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大阪ダブル選挙 松井一郎氏・吉村洋文氏当選記者会見(全5記事)

「大阪を副首都にする」松井府知事と吉村新市長が脱・東京一極集中にこだわる理由

2015年11月22日に大阪府知事選挙、大阪市長選挙のダブル選が行われました。投票の結果、大阪府知事には大阪維新の会・松井一郎氏が再選、橋下徹市長の後任となる大阪市長には大阪維新の会・吉村洋文氏が初当選しました。松井氏と吉村氏は、大阪都構想の修正案の議論を進めていくための、議会との対話協調路線の方針や「大阪副首都化」をかかげる理由について語りました。

議会との同意形成を目指した、対話協調路線

記者13:朝日新聞のフジタです。選挙選どうもお疲れさまでした。吉村さんにお伺いしたいんですけれども、街頭演説で最後のほうに「橋下市長を乗り越えていく」ということを繰り返しおっしゃってましたけれども、都構想であったり、統合案件であったり、いろいろ課題はあると思うんですが、まずはどういったところから手をつけていきたいとお考えでしょうか?

吉村洋文氏(以下、吉村):スタートダッシュをしっかりやっていくというので、優先順位というわけではないんですけれども、できなかったところ、止まっているところというのは引き続き進めていきたいと思ってます。

記者13:具体的にどういうところからというのは、これから考えていくということですか?

吉村:いや、市政というのは常に動いてますから。例えば、給食の話であれば給食で並行してやらなきゃいけないですし、都構想を修正する議論というのも、当然並行してやっていかないといけないですから。

あとは、議会の同意がいるような事項については、議会のみなさんとの意見というか、そういったタイミングはちゃんと考えてやりますけれども、できるところから取り組んでいきます。

記者13:それから、出馬会見のときに「これから対話の協調路線でやっていく」、「粘り強い同意形成をやっていく」ということもおっしゃってましたけども、これは具体的にどういうことをされていくお考えでしょうか?

吉村:議会との交渉というのは、いろんなやり方があります。あらゆる手法を尽くして議会との交渉をやって、こちらも修正しなきゃいけないところは修正しないといけないと思うんですけれども、今よりも一歩でも二歩でもいいものをつくっていくというやり方でやっていきます。

正解はないんですよ。やはり議会の同意を得ていくということは、簡単な作業じゃないですから。それを粘り強くやっていく。それは僕自身、議会にいてましたんでね。ですので、そういういろんなやり方を使いながらやっていきたいと思ってます。

記者13:ありがとうございます。

内外にアピールしたい大阪の強み

記者14:日本経済新聞のタネダと申します。まず、吉村さんにお尋ねします。先ほど、まず大阪経済をよくしなければいけないということで、いくつかの資源を列挙されましたけども、特に優先順位のようなものはないのでしょうか?

吉村:特に優先順位というのは考えてないですけれども、大阪の持ってるポテンシャルを外に発信するというのは、積極的にやっていきたいなと思ってます。観光もそうですし、技術もそうですし、特区でもいろんなこともやってますしね。新型のエネルギーの分野だったり、ライフサイエンスの事業であったり、 それを広げていくには当然国とのセッションもいりますが、内外に大阪のいいところをどんどん出していかないと、やはり企業が大阪に来てもらわないといけないと思ってます。

今、橋下、松井改革をやってから転入企業と転出企業の差というのは、半分ぐらいに減ってきてるんですけども、まだ転出企業のほうが数が60社ぐらい多いということになっていますので。

そこを積極的なトップセールスをやっていって、大阪の強みというのを出していかないといけないと思いますし。例えば、ベイエリアの開発だってそうだと思うんですよね。

大阪の強みというのをどんどんやっていかないと、他都市にも取り残されていきますしね。府市一体で進めていきたいと思ってます。

記者14:松井知事にお尋ねします。橋下市長と一緒に作られた成長戦略を、今後も着々と進めていかれると思いますが、2期目で特に強調、強化したい部分。大阪経済の弱みがあるとすればどうやってそれを補充していくか教えて下さい。

松井:これは、これから吉村新市長と進めていきますけども、今うまくいってる部分は観光戦略ですね。2020年目標に、外国人旅行者650万人という目標を立ててましたけども、今年2015年でこれを大幅にクリアできそうなんで、この目標を吉村新市長と一緒に上げていきたい、2020年は1,000万人へとその目標を上方修正をしたいと。

10年計画ですから、橋下、松井でつくった計画を今度、吉村新市長と一緒に上方修正をしていく。あとは今、吉村新市長も言われるように、大阪の技術力、ものづくりの部分をバックアップしていくというところでやりたいと思ってます。

今、まさに議会に提案してますけども、産技研と市工研の統合で中小のものづくり製造業のみなさん方の開発力をしっかりサポートできる、スーパー公設試験所で研究分野を充実をさせて、ものづくり事業者を応援したいと思ってます。

記者14:ありがとうござまいました。

維新の党の大勝と大阪の民意

記者15:NHKのノガミと申します。都構想の話に戻るんですが、都構想について自民党も同時に会見をやってるわけなんですけども、その中で府議団の幹部が、「今回の結果を受けて都構想についての民意をしっかり尊重をする」という発言をしたということなんですね。

この発言を受けて、先ほど松井幹事長からすぐにでも他会派と協議したいというお話もありましたけれども、改めてどのように他会派と協議を進めていこうとお考えでしょうか?

