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共同会長挨拶(全1記事)

川上量生氏「文化の重要さが認められた」 クールジャパン官民連携を堂々と宣言

12月15日、クールジャパン戦略の推進を図り、官民・業種を越えた連携を促進するために「クールジャパン官民連携プラットフォーム」が発足、会見が行われました。共同代表を務めるのは、政府からクールジャパン戦略担当大臣の島尻安伊子氏、民間代表としてカドカワの川上量生氏、パナソニックの長榮周作氏。三者が登壇し、これからの展望について挨拶を行いました。

クールジャパン戦略の推進に向けて

司会:それでは予定の時刻となりましたので、ただ今から「クールジャパン官民連携プラットフォーム設立総会」を開催いたします。

皆さま、本日はお忙しいなか、お集まりいただきましてありがとうございます。私、本日司会を務めさせていただきます内閣官房知的財産推進事務局のカワムラと申します。どうぞよろしくお願いいたします。

初めに共同会長よりご挨拶を頂戴いたします。まず政府側の代表である島尻クールジャパン戦略担当大臣よりご挨拶を頂戴いたします。島尻大臣、お願いいたします。

島尻安伊子氏(以下、島尻):皆さまこんにちは。クールジャパン戦略担当大臣の島尻安伊子でございます。

本日は皆さま大変にお忙しいなか、クールジャパン官民連携プラットフォームの設立総会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。たくさんの民間団体、企業、有識者の皆さまにお集まりいただき、担当大臣として大変にうれしく思っております。

第二次安倍内閣でクールジャパン戦略担当大臣が設置されて以降、私で3代目の大臣となります。今やクールジャパンという言葉は一般の方々にも広く認知されるようになりました。

さらに2020年東京オリンピック、パラリンピック競技大会を機に、世界の注目が日本に向かってきております。この千載一隅のチャンスを生かしてクールジャパンをさらに世界に広めていくには、官民連携や異業種連携など連携というものが重要なキーワードになると考えております。

高い技術力に裏打ちされたテクノロジーや日本食、伝統工芸、デザイン、ファッション、さらにはアニメや漫画を初めとするコンテンツは、これまでも海外からクールという言葉で高い評価を頂いております。

今後はさらに、例えばテクノロジーと伝統工芸、観光と音楽、食とデザインなど分野を越えてさまざまな業種の方々が連携をすれば、もっと価値を高めることができる、もっと日本ファンを広げることができる、そしてもっとビジネスチャンスを広げることができるというように、これまで以上の拡がりを実現できるのではないでしょうか。

このプラットフォームを官民や異業種の出会いの場として活用しつつ、それぞれが持つ知識あるいはノウハウを持ち寄ることで、これまでにない価値を創造していきたいと考えております。

このプラットフォームの設立をきっかけとして、クールジャパンをともに盛り上げてまいりましょう。どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

司会:島尻大臣、ありがとうございました。

文化の力が認められた出来事

続きまして民間側の代表として、カドカワ株式会社代表取締役社長、川上さま。そしてパナソニック株式会社代表取締役会長、長榮さまのお二人よりご挨拶を頂戴いたします。

まず川上さま、お願いいたします。

川上量生氏(以下、川上):このたび、共同会長を務めさせていただきます、カドカワの川上でございます。

本来、私がこのような場所にいるのはどうなのかな、と。実はこの話をお受けするときにも、私にはちょっと任が重過ぎると再三躊躇いたしましたが、そこに座っております弊社の角川歴彦の強い勧めというか指示によりまして、ここに立たせていただいてる次第です。若輩ながら精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

今回クールジャパン官民連携プラットフォーム、これが設立された意義につきまして、カドカワとして、我々がコンテンツ業界をある意味代表して発言させていただくとすると、これはやっと日本のなかで文化の重要さが世のなかに認められた、そういう出来事じゃないかなと思います。

日本というものは明治維新以来、そして戦後ずっと経済成長を続けてきたわけなのですが、そのなかでやはり、先進国のなかで唯一、アジアからの日本という存在が持っていた文化的な力が、実は潜在的には大きな日本の助けになっていたんじゃないかと思います。

ですが、実は経済として考えると、常にコンテンツ産業というものは規模が小さくて、その文化の力は、わりと数字的な面ではこれまではなかなか顧みられることがなかった。

ただコンテンツの持ってる影響力の強さは、ほかのものに比しても非常に大きなものがあります。海外の人にしても日本を知るときに何を知るかというと、まず日本の文化を通して日本というものを認識しているわけです。

そういう意味で文化の役割っていうのは、非常に影響力は大きい。ただし見かけの経済的な影響力は小さい。ですが、そのことによって実は日本の経済発展に大きな貢献を陰ながらしていた。そういったことがようやく認められたのじゃないかなと思います。

そしてなぜこのタイミングなのかといいますと、おそらく思うに、おそらくアジアから先進国への注目というのがもはや日本だけとは今言えないんじゃないかなと思います。

すでに韓流ブームというのが日本でも起こっていますが、これは東南アジアで見ましてもやはり韓国のことをかっこいいと言って韓国の家電品を買うような人たちが増えています。そういったこと、日本もここで文化の持つ役割について遅ればせながら必要性に目覚めて気付いたことが、今日のような会につながったのじゃないかと思います。

