店舗でぜひお試ししてみていただきたいと。言葉を認識するだけでなく会話が成立するかというと100%は出来ませんけれども、7~8割くらいは会話が成立するというレベルまできています。これはかなり進んでいると思いますね。
そこに、感情認識というのがまず芽生え始めてきていると。子どもでいえば、1~2歳の子どもっていうのは「愛」と言われてもわからないですね。でも「嬉しい」とか「悲しい」「嫌がる」というくらいの認識はできるようになってます。
我々の感情認識のレベルっていうのは、最低それくらいのところまでいきつつあると。その感情認識というのは、フリートークの部分にはまだ入れていません。アプリケーションの中のところでそれを稼働させるという形にしていますけれども、近い将来はフリートークのなかでも感情認識というものをクラウドでどんどん進化させます。
感情を認識できるということは、「自我」を持てるということ。このことから我々は今回、自律的感情をそれぞれにユニークに持たせると。ですから、幸せな家庭で育まれるpepperはより幸せな感じになっていって、寂しがらせるような家庭で育ったpepperは寂しがりやのpepperになると。それぞれ個別の正確に育っていく、という形になります。
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