松井:それは自民党としての意見でしょうか? 府議団だけじゃだめなんです。市議団とまとまって、意見をおっしゃっていただけているのかどうかが一番重要なところです。まず、大阪の自民党として意見をまとめてもらいたいと。それが正式に大阪の自民党、府議団、市議団の意見だということであれば歓迎したいと思いますね。

記者15:ありがとうございます。

記者16:読売新聞のフジワラです。お二人にお尋ねしたいと思います。先ほども一部出た質問なんですけども、自民党の推薦候補を民主党と共産党が自主的に支援したということについて、お二人とも選挙戦で激しく批判をされてきたと思いますが、今回の選挙結果は恐らく票差がかなり開いて大勝と言っていいぐらいの票差になる可能性も高いですけれども、このことが選挙結果に与えた影響についてはどうお感じになってますか?

松井:自民党と共産党が選挙において政策協議なしで一致してるというのは、有権者には一番わかりにくいし、有権者から見たらおかしいという感覚になると思いますよ。

記者16:吉村さんお願いします。

吉村:有権者の方からすると、大阪をよりよくしてほしいという思いが強いと思うんですよ。活動してても「ええ大阪にしてや!」という声がやっぱり多いんですね。そういった中で、政治家同士の野合、政治家のルールで物事を決めていこうという時代じゃなく、大阪の市民、府民のみなさんは、「もうそういうのはいいよ」、「政策理念を進めてくれ」と言う意見や声が多かったんじゃないのかなと思ってますね。

記者16:それから、お二人が当選されても大阪会議は会議体として事実存続してると思うんですが、これについては今時点でどうお考えですか?

松井:条例で設置されてますから、そのままの状況でしょうね。そのままの状態で、会議体としては残るということでしょう。でも、今の状況を見れば、この会議体は建設的な理論ができるような状況ではないと思います。

吉村:会議はあるわけですから、提案されてる自民党さんが基本ベースにされてますので、これからどうされるのか、我々はその意見を聞いて、判断していきたいなと思ってます。

大阪の副首都化が必要な理由

記者16:今回のダブル選では、大阪では維新の会に対して大きな民意が引き続きあるということが実証された形になるかと思うんですけども、次の大きな選挙というのは、来年の夏に参議院選挙があります。

大阪での擁立方針および、新党もつくりましたので、近畿を含めた全国的な擁立について、今時点でどういうふうに考えてるか。松井幹事長お願いします。

松井:これは戦略的な話ですから、今ここでみなさん方に手の内を明かすような話ではありません。橋下代表と、退任されるまで時間ありますから、代表と執行部としていろんな戦略を練って来年の参議院選挙で勝てる戦いをしたいと思います。

記者16:最後にもう一点お願いします。マニフェストでもそうですけども、選挙中に、「大阪を副首都にする」という訴えをされてきたと思いますが、法整備が必要なものも絡んでくると思うんですけども、時期的なものも含めて、どういう手順で進めていくか教えて下さい。

松井:これも今の片山(さつき)参議院議員のほうに、「法案を提出する準備をしてほしい」ということで伝えています。実は、首都自体も法律で明確に位置づけられているわけではないんですよね。

だから、やっぱりそういうところを法律でしっかりと明確に位置づけていって、日本の危機管理の点から言っても、首都、副首都という位置づけが必要だということを国会において訴えていきたいと思います。

吉村:これは、大阪の成長もそうですけど、日本の将来のあり方を考えたときに、私はやっぱり大阪の副首都化が大切だというのは、選挙のときも言いましたし、今でもそう思ってます。

ただ、これは国政課題にもなってきますので、国政のほうで進めていく話にはなるんですが、平仮名、おおさか維新の会の中の1つの大きな目玉と言ったら正しいかどうかわかりませんけども、首都をきちんと定めて、副首都を大阪に定める二極をつくるというのは平仮名、おおさか維新の会の大きな政策の部分においては、極めて重要な部分として積極的に打ち出していくということになると思います。

記者16:わかりました。ありがとうございました。

記者17:TBSのタケダです。さっきお二人はちょうど背中の壁の向こうから出てきたようにお見受けしたんですけども、橋下市長はそのときに後ろにいらっしゃったっていうことでよろしいんでしょうか?

松井:そうです。

記者17:今もいらっしゃる……?

松井:いや、もう自宅に向けて出たんじゃないですか? いろいろと記者の質問を受けて、「また変なこと聞いてるな」とか、チェックしてると思いますね。

記者17:先ほど(橋下さんと)「今日がスタートだ」という話をされたというふうにお話になってましたけども、他には橋下さんとは何かお話をされましたか?

松井:やっぱり維新の会の、今回の選挙で中心になって支えてくれた、全国から来ていただいてるサポーターのみなさん、このみなさん方の支援があったからここその戦いができたなということは代表がおっしゃってました。

記者17:あと、すみません。知事にお尋ねしますけども、先ほど橋下さんは「いったん政界を引退する」とおっしゃった。5月のときは「いったん」という言葉はご本人から無かったような記憶があるんですけども、私東京にいるもんですから「いったん」と言われると「いつか来るんかいな」と思うんです。

松井:大阪では、私人に戻った後の人生を記者のみなさんにどうのこうの言われる筋合いはないと何度も発言してますよ。だから「いったん、私人に戻るけど、それ以降、どういう人生を歩むのかはもう自由にさせていただく」と大阪で言ってますのでね。ぜひ、関西版の新聞も読んでいただいたらありがたいなと思いますね。

記者17:ありがとうございます。

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