コンテンツというものは非常に影響力を持っている。しかし、それ単体では日本にとっては微々たる力しかございません。

今回、いろいろな産業、日本のあらゆる産業がコンテンツ産業、日本の文化と結びついて、そして官とも結びついて発信できる機会ができたのは大変にいいことじゃないかと思っています。

ここから新しい動きが起こることを期待しています。以上です。

司会:川上さま、ありがとうございました。

日本の憧れの生活を体験してほしい

続きまして長榮さま、よろしくお願いいたします。

長榮周作氏(以下、長榮):ただ今、ご紹介を頂きました共同会長を拝命をいたしました、パナソニックの長榮でございます。

クールジャパンとパナソニック、この組み合わせは最も相容れない関係ではないかと思われてる方も多いと思うんですけども、私どもは1918年に創業いたしました、今大阪に本社を置いております電機メーカーでございます。

皆さまにとりましてはおそらく今ブランドが変わりましたけども、昔の「明るいナショナル」というコマーシャルソング、あるいは水戸黄門の番組の提供者ということで覚えておられる方も多いかと思います。

どうしてもパナソニックといいますと、テレビを始めといたします白物家電、こういったメーカーではないかと思われているんですけども、実は今、家電のウエイトというのは20数パーセントしかございません。

今は住宅、それから社債、それからB to Bソリューション、デバイス、それから家電とこの5つの分野に力を入れて2018年、3年後に100周年を迎えるんですけども、そこで10兆円を達成しようではないかと頑張っております。

とは言いましても、我々のDNAといいますのは家電でございます。最近、Jコンセプトという商品を出しました。

これは白物家電なんですが、いわゆる50代、60代、我々は目利き世代とお呼びしているんですけども、こういう方々に対しまして機能とデザインを徹底した、そういった商品を出して好評を得ております。

そして我々はグローバルには、特にASEANでこの家電をもっともっと広めていこうということで活動しております。そちらに対しましてはメイドインジャパン、これを訴求していこうではないかと。

日本の品質とか技術とか、あるいはサービス。こういったものを前面に押し出して、そしてASEANの皆さま方に日本の憧れの生活を体験してもらおう、と。こんなコンセプトで現在進めております。

少し話は変わるんですけど、私どもの創業者は、松下幸之助でございます。この創業者が1954年、今から60数年前なんですが『観光立国の弁』という随筆を書いております。

これによりますと、日本には景観の美、自然の美しさ、加えて四季折々の装いがある。いわゆる埋蔵資源、石炭とか石油とかこういったものが日本にはありませんけども、これはそれに勝るとも劣らない日本の資源であると。したがって日本の繁栄はこの観光を中心にするべきだということを60数年前に言っております。

今回このクールジャパンに参加をさせていただきまして、まさに今がそのときではないかなという思いを強くしております。

そんなことで日本の美しさあるいは文化、こういったものをこのプラットフォームで皆さんと一緒に共有をして、そして世界中の人々に発信をしてファンになっていただき、そして日本にどんどん来ていただくと。

こんなことの少しでも手助けができればなという思いでこれから頑張ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

司会:長榮さま、ありがとうございました。

年2回、マッチングフォーラムを開催

続きまして本プラットフォームの活動内容につきまして、知的財産戦略推進事務局事務局長の横尾よりご説明いたします。

横尾氏:事務局からご説明をさせていただきます。

お手もとの封筒の資料、資料1に概括的なことが書いてございます。

今回このプラットフォームには関係府省、副大臣、政務官と関係機関、それから民間団体45団体、民間企業、機関、個人、33企業、機関23名の方にご出席をご参加を頂いております。

またこのプラットフォーム設立を提言しましたクールジャパンの戦略推進会議の民間有識者の皆さんには、アドバイザリーボードになっていただいております。

前方スクリーン、資料2でございますが、今後の具体的な活動のイメージです。まずこの総会は年1回程度開催をしたいと思っております。そして、必要に応じて分科会を設けたいということでございます。

2番目にありますのがこのプラットフォームで考える一番大きいイベントとして、マッチングフォーラム。まさに異業種が連携をしてビジネスを作っていく場をということで年2回、春秋ぐらいの開催を考えています。

これにあたっては、ほかのイベントとの連携も重要ですので、例えば10月は東京国際映画祭はじめフェスタということで大きいイベントの月間でございます。その機会に合わせてマッチングフォーラムを開催するのがいいのかなと思っています。

それから3番目でございますが、定常的な活動として例えばポータルサイトやSNS等を活用して官民のいろんな情報の共有、交歓を行う。それから定例的にミニワークショップを開催をしてより知見を高め合う。

さらには民間の団体等でいろんなマッチングのイベントをされていますので、それに対して協力を行うといった内容を考えています。

これは現在、事務局で考えている内容でございますので、皆さま方からいろんなアイデアを頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

いずれにいたしましても、このプラットフォームは言ってみれば、まさに文字どおりのプラットフォームでございますので、これをベースに日本全体で官それから民、異業種合わせていろんなクールジャパンを推進するビジネスのプロジェクトが組成できるように、一緒になって頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

司会:ありがとうございました。

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