2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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記者10:住民はより具体的な不安として感じるわけですよね? これまで(杭打ちしたの)は3,000棟って、全国で3,000棟なのか。そういう不安に対して、どう解消しようとしてるんでしょうか?
平居正仁氏(以下、平居):それはもう、先ほど申し上げましたように、「今まで建てたの、全部大丈夫ですからね」と。こんなこと言ったところで、何の対処にもなりませんから。
きちっと状態を調べて、調べた結果をできるだけ早くお伝えしていくということを繰り返していくかなと思っております。
記者11:朝日新聞のクドウと申します。今回のこの現場代理人の方、この方が3,000の中で、だいたいでも構いませんので、どれぐらいの案件に関わってきたのか。
それで、ここだけでしかこういった転用をしなかったのか、それともその他でもやっていたとお考えなのか。またこの人だけじゃなくて、同じようなことをしている方が他にもいると見ているのか、そうではないのか。この方の個人的な問題なのかどうか。お聞かせください。
平居:その点については、まだ調査中であるとしか申し上げられませんが、もし今回の案件において、杭の不具合を隠すためにデータを転用した、そういう故意が疑われるようなデータ転用をした「可能性がある」と今考えているのは、この現場代理人1人でありまして。
それ以外の代理人については、これまでのヒアリング調査その他に置いても、先ほどの本当に情けない、申し訳ない理由でデータを、レシートを無くしてしまった。
だから、そこの体裁を整えるために行ったものだと現在は考えておりますが、きちっと捜査を進めた上で、それがどのぐらい広がっているのか等々を含めて検討していきたい、対策を打っていきたいと考えております。
記者11:この代理人の方が担当したのって、この物件だけなんでしょうか?
平居:違います。違いますが、今その数字についても、まだ申し上げられる段階にないと考えております。捜査がもう少し進むまでお持ちください。
記者11:だいたいで構いませんけれども。例えば数十件なのか、それとも3,000件のうち、1,000件ぐらい関わってるとか?
平居:1,000件っていうことはありません!(笑)1,000件っていうことはありません。
記者11:100件ぐらいですか? どれぐらいでしょうか。
平居:できません!
記者12:日刊工業新聞のミズシマです。対策本部の概要についてお聞かせいただきたいんですが、10月19日付けで浅野さんを本部長とする対策本部を設置されたということなんですけれど。
この対策本部の人員構成であったり、ここで具体的にやること、もしくは浅野さんが本部長をされると思うんですが、信頼感を取り戻すためにコンプライアンス体制を見直すと、その徹底を図ってくとあるんですが。
浅野さんが考えられているコンプライアンス徹底の見直しと、その徹底っていう部分で、浅野さんが特にやりたいなって思ってることは何なのか教えてください。
浅野敏雄氏(以下、浅野):まず、この対策本部の人員等はまだ現在固まってはおりません。多くの旭化成の関係部署、もちろん旭化成建材もそうですが、そういうところの責任者、あるいは関係者がこの対策本部のもと、いろいろなことに当たっていくということになると思います。
まず対策本部の第一番の目的はお客様の信頼を勝ち取るというか、現在の居住されてる横浜のマンションの方々の安全、そして安心を取り戻すというための作業、それが最優先課題であります。
それには、「なぜマンションが傾いているのか?」「なぜこうなったのか?」という原因究明。これなくしてありえませんので、そこを徹底してまいりたいと考えております。
コンプライアンス体制の確保に関しましては、もう少し実態解明してからになると思いますが、まず考えておりますのは「工事の品質」あるいは「製品の品質」、そういうものの確保に対してもう少し力を入れるというか、横串をとおして品質に関するいろいろな観点からみんなが力を入れていくというようなことを次の中では考えていきたいと思います。
コンプライアンス体制に関しては、まだまだ、いろいろやることはあると思っていますが、それはもう少しお時間をいただきたいという具合に考えております。
記者13:住んでるいる方の今後ケアのお話をお伺いしたいんですが、先ほどから「建て替えなどがあった場合に費用は全額保証する」というお話が出ていますけれども、今回のマンション、家族連れの方が大変多く住んでるマンションかと思います。
実際に「お子さんが通ってる学校の学区が変わるので引っ越しをしたくない」というような声もきいております。
そういった住んでいる方の今後の生活基盤のケアなどについて、費用面以外でどのようなことをお考えなのかお答えいただきたいと思います。
そしてもう1点、住民説明会を全て終えての今日、説明会後の会見と伺っていますが、実際に住民の方からどのような声が挙がっていたのかということもお教えいただければと思います。お願いします。
平居:ケアの問題その他、現在のお住まいのお客様に対する対応については、三井不動産レジデンシャルさまが窓口で、三井不動産レジデンシャルさまが主体的に行っていく行為でありまして、私どもはそれに口を出すという話ではありません。
結果として、販売会社さんと、ゼネコンさんと、元請けさんと、我々とどんなふうに協力しながら安心安全を回復していくのかっていうことを真摯に話し合っていくのが私たちの立場でありまして。
現時点にお住いのお客様に対する対応の基本は三井不動産レジデンシャルさま、販売会社さまにあると考えております。
