
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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吉松徹郎(以下、吉松):実は今年2015年は私たちにとって非常に重要な年でした。上場後発表させていただいた3カ年中期計画の3年目に当たる年です。発表させていただいた当時はまだ売上高50億円をようやく越えた頃です。
売上高100億円、営業利益10億円を目標にこの3年間邁進して参りました。おかげさまで事業計画のほうも順調に進捗し、市場からも今年に入って、高い評価をいただいております。
それと同時に最近「次の@cosmeはどうなっていくの?」「アイスタイルはどのように変わっていくんですか?」と、多くの質問を受けるようになりました。今日はここにお集まりいただいた皆さんとともに、@cosmeのリアルな姿を共有し、アイスタイルについての理解を深めていただければと思います。
今日が終わった後には、アイスタイルについては「私が一番知ってるよ」と皆さんに言っていただけることが、私にとって一番嬉しいことです。
吉松:ではアイスタイル。前にちょうどロゴが出ておりますがどういう会社でしょうか。最初に出てくるのは@cosmeです。私たちにとっては最初のサービスであり、今でも重要なサービスの1つです。ただアイスタイルは皆さんがご存知のように、@cosmeを企画運営するだけの会社ではございません。
変化するITの力を使って生活者を取り巻く、進化するテクノロジーの力を使ってビューティー業界の変革をリードしている会社です。新しい美容業界をリードしていく会社でありたいと私たちは思っております。
そのために今日は2つのことをお話させていただきたいと思います。1つがビューティープラットフォーム構想。そしてもう1つがグローバル展開についてです。
これは私たちにとって非常に重要な2つの柱になります。これからのアイスタイルを描いていくための大事な指針になりますので、ぜひ皆さんと共有をして理解を深めていただきたいと思います。この2つのことをお話させていただく前に、これまでのアイスタイルについて振り返っていきたいと思います。
吉松:アイスタイルができたのは1992年です。今から16年前、この会社はスタートしました。きっかけは1つのメールでした。弊社の取締役である山田がまだ化粧品メーカーに勤めていた際に、「インターネットには化粧品に関する情報が少ないね」「もっとユーザーの声を反映したような情報があったらいいのに」。そう言って始めたのが週刊コスメ通信でした。
当時女性のインターネット利用率は1.2パーセントでした。実際にあるメーカーさんに行った時には、インターネットをする人は化粧品をするの?と言われたことがありました。ただその時のメールマガジンに対するユーザーの反応や、そこに帰ってくるユーザーの声を見て、これは世の中が変わるかもしれないと思い、一緒に作ってきたのが@cosmeです。
今は口コミサイトがたくさん増えました。Amazon.comや食べログなどいろいろなサイトがあります。ただ当時は口コミサイトといっても、まだ日本にはありません。
「これから口コミサイトを始めるのです」とメーカーの人に電話をしても、ないものをイメージしていただくのは本当に難しかったのです。
すべてのメーカーさん、ブランドさんに電話して、写真情報を説明しながら廻って、15年かけて少しずつ進化してきました。
吉松:結果、今では月間1200万人の方に使っていただけるサイトになりました。20代、30代の女性のうち、3人に1人は毎月使っていただいております。口コミも1200万件を超えて、協力いただけるブランドも3万ブランド近く。登録されている商品も25万商品を大きく超えています。
15年前にスタートしたものがユーザーの購買行動に大きく寄与してくるようになりました。ユーザーの声をまとめてより新しい世界を築いていきたい。今年も12月2日に発表しますが、ベストコスメ大賞というのも2005年からスタートしております。
eコマースも同じ年の2005年からスタートをいたしました。まだまだ化粧品のeコマースが進んでいない状態です。どうなっていくのか私たちも手探りの中スタートしたのがこのeコマースです。同時に私たちはいち早く「ネットからリアルに」ということに挑戦してきております。
私たちがやりたかったのは生活者の声を市場に反映するということです。ですので、Webに集まったインターネットを介した口コミの声をいち早く本にしていったのも私たちアイスタイル、@cosmeでした。
店頭への挑戦も2003年、2004年からスタートしております。最初は@cosmeのランキングの棚を作ったところから始めました。それから商品のPOPを手書きで貼っていったり、バーコードを読んで店頭で口コミが見れるということもやっておりました。非常に早かったと思います。そういったことを1つ1つ積み重ねて、今の@cosmeストアが新宿店からスタートしました。
吉松:それこそ最初にスタートする時は、いろいろとメーカーの方からも反対を受けました。「化粧品店をやるんです」というと、「吉松さんは化粧品を売ったことがあるんですか?」「化粧品を買ったことがあるんですか?」とだいぶ言われました。