前田富弘氏(以下、前田):住民説明会は、私のほうで最終日の説明会に出させていただきました。その中で、例えば本件における「なぜ、これが起きたんだ?」というふうなご質問。先ほどのようにみなさま方がご質問されているような内容も当然出ました。
また、私どもがチェックをしたという施工報告書。これについて、現状は今、私どもで相当精査をいたしましたけれども、現場では電流計データの転用を過失が行われてるのが38本。
それから流量計データの転用過失が行われているのが45本。重複してるものを除きますと、70本という、この私どもの内部調査では「不十分ではないか」というふうのお話が出ました。
これに対して私どもといたしましては、第三者の方を入れた調査をしっかり今後やらしていただくと、こういういうようなお話をさせていただきました。
それからもう1点は、今回の、先ほど6、7名のチームということになっておりますけれども、特にこのデータといいますか、施工報告書のデータの転用等を行ったのは現場代理人でございます。
この現場代理人に対するヒアリング、それから特にこの施工を担当していたのはオペレーター。杭を担当していたのはオペレーターでございまして、相当な時間、弁護士さんを入れたヒアリングを行っておりますけれども、それでもやはり内部の人間がヒアリングを行っただけでは不十分ではないかと、こういうご指摘がございまして。
これについても、第三者の方を入れた調査委員会といいますか、調査を行うということを住民の方に約束をさせていただいたと。こういうことでございます。
記者13:すみません。ちょっと今の点で、その説明を聞かれて住人の方は納得されていましたでしょうか?
前田:「その説明」と言いますのは、調査委員会を立ち上げるということでございますか?
記者13:はい。
前田:もちろん「調査委員会を立ち上げてくれ」というふうな、「内部では調査は信用できない」ということでしたので、住民の方々のご要望があったものですから、我々にそれにお答えをしたと、こういうことでございます。
記者14:日刊不動通信のタナカと申します。どうぞよろしくお願いいたします。今回のデータの転用等が判明した理由なんですけれども、販売会社による三井不動産レジデンシャルから何らかのコストであったり、スケジュールの圧力というのはあったかどうかっていうのはいかがなんでしょうか?
平居:そのような認識はしておりません。もちろんこれから調査していきますが、10年前の話でございますけど、当時は確かに仕事が忙しくて、工期っていうことについてはナーバスだったかもしれませんが、それはこれから調査をしてまいります。
記者15:AERA編集部のサクタと申します。現場代理人に最初にヒアリングをしたのはいつでしょうか? それから延べ、相当な時間っていうのをおっしゃってたんですが、延べ何時間ぐらい、何十時間ぐらいをヒアリングをしたんでしょうか。
それと原因が、「隠蔽を意図して、故意にデータを転用したのが現場代理人1人だけ」っていうふうにおっしゃっていましたが、今回の原因は現場代理人1人の個人的な問題だったとお考えでしょうか。それとも組織的にも何か瑕疵(かし)があったとお考えでしょうか。その点をお聞かせください。
前田:一番最初にヒアリングをしたのは、先ほどお話ししましたように、私どもが三井住友建設さまから正式に「改ざん」ということを伝えていただいたのが9月24日。直後、24日か25日だと思いますけれども、そこから現場代理人に対してのヒアリングを行っております。
私が知ってる限り22時間……、22時間っていうのは私が覚えてるデータなんですけれども、その後、さらにヒアリングしてるということなんですけれども、最低22時間はヒアリング。
全て弁護士さんじゃございません。私ども社員のヒアリング含めて、現場代理人には22時間ヒアリングをさせていただいてると、こういうことでございます。
記者15:原因がヒアリングは現場代理人が隠蔽を意図してやったというふうにお考えなのか、それとも組織的に何か問題があったというふうには。
前田:それは現在調査中でございます。
平居:そこは本当に大事なところでして、本人は「支持層の電流計はちゃんと跳ねた、支持層はちゃんと到達した」とこう言ってるわけです。ですからその本人の言い分についてもきちっと調べる意味でも、この杭が実際にどうなってるのか。彼の言い分が正しければ隠蔽したっていうことにはなりませんし。
もし今、想像しているようにあそこに沈みが出ているからには、あそこに何らかの問題が発生しているんだろうと。じゃあなぜ、発生したんだろうと。ここをしっかり調べて、それは1つ想像しているように、彼が途中で十分でないまま仕事を辞めてしまったのか、それとも何か誤解があったのか、そんなことも含めて。
そこをきっちり調べない限り、今のご質問に対して1人が本当に故意でやったのか、組織的な問題だったのか、本当に故意があったんだろうか。単に誤認しただけかもしれない、そこも、すみません、まだわかりません。そこを調べたいんです。そこをしっかり調べれば、おのずと答えが出てくると思っています。
記者15:実際、さっきおっしゃったのは、少なくとも現場代理人は1人しか隠蔽の意図を持って。
平居:違います。隠蔽の意図を持っている可能性があるとすればその1人しか、今のところ。
記者15:ほかの現場代理人はそういうことは一切ないと。
平居:ほかの代理人が、要するに今日現在で彼らのやった行為、彼が仕事してきた中で、先ほども申しましたけど3,000件の中で沈んでる物件はないですよね。
そういったことを考えたときに、そのような不具合があったのを隠したなんていう行動があったとは思えないんですね。
記者15:この人以外はということ?