「いや全然ないんです」と言うと先輩から、「吉松君さあ、化粧品なめてるんじゃないの」などと言われたこともあります。
ただ大事だったのは、ユーザーの声を素直に反映する店舗です。それから8年たち、去年ようやく年間の売上が10億円を超えました。いま日本の中で一番売っている化粧品専門店は、実は@cosmeストアです。
Webでも一番のユーザーの声が反映されるサイトを作り、リアルでもユーザーが一番買ってくれるお店をつくりました。このお店もいま東京で6店舗、つい先日溝の口で新しい店舗を作りました。大阪でも心斎橋でお店を作って、計7店舗で運営をしております。
@cosmeというサイトからスタートして、そしてネットからリアル、いろいろな多岐にわたる事業展開をしております。
吉松:現在アイスタイルという会社はどうなっているか。実はアイスタイル中心に全11社の会社で成り立っているのがアイスタイルというグループです。
私たちも今回初めて作ったのでなかなかお見せする機会がなかったのですが、いまお話にありましたeコマースをやってるコスメ・コム。そしてその上の@cosmeをやっているコスメネクスト。
そしてタウン情報を紹介しているアイスタイルビューティーソリューションズ。美容業界の人材の課題にもトライしています。アイスタイルキャリアという会社もつくりました。
つい先日、PR事業としてメディアグローブにも私達のグループに参加をしていただきました。投資事業もiSG インベストメントワークスという形で積極的に投資をして、いまではシリコンバレーの会社にも出資をしております。
海外に関しても積極的に展開をしております。今年に入り海外進出事業としてアイスタイルトレーディングをつくりました。海外もアイスタイルグローバル。シンガポール、香港、そしてアイスタイルチャイナ。いま3拠点で展開をしております。
売上高も会社をつくった1年目は90万円だったのが、ようやく今年100億円を超えるまでになってきました。
吉松:生活者の変化とともに歩んできた、この15年でした。アイスタイルを取り巻く環境も、もっと早い変化を私たちはしていくのではないかと私たちは思っております。現在、国内の化粧品の市場規模は小売末端で約2.3兆円です。
実はこの市場、5年、10年、皆さんもご存知の通り、実は20年変わっていません。まったく変わっていないのです。一方で実はプレイヤー間の競争は非常に激化しております。10年前、20年前、それこそ大手トップ10社が市場の多くのシェアを占めておりました。
ところが数年前、例えばトップ10社の大手の売上高が仮に500億円下がったとします。でも市場の規模は変わっていない。何が起きているのか。極端に言えば、1億円売上高を上げるブランドが500増えたということを示しています。
昔の勝ちパターンが通用しなくなってきたのが、この化粧品業界です。理由はいろいろあると思います。例えば商品・サービス1つ見てもそうです。昔は化粧水や美容液、リップ、ある程度カテゴリーが決まっておりました。いま@cosmeに登録されているカテゴリだけでも300を越えます。
流通も大きく変わりました。デパートが化粧品専門店だったのに、ドラッグストアが台頭して、ディスカウントストアでも多くの化粧品が売られるようになりました。コンビニエンスストアでも化粧品がどんどんシェアを大きくしております。
そこに加えてeコマースも展開されるようになりました。情報も生活者とブランドをつなぐものが、雑誌やテレビなどのマスメディアが中心でした。しかしいまではそこWebが加わり、デバイスも多く、スマホやPCやタブレットどんどん変わってきております。
情報を発信する人も美容ライターに加えて、読者モデルや、ブロガーなどいろいろな人がいろいろな情報を発信するようになりました。
商品、サービス、流通も情報も複雑化する一方です。それがますます絡み合っているわけですから、この複雑化の傾向はもっともっと進みます。よくメーカーの方が「最近自分たちのお客様の顔が見えないんだよね」とおっしゃいます。これだけ複雑化してしまえば、いままでのやり方では見えなくなるのが当たり前です。
吉松:じゃあ私たちアイスタイルのサービスはどうなのか。実は私たちのサービスも、ユーザーのニーズに合わせてどんどんいろいろなサービスを展開してきた結果、多くのサービスが揃うようになり、結果としてユーザーにとってわかりにくくなってるのではないかと私は思っています。
ここにもあるように@cosmeを中心に、ストアや本だけではなくQ&Aサイトや、お得な情報や検索サイトなどいろいろなものを提供して参りました。いま一度、私たち自身ももう一度ユーザーの視点に立ち返って、利便性を考えた時に、実はこの複雑化したサービスはもっとシンプルになるのではないかと思います。
「もっとユーザーの視点であるべきサービスを作っていこう」ということで、我々はこれらを使ったサービスを1つの@cosmeとして整理統合して行こうと思っております。言うなれば@cosmeをもう一度つくり直していこうと思っております。
このときに重要になってくる考え方が今日お話をさせていただきたい1つ目のポイントである、ビューティープラットフォーム構想です。
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