平居:その人もやはりまだ本当の意味ではわかっていないんですよ。ただその人に関しては、「ひょっとしたら事実と違うことを言ってるかもしれないな」ということであります。その人に関しては。
だから、もし事実が明らかに、あくまでも可能性の問題ですけど、彼がやった物件についてはひょっとしたら同じように「何かを不具合を隠すって行動をしたかもしれない」という疑いがあるので、早めに調査していこうとか、そんなことは考えておりますが、とにかくそこの実態をはっきり調べたい。
それによって彼が証言してることが正しいのか嘘なのか。そこに嘘があったとすれば、個人だったのか、組織ぐるみだったのか。
嘘でなかったとすればどうなんだろう、ということも含めて、そこをはっきりさせなければ、この問題は下手すると間違った方向に進んでしまうかもしれませんので。そこはしっかり時間かけてでも丁寧に解明していきたいと。
記者15:現状、1人しかいないと。
平居:こんな言い方はあれですけど、傾いてる物件はありません。ですから、もしいたかもしれませんが、傾くほどの不具合は発生してはいない。きょう現在、我々が把握してる限りで恐縮ですけど。
だからもし、傾いてる物件この1件ですから、この物件の中にそれが起こっているとすれば、その人しか今のところ可能性がある人はいないという言い方ですけど、難しくて面倒くさくて、すみません。そういう意味です。
記者15:わかりました。
記者16:日刊スポーツのシミズと申します。質問させていただきます。現時点で想定される紛失、取得失敗の理由の中に(4)で病気で休んだときの引継ぎが不十分っていうのがございますけれども、当該代理人の方っていうのは、やった工事は何日から何日まで、何日間やってて、当該代理人の人が現場に来て、この配置図のここの席にいたのっていうのは何日間あったんですか?
この病気で休んだ時に別の代理人の方がいたのか、または代理人なしでオペレーターだけでやったことがあったのかとか、その辺の聞き取りができているのであれば教えてください。
平居:現在調査中でありますってことが一番正直な答えでありますが。
記者16:いや、22時間以上聞き取りをして、調査中ってことなんですか?
平居:いやいや、ちょっと待ってください。少なくとも今の話についていえば、代理人は、代理人いなくて施工したということはありません。必ず代わりの代理人が来ています。
で、その代わりの代理人と「引き継ぎが」っていう話がありましたけど、その代理人がやった仕事のペーパーをもらうとか、そういった行為がうまくいかなくて紛失してしまったなんてケースもあった。
記者16:代わりの代理人が来た日はあったわけですね?
平居:そうです、そうです。
記者16:それで、その人からペーパーをもらうのがうまくいかなかったというのは、どういうことを想定すればいいんですか?
平居:いや、それはだから想定でいうと、いろんな想定が立つんだと思いますけど。
記者16:その辺は具体的なお話は聞かれてない?
平居:先ほどから、何度も申し上げておりますけど、とにかく記憶でしか話ができていませんので。
記者16:何日間の工期で何日間出られたかっていうのはわかってますか?
平居:ちょっと待ってください。それはわかってる? すみません、今、詳しい話は控えさせていただきます。ほとんど現場にいたと思っていますけど。
記者16:ほとんどって、どのぐらい。
平居:ですから、すみません。正確な数字じゃなくて申し訳ないですが。
記者16:もともとの予定の工期と、実際の工期っていうのは何日間のズレが。
平居:もともとの予定の工期どおりに終わったと聞いてます。
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